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ビジネスチャットのマナー10選!メールとの違いとは。

最終更新日:2024年6月2日)

リモートワークが一気に普及した2020年以後、チャットツール(Teams、Slack、Chatworkなど)を使う企業は急増しました。今やメールよりチャットを使う機会のほうが多いという読者もいるかもしれません。しかし、同じテキストコミュニケーションのツールといっても、チャットとメールでは異なる点が多くあります。

毎年4月〜5月は、新入社員研修の時期です。研修指導担当としてテキストコミュニケーションを教えながらも、実はチャットについては教える自信がないという人も一定数いるようです。弊社で行ったビジネスメール・チャットに関する実態調査によると、3割もの指導者が「上手に指導できている自信がない」と回答していました。

では、ビジネスチャットの研修を行う際には、どのような点を指導すればいいのでしょうか。今回は、社会人になったばかりの新入社員にビジネスチャット研修を行う人に向けて、改めてビジネスチャットのマナーやメールとの差異を紹介します。みなさんが自信を持って研修を行うための一助となれば幸いです。

◉本記事の著者
伊藤謙三
青山学院大学経済学部経済学科卒業後、フリーランス活動を経て株式会社YOSCAに入社。編集者としてさまざまなメディアの編集・ディレクションを担当する。講座や研修の開発・運営にも注力しており、2020年に「あなたのライターキャリア講座」、2024年に「ビジネスメール・チャット添削研修」を立ち上げる。フリーライターの西東美智子氏と共に、ライター向けポッドキャスト「ライターのホンネ」を配信中。

ビジネスチャットとメールの違い

やりとりのスピード感

チャットツールはメールに比べて、迅速なやり取りが好まれるツールです。メールの場合、返信が1営業日後となることは何も珍しくありませんが、チャットツールの場合は1日反応がないと「遅いな」と思われてしまうでしょう。また形式的な挨拶などを省略して、本題のみを話されることが多いため、話の展開も早くなりやすいのが特徴です。

会話のオープンさ

Ccなど、送信者とメインとなる受信者以外にもやり取りを共有できる機能はあれど、メールでは基本的にはクローズドなコミュニケーションが行われます。それに対してビジネスチャットの場合は、会話に参加していない人でも、そのチャンネルに参加していればやり取りの閲覧が可能です。1対1で話せる機能もありますが、オープンな場で会話が行われることが一般的です。

ビジネスチャットのオープンさは、会社にいれば、隣の席の人とその上司の会話が聞こえるのと似たところがあります。自分が直接的に関与していないことでも情報を得やすいため、この特徴は、リモートワークにおいてビジネスチャットツールが欠かせない理由のひとつと言えるでしょう。

メッセージの短さ

ビジネスチャットでは、気軽なツールということもあり、短いメッセージでやり取りが行われることが多いです。長文で何かを伝えるというよりも、短い文章のやり取りを重ね、議論を展開していくことに適したツールであることも大きいです。この点において、ビジネスチャットは会話をそのまま文字にしたようなものだとも言えます。

ビジネスチャットの必須マナー8選

ここから、本題となるビジネスチャットのマナーを必須編と応用編に分けて紹介していきます。まず必ず押さえておきたいものとして、8つのマナーを挙げました。

【1】敬語を使う

当たり前のことではありますが、ビジネスチャットでは敬語を使う必要があります。気軽なツールといえども、ビジネスの場です。友人とのLINEなどとは違うという認識を忘れないようにしましょう。

とはいえ難しく考える必要はなく、メールと同じくきちんとビジネスシーンにふさわしい敬語を使えば問題ありません。一方で、「〇〇株式会社〇〇様」などの宛名や、「いつもお世話になっております」などの定型文、署名は不要です。用件からいきなり書いても失礼にはあたりません。

【2】親しみの持てる文章を心がける

気軽さが売りのツールであるビジネスチャットでは、かしこまりすぎるとなんとなく浮いた印象を持たれてしまうため、親しみやすい文章を心がけましょう。

先ほどの項目と矛盾するようですが、敬語を使いながらでも親しみを感じる文章は作れます。気軽に親しみやすさを醸成できるのが、絵文字や「!」です。
特に「!」は、現代の敬語と言われることもあり、以前に比べてかなりビジネスシーンでも使われるようになってきています。チャットだけでなく、関係性によってはメールで使われることもあるほどです。

