宮嵜 幸志

コンテンツマーケティングとSEOは対立しない

コンテンツマーケティングとSEOは対立しない

コンテンツマーケティングを語る文脈で、「コンテンツマーケティングはSEOを殺した」とか「コンテンツマーケティングはSEOに取って代わるものだ」という論調を見ることがあります。コンテンツマーケティングとSEOは対立している概念なのでしょうか。本日はこの問いについて書いていきます。

コンテンツマーケティングとSEOは対立しない

コンテンツマーケティングはSEOとは競合しない

最初から結論を書いてしまいましたが、コンテンツマーケティングはSEOと競合するものではありません。

あなたが予算をコンテンツマーケティングに使うのか、SEOに使うのかと考えると対立構造になりますが、それは本質ではありません。今までSEOに使っていた費用をそのままコンテンツマーケティングに回せと言っているのではないのです。

そもそもコンテンツマーケティングとSEOの関係性は対立関係ではなく、SEOはコンテンツマーケティングの一部として考える必要があります。

そして、SEOに従事しているマーケターは、googleの仕様が刻々と変わっている今、コンテンツの重要性を認識していると思います。コンテンツマーケティングの視点でSEOを考える必要があります。長期的に考えると、「SEOの知識しかない」では生きていけなくなります。

また、従来のSEOを語る文脈では外部対策に偏重のマーケターが一部おり、いわゆるブラックハットSEOという概念があります。つまり、googleが禁止するペイドリンクを是とするSEOです。しかし、皆さんもご存知のように、googleのアルゴリズムの変更、特にパンダ・アップデートによる低品質のコンテンツの削除や、ペイドリンク業者、さらにリンク購入者への厳格なペナルティの危険があります。

上記のリスクがあるからと言ってSEO業者が淘汰される訳ではなく、リンクを購入する、自作自演のリンク群を作成することの効果は未だに認められていますが、今までサテライトサイトを作成するために費やしていた費用や、外部リンクを購入していた予算同様に、コンテンツの強化にも割いていくことは急務であると考えられます。

SEOとコンテンツマーケティングの融合

私たちがコンテンツを作る目的はなんでしょうか。それは、マーケティング活動を通じて顧客の購買活動に繋げ、利益を生み出すためです。そして、コンテンツの役割は、顧客を集めること、そして集めた顧客に購買を促すことの2点です。

コンテンツを作るというと、いわゆるコンテンツSEOと呼ばれるテールキーワードからの検索流入の増加を図る施策を中心に考える方をよく見かけますが、お客様を集めることがマーケティングの目的ではありません。

集めたお客様を購買に繋げる為に、興味を引きつけ説得、共感させるコンテンツ、さらにコンテンツの先にある商品の質、企業の対応。これら全てが顧客をエンゲージメントするコンテンツ構成要素であることを忘れてはいけません。

SEOとコンテンツマーケティングは別物ではなく、SEOにより検索から顧客を呼び込み、コンテンツによって顧客のエンゲージメントを高める。更にエンゲージメントが高まったことにより自然被リンクやサイト流入が増え、検索順の上昇やリピート顧客を生み出していく。これら全てがコンテンツマーケティングなのです。

 

まとめ

SEOは検索エンジンを中心としたマーケティングで、コンテンツマーケティングと言うとソーシャルメディア対策が中心と考えている方は多く見受けられます。コンテンツマーケティングという概念は、インバウンドマーケティング同様、まだまだ発展途上の分野である一方、SEOは広く根付いているために誤解されがちな部分があるようです。

重要なことは、検索エンジンからの流入を増やすことが目的ではなく、顧客満足を満たすサービスを提供し固定客へ導き利益を生み出していくことからぶれてはいけないということです。

顧客が求めている情報やサービスを適切に分析・提供し、分かりやすく的確に説明するコンテンツの作成と、最適な発信のチャネルを持ち、みなさんのサービスを世界中の顧客に教えてあげましょう。

