カンファレンス

ダンスフロアから学ぶ顧客の作り方(後編)

前編からの続きです。前編をまだ読んでいないかたは是非読んでから後編をお楽しみください。

コンテンツマーケティングとダンスフロアの関係

6. 入り口は無料 / FREE IS BETTER THAN A COVER CHARGE

初期のナイトクラブは入場が無料でした。しかし、全員がドリンクを注文するわけではなかったので、その後入場料がとられるようになりました。そして何が起こったでしょう?来場者が減少し、ドリンクの売上も減ってしまったのです。観客を作るには、まずは可能な限り多くの人々に接触することが大事です。誰でも見れるコンテンツはそうでないコンテンツに比べて20倍から50倍閲覧・ダウンロードされます。人々に見てもらわない理由がありますか?全員が見込み客にならなくても、彼らの友人などシェアされた先にいる人々が何らかの価値をもたらすかもしれません。

7.  / NO FILLER, ALL KILLER!

人気のバンドの曲をいくら流したところで、結局一番人気の曲をプレイすることでダンスフロアは盛り上がるのです。一つ一つのコンテンツはシングル曲のようなものです。アルバムを通しで演奏しても、シングルのスーパーヒットには叶わないように、平凡なコンテンツを10個並べたところで、キラーコンテンツ1つには叶わないのです。検索エンジンに数多くインデックスされたいのではなく、観客をあなたのコンテンツに集めることが目的ですよね。

8. DJはドリンクを売らない / THE DJ DOESN’T SELL DRINKS

DJが気にしていることはただひとつ、どれだけ多くの人が集まり、熱狂しているかです。ドリンクを売るのは別の人の仕事なのです。ナイトクラブではDJが人を集めて、ドリンクカウンターでドリンクを売るというとてもシンプルなプロセスですが、あなたのビジネスはもっと複雑なはずです。顧客があなたのサイトにアクセスするところから、購入に至るまでの経路を設計し、それぞれについてWEB上のコンテンツ、ダウンロード、電子メール、電話など様々なチャネルの中から最適な手法を使いましょう。

DJが音楽を提供し、客引きをして、ドリンクを売って、さらに警備もしているところなんて流行りそうもないですよね。あなたが1つのチャネルしか使っていないとすると、そんなナイトクラブと同じ状態かもしれません。

9. ジュークボックスは良くない / A JUKEBOX ISN’T BETTER

いくら自動化したところで完全に人間の代替はできません。良いDJは新しい技術が出てきても、それを使いこなすだけであり、機械にとってかわられることはないのです。また、いくら良い機会を揃えてたからといって、誰もが良いDJになれるわけではありません。

facebookを使えば良い、という風潮がまだありますが、ツールが良ければ良いというものではないことはわかりますよね。また、自動投稿BOTをいくら使ったところで顧客の興味をひくことはあるにしろコミュニティを作ることはできません。

あなたが良いDJとして技術を使いこなす他無いのです。

10. 常にショーを行う / THE SHOW MUST GO ON

どんなに観客が少なくても、どんなに雰囲気が悪くても、音楽を止めることはありません。今日はあなたのショーなのです。来てくれた観客をがっかりさせるわけにはいきません。あなたが音楽を止めれば、顧客はすぐに何処かに行ってしまいます。どんなDJでも最初から人気なわけではありません。続けることでファンを少しづつ増やし、コミュニティーを育てていくのです。

まとめ

DJになった気分はいかがでしたか??コンテンツマーケティングも、すでにある情報を編集してコンテンツとするという意味ではすでにある音楽を編集するDJと同じなのですね。コンテンツマーケティングがよくわからないという方にもわかりやすかったのではないでしょうか。

是非あなたの今のマーケティングと照らしあわせてみてください。寂れたダンスフロアになりそうだったら?たいさくしましょう。

CMWの主催者であるJoe氏からアジア、日本のマーケッターへのメッセージ

インタビューに答えるJoe氏

Contents Marketing World Sydneyの主催者であるJoe Pulizzi氏にアジアのコンテンツマーケティング事例を踏まえて、今回のイベントに関してインタビューして参りました。 元はもちろん英語なのですが、和訳した上で皆様にお届けいたします。

