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フリーランスWebライターの収入相場は?手取り額や仕事量、労働時間も解説

最終更新日:2023年4月4日)

「フリーランスWebライターに憧れる!でも、本当に食べていけるの?」
「Webライティングを本業にしたいけれど、会社を辞めるのは不安……。」

このようなお悩みをお持ちの方は多いと思います。

時間や場所を選ばず働けるフリーランスWebライターの仕事は、文章を書くのが好きな方にとっては魅力的です。しかし、収入事情は気になるところ。生活の見通しが立たなければ、なかなか初めの一歩を踏み出すことは難しいですよね。

フリーランスWebライターには、フルタイム・副業・すきま時間の活用など様々な働き方があり、収入には人によって大きな幅があります。ただし、全体的な収入相場は他の仕事と比べて高いとは言えません。

では、フリーランスWebライターとして生計を立てることは難しいのかというと、そんなことはありません。スキルや専門性を身につければ効率的に稼げるようになり、収入は上がります。

この記事では、フリーランスWebライターの収入相場や手取り額、希望する額を稼ぐための仕事量や労働時間を解説します。手取り額を上げるための節税対策や、報酬に影響を与えるさまざまな要素についても紹介しますので、収入アップのための参考にしてください。

フリーランスWebライターの収入相場

まずは、フリーランスWebライターの収入相場について解説します。ただし、フリーランスWebライターの稼働時間は人によって大きく違うため、収入にも大きな差があることには注意が必要です。

一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会発行の「フリーランス白書2019」によれば、文筆系フリーランスの年収は過半数が400万円以下です。年収の分布は、下記の表を参考にしてください。

200万円未満32.0%
200~400万円未満26.9%
400~600万円未満21.5%
600~800万円未満8.2%
800~1000万円未満5.5%
1000万円以上6.0%

※一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書 2019」p.10 をもとに作成。
※文筆系フリーランスには、ライターのほかにイラストレーター・編集者・翻訳・通訳が含まれています。また、月の平均勤務時間は、60時間未満から200時間以上までばらつきがあります。

上記の調査では、文筆系フリーランスの3分の1が年収200万円未満でした。また、「ビジネス系(経営企画、新規事業開発など)」「IT・エンジニア系」「専門・士業系」「コンサルタント・カウンセラー系」などの他業種に比べて年収200万円以下の割合が高く、年収800万円以上の割合が低いという結果が出ています。

文筆系フリーランスには、同じカテゴリーに通訳や翻訳など単価が高めの仕事も含まれているため、ライターに限れば年収がより低い範囲に分布する可能性もあります。総じて、フリーランスWebライターの収入相場は他のフリーランスの仕事と比べて低めと言えるでしょう。

フリーランスWebライターの手取り額

フリーランスWebライターとして売上を上げても、全額が手元に残るわけではありません。フリーランスと会社員は手取り額の計算方法が異なるため、注意が必要です。

ここでは、フリーランスWebライターの手取り額を年収別にシミュレーションします。人によって条件が変わるので、ぜひご自身の場合でも計算してみてください。

会社員よりも手取り額が少なくなりがちなフリーランスですが、さまざまな節税対策を活用できる点はメリットです。各種控除や経費の計上によって、手取り額は上がります。

【年収別】手取り額シミュレーション

フリーランスの場合の手取りとは、1年間の売上から経費を引いたもの(年収)から所得税や住民税、社会保険料などを差し引いた金額のことです。年収の約6~7割程度が手取りになるとイメージすると良いでしょう。

ここでは、年収240万円、360万円、480万円の場合の手取り額をシミュレーションして紹介します。

ただし、手取り額の計算方法は、年齢・扶養家族の人数・居住地域などによっても異なります。今回はすべて「30歳・扶養家族なし・世田谷区在住・青色申告あり」の場合で計算していますが、ご自身のケースで試算してみることをおすすめします。