マーケッターが知っておくべき8つの最新トレンド

マーケッターが知っておくべき8つの最新トレンド本日も米国Content Marketing Instituteから、コンテンツマーケティングを行うものが知っておくべき最新のトレンドについてまとめられた記事がありましたので紹介致します。「これは知ってる」というものから「え、そうなんですか!」というものまでありましたので、皆様にも参考になるかと思います。参考にした元の記事はこちら

モバイルインターネットはデスクトップよりも利用されています。今後はウェアラブルコンピューティングへと変化していくでしょう。基本的なビジネスプロセス、物流、生産、交通などが大きく変化しています。それにも関わらず、マーケッターはてきせつではなくなったばしょにお金をかけているのが現状です。

この時代の流れに取り残されないように、マーケッターとして知っておくべきトレンドを8個紹介します。

1.アメリカはインターネットの中心ではない

2012年末には24億人のインターネットユーザーがいましたが、一番インターネットユーザーが増加した国はどこでしょうか。イランです。世界の利用者数ランキングでは中国が5億6400万人で1位であり、アメリカは2億4400万人で10位です。日本は更に少ないということは明らかですね。

2.広告費が適切な場所に使われていない

人々がモバイルデバイスを使っている時間と、モバイルデバイスに投下されている広告費には大きなギャップがあります。私たちは12%の時間をモバイルデバイスに使っていますが、広告費となるとモバイルデバイスに使わているのはたったの3%です。印刷物の場合には6%の時間しか使っていないにも関わらず予算の23%が消費されています。

3.コンテンツは増加し続けている

世界中で作られたコンテンツの量は過去5年間で9倍になりました。更に2015年には現在の4倍になると言われています。

4.時間限定コンテンツがアツい

Snapchat(10秒などの指定時間のみ画像が閲覧できるメッセージサービス)がものすごく成長しており、4月には1日1億5000万個ものメッセージが投稿されています。これは2ヶ月前の2倍の数字です。

5.Google+は思っているよりも良い

今やFacebook、YouTube、Twitterに続く第4のソーシャルメディアとなっており、Twitterに迫っています。

6.モバイルは成長し続けている

モバイルのトラフィックは2009年には全トラフィックの1%に過ぎなかったのですが、今や15%を占めるようになっています。1年後には25%になると予測されています。中国ではモバイルのトラフィックがPCのトラフィックを上回っています。

7.ウェブは更に巨大なものになる

コンピュータの世代が変わるごとに(メインフレーム、ミニコンピュータ、PC、デスクトップインターネット、モバイルインターネット)、ユーザー数は増加してきました。ウェアラブルコンピューティングの時代にもこの傾向は続き、さらに多くの人々がWEBの世界に参加してくるでしょう。今はgoogle glassも使いものにならないと笑っている人たちがいますが、昔はPC、やモバイルインターネットも現実的ではなく笑われたものです。

8.技術者の量は十分ではない

米国の5つの企業(IBM、Intel、Microsoft、Oracle、Qualcomm)だけで10000もの求人が出ています。コンピュータの学士を求めている求人数122,300に対して、コンピュータ学士の卒業者数は51,474しかいません。これはアメリカの傾向であり、文系からプログラマーを育てられる日本とは違う面もありますが技術者不足という点は変わりありません。

まとめ

自分たちが生きている世界が今後どう変わっているかは常に知っておく必要があるでしょう。私達コンテンツマーケッターはこのWEBという領域の今後を見据えておくことはとても重要です。私自身もGoogle+が意外にも伸びていたとは知らず、この記事を読んで重要性を再確認しました。今何が起きていて、今後どうなるのか。というところは常に最新の情報を知っておきたいですね。このブログでも最新情報を紹介していきますので参考にしてください。

