マーケッターが知っておくべき8つの最新トレンド

マーケッターが知っておくべき8つの最新トレンド本日も米国Content Marketing Instituteから、コンテンツマーケティングを行うものが知っておくべき最新のトレンドについてまとめられた記事がありましたので紹介致します。「これは知ってる」というものから「え、そうなんですか!」というものまでありましたので、皆様にも参考になるかと思います。参考にした元の記事はこちら

モバイルインターネットはデスクトップよりも利用されています。今後はウェアラブルコンピューティングへと変化していくでしょう。基本的なビジネスプロセス、物流、生産、交通などが大きく変化しています。それにも関わらず、マーケッターはてきせつではなくなったばしょにお金をかけているのが現状です。

この時代の流れに取り残されないように、マーケッターとして知っておくべきトレンドを8個紹介します。

1.アメリカはインターネットの中心ではない

2012年末には24億人のインターネットユーザーがいましたが、一番インターネットユーザーが増加した国はどこでしょうか。イランです。世界の利用者数ランキングでは中国が5億6400万人で1位であり、アメリカは2億4400万人で10位です。日本は更に少ないということは明らかですね。

2.広告費が適切な場所に使われていない

人々がモバイルデバイスを使っている時間と、モバイルデバイスに投下されている広告費には大きなギャップがあります。私たちは12%の時間をモバイルデバイスに使っていますが、広告費となるとモバイルデバイスに使わているのはたったの3%です。印刷物の場合には6%の時間しか使っていないにも関わらず予算の23%が消費されています。

3.コンテンツは増加し続けている

世界中で作られたコンテンツの量は過去5年間で9倍になりました。更に2015年には現在の4倍になると言われています。

4.時間限定コンテンツがアツい

Snapchat(10秒などの指定時間のみ画像が閲覧できるメッセージサービス)がものすごく成長しており、4月には1日1億5000万個ものメッセージが投稿されています。これは2ヶ月前の2倍の数字です。

5.Google+は思っているよりも良い

今やFacebook、YouTube、Twitterに続く第4のソーシャルメディアとなっており、Twitterに迫っています。

6.モバイルは成長し続けている

モバイルのトラフィックは2009年には全トラフィックの1%に過ぎなかったのですが、今や15%を占めるようになっています。1年後には25%になると予測されています。中国ではモバイルのトラフィックがPCのトラフィックを上回っています。

7.ウェブは更に巨大なものになる

コンピュータの世代が変わるごとに(メインフレーム、ミニコンピュータ、PC、デスクトップインターネット、モバイルインターネット)、ユーザー数は増加してきました。ウェアラブルコンピューティングの時代にもこの傾向は続き、さらに多くの人々がWEBの世界に参加してくるでしょう。今はgoogle glassも使いものにならないと笑っている人たちがいますが、昔はPC、やモバイルインターネットも現実的ではなく笑われたものです。

8.技術者の量は十分ではない

米国の5つの企業(IBM、Intel、Microsoft、Oracle、Qualcomm)だけで10000もの求人が出ています。コンピュータの学士を求めている求人数122,300に対して、コンピュータ学士の卒業者数は51,474しかいません。これはアメリカの傾向であり、文系からプログラマーを育てられる日本とは違う面もありますが技術者不足という点は変わりありません。

まとめ

自分たちが生きている世界が今後どう変わっているかは常に知っておく必要があるでしょう。私達コンテンツマーケッターはこのWEBという領域の今後を見据えておくことはとても重要です。私自身もGoogle+が意外にも伸びていたとは知らず、この記事を読んで重要性を再確認しました。今何が起きていて、今後どうなるのか。というところは常に最新の情報を知っておきたいですね。このブログでも最新情報を紹介していきますので参考にしてください。

オンライン広告が終焉する時代のコンテンツ戦略

今回も米国Content Marketing Instituteからの記事の紹介です。最初にタイトルを読んだ時には衝撃を受けました。原題は「Next-Wave Content Creation Strategies for the End of the Online Ad Era」というものですが、オンライン広告が終焉する時代と書かれていたからです。