<シミュレーション1> 年収240万円の場合の手取り額

年収240万円のフリーランスWebライターの手取り額の目安は、約188万円です。年収の78%が手取りになります。

年収2,400,000円
所得税44,500円
住民税99,100円
国民年金199,080円
国民健康保険179,800円
手取り収入1,877,520円

個人事業主の税金や手取りをパッと計算シミュレーション | 税金・社会保障教育に基づき計算

<シミュレーション2> 年収360万円の場合の手取り額

年収360万円のフリーランスWebライターの手取り額の目安は、約280万円です。年収の77%が手取りになります。

年収3,600,000円
所得税100,200円
住民税207,700円
国民年金199,080円
国民健康保険293,100円
手取り収入2,799,920円

個人事業主の税金や手取りをパッと計算シミュレーション | 税金・社会保障教育に基づき計算

<シミュレーション3> 年収480万円の場合の手取り額

年収480万円のフリーランスWebライターの手取り額の目安は、約367万円です。年収の約76%が手取りになります。

年収4,800,000円
所得税208,900円
住民税316,400円
国民年金199,080円
国民健康保険406,400円
手取り収入3,669,220円

個人事業主の税金や手取りをパッと計算シミュレーション | 税金・社会保障教育に基づき計算

上記の3つのケースでは、年収の約7割が手取りとして手元に残る計算になりました。税金や保険料などで差し引かれる額が意外と多いと感じた方もいるかもしれません。

フリーランスは、会社員と違って自分で税金を申告して納めなくてはならないため、いざ納税するとなると思った以上の納税額の大きさに驚いてしまいがちです。会社員時代に受けられていた福利厚生がなくなることも、生活水準に大きな影響を与えます。「こんなはずではなかった」と思ってしまわないように、事前の情報収集が必要です。

手取りは会社員よりも少なくなる?

「フリーランスになると会社員時代より手取り額が減る」と言われることがあります。フリーランスと会社員では税金や保険料などの計算方法が異なるため、同じ年収でも手取り額は異なります。

会社員が加入する社会保険では会社が保険料を半分負担してくれる(※参考)のに対し、フリーランスが加入する国民健康保険では、加入者本人が保険料を全額負担する必要があります。また、国民健康保険には扶養という概念がなく、家族一人ひとりに保険料がかかります。

また、年収によっては、個人事業税や消費税といった会社員にはない税金を支払わなくてはなりません。そのため、年収が同じでも、フリーランスWebライターの手取り額は会社員よりも少なくなる場合があります。

(※参考)「社会保険」に加入すると会社負担の額は実際いくら? | 給与計算ソフト マネーフォワード クラウド

節税対策で手取りは増やせる!

先述の通り、フリーランスは会社員よりも税金や保険料などの支払い額が大きくなりがちです。

しかし、フリーランスには節税メリットのあるさまざまな制度を利用できるという利点があります。年収が同じでも、各種控除の活用や経費の計上によって手取り額を増やすことは可能です。控除や経費の割合が増えると、課税される所得金額が減り、所得税の節税につながります。

フリーランスの節税対策として代表的なのは、確定申告の際に青色申告を選択することです。確定申告には白色申告と青色申告の2つの方法があり、それぞれ求められる条件が異なります。青色申告を選択すると、事業収入から年間最大65万円の特別控除を受けられます。青色申告を申請するには、管轄の税務署に青色申告承認申請書を提出することが必要です。

また、「業務に関する支出」は経費として認められます。自宅で作業するフリーランスWebライターの場合、仕事に使用したパソコン代・インターネット料金や、家賃や水道光熱費の一部などを経費に計上可能です。

小規模企業共済や個人型確定拠出年金(iDeCo)、ふるさと納税などの各種控除にも大きな節税メリットがあります。小規模企業共済は、自営業者にとっての退職金のような役割を果たすもので、掛金を全額所得控除することが可能です。個人型確定拠出年金の掛金も所得控除ができ、自営業者の場合は月あたりの掛金の上限が会社員や公務員よりも高く設定されています。

このように、フリーランスWebライターには工夫次第で手取り額を増やす余地があります。しっかりと情報収集し、さまざまな節税対策を活用して、賢く手取り額を増やしましょう。

参考記事

フリーランスWebライターの3つの報酬体系

フリーランスWebライターには、主に文字単価制・記事単価制・時間単価制の3つの報酬体系があります。それぞれの報酬体系の特徴について確認していきましょう。

〈報酬体系1〉 文字単価制

文字単価制では、1文字あたりの単価で報酬が決まります。 Webライティング案件ではよく見られる報酬体系です。

1文字あたりの単価は、初心者向けの案件の場合は1円以下、中級者向けの場合で1~3円が相場です。上級者や専門性のあるライターになると、1文字5円以上のケースも見られます。