CMWの主催者であるJoe氏からアジア、日本のマーケッターへのメッセージ

インタビューに答えるJoe氏

Contents Marketing World Sydneyの主催者であるJoe Pulizzi氏にアジアのコンテンツマーケティング事例を踏まえて、今回のイベントに関してインタビューして参りました。 元はもちろん英語なのですが、和訳した上で皆様にお届けいたします。

アジアパシフィック地域では初開催となるContent Marketing World Sydneyは素晴らしい時間になりましたね。

私達は今回、沢山のコンテンツマーケティング事例を学び、マーケターが創りだした多くの独自コンテンツを目にしました。ペイドメディアが無くなることはありませんが、独自のコンテンツチャネルを持つことが重要なことに変わりはありません。
しかし実際に最も重要なことは、コンテンツマーケティング事例の裏にある戦略を把握することです。沢山のコンテンツが創られていますが、私達がもっとも気にしている点はアジアのマーケッターが、どんな戦略をもっているのか、顧客はどこにペインポイントをもち、情報のニーズ、ビジネスの目的は何なのか、そして、それらをどのようにうまくコンテンツに反映させていくのかを知ることが重要です。また、顧客だけを満足させるものではなく、すべての人を満足させるコンテンツである必要があります。

私たちはまだ戦略の背景を理解するには至っておらず、戦略に言及しているキーノートはわずかであったと思いますが、コンテンツマーケティングが広がるアジアで、このイベントを開催できて良かったと思っています。

Joe氏はイベントを振り返りながら、コンテンツマーケティングの事例の裏側にある戦略が重要であると示唆しています。実際のキーノートでは、戦略についての発表が少なかったことについて触れています。今回は戦略よりも作ったコンテンツの影響、結果などの共有が多かったように私達も感じていました。あくまでもコンテンツを作ることが目的ではなく、顧客のニーズを満たすもの、さらに顧客だけではなく全ての人たちに満足を与えることを戦略として組み込みコンテンツを作ることが重要であるという、見込み客も含めた視点はコンテンツマーケティングを語る上では非常に重要であることを教えてもらった気がします。

American Expressの事例から考える効果的なエンゲージメントの生み出し方

Robin James Patrick氏

引き続き、先日取材してきたContent Marketing World Sydneyのレポートを更新して参ります。

Robin James Patrick氏American Expressのセッションでは、同社が行っているコンテンツマーケティングの事例を紹介していました。その内容もとても興味深いものでしたので、ここで紹介いたします。セッションテーマは「BEHIND THE SCENES: American Express Content Marketing」、American Expressのコンテンツマーケティングの舞台裏というものです。

American Expressのマーケティングを統括しているRobin James Patrick氏からは実際に彼らが通ってきた道をリアルに聞くことができました。マーケティング担当者必見のセッションです。

スモールビジネスオーナー向けのウェブサイトを開設

THE BUSINESS ROOM

こちらはアメリカンエクスプレスのオーストラリア法人が開設しているスモールビジネスオーナー向けのウェブサイトです。内容を見ていくと、American Expressのサービス、商品には一切触れずに、スモールビジネスにとって有益な情報が数多く掲載されています。それはブランディングだったり、ソーシャルメディアの効果的な使い方だったり、ビジネスアイデアの育て方だったりするのですが、そこにはAmerican Expressの商品はおろか、資金調達などの話題すらもありません。内容も素晴らしく、ビジネスオーナーであれば是非チェックしたいというものになっています。

 

Facebookページの活用

American Expressのスモールビジネス向けfacebookページ

こちらはオーストラリアのAmerican Expressが運営しているスモールビジネス向けのfacebookページです。こちらも上記ウェブサイトと同様にAmerican Expressの商品などには一切触れずにビジネスオーナーにとって有益な情報を発信しています。
Facebookページにおいても、徹底的にビジネスオーナーに有益な情報を提供することで自社のエンゲージメントを高めるという手法をとっていることがわかります。