それでは早速内容を見ていきましょう。

7260363530_aa1fdff921_c
Symbiotic Content Strategy

広告はいつ終わるのか

広告はいつ終わるのかを考えてみましょう。昔よりも広告を見る機会が少なくなったと思いませんか?海外ではポップアップウインドウによる広告が一昔前には流行っていましたが気づくとなくなっています。

Adblock Plus、Google’s Pop-up blocker等の広告非表示プラグインを使用している人も非常に多いでしょう。そのような方には広告は一切表示されていません。オンライン広告を非表示にする流れはもう止めることはできません。

これからはスポンサー記事の時代になります。スポンサー記事はタイアップ記事などとも呼ばれますが、広告主からの依頼を受けて執筆される記事です。最近日本ではLIG社のブログ等が有名でしょうか。

LIG社のPR記事

この記事内では人材紹介会社をPRしてます。

http://liginc.co.jp/omoshiro/sutema/29412

ちなみに、インターネットではないドラマなどの分野でもドラマ中にスポンサーのクルマや携帯電話を何度も登場させるという方法が使われるようになっています。

インターネットマーケティング先進企業では、自社の製品、サービスにフォーカスしても結局なにも起こらないということに気づいています。これからのコンテンツは自社を紹介するものではなく、顧客の求めるものを作っていくというものにシフトしていきます。

すべてのブランドがコンテンツマーケティングを受け入れるのはいつになるのか

もう既にその時期は到来しています。そうなると、今までとても効果があった方法も今後は変えて行かなければならないことがわかっています。

例えば、米国のある家庭用プール会社ではグラスファイバー製のプールを販売していますが、コンクリート製など他のプールについてもメリット、デメリットを全て紹介することで消費者のニーズに答えて、結果販売が大きく伸びました。しかし、これは他のプール会社が同じ事をしていなかったからこそであり、同じようなウェブサイトが増えていくと効果はなくなってしまいます。

これからは競合とは違いうストーリーを見つけて行かなければなりません。差別化のポイントを考え抜き、それをもとにしたコンテンツを作っていくことでコモディティを避ける事ができるのです。

みんながコンテンツを作った後はどうすればいいのか

コンテンツマーケティングについては長年議論されていますが、まだ革命は始まったばかりです。皆が試行錯誤を行なっている中で考えたいポイントは以下の4点です。

戦略

コンテンツの戦略をしっかりと持っている会社は10%にも満たないのが現状です。もしあなたの会社に確固たる戦略がなければこの機会に作り、差別化を図りましょう。まずはあなたの顧客像に対してどのような価値を提供できるかを決めるところから始めましょう。なぜあなたの顧客はあなたのコンテンツを見るのか、どんな価値を提供できるのか。この問いに明確に答えられないのならばコンテンツを作るのは一旦止めたほうが良いでしょう。

視点

競合と同じ情報を提供していませんか?業界紙と同じ情報を提供していませんか?もし「Yes」であれば、あなたしか提供できない価値を考えてみましょう。あなたの製品にはあなたの製品ならではの良さがあるのと同じように、あなたのブランドにはあなたのブランドならではのストーリーがあります。

役立つか楽しいか

あなたのコンテンツは役立ちますか?楽しいですか?もし「No」であればコンテンツを見直しましょう。本当に価値があり信頼に足りる情報を提供するにはどうすればいいか。どうしたら楽しく読んでもらえるか。忘れてはいけないのは、あなたの顧客が購買決定をする際に利用できる情報は膨大にあり、あなたのコンテンツはその中の1つにすぎないという事実です。

顧客開発

「正しい顧客に良質のコンテンツを伝える」これがコンテンツマーケティングの基本です。自社の見込み客となり得る層に対してきちんとリーチできているのか、コミュニケーションができているのか、といった部分がとても重要になってきます。

