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サテライトサイトとは?SEO効果を高める5つのポイントと事例

サテライトサイトとは?SEO効果を高める5つのポイントと事例

本体サイトとは別に運営するサテライトサイトは、企業のSEO対策や顧客開拓につながります。かつては本体サイトの被リンクを増やすために、サテライトサイトを乱立するような施策も見られました。

しかし、検索エンジンのアルゴリズムが進歩した影響で、サテライトサイトの効果は変わってきています。Googleからペナルティを受ける可能性もあるので、基礎知識をつけた上で計画を立てなければなりません。

本記事ではサテライトサイトの概要に加えて、SEO効果を高めるポイントや注意点、実際の活用事例などを紹介します。

◉本記事の著者
片山雄平
1988年生まれのフリーライター兼編集者。2012年からフリーライターとして活動し、2015年には編集者として株式会社YOSCAに参画。金融やビジネス、資産運用系のジャンルを中心に、5,000本以上の執筆・編集経験を持つ。他にも中小企業への取材や他ライターのディレクション等、様々な形でコンテンツ制作に携わっている。

サテライトサイトとは

サテライトサイトとは、メインで運営している本体サイトを補助するために立ち上げるウェブサイトです。サテライト(satellite)は「衛星」の意味であり、本体サイトの周辺で機能する様子を衛星にたとえて、サテライトサイトと呼ばれています。

たとえば、クレジットカード会社の中には、カード自体の情報をまとめた公式ページと、ポイントに特化したメディアを運営する企業があります。この場合、公式ページが本体サイト、ポイントに特化したメディアがサテライトサイトに該当します。

サテライトサイトはSEO対策やウェブマーケティングに活用されており、基本的には本体サイトから独立したドメインで運営されています。

サテライトサイトの目的やSEO効果

実際にサテライトサイトを運営すると、どのような効果を期待できるのでしょうか。SEO対策やマーケティングにつながる仕組みを理解しておくと、施策の方向性を見極めやすくなります。

ここからは、サテライトサイトの主な目的とSEO効果について解説します。

本体サイトの被リンクを増やせる

独自ドメインで運営しているサテライトサイトに本体サイトへのリンクを張ると、検索エンジンは「被リンクを獲得した」とみなします。多くのサテライトサイトを立ち上げれば、異なるドメインからの被リンクが増えるため、短期的なSEO対策に役立つかもしれません。

ただし、Googleなどの検索エンジンは、被リンクの質を重視しています。質の低い被リンクはペナルティ対象になる可能性があるので、サテライトサイトを増やす施策には注意が必要です。

Googleの見解やペナルティ対象になる施策については、後述で詳しく解説します。

新しい顧客層を開拓できる

本体サイトとは異なるテーマでサテライトサイトを運営すると、新しい顧客層を開拓できます。

分かりやすい例として、前述のクレジットカード会社のケースを挙げてみます。各カードの情報をまとめた本体サイトには、クレジットカードを比較したいユーザーや、便利なカードを探しているユーザーなどが訪れます。一方で、ポイントサービスを宣伝するサテライトサイトには、お得な情報に興味があるユーザーや、普段からポイ活をしているユーザーなどが訪れるでしょう。

この場合、サテライトサイト内で「お得にポイントを貯められるカードがある」といった切り口で本体サイトを紹介すると、顧客層を拡大できる可能性があります。

また、サテライトサイトからユーザーを送り込むと、アクセス数の増加によるSEO効果を期待できるかもしれません。ただし、ウェブサイト間の関連性が低いと、本体サイトに誘導してもユーザーの滞在時間が減るため、コンテンツの方向性は慎重に判断する必要があります。

リターゲティング広告を最適化できる

リターゲティング広告とは、過去にウェブサイトを訪問したユーザーのリストを作成し、そのリストをもとに広告配信をする手法です。簡単にいえばリピーターを獲得するための広告であり、訪問履歴のあるユーザーにウェブサイトを思い出させる効果が期待できます。

サテライトサイトは、リターゲティング広告のリスト作成に役立ちます。本体サイトと合わせてユーザーデータ(Cookie)を収集できるため、リスト作成にかかる時間を大幅に短縮できる可能性があります。

ただし、本体サイトとサテライトサイトのユーザー層がかけ離れていると、リターゲティング広告を出しても再訪問にはつながりません。リターゲティング広告の効果を高めるには、「どんなユーザーを獲得したいのか」や「両サイトにどのような関係性をもたせるか」を意識する必要があります。

新たなブランドやコンテンツを試運転できる

サテライトサイトは本体サイトの補助だけではなく、新たなブランドやコンテンツを試運転するメディアとしても活用できます。

ひとつのウェブサイトで扱うジャンルを拡大すると、その度合いによってはテーマがブレてしまいます。コンテンツ同士の関連性が下がったり、メインのテーマがわかりづらくなったりすると、ユーザーやファンが離れてしまうかもしれません。