重要なポイント

Amexのコンテンツマーケティング事例における重要なポイントは以下の2点です。

1. 徹底的に顧客に有益な情報を提供する

これはJay氏のセッションにあったYoutilityと共通する考え方です。これらのページではAmerican Expressの商品も、ファイナンスに関する説明も全く出てきません。このコンテンツを通じてAmerican Expressというブランドに対するエンゲージメントを高め、いざ資金需要が必要な際に連絡をしてもらうという戦略です。まさに、コンテンツマーケティングそのものと言えるでしょう。

2. 市場に合わせてローカライズする

今回ご紹介した2つのウェブサイトですが、どちらもAmerican Expressのオーストラリア法人が開設しているものです。英語圏であれば、アメリカも、ヨーロッパも、オーストラリアも同じウェブサイトで良さそうなものですが、Amexは各地域ごとに行っています。
今回の例では、スモールビジネスオーナー向けの情報ということで税制やビジネス環境などが各国それぞれ変わってきます。消費者から「自分の求めている情報がある」と思ってもらうためにはこのようなローカライズは欠かせません。

3. 状況に応じて常に修正をする

Robin James Patrick氏がものすごく重要だと言っていたのが、常に修正を続けること。顧客ニーズは常に変化し続けており、そのニーズから外れてしまうと思うような効果は生まれません。顧客の求める情報に絶え間なく近づける努力を行うことで、大きな効果を実現できたとのことです。

American Expressの例を参考に、あなたのコンテンツマーケティングが本当に顧客視点になっているのか見直してみてはいかがでしょうか?

海外の一流コンサルタントが語る『優良顧客を作り出す』マーケティング方法とは

Jay氏によるキーノートスピーチ

今回から先日取材してきたContent Marketing World Sydneyのレポートを更新して参ります。

まずはJay Bear氏のキーノートスピーチを紹介します。Jay氏は非常に著名なコンサルタントで、Fortune500社のうち29社のコンサルを手がけていて実践に基づいた話を聞く事ができました。

彼のコンテンツマーケティングはによるキーノートスピーチのテーマは「Youtility : Why Smart Companies are Helping not Selling」です。”売る”のではなく、”助ける”ことによって顧客との長期的な関係を創りだそうというものです。

 

Youtilityとは

Youtilityの例として出てきたのは、@HiltonSuggestsというツイッターアカウント。世界的ホテルチェーンヒルトンの公式Twitterアカウントの一つです。

「土曜日にダラスのマグノリアホテルの周りで良いレストランはない?」
というつぶやきに対して、
「~~~~~と~~~~~が素晴らしいです!両方共あなたのホテルから歩ける距離です。楽しんで!」
というリプライをしています。

ここで素晴らしいのは2点あり、1つは質問者はヒルトングループに滞在していないということ。もう1つは、ハッシュタグもついていない投稿に対して検索で見つけ出して返信をしていることです。

更に、仕事を探している人に対して地域密着型の求人サイトを案内している例もありました。

このように今は顧客ではない人を助けることにより、ロイヤリティを高め長期的な顧客とすることが大切とJay氏は述べています。

“Selling”と”Helping”は2文字しか違いませんが、生涯顧客を作るためには”Helping”が重要とのことです。

 

信用の重要性

Jay氏によるキーノートスピーチJay氏が話すには、57%の人がネガティブな情報を信じるのに対し、51%の人がポジティブな情報を信じているのだそうです。

ここで重要な事は、悪い話が信用される傾向にあるということに加え、情報を発信しても半分は信用されていないということです。

つまり、二人に一人は「あなたは嘘をついている」と考えているのです。Youtilityにより信用を勝ち取ることで大きく結果が変わってくるわけですね。

 

Youtilityの3類型

Youtilityは3つのカテゴリに分類できます。

1. self-serve information (情報のセルフサービス)

これは企業に何かを問い合わせたいと思わせる前に顧客の疑問を解決しようというものです。米国の遊園地のウェブサイトでは、ジェットコースターの情報を事細かに記述し、実際に乗車している動画まで配信することにより、サービスに対して一切の疑問も持たれないようにしているとのことです。