まとめ

コンテンツマーケティングをしよう、という動きになってから数年がたち、どこも同じく横並びになってしまう時代が近く来るのだと実感しました。ただコンテンツマーケティングをするのではなく、今やっているコンテンツマーケティングは差別化ができているかということを考えて行かなければなりませんね。

コンテンツマーケティングの13の落とし穴

本日も、米国のコンテンツマーケティングインスティテュートのブログに興味深い記事があったのでご紹介いたします。原題は「あなたのコンテンツマーケティング施策が失敗するかもしれない13の理由」というものです。

コンテンツマーケティングが失敗する理由はもちろんたくさんあります。ここでは多くの人が陥りやすい13の失敗例をご紹介します。さっそく、項目を見て行きましょう。

コンテンツマーケティングの13の落とし穴

1.あなたのことしか書かれていない

顧客はあなたの興味が有るわけではありません。顧客の関心事は何か、という問いを考えるようにしましょう。

2.失敗を過度に恐れる

保守的になりすぎずに新しい話題に挑戦して顧客の反応を見るようにしましょう。

3.目標が低すぎる

業界内で最高のコンテンツマーケティングをして、メディアにも負けない情報を提供するようにしましょう。そうでなければ一番の信頼を勝ちとることはできません。

4.外部調達をしない

マーケティングプロセスの外部委託はやりすぎてはいけません。あなた達の商品を誰よりも知っているあなた達自身による発信を忘れないようにしましょう。

5.縦割りのマーケティング

ソーシャルメディア、プレスリリース、広報担当は連携がとれていますか?一つのブランドをつくり上げるためにはストーリーの共有が書かせません。

6.悪い意味で慣れてしまう

人間は不快なことも時間が経てば慣れてしまうものです。あなたにとっては当たり前になっている文章やマーケティング方法も顧客からはわかりにくいと思われているかもしれません。

7.アクションを引き起こしていない

あなたがコンテンツを作っている理由はなんですか?最終的な目標であるアクションにつなげるようにしましょう。

8.特定チャネルへの固執

いつもFacebookばかり考えていませんか?あなたの顧客にコンテンツを届けるために最良の手法がそれなので今一度考えてみましょう。

9.あなたのプランになっていない

マーケティングを主導するのはあなたです。誰かに任せっきりではうまくいきません。

10.Cレベルがコミットしていない

Cレベル(CEOやCOOなど最高責任者をCレベルと呼びます)がマーケティングに参加していない場合は失敗確率は3倍になると言われています。

11.十分にニッチではない

あなたはその分野でエキスパートになれていますか?もしそうでなければさらなるニッチを探すべきです。

12.遅い

スピードは命です。考えるよりも行動し、素早く修正して行きましょう。

13.継続していない

新聞を考えてみましょう。もし朝に来なかったら一気に信頼をなくしますよね?コンテンツマーケティングも同じです。継続が重要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。言われてみれば当たり前・・・と思うことばかりですが、振り返ってできているか考えると意外とできていないものです。この13のポイントを今一度確認してみてはいかがでしょうか。

過去15年を振り返って考える、コンテンツマーケティングの10の重要点

米国のコンテンツマーケティングインスティテュートのブログに興味深い記事があったのでご紹介いたします。過去15年の経験、データを元にしたコンテンツマーケティングの戦略は、時代が変わっても変わることなく重要なものです。10のポイントを簡潔にご紹介します。

1.銀の弾丸はない

何事にも言えることなのですが、コンテンツマーケティングに銀の弾丸(どんなものも一発で倒せるもののたとえ)はありません。完璧なマーケティング計画を探してもはじめからなく、状況によって最適なものを開発しなければなりません。

2.攻撃でも防御でも良い

コンテンツマーケティングではあなたの意思を強く打ち出すこともできます。それとは別に、他の大きな波に乗って成長したり、相手の出方を伺ってそれに対応していくこともできます。コンテンツマーケティングを始めるのに遅すぎることはありません。

3.フェアである

大きな予算を持つものがいつも勝つわけではなく、小さなプレイヤーがトップとなることも少なくない。俊敏に状況に対応することが重要だからである。小さな組織のほうが早く動けることは明確であり、WEBでは独占することも少なく立ち上がったばかりの会社でもフェアに戦えるのである。