その点、独自ドメインを使ったサテライトサイトであれば、悪い影響も含めてウェブサイトの試運転ができます。ただし、コンテンツの質が下がると、本体サイトへの被リンクが評価されない場合もあるので注意してください。

サテライトサイトはペナルティの対象?Googleの見解

Googleの検索エンジンは、作為的に増やした被リンクや過剰な相互リンクをペナルティ対象にしています。どのようなサテライトサイトが該当するのか、以下で一例を紹介します。

<ペナルティの可能性があるサテライトサイト>
金銭や物品のやり取りで入手したサテライトサイト相互リンクのみを目的に作成したウェブサイトコンテンツの質が低いウェブサイト
参考:Google検索セントラル「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー | Google 検索セントラル  |  ドキュメント  |  Google for Developers

Googleによるペナルティを受けると、検索順位が大きく下げられたり、悪質な場合は検索結果から除外されたりする可能性があります。信用性の回復には手間や時間がかかるので、ペナルティは確実に避ける必要があるでしょう。

本体サイトに悪影響が及ばないように、サテライトサイト自体の質にもこだわることが重要です。

サテライトサイトの乱立には要注意

被リンク施策として、サテライトサイトを無暗に増やす方法は得策ではありません。運営するウェブサイトが増えると、コンテンツの質が下がりやすいためです。

検索エンジンのアルゴリズムは日々進化しており、特に検索順位の向上のみを目的にした行為は厳しくチェックされます。そのため、コンテンツ製作のリソースが不十分な場合は、ひとつずつサテライトサイトを増やす方針が無難でしょう。

サテライトサイトの運営が軌道に乗り、かつリソースに余力がある場合は、追加で開設することも検討してみてください。

サテライトサイトのSEO効果を高めるポイント

サテライトサイトのSEO効果は、施策の方向性に左右されます。ペナルティの対象になる場合もあるので、開設前には綿密な計画を立てることが重要です。

ここからは、サテライトサイトのSEO効果を高めるポイントや、ペナルティを避けるコツについて解説します。

1.ドメインとIPアドレスを分散させる

SEO効果を狙う場合、サテライトサイトのドメインとIPアドレスは、本体サイトと別のものに設定することが前提です。仮に同じドメインやIPアドレスを使うと、作為的な被リンクを疑われるリスクが高まります。

IPアドレスについては、クラスC(7桁目~9桁目)までの数字が一致していると、同一サーバーであることを意味します。そのため、本体サイトとは別のDNSサーバーを契約するなど、7桁目以降が別の数字になるように運営しましょう。

2.アンカーテキストを最適化する

アンカーテキストとは、コンテンツ内に設置されたリンク付き文章のことです。アンカーテキストでユーザーの関心を惹くと、本体サイトに誘導できる可能性が高まります。

具体的にどのような方法があるのか、簡単な例を紹介しましょう。

1、ページ名をそのままアンカーテキストにする
例)相互リンクの罠を避ける!SEO対策で重要なルールと5つのプロセス

2、コンテンツの内容を簡潔に記載し、誘導する文章を張る
例)ウェブサイトの内部リンク対策に興味がある方はこちらのページ

上記のほか、参考文献や引用元となるページを記載する方法や、画像リンクまたは動画リンクの設置もアンカーテキストの一種です。コンテンツの内容を踏まえて、ユーザーが興味をもちやすいアンカーテキストを考えてみてください。

3.本体サイトと関連性があるテーマにする

通常、関連性がないウェブサイト同士のリンクは、質が低いものとみなされます。相互にユーザーを送り合うことも難しくなるため、サテライトサイトは本サイトと関連性があるテーマで運営する必要があります。

どのように関連性をもたせれば良いのか、分かりやすい例をいくつか見てみましょう。

本体サイトの内容関連性があるテーマの例
旅行系のメディア格安チケットの紹介各地の観光スポット情報旅行保険があるクレジットカードの情報
健康食品を販売するEC栄養素が豊富な食材の情報ダイエットの基礎知識やテクニック生活習慣と病気に関する情報
コンテンツ製作会社の公式サイト文章研究のレポートAIライティングの最新動向SEOの基礎知識やテクニック

「どのようなユーザーを増やしたいか」「どんなコンテンツであれば関心を惹けるか」を意識すると、関連性があるテーマを考えやすくなります。ターゲット層が求める情報を客観的に分析し、最適なテーマを設定してみてください。