2. answer every question (全ての質問に答える)

顧客が持つであろう疑問に対して真摯に答えることが重要ということです。自社に都合の良い質問だけに回答するのではないというところがポイントです。アメリカのプール販売業者では、自社ではファイバー製のものを販売しているのですが、コンクリート製、ビニール製のそれぞれの利点と欠点についても正直に回答し消費者が困っていることをサポートする姿勢を全面に出しています。

3. real-time relevancy (リアルタイム)

顧客が必要な情報はその時その時により異なるので、適切な情報を適切なときに提供することが重要です。アメリカでは、ロープの結び方を解説するだけのアプリが多くダウンロードされています。普段は全く使わないキャンプ時などにいる時に、すぐにロープの結び方を参照したいときに便利だということで人気があるそうです。ウェブサイトではなくアプリなのでキャンプ中に素早く参照できるというところがポイントですね。

 

Youtilityを作る5ステップ

Youtilityを作る5ステップは以下の通りです。

1. discover customer needs (顧客ニーズを発見)

顧客のニーズを、アクセス解析ツール(検索キーワードなど)や、顧客のソーシャル上の投稿、顧客調査などを通じて発見する。

2. map needs to programs (ニーズに合う情報を届ける方法を決める)

情報を届ける手段としてはブログ、動画、電子書籍、書籍、イベントの開催などがあり、最適なものを選択する。

3. market your marketing (マーケティングをマーケティングする)

コンテンツは「火」であり、ソーシャルメディアは「ガソリン」。この火をどうやって広げていくかを考える。ソーシャルメディアではあなたの会社を宣伝するのではなく、このYoutilityを宣伝することを主題に運用する。

4. Make Youtility a skill, not a job (Youtilityは職務ではなくスキル)

「会社の誰を信用するか?」という調査では、「社内専門家>一般社員>CEO」という結果が出ている。Youtilityを発揮する為には職務は関係ない。スキルである。

5. Make Youtility a process, not a project (プロジェクトではなくプロセス)

プロジェクトには終わりがあるが、プロセスには終わりはない。変化続ける顧客ニーズに対応すべく、終わりなく日々継続的に改善を続けることが重要である。

 

最後に

歩きながらスピーチをするJay氏

Jay氏は最後に「コンテンツを作るのではなく、Youtilityを作ろう」というメッセージでこの講演を締めくくっています。

これはつまり、企業目線ではなく消費者の立場にたって情報を提供しましょう、というメッセージに他なりません。これはコンテンツを創りだす我々ライターーにとってものすごく重要なことではないでしょうか。

講演中はステージから降りて客席を歩きながら話をすることもあったJay氏。彼のYoutilityにかける想いがものすごく伝わってくるとても有意義な1時間でした。

今日の顧客獲得は非常に重要ですが、長期的なビジネスの展望を考え一生涯の顧客獲得を重視されるのであれば、今すぐYoutilityに取り組んでみましょう。

Content Marketing World Sydneyに参加してきました!

Joe氏との一枚

3月の5,6日に開催されたContent Marketing World Sydney(以下CMW)にYOSCAも参加して来ました。メディアスポンサーの日本SPセンターさん以外の参加は今回YOSCAが初とのこと。どのようなセミナーだったのか、これから数回に分けてレポートして行きたいと思います!