4.すべてのプラットフォームを持つ必要はない

マルチプラットフォームの重要性は色々なとことで言われていますが、すべてのプラットフォームに手を出す必要はありません。極論を言ってしまうと、一つのプラットフォームを独占する戦略もありです。もちろん多くのプラットフォームを使用したほうがいいですが、選択と集中も時には重要です。

5.購読者が重要

購読者と非購読者の行動は全く違っており、購読しているもののほうが収益につながりやすいのです。購読者をいかに増やすかを考えることはとても重要です。

6.ターゲットを絞る必要がある

特定のターゲットに向けて特定の話題を書くことが最も効率的です。ターゲットをより特定することが出来れば更に効果的になります。あなたが専門家になれるのは?と考えてみてはどうでしょうか?競合が5つ以上見つかるのであれば、更に絞り込んだほうが良いでしょう。

7.スピーチの重要性

コンテンツマーケティングでは、ネットではないリアルのイベントでのスピーチなどが見過ごされている場合が多い。しかし、これを聞いたものがスピーチで聞いた物語をシェアすることで、たくさんの優良コンテンツが生まれるのであり、多くの場所であなたの会社についてシェアしてくれるのである。

8.明確な戦略を持つこと

コンテンツマーケティングの明確な戦略を持っている人は意外と少ないのです。しっかりとした戦略を立てて、明文化することが重要です。何をしているのかを正確に知らないままでマーケティングを行なっているのは、ターゲットがあまり見えていない中で銃を打っているようなものです。

9.調整が重要である

マーケティングチームの中で誰がどのような施策を行なっているかを調整することが重要です。例えば、メールマーケティング担当者とソーシャル・マーケティング担当者がお互いの活動を全く知らなかったらどうでしょうか。各マーケティング施策から効果的に結果につなげるためにも協力と調整は欠かせません。

10.コンテンツマーケティングは他の活動と組み合わせるものである

コンテンツマーケティングはマーケティングの活動の一つであり、他の手法と連携することが不可欠である。有料のプロモーションによりコンテンツのリーチを拡大するなど、各マーケティング手法との連携を考えなければならない。

まとめ

いかがでしたでしょうか?コンテンツマーケティングというとテクニックばかりが語られている気がなりません。もしくは、コンテンツマーケティングこそ全てだという意見もたまに目にしますが、冒頭の「銀の弾丸はない」という言葉が表しているように、コンテンツマーケティングは数あるマーケティング手法の1つです。マーケティングの基本に立ち返ってコンテンツマーケティングを進めるようにすると良いでしょう。

ダンスフロアから学ぶ顧客の作り方(後編)

前編からの続きです。前編をまだ読んでいないかたは是非読んでから後編をお楽しみください。

コンテンツマーケティングとダンスフロアの関係

6. 入り口は無料 / FREE IS BETTER THAN A COVER CHARGE

初期のナイトクラブは入場が無料でした。しかし、全員がドリンクを注文するわけではなかったので、その後入場料がとられるようになりました。そして何が起こったでしょう?来場者が減少し、ドリンクの売上も減ってしまったのです。観客を作るには、まずは可能な限り多くの人々に接触することが大事です。誰でも見れるコンテンツはそうでないコンテンツに比べて20倍から50倍閲覧・ダウンロードされます。人々に見てもらわない理由がありますか?全員が見込み客にならなくても、彼らの友人などシェアされた先にいる人々が何らかの価値をもたらすかもしれません。

7.  / NO FILLER, ALL KILLER!