アジアパシフィック地域では初開催となるContent Marketing World Sydneyは素晴らしい時間になりましたね。

私達は今回、沢山のコンテンツマーケティング事例を学び、マーケターが創りだした多くの独自コンテンツを目にしました。ペイドメディアが無くなることはありませんが、独自のコンテンツチャネルを持つことが重要なことに変わりはありません。
しかし実際に最も重要なことは、コンテンツマーケティング事例の裏にある戦略を把握することです。沢山のコンテンツが創られていますが、私達がもっとも気にしている点はアジアのマーケッターが、どんな戦略をもっているのか、顧客はどこにペインポイントをもち、情報のニーズ、ビジネスの目的は何なのか、そして、それらをどのようにうまくコンテンツに反映させていくのかを知ることが重要です。また、顧客だけを満足させるものではなく、すべての人を満足させるコンテンツである必要があります。

私たちはまだ戦略の背景を理解するには至っておらず、戦略に言及しているキーノートはわずかであったと思いますが、コンテンツマーケティングが広がるアジアで、このイベントを開催できて良かったと思っています。

Joe氏はイベントを振り返りながら、コンテンツマーケティングの事例の裏側にある戦略が重要であると示唆しています。実際のキーノートでは、戦略についての発表が少なかったことについて触れています。今回は戦略よりも作ったコンテンツの影響、結果などの共有が多かったように私達も感じていました。あくまでもコンテンツを作ることが目的ではなく、顧客のニーズを満たすもの、さらに顧客だけではなく全ての人たちに満足を与えることを戦略として組み込みコンテンツを作ることが重要であるという、見込み客も含めた視点はコンテンツマーケティングを語る上では非常に重要であることを教えてもらった気がします。

ダンスフロアから学ぶ顧客の作り方(前編)

ナイトクラブのダンスフロアとコンテンツマーケティングの共通点

ストーリーテラー兼マーケッターのJonathan Crossfieldはナイトクラブのダンスフロアとコンテンツマーケティングの共通点を指摘しながら、コンテンツマーケティングの考え方をわかりやすく説明してくれました。原題は「10 Tips to Build Audience With Content Marketing – Lessons from the Nightclub Dance Floor」です。

ここでもその10のTipsを説明します。DJになった気持ちで読んでみましょう。

ナイトクラブのダンスフロアとコンテンツマーケティングの共通点

1.観客が必要である / YOU NEED AN AUDIENCE!

ナイトクラブではバーでお金を生み出します。しかし、バーは客を集めません。音楽というコンテンツを使うことでドリンクという商品を売っているのです。ダンスフロアの音楽、雰囲気といったものを利用して集めているのは観客であり、その観客を最初に集めた上でドリンクを売っているのです。

コンテンツマーケティングでも良質なコンテンツにより見込み客を集めた上で、自社の商品を売りに行きます。最初からドリンクを売りに行ってもなかなか買いに来てはくれません。

2.コミュニティーを始めない / YOU DON’T START COMMUNITIES!

コミュニティーを作るのではなく、既に存在しているコミュニティーを活用します。彼らは彼らがやりたい事を既に行なっており、彼らに対してさらに何ができるだろうかと考えることで、コミュニティーを獲得することができるのです。ニッチなコミュニティを見つけ出して成長させていくのが良いでしょう。

3.編集しよう / CAN’T CREATE IT? CURATE IT!

ディスコが出来る前はダンスホールに毎晩バンドが集まっていました。更にそれ以前はレコードのみがありました。しかし、ディスコは瞬く間に人気になったのです。ディスコではDJが音楽というコンテンツを編集して提供します。音楽自体は他の者が演奏したものです。レコード会社はいかにDJに自社の音楽を使ってもらえるかに必死でした。

今ではソーシャルメディアを使うことで誰もがコンテンツのDJとなります。コンテンツを盗むのではなく、シェアを通じてDJのように編集することができます。

4.あなたらしさを加えよう / ADD YOUR STYLE COUNTS!

良いDJはただ音楽をMIXするだけではなくて、照明や雰囲気など様々なものを加えて提供します。ひたすらリツイートをしていたり、良いね!を押しているだけでは、ただ音楽をMIXしているようなものです。「なぜこれをシェアしたのか」というあなたの意見を足すようにしましょう。

5. 素早く適応しよう / THIS IS LIVE, SO ADAPT FAST AND IMPROVISE!

