2013年 4月 の投稿一覧

ダンスフロアから学ぶ顧客の作り方(後編)

前編からの続きです。前編をまだ読んでいないかたは是非読んでから後編をお楽しみください。

コンテンツマーケティングとダンスフロアの関係

6. 入り口は無料 / FREE IS BETTER THAN A COVER CHARGE

初期のナイトクラブは入場が無料でした。しかし、全員がドリンクを注文するわけではなかったので、その後入場料がとられるようになりました。そして何が起こったでしょう?来場者が減少し、ドリンクの売上も減ってしまったのです。観客を作るには、まずは可能な限り多くの人々に接触することが大事です。誰でも見れるコンテンツはそうでないコンテンツに比べて20倍から50倍閲覧・ダウンロードされます。人々に見てもらわない理由がありますか?全員が見込み客にならなくても、彼らの友人などシェアされた先にいる人々が何らかの価値をもたらすかもしれません。

7.  / NO FILLER, ALL KILLER!

人気のバンドの曲をいくら流したところで、結局一番人気の曲をプレイすることでダンスフロアは盛り上がるのです。一つ一つのコンテンツはシングル曲のようなものです。アルバムを通しで演奏しても、シングルのスーパーヒットには叶わないように、平凡なコンテンツを10個並べたところで、キラーコンテンツ1つには叶わないのです。検索エンジンに数多くインデックスされたいのではなく、観客をあなたのコンテンツに集めることが目的ですよね。

8. DJはドリンクを売らない / THE DJ DOESN’T SELL DRINKS

DJが気にしていることはただひとつ、どれだけ多くの人が集まり、熱狂しているかです。ドリンクを売るのは別の人の仕事なのです。ナイトクラブではDJが人を集めて、ドリンクカウンターでドリンクを売るというとてもシンプルなプロセスですが、あなたのビジネスはもっと複雑なはずです。顧客があなたのサイトにアクセスするところから、購入に至るまでの経路を設計し、それぞれについてWEB上のコンテンツ、ダウンロード、電子メール、電話など様々なチャネルの中から最適な手法を使いましょう。

DJが音楽を提供し、客引きをして、ドリンクを売って、さらに警備もしているところなんて流行りそうもないですよね。あなたが1つのチャネルしか使っていないとすると、そんなナイトクラブと同じ状態かもしれません。

9. ジュークボックスは良くない / A JUKEBOX ISN’T BETTER

いくら自動化したところで完全に人間の代替はできません。良いDJは新しい技術が出てきても、それを使いこなすだけであり、機械にとってかわられることはないのです。また、いくら良い機会を揃えてたからといって、誰もが良いDJになれるわけではありません。

facebookを使えば良い、という風潮がまだありますが、ツールが良ければ良いというものではないことはわかりますよね。また、自動投稿BOTをいくら使ったところで顧客の興味をひくことはあるにしろコミュニティを作ることはできません。

あなたが良いDJとして技術を使いこなす他無いのです。

10. 常にショーを行う / THE SHOW MUST GO ON

どんなに観客が少なくても、どんなに雰囲気が悪くても、音楽を止めることはありません。今日はあなたのショーなのです。来てくれた観客をがっかりさせるわけにはいきません。あなたが音楽を止めれば、顧客はすぐに何処かに行ってしまいます。どんなDJでも最初から人気なわけではありません。続けることでファンを少しづつ増やし、コミュニティーを育てていくのです。

まとめ

DJになった気分はいかがでしたか??コンテンツマーケティングも、すでにある情報を編集してコンテンツとするという意味ではすでにある音楽を編集するDJと同じなのですね。コンテンツマーケティングがよくわからないという方にもわかりやすかったのではないでしょうか。

是非あなたの今のマーケティングと照らしあわせてみてください。寂れたダンスフロアになりそうだったら?たいさくしましょう。

CMWの主催者であるJoe氏からアジア、日本のマーケッターへのメッセージ

インタビューに答えるJoe氏

Contents Marketing World Sydneyの主催者であるJoe Pulizzi氏にアジアのコンテンツマーケティング事例を踏まえて、今回のイベントに関してインタビューして参りました。 元はもちろん英語なのですが、和訳した上で皆様にお届けいたします。

アジアパシフィック地域では初開催となるContent Marketing World Sydneyは素晴らしい時間になりましたね。

私達は今回、沢山のコンテンツマーケティング事例を学び、マーケターが創りだした多くの独自コンテンツを目にしました。ペイドメディアが無くなることはありませんが、独自のコンテンツチャネルを持つことが重要なことに変わりはありません。
しかし実際に最も重要なことは、コンテンツマーケティング事例の裏にある戦略を把握することです。沢山のコンテンツが創られていますが、私達がもっとも気にしている点はアジアのマーケッターが、どんな戦略をもっているのか、顧客はどこにペインポイントをもち、情報のニーズ、ビジネスの目的は何なのか、そして、それらをどのようにうまくコンテンツに反映させていくのかを知ることが重要です。また、顧客だけを満足させるものではなく、すべての人を満足させるコンテンツである必要があります。