人気のバンドの曲をいくら流したところで、結局一番人気の曲をプレイすることでダンスフロアは盛り上がるのです。一つ一つのコンテンツはシングル曲のようなものです。アルバムを通しで演奏しても、シングルのスーパーヒットには叶わないように、平凡なコンテンツを10個並べたところで、キラーコンテンツ1つには叶わないのです。検索エンジンに数多くインデックスされたいのではなく、観客をあなたのコンテンツに集めることが目的ですよね。

8. DJはドリンクを売らない / THE DJ DOESN’T SELL DRINKS

DJが気にしていることはただひとつ、どれだけ多くの人が集まり、熱狂しているかです。ドリンクを売るのは別の人の仕事なのです。ナイトクラブではDJが人を集めて、ドリンクカウンターでドリンクを売るというとてもシンプルなプロセスですが、あなたのビジネスはもっと複雑なはずです。顧客があなたのサイトにアクセスするところから、購入に至るまでの経路を設計し、それぞれについてWEB上のコンテンツ、ダウンロード、電子メール、電話など様々なチャネルの中から最適な手法を使いましょう。

DJが音楽を提供し、客引きをして、ドリンクを売って、さらに警備もしているところなんて流行りそうもないですよね。あなたが1つのチャネルしか使っていないとすると、そんなナイトクラブと同じ状態かもしれません。

9. ジュークボックスは良くない / A JUKEBOX ISN’T BETTER

いくら自動化したところで完全に人間の代替はできません。良いDJは新しい技術が出てきても、それを使いこなすだけであり、機械にとってかわられることはないのです。また、いくら良い機会を揃えてたからといって、誰もが良いDJになれるわけではありません。

facebookを使えば良い、という風潮がまだありますが、ツールが良ければ良いというものではないことはわかりますよね。また、自動投稿BOTをいくら使ったところで顧客の興味をひくことはあるにしろコミュニティを作ることはできません。

あなたが良いDJとして技術を使いこなす他無いのです。

10. 常にショーを行う / THE SHOW MUST GO ON

どんなに観客が少なくても、どんなに雰囲気が悪くても、音楽を止めることはありません。今日はあなたのショーなのです。来てくれた観客をがっかりさせるわけにはいきません。あなたが音楽を止めれば、顧客はすぐに何処かに行ってしまいます。どんなDJでも最初から人気なわけではありません。続けることでファンを少しづつ増やし、コミュニティーを育てていくのです。

まとめ

DJになった気分はいかがでしたか??コンテンツマーケティングも、すでにある情報を編集してコンテンツとするという意味ではすでにある音楽を編集するDJと同じなのですね。コンテンツマーケティングがよくわからないという方にもわかりやすかったのではないでしょうか。

是非あなたの今のマーケティングと照らしあわせてみてください。寂れたダンスフロアになりそうだったら?たいさくしましょう。

CMWの主催者であるJoe氏からアジア、日本のマーケッターへのメッセージ

インタビューに答えるJoe氏

Contents Marketing World Sydneyの主催者であるJoe Pulizzi氏にアジアのコンテンツマーケティング事例を踏まえて、今回のイベントに関してインタビューして参りました。 元はもちろん英語なのですが、和訳した上で皆様にお届けいたします。

アジアパシフィック地域では初開催となるContent Marketing World Sydneyは素晴らしい時間になりましたね。

私達は今回、沢山のコンテンツマーケティング事例を学び、マーケターが創りだした多くの独自コンテンツを目にしました。ペイドメディアが無くなることはありませんが、独自のコンテンツチャネルを持つことが重要なことに変わりはありません。
しかし実際に最も重要なことは、コンテンツマーケティング事例の裏にある戦略を把握することです。沢山のコンテンツが創られていますが、私達がもっとも気にしている点はアジアのマーケッターが、どんな戦略をもっているのか、顧客はどこにペインポイントをもち、情報のニーズ、ビジネスの目的は何なのか、そして、それらをどのようにうまくコンテンツに反映させていくのかを知ることが重要です。また、顧客だけを満足させるものではなく、すべての人を満足させるコンテンツである必要があります。

私たちはまだ戦略の背景を理解するには至っておらず、戦略に言及しているキーノートはわずかであったと思いますが、コンテンツマーケティングが広がるアジアで、このイベントを開催できて良かったと思っています。