初心者のうちは、実績を積むために受注しやすい低単価の仕事を受けることも一つの手段ですが、あまりにも単価の安い仕事を受けることはおすすめできません。Webライターになりたい人は増えているため、初心者ライターを安く買い叩こうとする悪質な発注先も存在するのが事実です。1文字0.1円など極端に低単価の仕事は、悪質案件の可能性があるので気をつけましょう。

また、案件によっては、リサーチや記事構成の作成、WordPress入稿、アイキャッチ画像の作成といった執筆以外の作業を相談される場合もあります。

クラウドソーシングサイトでは、文字単価制の案件を獲得しやすいですが、利用する場合には案件報酬額に応じて、システム利用料が5%〜20%程度取られてしまいます。時給に換算したら思ったより稼げなかった、という場合もあるので注意が必要です。

〈報酬体系2〉記事単価制

記事1本あたりの単価が決まっている記事単価制は、事前に「5000字程度」などと文字数の目安が決まっている案件や、インタビュー記事や紙媒体の案件でよく見られる報酬体系です。

「この記事は1本2万円だから、5本書けば月収10万円になる」といったように、月収の予測が立てやすく案件量をコントロールしやすいのがメリットです。

〈報酬体系3〉 時間単価制

時給が決められている時間単価制では、労働時間に応じた報酬が支払われます。契約を結んだ企業のオフィスに常駐して働く形や、クラウドの勤怠管理ツールを利用しテレワークする形があります。

時間単価制で働く場合、企画・編集・ディレクションなどライティング以外の仕事が含まれていることが多々あります。安定した高収入に結びつきやすい報酬形態ですが、初心者向けの案件は多くありません。Webライターとして働く中でさまざまなスキルを身につけたら、さらなるキャリアアップを目指してみるのも良いでしょう。

希望額を稼ぐためにはどのくらい働けばいい?

フリーランスWebライターとして生計を立てるには、どのくらいの量の仕事を受けて、1日何時間くらい働けば良いのでしょうか。ここでは、希望する額の収入を得るために必要な案件量や投下時間を解説します。ご自身に必要な生活費の額に置き換えて計算してみてください。

【希望月収別】仕事量と労働時間を計算

月収は、文字単価と執筆スピードでおおよその計算が可能です。例として、月収20万円または月収30万円を目指す場合の仕事量や労働時間を計算してみましょう。

文字単価1円で月収20万円を稼ぐ場合、1か月に20万字を書かなくてはなりません。月あたりの稼働日数を20日とすると、1日1万字を書く必要があります。1時間に1,500字書けるライターであれば、1日の労働時間は7時間弱となります。

文字単価2円で月収30万円を目指す場合には、1か月に15万字の執筆が必要です。月に20日仕事をする場合、1日あたりの執筆文字数は7,500字となります。1時間に1,500字執筆できるとすると、1日あたりの労働時間は5時間です。

上記の計算には、リサーチなどの執筆以外の作業を含んでいないため、自身の仕事の仕方に合わせて計算してみてください。

案件の受けすぎには注意!

フリーランスWebライターとして仕事をしていると、「収入を増やしたい」や、「仕事の依頼が断りづらい」といった気持ちから、つい案件を引き受けすぎてしまうことがあります。しかし、案件の受けすぎには注意しなければなりません。

フリーランスは体が資本であり、睡眠時間や休息時間を確保して体調を管理することが大切です。ライターを始めて半年から1年が経過した頃に突然体調を崩すライターは本当に多いです。

また、キャパシティ以上に仕事を受けてしまうと、納期に遅れクライアントの信頼を失う可能性があります。体調不良や突発的な事態に備えて、余裕を持ったスケジュールを組むことも必要です。自分の執筆スピードを把握し、投下時間を計算して適切な量の案件を受けるようにしましょう。

単価が上がれば、限られた時間でも希望した収入を得られるようになります。焦らず、Webライターとしての実力をしっかりとつけることが、長く安定して活動するためのカギです。

フリーランスWebライターの報酬を決める要素

フリーランスWebライターが得られる報酬は、スキル・実績・専門性や稼働時間・執筆スピード、案件の量や種類によって変わります。初心者のうちは単価の低い仕事しか受けられなくても、正しい努力を重ねれば報酬は上がります。自分なりの戦略を立てて、必要とされるWebライターを目指しましょう。