私たちはまだ戦略の背景を理解するには至っておらず、戦略に言及しているキーノートはわずかであったと思いますが、コンテンツマーケティングが広がるアジアで、このイベントを開催できて良かったと思っています。

Joe氏はイベントを振り返りながら、コンテンツマーケティングの事例の裏側にある戦略が重要であると示唆しています。実際のキーノートでは、戦略についての発表が少なかったことについて触れています。今回は戦略よりも作ったコンテンツの影響、結果などの共有が多かったように私達も感じていました。あくまでもコンテンツを作ることが目的ではなく、顧客のニーズを満たすもの、さらに顧客だけではなく全ての人たちに満足を与えることを戦略として組み込みコンテンツを作ることが重要であるという、見込み客も含めた視点はコンテンツマーケティングを語る上では非常に重要であることを教えてもらった気がします。

ダンスフロアから学ぶ顧客の作り方(前編)

ナイトクラブのダンスフロアとコンテンツマーケティングの共通点

ストーリーテラー兼マーケッターのJonathan Crossfieldはナイトクラブのダンスフロアとコンテンツマーケティングの共通点を指摘しながら、コンテンツマーケティングの考え方をわかりやすく説明してくれました。原題は「10 Tips to Build Audience With Content Marketing – Lessons from the Nightclub Dance Floor」です。

ここでもその10のTipsを説明します。DJになった気持ちで読んでみましょう。

ナイトクラブのダンスフロアとコンテンツマーケティングの共通点

1.観客が必要である / YOU NEED AN AUDIENCE!

ナイトクラブではバーでお金を生み出します。しかし、バーは客を集めません。音楽というコンテンツを使うことでドリンクという商品を売っているのです。ダンスフロアの音楽、雰囲気といったものを利用して集めているのは観客であり、その観客を最初に集めた上でドリンクを売っているのです。

コンテンツマーケティングでも良質なコンテンツにより見込み客を集めた上で、自社の商品を売りに行きます。最初からドリンクを売りに行ってもなかなか買いに来てはくれません。

2.コミュニティーを始めない / YOU DON’T START COMMUNITIES!

コミュニティーを作るのではなく、既に存在しているコミュニティーを活用します。彼らは彼らがやりたい事を既に行なっており、彼らに対してさらに何ができるだろうかと考えることで、コミュニティーを獲得することができるのです。ニッチなコミュニティを見つけ出して成長させていくのが良いでしょう。

3.編集しよう / CAN’T CREATE IT? CURATE IT!

ディスコが出来る前はダンスホールに毎晩バンドが集まっていました。更にそれ以前はレコードのみがありました。しかし、ディスコは瞬く間に人気になったのです。ディスコではDJが音楽というコンテンツを編集して提供します。音楽自体は他の者が演奏したものです。レコード会社はいかにDJに自社の音楽を使ってもらえるかに必死でした。

今ではソーシャルメディアを使うことで誰もがコンテンツのDJとなります。コンテンツを盗むのではなく、シェアを通じてDJのように編集することができます。

4.あなたらしさを加えよう / ADD YOUR STYLE COUNTS!

良いDJはただ音楽をMIXするだけではなくて、照明や雰囲気など様々なものを加えて提供します。ひたすらリツイートをしていたり、良いね!を押しているだけでは、ただ音楽をMIXしているようなものです。「なぜこれをシェアしたのか」というあなたの意見を足すようにしましょう。

5. 素早く適応しよう / THIS IS LIVE, SO ADAPT FAST AND IMPROVISE!

ダンスフロアではあの音楽が聞きたい、こういうMIXをしてくれ、と様々な要求が来ます。しかもその要求は顧客によって違い、時間とともに変化します。これらの要求に対してきちんと対応しなければいけません。あなたが演奏したいものではなく、顧客が聞きたい音楽を提供するのが大事なのです。

ここまで言えばわかりますよね。コンテンツマーケティングでも顧客の求めているコンテンツは各人違い、時間とともに変化するものです。それをしっかりと把握した上で顧客の求めるコンテンツを作っていくことが重要です。

いかがだったでしょうか?コンテンツマーケティングとしてよく聞くことばかりではないでしょうか。
残りの5つは後編で公開します!お楽しみに!

 後編はこちらからどうぞ。