Joe氏はイベントを振り返りながら、コンテンツマーケティングの事例の裏側にある戦略が重要であると示唆しています。実際のキーノートでは、戦略についての発表が少なかったことについて触れています。今回は戦略よりも作ったコンテンツの影響、結果などの共有が多かったように私達も感じていました。あくまでもコンテンツを作ることが目的ではなく、顧客のニーズを満たすもの、さらに顧客だけではなく全ての人たちに満足を与えることを戦略として組み込みコンテンツを作ることが重要であるという、見込み客も含めた視点はコンテンツマーケティングを語る上では非常に重要であることを教えてもらった気がします。

ダンスフロアから学ぶ顧客の作り方(前編)

ナイトクラブのダンスフロアとコンテンツマーケティングの共通点

ストーリーテラー兼マーケッターのJonathan Crossfieldはナイトクラブのダンスフロアとコンテンツマーケティングの共通点を指摘しながら、コンテンツマーケティングの考え方をわかりやすく説明してくれました。原題は「10 Tips to Build Audience With Content Marketing – Lessons from the Nightclub Dance Floor」です。

ここでもその10のTipsを説明します。DJになった気持ちで読んでみましょう。

ナイトクラブのダンスフロアとコンテンツマーケティングの共通点

1.観客が必要である / YOU NEED AN AUDIENCE!

ナイトクラブではバーでお金を生み出します。しかし、バーは客を集めません。音楽というコンテンツを使うことでドリンクという商品を売っているのです。ダンスフロアの音楽、雰囲気といったものを利用して集めているのは観客であり、その観客を最初に集めた上でドリンクを売っているのです。

コンテンツマーケティングでも良質なコンテンツにより見込み客を集めた上で、自社の商品を売りに行きます。最初からドリンクを売りに行ってもなかなか買いに来てはくれません。

2.コミュニティーを始めない / YOU DON’T START COMMUNITIES!

コミュニティーを作るのではなく、既に存在しているコミュニティーを活用します。彼らは彼らがやりたい事を既に行なっており、彼らに対してさらに何ができるだろうかと考えることで、コミュニティーを獲得することができるのです。ニッチなコミュニティを見つけ出して成長させていくのが良いでしょう。

3.編集しよう / CAN’T CREATE IT? CURATE IT!

ディスコが出来る前はダンスホールに毎晩バンドが集まっていました。更にそれ以前はレコードのみがありました。しかし、ディスコは瞬く間に人気になったのです。ディスコではDJが音楽というコンテンツを編集して提供します。音楽自体は他の者が演奏したものです。レコード会社はいかにDJに自社の音楽を使ってもらえるかに必死でした。

今ではソーシャルメディアを使うことで誰もがコンテンツのDJとなります。コンテンツを盗むのではなく、シェアを通じてDJのように編集することができます。

4.あなたらしさを加えよう / ADD YOUR STYLE COUNTS!

良いDJはただ音楽をMIXするだけではなくて、照明や雰囲気など様々なものを加えて提供します。ひたすらリツイートをしていたり、良いね!を押しているだけでは、ただ音楽をMIXしているようなものです。「なぜこれをシェアしたのか」というあなたの意見を足すようにしましょう。

5. 素早く適応しよう / THIS IS LIVE, SO ADAPT FAST AND IMPROVISE!

ダンスフロアではあの音楽が聞きたい、こういうMIXをしてくれ、と様々な要求が来ます。しかもその要求は顧客によって違い、時間とともに変化します。これらの要求に対してきちんと対応しなければいけません。あなたが演奏したいものではなく、顧客が聞きたい音楽を提供するのが大事なのです。

ここまで言えばわかりますよね。コンテンツマーケティングでも顧客の求めているコンテンツは各人違い、時間とともに変化するものです。それをしっかりと把握した上で顧客の求めるコンテンツを作っていくことが重要です。

いかがだったでしょうか?コンテンツマーケティングとしてよく聞くことばかりではないでしょうか。
残りの5つは後編で公開します!お楽しみに!