CMW Sydney開演

CMIのJoeさん

こちらは、主催のContent Marketing Instituteの創立者であるJoe Pulizzi氏による開会の挨拶の様子です。カンファレンスにはオーストラリア、アメリカの参加者を中心に数百人が集まりました。広告代理店やマーケティング会社から、マーケティング用プロダクトを扱っている会社や分析ツールの会社など様々な会社から参加していたようです。もちろん、YOSCAと同じライティングを専門している方も何度も見かけました。

CMWのセッション内容

このCMWですが、初日は「B2C」と「B2B」のセッションが、2日めは「コンテンツ」と「ソーシャル」のセッションがありました。YOSCAでは基本的に「B2C」と「コンテンツ」のセッションに参加致しました。もちろん一部の気になったセッションについてはその限りではありません。最新の事例や方法論を沢山吸収することができ、本当に参加してよかったと思いました。次回は9月にアメリカオハイオ州での開催が予定されているようなので、是非参加を検討してみてはいかがでしょうか。各セッションの内容についても、当ブログにて今後紹介をして参りますので、ぜひご期待ください。

Joe Pulizzi氏

頭の先からつま先までコーポレートカラーであるオレンジを纏ったJoe氏ですが、とてもフレンドリーな方でした。日本からの参加ということで歓迎して頂き、YOSCAメンバーも一緒に写真を撮ってきました。更に、日本のコンテンツマーケッターへのメッセージも頂いてきましたので、後日このブログでご紹介したいと思います。

Joe氏との一枚

 今後の当ブログの更新を楽しみにお待ちください!

コンテンツマーケティングにおけるライターとして最も重要な6つのこと

米国のコンテンツマーケティングインスティテュートのブログに興味深い記事があったのでご紹介いたします。原題は「ジャーナリストを雇う前に確認すべき6つの質問」というものです。 コンテンツマーケティングにて重要なのはそのコンテンツ、つまり記事です。ここではコンテンツマーケティング時代のライターとして意識しておきたいポイントをかいつまんで解説します。

1. 記事・広告・編集の境界はもはや存在しないと認識すること。

コンテンツマーケティングでは広告と記事を分離せずに、タイアップ記事のような一緒にしたコンテンツを作っていく必要があります。以前は記事、広告、編集はすべて完全に分離されたプロセスの中で行われるべきだという考えが主流であり、それがメディアの「番犬」としての価値であると思われていました。しかし、コンテンツマーケティングを行う上では記事の中で商品を認知させ、価値を訴求するようにしなければなりません。ゲームのルールは変わってしまったのです。

2. 良い情報を書くだけでは不十分であるということ。

ライターはただ情報を提供するのではなく、物語(ストーリー)や戦略を描くことが求められます。あなたのブランドの長所(ユニークさ、競合との違いなど)を考え抜き、物語の語り手として顧客に響く物語を作り上げなくてはなりません。

3. ビジネスの根幹が何かということを言語化すること。

あなたのブランドを幅広い顧客に届けるための優れた方法、つまり、あなたのブランドの顧客にとっての価値が何なのかをしっかりと見極めなければなりません。そのためにはライティングのスキルはもちろん必要ですが、調査のスキルも同様に必要です。何を調べれば良いかがわからなければ、一次情報を手にいれることは出来ません。

4. 情報元をうまく利用する力があること。

本文の中に引用を入れることはとても効果的です。良いライターは何を引用し、それが人々の意見のように聞こえるのか、または単調/複雑/記者会見のように聞こえるのかを考え、どのように言い換えたり、わかりやすく解説したり、要約したらよいのかを知っています。

5. バズワード・業界用語の意味を正確に伝えること。

バズワードや業界用語を使用することはできるだけ控えるべきです。マーケティング担当者や取締役は自社の製品やサービスについて詳しいあまりに消費者の感覚と離れてしまっていることがあり、ライターは外部の視点で記事を書くことで企業と消費者をつなぐ役割を担っています。

6. 成功を定量的に定義できること。

あなたの製品やサービスにとってどの程度の価値をもたらすことができるのかについて、どの数値がどのように関連しているのかを理解する必要があります。ただ数値を並びたてるだけではダメであり、効率性やROIについて把握できる必要があります。 いかがでしたでしょうか?ここでは原文を凝縮した形でお伝えしましたが、より詳しくお読みになりたい方はぜひとも原文を参照してみてください。