ダンスフロアではあの音楽が聞きたい、こういうMIXをしてくれ、と様々な要求が来ます。しかもその要求は顧客によって違い、時間とともに変化します。これらの要求に対してきちんと対応しなければいけません。あなたが演奏したいものではなく、顧客が聞きたい音楽を提供するのが大事なのです。

ここまで言えばわかりますよね。コンテンツマーケティングでも顧客の求めているコンテンツは各人違い、時間とともに変化するものです。それをしっかりと把握した上で顧客の求めるコンテンツを作っていくことが重要です。

いかがだったでしょうか?コンテンツマーケティングとしてよく聞くことばかりではないでしょうか。
残りの5つは後編で公開します!お楽しみに!

 後編はこちらからどうぞ。

クラフト社の消費者目線のコンテンツマーケティング

クラフト社

ひきつづきContent Marketing World Sydneyのレポートを続けていきます!クラフト社は顧客を退屈にしないために徹底的に消費者目線のコンテンツマーケティングを行なっていました。

クラフト社

クラフト社のキーノートスピーチ

コンテンツマーケティングの概要

クラフト社のコンテンツマーケティングでは、WEB、モバイル、SNS、紙媒体、メールなどの数多くのチャネルに展開したオウンドメディアに良質なコンテンツを載せて顧客に届けるということをしています。全ての根底にある者は「素晴らしいコンテンツ」です。このコンテンツがあるからこそ、シェアされて、また他者のニーズ・ウォンツを満たすという良い循環に入ることができます。

素晴らしいコンテンツのレシピ

以下のポイントがあるとクラフト社は言います。これらのポイントを抑えたコンテンツを作成していくことでコンテンツが蓄積されると言います。

Credibility+Purpose / 信頼性と目的

各コンテンツの目的をはっきりとさせて、信頼してもらえる情報にする。

Insightful / 洞察力

単に情報を並べるだけではなく、そこから見えてくることについても言及する。

Charisma / カリスマ性

言葉では表しにくいですが人を惹きつける力があると強いです。

Velocity / 速度

コンテンツは鮮度が命。顧客が欲しいと思っている時に情報を届けよう。

Execution / 実行

とにかくやってみないと結果は出ない。

コンテンツを届けるために大事なこと

コンテンツは作って終わりというものではありません。それを読んでくれる人がいなければいけないからです。

どう届けるか、というところは多数の独自チャネルを使うことで様々な顧客に届けることができます。多くの購読者がいるSNS、メールマガジンに情報を流し、サイトに誘導します。さらに、そこからのシェアを誘発するように設計することで、顧客が他の顧客を呼ぶ良い循環が生まれるようにしてあります。

忘れてはいけないことが成果を測定すること。測定しつつ、状況に合わせて戦略を変えていく。これが一番大事ですね。

クラフト社のコンテンツマーケティングから学べること

クラフト社の顧客は多種多様なので、各ニーズに合わせた様々なチャネルを使っています。顧客のターゲットに合わせたチャネルを使うことが重要ということです。業種、製品によって顧客のタイプは異なってくると思いまので、その顧客に合わせて効果的なチャネルを使うようにしましょう。コンテンツの重要性および定期的に測定することの重要性はこのブログを読んでいる方であればご存知でしょうが、手を抜いてはいけないところです。スライドのところどころには美味しそうな食べ物の写真が散りばめられていました。これもKraft社ならではのコンテンツ作りですね。

ブリスベンのメトロ(地下鉄)の事例から考えるコンテンツマーケティング

まずはこの動画をご覧ください。

メトロが行ったキャンペーン動画が爆発的に広まった

タイトルは「Dumb Ways to Die」、日本語にすると馬鹿な死に方というところでしょうか。可愛らしいキャラクターと軽快な音楽にのせて、様々な”やってはいけないこと”をして死んでいくというのです。この動画は現時点で430万再生されています。この動画はブリスベンメトロの安全キャンペーンとして作成されたものですが、公開されてから瞬く間に世界中に広まりました。

現地の高校生のインタビューでは、「え、これはメトロのCMだったの?」という声も多く上がっており、最後のメトロのロゴが出るまでは広告と気づかない様子。それでもこの親しみやすいキャラクターと音楽には見入ってしまうようで、皆楽しそうに動画を見ていました。

ちなみに英語版Wikipediaの項目にもなっています。

製作上のポイント

ポイントは以下の3点だそうです。

若者に支持されること

今回のキャンペーンの場合、キャンペーン対象者が若者であり、コンテンツをシェアするようなユーザと一致いたということもあるでしょうが、若者をターゲットとすることはコンテンツマーケティングの中で重要な気がします。