 後編はこちらからどうぞ。

クラフト社の消費者目線のコンテンツマーケティング

クラフト社

ひきつづきContent Marketing World Sydneyのレポートを続けていきます!クラフト社は顧客を退屈にしないために徹底的に消費者目線のコンテンツマーケティングを行なっていました。

クラフト社

クラフト社のキーノートスピーチ

コンテンツマーケティングの概要

クラフト社のコンテンツマーケティングでは、WEB、モバイル、SNS、紙媒体、メールなどの数多くのチャネルに展開したオウンドメディアに良質なコンテンツを載せて顧客に届けるということをしています。全ての根底にある者は「素晴らしいコンテンツ」です。このコンテンツがあるからこそ、シェアされて、また他者のニーズ・ウォンツを満たすという良い循環に入ることができます。

素晴らしいコンテンツのレシピ

以下のポイントがあるとクラフト社は言います。これらのポイントを抑えたコンテンツを作成していくことでコンテンツが蓄積されると言います。

Credibility+Purpose / 信頼性と目的

各コンテンツの目的をはっきりとさせて、信頼してもらえる情報にする。

Insightful / 洞察力

単に情報を並べるだけではなく、そこから見えてくることについても言及する。

Charisma / カリスマ性

言葉では表しにくいですが人を惹きつける力があると強いです。

Velocity / 速度

コンテンツは鮮度が命。顧客が欲しいと思っている時に情報を届けよう。

Execution / 実行

とにかくやってみないと結果は出ない。

コンテンツを届けるために大事なこと

コンテンツは作って終わりというものではありません。それを読んでくれる人がいなければいけないからです。

どう届けるか、というところは多数の独自チャネルを使うことで様々な顧客に届けることができます。多くの購読者がいるSNS、メールマガジンに情報を流し、サイトに誘導します。さらに、そこからのシェアを誘発するように設計することで、顧客が他の顧客を呼ぶ良い循環が生まれるようにしてあります。

忘れてはいけないことが成果を測定すること。測定しつつ、状況に合わせて戦略を変えていく。これが一番大事ですね。

クラフト社のコンテンツマーケティングから学べること

クラフト社の顧客は多種多様なので、各ニーズに合わせた様々なチャネルを使っています。顧客のターゲットに合わせたチャネルを使うことが重要ということです。業種、製品によって顧客のタイプは異なってくると思いまので、その顧客に合わせて効果的なチャネルを使うようにしましょう。コンテンツの重要性および定期的に測定することの重要性はこのブログを読んでいる方であればご存知でしょうが、手を抜いてはいけないところです。スライドのところどころには美味しそうな食べ物の写真が散りばめられていました。これもKraft社ならではのコンテンツ作りですね。

ブリスベンのメトロ(地下鉄)の事例から考えるコンテンツマーケティング

まずはこの動画をご覧ください。

メトロが行ったキャンペーン動画が爆発的に広まった

タイトルは「Dumb Ways to Die」、日本語にすると馬鹿な死に方というところでしょうか。可愛らしいキャラクターと軽快な音楽にのせて、様々な”やってはいけないこと”をして死んでいくというのです。この動画は現時点で430万再生されています。この動画はブリスベンメトロの安全キャンペーンとして作成されたものですが、公開されてから瞬く間に世界中に広まりました。

現地の高校生のインタビューでは、「え、これはメトロのCMだったの?」という声も多く上がっており、最後のメトロのロゴが出るまでは広告と気づかない様子。それでもこの親しみやすいキャラクターと音楽には見入ってしまうようで、皆楽しそうに動画を見ていました。

ちなみに英語版Wikipediaの項目にもなっています。

製作上のポイント

ポイントは以下の3点だそうです。

若者に支持されること

今回のキャンペーンの場合、キャンペーン対象者が若者であり、コンテンツをシェアするようなユーザと一致いたということもあるでしょうが、若者をターゲットとすることはコンテンツマーケティングの中で重要な気がします。