新しいグーグルの基準、Author Rankとは?自分のコンテンツにオーサー情報を付加しよう。

コンテンツマーケティングとSEOは対立しない

従来のグーグルSEOで重要視されていたのはPage Rankですね。グーグルの創業者の一人にあるラリー・ペイジが発表した論文に基づくものです。学術論文と同じように、高評価のウェブサイトからリンクされているウェブサイトは評価が高いという理論を元にしたアルゴリズムです。もちろん今もその重要性は変わりません。

ただ、最近グーグルのアルゴリズムに新しいランクが加わりました。それがAuthor Rank(オーサーランク)です。これは記事のライターをランク付けするものであり、高評価のライターが書いた記事は評価が高くなります。グーグルはパンダ・アップデート、ペンギン・アップデートを経て被リンクからコンテンツの質を重要視するように変わってきています。コンテンツが良質かどうかを測定する一つの基準がオーサーランクです。このアルゴリズムはまだ正式稼働していないようですが、今後大きな意味を持ってくるに違いありません。

オーサーの設定方法

オーサーランクを評価されるためにはコンテンツに「誰が書いたのか」という情報を追加する必要があります。設定方法は様々な方法がありますが、一番簡単な方法を紹介します。それはgoogle+を使う方法です。

1. google+側の設定

google+で自分の「プロフィールページ」を開き、その「投稿先」という部分に登録したいWEBサイトのラベル(サイト名等)とURLを記入します。なお、グーグルによるとプロフィール画像が顔写真となっている必要があるようですのでご注意ください。

2. ウェブサイト側の設定

該当記事のページからrel=”author”属性を用いてgoogle+のプロフィールページヘリンクを設定します。具体的には以下のとおりです。

<a href="https://plus.google.com/******?" rel="author">Google</a> を<body>内に入れる。

または、

<link rel="author" href="https://plus.google.com/******?" /> を<head>内に入れる。

以上の設定によりコンテンツとプロフィールがリンクします。グーグルのサポートページにも詳しい方法が示されています。他にも方法はありますので興味がある方は調べてみてください。

 

オーサーランクが与える影響

このオーサーランクですが今後大きな意味を持ってくると想定されます。以前であればウェブサイトがペナルティを受けてしまったとしても、最悪別ドメインで同じウェブサイトを作成することによってペナルティを無効化することが可能でした。(もちろんウェブマスターツールを利用するのが先ですが最悪の場合を想定しました)
しかし、オーサー情報を登録していた場合は一度付いた悪い評価がずっとついてきます。一度ペナルティを犯してしまえば、そのオーサーはペナルティを消し去ることはできません。オーサーを登録せずにウェブサイトを運用することもできますが、将来はオーサー設定がSEO上必至になる可能性が高いので現実的ではありません。

将来的なオーサーランクの導入に備え、コンテンツを重視するグーグルの方針に則り、ユーザに対して有益なコンテンツを作っていくように心掛けたいですね。

コンテンツマーケティングを始めてみよう!コンテンツマーケティングを実現するためのステップ

以前の記事ではコンテンツマーケティングの概要をお伝えしまいた。今回はコンテンツマーケティングを始める前に知るべきことをお伝えします。
コンテンツマーケティングを実現するために必要なことは以下の3点です。

・情報を見つけてもらう
・顧客と継続的に接触し、育成する
・施策を分析しブラッシュアップする

このサイクルを回して長期的に顧客との関係を捉えていくことが重要です。
ここから各要素について解説していきます。

情報を見つけてもらう

いくら良質なコンテンツを作成してもその情報が誰にも見てもらえないのでは意味がありません。一人でも多くの顧客に情報を見てもらう必要があります。
インターネットでのコンテンツマーケティングの場合、SEO、SEMやソーシャルメディアでの拡散などがここに該当します。
従来のSEO/SEMでは、「ランディングページ」に着地させて「コンバージョン」を得ることを目的にしていましたが、コンテンツマーケティングの場合は「コンテンツページ」に着地させて「リード(潜在顧客)」を集めることです。
あくまでもリード獲得が目的であり、この段階でのコンバージョンを目的とするものではありません。
ソーシャルメディアマーケティングとしてシェアを増やすための施策も重要です。