ユニバーサルである

この動画は特定の誰かが対象というわけではなく、親しみやすいキャラクターと設定により誰もが共感しやすいものとなっています。

ハッシュ化しやすい

この動画のタイトルはそのままハッシュタグとして広まり、この動画を使った2次製作もたくさん生まれました。

プル型のマーケティング

このマーケティングは「プル(引く)マーケティング」とも呼ばれており、多くの消費者をコンテンツが自ら惹きつけるマーケティングの手法です。これからはこのように「バズる」コンテンツを制作し、2次創作などをどんどん作ってもらって拡散するような手法も考えていきたいですね。東京メトロの安全啓蒙ポスターも同じ発想なのではないでしょうか。

American Expressの事例から考える効果的なエンゲージメントの生み出し方

Robin James Patrick氏

引き続き、先日取材してきたContent Marketing World Sydneyのレポートを更新して参ります。

Robin James Patrick氏American Expressのセッションでは、同社が行っているコンテンツマーケティングの事例を紹介していました。その内容もとても興味深いものでしたので、ここで紹介いたします。セッションテーマは「BEHIND THE SCENES: American Express Content Marketing」、American Expressのコンテンツマーケティングの舞台裏というものです。

American Expressのマーケティングを統括しているRobin James Patrick氏からは実際に彼らが通ってきた道をリアルに聞くことができました。マーケティング担当者必見のセッションです。

スモールビジネスオーナー向けのウェブサイトを開設

THE BUSINESS ROOM

こちらはアメリカンエクスプレスのオーストラリア法人が開設しているスモールビジネスオーナー向けのウェブサイトです。内容を見ていくと、American Expressのサービス、商品には一切触れずに、スモールビジネスにとって有益な情報が数多く掲載されています。それはブランディングだったり、ソーシャルメディアの効果的な使い方だったり、ビジネスアイデアの育て方だったりするのですが、そこにはAmerican Expressの商品はおろか、資金調達などの話題すらもありません。内容も素晴らしく、ビジネスオーナーであれば是非チェックしたいというものになっています。

 

Facebookページの活用

American Expressのスモールビジネス向けfacebookページ

こちらはオーストラリアのAmerican Expressが運営しているスモールビジネス向けのfacebookページです。こちらも上記ウェブサイトと同様にAmerican Expressの商品などには一切触れずにビジネスオーナーにとって有益な情報を発信しています。
Facebookページにおいても、徹底的にビジネスオーナーに有益な情報を提供することで自社のエンゲージメントを高めるという手法をとっていることがわかります。

重要なポイント

Amexのコンテンツマーケティング事例における重要なポイントは以下の2点です。

1. 徹底的に顧客に有益な情報を提供する

これはJay氏のセッションにあったYoutilityと共通する考え方です。これらのページではAmerican Expressの商品も、ファイナンスに関する説明も全く出てきません。このコンテンツを通じてAmerican Expressというブランドに対するエンゲージメントを高め、いざ資金需要が必要な際に連絡をしてもらうという戦略です。まさに、コンテンツマーケティングそのものと言えるでしょう。

2. 市場に合わせてローカライズする

今回ご紹介した2つのウェブサイトですが、どちらもAmerican Expressのオーストラリア法人が開設しているものです。英語圏であれば、アメリカも、ヨーロッパも、オーストラリアも同じウェブサイトで良さそうなものですが、Amexは各地域ごとに行っています。
今回の例では、スモールビジネスオーナー向けの情報ということで税制やビジネス環境などが各国それぞれ変わってきます。消費者から「自分の求めている情報がある」と思ってもらうためにはこのようなローカライズは欠かせません。

3. 状況に応じて常に修正をする

Robin James Patrick氏がものすごく重要だと言っていたのが、常に修正を続けること。顧客ニーズは常に変化し続けており、そのニーズから外れてしまうと思うような効果は生まれません。顧客の求める情報に絶え間なく近づける努力を行うことで、大きな効果を実現できたとのことです。

American Expressの例を参考に、あなたのコンテンツマーケティングが本当に顧客視点になっているのか見直してみてはいかがでしょうか?