ユニバーサルである

この動画は特定の誰かが対象というわけではなく、親しみやすいキャラクターと設定により誰もが共感しやすいものとなっています。

ハッシュ化しやすい

この動画のタイトルはそのままハッシュタグとして広まり、この動画を使った2次製作もたくさん生まれました。

プル型のマーケティング

このマーケティングは「プル(引く)マーケティング」とも呼ばれており、多くの消費者をコンテンツが自ら惹きつけるマーケティングの手法です。これからはこのように「バズる」コンテンツを制作し、2次創作などをどんどん作ってもらって拡散するような手法も考えていきたいですね。東京メトロの安全啓蒙ポスターも同じ発想なのではないでしょうか。

American Expressの事例から考える効果的なエンゲージメントの生み出し方

Robin James Patrick氏

引き続き、先日取材してきたContent Marketing World Sydneyのレポートを更新して参ります。

Robin James Patrick氏American Expressのセッションでは、同社が行っているコンテンツマーケティングの事例を紹介していました。その内容もとても興味深いものでしたので、ここで紹介いたします。セッションテーマは「BEHIND THE SCENES: American Express Content Marketing」、American Expressのコンテンツマーケティングの舞台裏というものです。

American Expressのマーケティングを統括しているRobin James Patrick氏からは実際に彼らが通ってきた道をリアルに聞くことができました。マーケティング担当者必見のセッションです。

スモールビジネスオーナー向けのウェブサイトを開設

THE BUSINESS ROOM

こちらはアメリカンエクスプレスのオーストラリア法人が開設しているスモールビジネスオーナー向けのウェブサイトです。内容を見ていくと、American Expressのサービス、商品には一切触れずに、スモールビジネスにとって有益な情報が数多く掲載されています。それはブランディングだったり、ソーシャルメディアの効果的な使い方だったり、ビジネスアイデアの育て方だったりするのですが、そこにはAmerican Expressの商品はおろか、資金調達などの話題すらもありません。内容も素晴らしく、ビジネスオーナーであれば是非チェックしたいというものになっています。

 

Facebookページの活用

American Expressのスモールビジネス向けfacebookページ

こちらはオーストラリアのAmerican Expressが運営しているスモールビジネス向けのfacebookページです。こちらも上記ウェブサイトと同様にAmerican Expressの商品などには一切触れずにビジネスオーナーにとって有益な情報を発信しています。
Facebookページにおいても、徹底的にビジネスオーナーに有益な情報を提供することで自社のエンゲージメントを高めるという手法をとっていることがわかります。

重要なポイント

Amexのコンテンツマーケティング事例における重要なポイントは以下の2点です。

1. 徹底的に顧客に有益な情報を提供する

これはJay氏のセッションにあったYoutilityと共通する考え方です。これらのページではAmerican Expressの商品も、ファイナンスに関する説明も全く出てきません。このコンテンツを通じてAmerican Expressというブランドに対するエンゲージメントを高め、いざ資金需要が必要な際に連絡をしてもらうという戦略です。まさに、コンテンツマーケティングそのものと言えるでしょう。

2. 市場に合わせてローカライズする

今回ご紹介した2つのウェブサイトですが、どちらもAmerican Expressのオーストラリア法人が開設しているものです。英語圏であれば、アメリカも、ヨーロッパも、オーストラリアも同じウェブサイトで良さそうなものですが、Amexは各地域ごとに行っています。
今回の例では、スモールビジネスオーナー向けの情報ということで税制やビジネス環境などが各国それぞれ変わってきます。消費者から「自分の求めている情報がある」と思ってもらうためにはこのようなローカライズは欠かせません。

3. 状況に応じて常に修正をする

Robin James Patrick氏がものすごく重要だと言っていたのが、常に修正を続けること。顧客ニーズは常に変化し続けており、そのニーズから外れてしまうと思うような効果は生まれません。顧客の求める情報に絶え間なく近づける努力を行うことで、大きな効果を実現できたとのことです。

American Expressの例を参考に、あなたのコンテンツマーケティングが本当に顧客視点になっているのか見直してみてはいかがでしょうか?