顧客と継続的に接触する

リードを獲得した後に継続的に接触することによって顧客に自社のプロダクトについて知ってもらいます。ここで鍵となるのが良質のコンテンツ。
単なる営業資料ではなく、顧客の興味関心に訴えかけ、顧客の知りたい情報を提供することが重要になります。コンテンツにより顧客を満足させつつ、自社のプロダクトへの理解を深めてもらうことが目的です。
手法はウェブサイト、メールマガジンなどなんでも構いません。とにかく顧客を満足させるコンテンツを提供することです。

コンテンツマーケティングとは?従来のマーケティングとは何が違うのか。

そもそもコンテンツマーケティングとはなんなのか

昨年2012年はコンテンツマーケティングの年と呼ばれていたほど盛り上がっているコンテンツマーケティングですが、そもそもコンテンツマーケティングとは何なんでしょうか。
ちなみにインバウンドマーケティングとも呼ばれますが、本ブログでは同じものとして考えています。

「コンテンツマーケティングとはSEOです!ソーシャルメディアです!」という意見をよく見かけます。
SEOもソーシャルメディアもコンテンツマーケティングの1要素ではありますが、これは正しくありません。

従来のマーケティング(アウトバウンドマーケティング)に対する新しい手法としてインバウンドマーケティング(コンテンツマーケティング)があります。
従来のマーケティングとは、テレビCM、バナー広告、ダイレクトメール、展示会などのことを言います。これらはどれも消費者がその情報を欲しがっているかどうかにかかわらず、企業側から消費者側へ発信するものです。
これに対して、コンテンツマーケティングは有益な情報を発信しておき、消費者が検索などの行動を通じて自発的に用意している情報にアクセスしてもらうことに主眼を置いています。

ただ、コンテンツマーケティングは単に良質なコンテンツを用意するということだけではありません。
SEO/SEM、ソーシャルメディアマーケティング、メールマーケティング、等のマーケティング手法もひっくるめた形がコンテンツマーケティングです。
コンテンツと一口に言ってもウェブサイトの他にメールマガジン、動画、フェイスブックページなど様々なコンテンツ形態を使うことになります。
これらの要素を効果的に組み合わせること、それがコンテンツマーケティングです。

コンテンツマーケティングの概念

従来のマーケティングでは商品を欲しがる顧客に対して商品情報を発信し、いかに購入につなげるかということに主眼が置かれていました。
コンテンツマーケティングでは、プラットフォーム、メディア、プロダクトに主眼を置くのではなく、人間(ユーザ)を中心に据えてマーケティングを行います。
いわば、人間同士の付き合い方を企業間、又は企業と消費者の関係に応用したものです。
友人に何かを聞いた時に自分が求める答えを返さずに自らの主張ばかりされるのは困りものですよね。それよりも自分にとって有益な情報を常に与えてくれる友人がいれば、誰しもがその人を信頼するのではないでしょうか。
更に、その友人が自分が抱えている問題を解決するソリューションを持っていることがわかった時に、人はその友人に助けを請うのではないでしょうか。
この友人を企業に置き換えてみましょう。なにか困ったとき、つまりソリューションやプロダクトを必要としている時に、信頼出来る企業から購入したいと考えます。
潜在顧客に対してこの信頼関係を醸成し、見込み客を獲得すること、これがコンテンツマーケティングの最終的な目標となります。

コンテンツマーケティングではコンバージョンまでの時間を長期的に捉える必要があります。信頼関係を醸成し、ユーザのエンゲージメントを高める期間が必要だからです。
ただ、一度この信頼関係を築くことであなたの顧客は優先的に(競合他社ではなく)あなたの製品を購入してくれるようになるでしょう。