海外の一流コンサルタントが語る『優良顧客を作り出す』マーケティング方法とは

Jay氏によるキーノートスピーチ

今回から先日取材してきたContent Marketing World Sydneyのレポートを更新して参ります。

まずはJay Bear氏のキーノートスピーチを紹介します。Jay氏は非常に著名なコンサルタントで、Fortune500社のうち29社のコンサルを手がけていて実践に基づいた話を聞く事ができました。

彼のコンテンツマーケティングはによるキーノートスピーチのテーマは「Youtility : Why Smart Companies are Helping not Selling」です。”売る”のではなく、”助ける”ことによって顧客との長期的な関係を創りだそうというものです。

 

Youtilityとは

Youtilityの例として出てきたのは、@HiltonSuggestsというツイッターアカウント。世界的ホテルチェーンヒルトンの公式Twitterアカウントの一つです。

「土曜日にダラスのマグノリアホテルの周りで良いレストランはない?」
というつぶやきに対して、
「~~~~~と~~~~~が素晴らしいです!両方共あなたのホテルから歩ける距離です。楽しんで!」
というリプライをしています。

ここで素晴らしいのは2点あり、1つは質問者はヒルトングループに滞在していないということ。もう1つは、ハッシュタグもついていない投稿に対して検索で見つけ出して返信をしていることです。

更に、仕事を探している人に対して地域密着型の求人サイトを案内している例もありました。

このように今は顧客ではない人を助けることにより、ロイヤリティを高め長期的な顧客とすることが大切とJay氏は述べています。

“Selling”と”Helping”は2文字しか違いませんが、生涯顧客を作るためには”Helping”が重要とのことです。

 

信用の重要性

Jay氏によるキーノートスピーチJay氏が話すには、57%の人がネガティブな情報を信じるのに対し、51%の人がポジティブな情報を信じているのだそうです。

ここで重要な事は、悪い話が信用される傾向にあるということに加え、情報を発信しても半分は信用されていないということです。

つまり、二人に一人は「あなたは嘘をついている」と考えているのです。Youtilityにより信用を勝ち取ることで大きく結果が変わってくるわけですね。

 

Youtilityの3類型

Youtilityは3つのカテゴリに分類できます。

1. self-serve information (情報のセルフサービス)

これは企業に何かを問い合わせたいと思わせる前に顧客の疑問を解決しようというものです。米国の遊園地のウェブサイトでは、ジェットコースターの情報を事細かに記述し、実際に乗車している動画まで配信することにより、サービスに対して一切の疑問も持たれないようにしているとのことです。

2. answer every question (全ての質問に答える)

顧客が持つであろう疑問に対して真摯に答えることが重要ということです。自社に都合の良い質問だけに回答するのではないというところがポイントです。アメリカのプール販売業者では、自社ではファイバー製のものを販売しているのですが、コンクリート製、ビニール製のそれぞれの利点と欠点についても正直に回答し消費者が困っていることをサポートする姿勢を全面に出しています。

3. real-time relevancy (リアルタイム)

顧客が必要な情報はその時その時により異なるので、適切な情報を適切なときに提供することが重要です。アメリカでは、ロープの結び方を解説するだけのアプリが多くダウンロードされています。普段は全く使わないキャンプ時などにいる時に、すぐにロープの結び方を参照したいときに便利だということで人気があるそうです。ウェブサイトではなくアプリなのでキャンプ中に素早く参照できるというところがポイントですね。

 

Youtilityを作る5ステップ

Youtilityを作る5ステップは以下の通りです。

1. discover customer needs (顧客ニーズを発見)

顧客のニーズを、アクセス解析ツール(検索キーワードなど)や、顧客のソーシャル上の投稿、顧客調査などを通じて発見する。

2. map needs to programs (ニーズに合う情報を届ける方法を決める)

情報を届ける手段としてはブログ、動画、電子書籍、書籍、イベントの開催などがあり、最適なものを選択する。

3. market your marketing (マーケティングをマーケティングする)

コンテンツは「火」であり、ソーシャルメディアは「ガソリン」。この火をどうやって広げていくかを考える。ソーシャルメディアではあなたの会社を宣伝するのではなく、このYoutilityを宣伝することを主題に運用する。