4.単体で存在価値があるウェブサイトを目指す

目的に関わらず、サテライトサイトは単体での存在価値にこだわることが重要です。

前述の通り、被リンクや相互リンクのみを目的にしたウェブサイト運営は、Googleのペナルティ対象になります。そのため、本体サイトのコピーコンテンツを掲載したり、被リンクだけを大量に張ったりする施策では、当然ですがSEO効果は見込めません。

また、顧客開拓やユーザーデータの収集を目的とする場合も、ある程度の集客力が求められます。ユーザーにとって価値が高いウェブサイトとなるように、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を満たすコンテンツを目指しましょう。

検索エンジンやユーザーから評価されるコンテンツ製作については、下記のページで詳しく解説をしています。

参考記事

5.相性の良いSNSで拡散を狙う

サテライトサイトの価値を高めるには、相性が良いSNSを活用することもポイントです。SNSユーザーにコンテンツが拡散されると、アクセス数や被リンクの増加によってサテライトサイトの評価が上がるため、本体サイトにも良い影響をもたらします。

以下の表は、各SNSのアクティブユーザー数や特徴をまとめたものです。

※アクティブユーザー数は2024年1月時点。各メディアの最新情報を参考に筆者が作成。

なお、SNSには炎上のリスクがあり、扱うトピックやコンテンツの内容によっては、悪評が広がる可能性も考えられます。特定の個人や団体を取り上げない、センシティブなトピックは避けるなどの工夫をして、健全な運用を心がけてください。

サテライトサイトの参考事例

検索エンジンのアルゴリズムが進歩したことで、サテライトサイトの形は変わりつつあります。ペナルティのリスクがある現在では、どのような方針で運営すれば良いのでしょうか。

ここからは、実際にサテライトサイトを活用している企業の事例を紹介します。

事例1.口座開設ページで本体サイトへ誘導/SMBC日興証券

ネット証券のSMBC日興証券は、会社概要や証券サービスなどをまとめた本体サイトに加えて、投資情報を提供する「日興フロッギー」を独自ドメインで運営しています。

日興フロッギーは、投資の知識や情報を紹介するコンテンツから、注目の国内株式などを購入できるサービスです。それに対して、本体サイトでは本格的に投資を始めたいユーザーに向けて、多様な金融商品が展開されています。

SMBC日興証券の事例は、サテライトサイトから本体サイトへの誘導が明確です。日興フロッギーに口座開設の案内ページを掲載することで、被リンクを獲得しながらも、本サイトに誘導できる仕組みがしっかりと整えられています。

事例2.求人情報のウェブサイトを多数展開/マイナビ

主に人材関連のサービスを提供するマイナビは、ターゲット層を細かく分けたサテライトサイトを展開しています。参考として、以下では就職・転職情報を扱っているウェブサイトをまとめました。

<マイナビの事例(就職・転職情報のみ)>
・転職情報をまとめたウェブサイト
転職はマイナビ転職-豊富な転職情報で支援する転職サイト

・学生向けに就職情報をまとめたウェブサイト
マイナビ2025 – 学生向け就職情報サイト

・新卒学生向けの就職エージェントサービス
マイナビ新卒紹介|新卒学生向け無料就職エージェントサービス

・第二新卒や既卒者を対象にした転職エージェントサービス
20代・第二新卒・既卒向け転職エージェントのマイナビジョブ20’s

上記は「人材関連サービス」と一括りにできますが、年齢などの属性によってユーザーの求める情報は変わります。そのため、マイナビは求職活動をするターゲット層を細かく分けて、有益な情報を探しやすい形で各サイトを運営していると考えられます。

また、サテライトサイト間の関連性が高い点も、参考にしたいポイントでしょう。たとえば、学生向け就職情報サイトを利用したユーザーは、数年後に転職エージェントサービスを利用するかもしれません。

このように、ユーザーを相互に送り合う仕組みを作ると、ブランドやサービス全体の知名度を高める効果が期待できます。

実際の運営を想定してサテライトサイトの計画を立てよう

検索エンジンのアップデートにより、サテライトサイトのSEO効果は変わっています。ペナルティの対象になるリスクもあるので、本体サイトとの関連性やコンテンツの内容にこだわって計画を立てることが重要です。

また、複数のウェブサイトを運営する場合は、リソースの確保も忘れてはいけません。実際に運営することを想定しながら、サテライトサイトの具体的な計画を考えてみましょう。

本記事のテクニックや内容が、貴社のビジネスにプラスとなりましたら幸いです。実際のプロセスで不安や懸念などがございましたら、お気軽にご相談くださいませ。

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片山 雄平
1988年生まれのフリーライター兼編集者。2012年からフリーライターとして活動し、2015年には編集者として株式会社YOSCAに参画。金融やビジネス、資産運用系のジャンルを中心に、5,000本以上の執筆・編集経験を持つ。他にも中小企業への取材や他ライターのディレクション等、様々な形でコンテンツ制作に携わっている。