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初めての確定申告を乗り切る!フリーライターの節税対策マニュアル

最終更新日:2021年12月2日)

独立しフリーライターとしてまとまった収入を得るようになると、個人事業主として毎年確定申告を行う必要があります。

確定申告とは、前年度の1月1日から12月31日までの売上や経費などを集計し、定まられた申告期間(毎年2月の中旬から3月の中旬)に作成した書類を提出することを指します。

ここでは、個人事業主として初めて確定申告をするフリーライターさんのために、青色申告をメインに、書類の記入ポイントから実際の申告までの流れを具体的に紹介していきます。

知っておきたいフリーランスの確定申告

フリーランスの確定申告には青色申告と白色申告の2種類があります。

青色申告は事前に届出が必要で、正式な複式簿記を作成した場合65万円、簡易簿記の場合は10万円の控除を受けることができます。

白色申告の場合は、2014年1月から記帳や帳簿の保存が義務化され、ごく簡単な帳簿付けで済みますが青色申告で受けられるような特別控除はありません。

同じ簡易簿記をつけるのであれば、青色申告の方が節税効果がより大きいと言えます。

申告の前に準備しておきたいこと

1)支払調書をまとめておきましょう
原稿料などの報酬は前もって10.21%(復興特別所得税を含む)の所得税を差引いた額が支払われるため、取引先から支払調書を受取ります。支払調書自体は申告の際に添付の義務はありませんが、書類に漏れなく記入するために必要です。

2)所得控除に関係する書類を用意しておきましょう
所得から差し引くことのできる控除は、全ての人が該当する基礎控除をはじめ、生命保険料控除や社会保険料控除など全部で14種類あります。自分に該当する控除を把握し、添付に必要な控除証明書や支払証明書を揃えておきましょう。

青色申告で提出する書類

税務署へ実際に提出する書類は「青色申告決算書」4枚と「確定申告書B」2枚です。
「青色申告決算書」の1ページ目は損益計算書で、1年間の売上と経費を記載します。2、3ページ目は1ページの損益計算書の内訳です。4ページ目は賃借対照表で事業の資産を記載します。

「確定申告書B」の1枚目は売上や所得控除などを記載し、2枚目には源泉徴収額や所得控除の詳細を記載します。

青色申告決算書を作成する

損益計算書は、最初に内訳2、3ページ目を記入し、その後1ページ目を書き込んでいきます。

1)青色申告決算書の2ページ目 損益計算書の内訳

参照元:確定申告などの様式・手引き 記載例(決算書2ページ)
(国税庁ホームページ http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tebiki2013/pdf/33.pdf

【記入のポイント】
赤①では、帳簿より売上(収入)金額をそれぞれ月別で記入し合計を書きます。
赤②では、年末時点で回収できていない売掛合計金額を記入し、貸倒引当金(フリーライターとして事業所得を得ているので、その5.5%の金額)を書きます。65万円の控除を受ける場合、この貸倒引当金は必要経費とすることができます。

2)青色申告決算書の3ページ目 損益計算書の内訳

参照元:確定申告などの様式・手引き 記載例(決算書3ページ)
(国税庁ホームページ http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tebiki2013/pdf/33.pdf

【記入のポイント】
減価償却とは、固定資産(パソコンや事務机など形のあるもの)を数年にわたって経費とすることを言います。
赤③では、固定資産台帳より今年の減価償却資産と減価償却費を書きます。耐用年数とは固定資産がどれくらいの期間使用できるかという年数です。これは国税庁ホームページにある耐用年数表(https://www.keisan.nta.go.jp/survey/publish/34255/faq/34311/faq_34353.php)を確認して記入します。
赤④では、事務所などを借りている場合、1年間に支払った賃貸料を記入します。

3)青色申告決算書の1ページ目 損益計算書

参照元:確定申告などの様式・手引き 記載例(決算書1ページ)
(国税庁ホームページ http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tebiki2013/pdf/33.pdf

【記入のポイント】
赤⑤では、帳簿より科目ごとに必要経費を書き込みます。自宅を事務所にしている場合、水道光熱費や通信費、地代家賃などは仕事で使用した割合を按分(あんぶん)して計算します。
「青色申告特別控除額」(44)は、複式簿記で作成の場合65万円になります。

4)青色申告決算書の4枚ページ目 賃借対照表

参照元:確定申告などの様式・手引き 記載例(決算書4ページ)
(国税庁ホームページ http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tebiki2013/pdf/33.pdf

【記入のポイント】
帳簿よりそれぞれ決算時点の事業の「資産」と「負債・資本」を書き込みます。「資産の部」の合計と「負債・資本の部」の合計は、必ず同じ金額になります。

確定申告書Bを作成する

1)確定申告書Bの第一表

参照元:確定申告などの様式・手引き 記載例(申告書B用)
(国税庁ホームページ http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tebiki2013/pdf/02.pdf

【記入のポイント】
「収入金額等」ではフリーライターの場合【事業・営業等ア】に売上金額を書き込みます。
「所得金額」では【事業・営業等①】に損益計算書で出した所得金額(45)を記入します。
「所得から差し引かれる金額」では該当する各種控除金額を書き込みます。
「税金の計算」欄で課税される所得金額に対してかかる税額を計算します。手引きに計算の仕方が分かりやすく書かれています。

2)確定申告書Bの第ニ表(第一表で記入した項目の内訳を具体的に書き込みます。)

参照元:確定申告などの様式・手引き 記載例(申告書B用)
(国税庁ホームページ http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tebiki2013/pdf/02.pdf

【記入のポイント】
「所得の内訳」には支払調書をもとに支払を受けた会社名や名称、収入金額、源泉徴収額を書き込みます。
「所得から差し引かれる金額に関する事項」では第一表で記入した控除の種類と一年間で支払った合計金額を記入します。

申告書類を確認して提出する

申告書類の作成が終わったら、記入漏れがないか確認しましょう。源泉徴収票や領収書、支払証明書など添付する必要がある場合は、添付書類台紙に貼り申告書類といっしょに提出します。

提出方法は所轄の税務署へ郵送(信書便で)するか、所轄の税務署の受付に持参します。「e-Tax」(電子申告)での申告も可能ですが、事前に電子証明書の取得やICカードリーダライタの購入が必要です。

申告後に納税する、または還付を受ける

申告後、不足分を納税したり払い過ぎた税金が還付されたりしますが、振替納税を利用すると預貯金口座から自動的に引落しや振込みがされるので便利です。この制度を利用する場合は「振替納税の新規(変更)申込み」を記入して、申告書類といっしょに提出しましょう。

確定申告書は国税庁のWebページでも作成できる

申告書の作成は国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」から入力形式で作成することもできます。作成後はプリントアウトして提出します。

帳簿類は一定期間の保存が必要

帳簿は保存が義務付けられているため(原則7年・一部の書類は5年)、会計ソフトなどで作成した場合はプリントアウトして保存しましょう。データのままでも保存可能ですが、その場合は税務署へ届出て承認をもらう必要があります。
帳簿類と共に領収書や支払調書、仕事に関係した銀行通帳なども保存しておきましょう。

おわりに

初めて確定申告をするフリーライターさんのために、青色申告をメインとして書類の記入ポイントから申告の具体的な流れを紹介してきました。
日頃からこまめに帳簿処理をしていれば、書類作成はそれほど難しくはありません。正式な複式簿記も、会計ソフトを利用すれば簡単に作成できるようになっています。
青色申告をして、節税効果のあるさまざまなメリットを最大限に活用しましょう。

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YOSCAブログ編集部
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