〈報酬を決める要素1〉 スキル・実績・専門性

ユーザーの検索意図に沿った読みやすく正しい文章を書くことは、Webライターとしての最も基本的なスキルです。ライターである以上、より良い記事を書くための文章力を常に磨き続ける必要があります。

また、情報の信憑性を見きわめて、信頼に足る記事を書くことも大切です。自分の持っている知識だけで記事が完成することはまれであり、Webライターにとって情報収集能力は必要不可欠です。加えてSEO対策やセールスライティングなどの知識があると、集客力のある記事を書けるライターとして単価アップにつながります。

なお、資格や特定分野の知識を持っているWebライターは、専門性が高いため高単価で仕事を受けることが可能です。特に医師や弁護士、税理士などの難関資格は、好条件の仕事に結びつきやすいと言えます。すでに実績や知名度があるライターも、クライアントからの信頼を集めやすいため、高単価の仕事を受ける確率が上がります。

ライティング以外のスキルを身につけることも、仕事の幅を広げる上で有効です。簡単なスキルでいうと、WordPressでの記事入稿です。記事入稿を依頼するクライアントも少なくないため、WordPressの使用経験や、簡単なHTMLの知識があれば対応できます。

そのほか、インタビュー(取材)・写真撮影などは、高単価の案件に結びつきやすいスキルです。さらに、企画・編集・ディレクションなどの経験があれば、Webライターからステップアップしてより好条件の仕事が得られることがあります。

〈報酬を決める要素2〉 稼働時間・執筆スピード

執筆スピードが同じであれば、稼働時間が長いほど収入は上がります。すきま時間を活用し、効率良く作業ができるように工夫しましょう。作業の内容によっては、スマホでできるものや、移動時間に進められるものがあるかもしれません。

また、限られた時間で稼ぐには執筆スピードを上げることが重要です。Webライティングの基本とコツを身につけて数をこなす中で、素早く記事を書けるようになります。行き当たりばったりに記事を書き始めるのではなく、大まかな構成を事前に考えるなど、全体の見通しを持って作業を進めることをおすすめします。疲れにくく集中できる作業環境を整えることも大切です。

なお、得意分野を作るとリサーチにかかる時間が減り、結果的に執筆スピードが上がります。専門性を高めると単価アップにもつながるので、自分の強みを生かせる分野を探してみると良いでしょう。

参考情報

〈報酬を決める要素3〉 案件の量や種類

フリーランスWebライターが安定した収入を得るためには、毎月一定量以上の案件を受注する必要があります。人脈を駆使するほか、クラウドソーシングサイトの利用・ブログやSNSでの営業・エージェントサービスの利用などのさまざまな経路を通じて、案件を獲得することが可能です。

単発ではなく継続の契約を取れると、毎月の収入が安定する上、新規営業のための労力も減らすことができます。特に企業との直接契約は長期にわたる高収入に結びつきやすいため、機会があれば挑戦するのも良いでしょう。

記事の種類によっても単価は変わります。例えば、口コミや体験談の記事は単価が安く、インタビューや取材を伴う記事は高単価になる傾向があります。ライバルが多いジャンルは好条件の仕事を獲得するのが困難ですが、専門性や得意分野があれば他のライターと差別化が可能です。

参考情報

【まとめ】フリーランスWebライターの収入は努力次第で上がる

フリーランスWebライターの収入相場は、他の仕事と比べて高いとは言えません。特に始めたばかりのうちは、単価の低い仕事しか舞い込まず不安を感じることもあります。

しかし、努力や工夫によって収入を上げることは大いに可能です。まずはどんな案件にも全力で打ち込み、また、並行して得意分野や専門スキルを習得することで高単価の仕事を獲得できるようになります。Webコンテンツの重要性は高く、力のあるWebライターには必ず需要があります。焦らず、Webライターとしての基盤をしっかりと築きましょう。

Webライターとしての実力をつけるには、経験豊富なプロのWebライターから直接スキルを学ぶのが一番の近道です。時に孤独を感じがちなフリーランスWebライターだからこそ、一人で悩みを抱え込まず、実績のあるライターから刺激を受けることには大きな意味があります。

株式会社YOSCAでは、Webライターを目指す方のために「あなたのライターキャリア講座」を開催しています。この講座では、実践的な環境の中でライティングの土台となる思考力を磨き、プロのWebライターによる丁寧な添削を通じて確実に力を伸ばせます。Webライターとしての最初の一歩を、ぜひ踏み出してみてください。

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