4. Make Youtility a skill, not a job (Youtilityは職務ではなくスキル)

「会社の誰を信用するか?」という調査では、「社内専門家>一般社員>CEO」という結果が出ている。Youtilityを発揮する為には職務は関係ない。スキルである。

5. Make Youtility a process, not a project (プロジェクトではなくプロセス)

プロジェクトには終わりがあるが、プロセスには終わりはない。変化続ける顧客ニーズに対応すべく、終わりなく日々継続的に改善を続けることが重要である。

 

最後に

歩きながらスピーチをするJay氏

Jay氏は最後に「コンテンツを作るのではなく、Youtilityを作ろう」というメッセージでこの講演を締めくくっています。

これはつまり、企業目線ではなく消費者の立場にたって情報を提供しましょう、というメッセージに他なりません。これはコンテンツを創りだす我々ライターーにとってものすごく重要なことではないでしょうか。

講演中はステージから降りて客席を歩きながら話をすることもあったJay氏。彼のYoutilityにかける想いがものすごく伝わってくるとても有意義な1時間でした。

今日の顧客獲得は非常に重要ですが、長期的なビジネスの展望を考え一生涯の顧客獲得を重視されるのであれば、今すぐYoutilityに取り組んでみましょう。

Content Marketing World Sydneyに参加してきました!

Joe氏との一枚

3月の5,6日に開催されたContent Marketing World Sydney(以下CMW)にYOSCAも参加して来ました。メディアスポンサーの日本SPセンターさん以外の参加は今回YOSCAが初とのこと。どのようなセミナーだったのか、これから数回に分けてレポートして行きたいと思います!

CMW Sydney開演

CMIのJoeさん

こちらは、主催のContent Marketing Instituteの創立者であるJoe Pulizzi氏による開会の挨拶の様子です。カンファレンスにはオーストラリア、アメリカの参加者を中心に数百人が集まりました。広告代理店やマーケティング会社から、マーケティング用プロダクトを扱っている会社や分析ツールの会社など様々な会社から参加していたようです。もちろん、YOSCAと同じライティングを専門している方も何度も見かけました。

CMWのセッション内容

このCMWですが、初日は「B2C」と「B2B」のセッションが、2日めは「コンテンツ」と「ソーシャル」のセッションがありました。YOSCAでは基本的に「B2C」と「コンテンツ」のセッションに参加致しました。もちろん一部の気になったセッションについてはその限りではありません。最新の事例や方法論を沢山吸収することができ、本当に参加してよかったと思いました。次回は9月にアメリカオハイオ州での開催が予定されているようなので、是非参加を検討してみてはいかがでしょうか。各セッションの内容についても、当ブログにて今後紹介をして参りますので、ぜひご期待ください。

Joe Pulizzi氏

頭の先からつま先までコーポレートカラーであるオレンジを纏ったJoe氏ですが、とてもフレンドリーな方でした。日本からの参加ということで歓迎して頂き、YOSCAメンバーも一緒に写真を撮ってきました。更に、日本のコンテンツマーケッターへのメッセージも頂いてきましたので、後日このブログでご紹介したいと思います。

Joe氏との一枚

 今後の当ブログの更新を楽しみにお待ちください!

Content Marketing World Sydneyに参加してきます!

CMW Sydney受付

Content Marketing World Sydneyに参加するためにシドニーにやって来ました!
Content Marketing Worldは米国のContent Marketing Instituteが主催している世界最大のコンテンツマーケティングのカンファレンスです。YOSCAとして最新情報をキャッチアップすべく参加することにしました。内容については追ってこのブログでご報告致します。

シドニーのオペラハウス シドニーのハーバーブリッジ

本日は受付と事前のドリンクパーティーがありました。ものすごく積極的に情報交換が行われていますね!初のアメリカ国外、オーストラリアでの開催とのことなのですがどうやらオーストラリア人が多いようです。日本人はたった5人しかいないようですが、これは負けていられませんね。

CMW Sydney受付 CMW Sydneyオープニングレセプション

メディアスポンサーの日本SPセンターの方々と事前の情報交換をさせて頂きました。更に本セッションの期待度が上がります。日本SPセンターは第1回から参加されていたようで、今回まで日本人唯一の参加者だったとのことです。YOSCAが日本人としては2社目の参加となります。受付で配られたものはこちら。イベントのパンフレットの他に、広告や缶詰まで入っています。

CMW Sydneyリーフレット CMW Sydney配布物

明日からの本セッション が楽しみですね!!随時このブログでレポートしていきますので、ご期待ください!