文末が「。」で終わっていると威圧感を感じるという「マルハラ」も少し前に話題になりましたが、実際に「!」に比べて「。」に威圧感や冷淡さ、怖さなどのネガティブな印象を持つ20代以下の女性は6〜7割。男性でも約半数がネガティブに感じているようです。

こうした感覚には、口頭でのコミュニケーションに比べてテキストは冷たく感じ取られやすいことが影響していると考えられます。

ビジネスチャットを利用する企業はリモートワークを採用していることが多いかと思います。リモートワークで送信者と顔を合わせる機会が少ない場合、メッセージに工夫をしないとなおさら無機質で冷たいと捉えられてしまう恐れがあります。受信者が気持ちよくメッセージを受け取れるよう、意識的に感情を乗せることを心がけましょう。

<改善例>
  • ご確認のほど、よろしくお願いいたします。→ご確認のほど、よろしくお願いいたします!
  • かしこまりました。→かしこまりました🙆🏻‍♀️

また、Slackなど一部のツールでは、あらかじめ作成したオリジナルの絵文字を使える機能があります。その絵文字を使って自分の気持ちを表現するのもよいでしょう。

【3】素早くリアクションする

先述の通り、ビジネスチャットツールはメールに比べてやり取りにスピード感があります。にもかかわらずメールと同じように返信していると、返信の遅い人とマイナスの印象を持たれてしまうかもしれません。少なくともメッセージを受け取ってから1日以内にはリアクションしましょう。

すぐに返答するのが難しい内容の場合は、「いつ頃に回答します」「後ほど確認します」など一言送っておくとよいでしょう。また、リアクション機能を使って「👍🏻」などの絵文字で反応するのでも問題ないので、とにかく何かしらのリアクションをすることが、円滑なコミュニケーションにつながります。

【4】必要以上にメンションをつけない

ビジネスチャットツールのチャットルームには多くの人が参加しているため、特定の相手に対するメッセージを送る場合はメンションをつけるのが一般的です。また、ツールにより方法は異なりますが全員に発信したい場合は、全員に対してメンションを送ることも可能です。

しかし、あまり頻繁に全員に対してメンションをつけるのは望ましくありません。通知が飛ぶために相手の仕事の邪魔になりかねませんし、重要な情報が埋もれてしまうリスクがあるためです。

「必ず全員に見てもらわないといけない」というわけではない場合は、使うのを控えましょう。また、これは個別のメンションについても同じです。誰でも彼でもメンションをつけず、本当に必要な人だけに送るようにしましょう。

【5】スレッドをうまく活用する

ビジネスチャットツールは、メールとは違って多くの人が同じ画面上でやり取りをすることとなります。そのため、同じチャットルーム内で複数の会話が同時進行していることも珍しくありません。
そうした際に会話が混在しないためにあるのがスレッド機能です。ひとつの投稿に返信する形で会話ができ、同じトピックに関する発言をひとつの場所にまとめることができるものです。

複数の会話が発生する可能性もあるチャットルームでは、スレッド機能がある場合は、必ずスレッド上で返信しましょう。通常の投稿として返信すると、他のメンバーが会話を遡るのが煩雑になってしまいます。
スレッドでの返信は、メールのように一つひとつの会話が分離されていないビジネスチャットツールにおいては必須のマナーといえるでしょう。

【6】長文は送らない

気軽なやり取りが好まれるビジネスチャットツールでは、長文は好ましくありません。読むのに負担がかかって相手をうんざりさせてしまいかねない上に、返信へのハードルが上がってしまうためです。
ビジネスチャットツールを使う際のポイントは、対面での会話のように文章を送ること。直接顔を合わせて会話する場面において、一方的に長々と話す人はほとんどいないでしょう。いたとしても、多くのケースで円滑なコミュニケーションは成立していないのではないでしょうか。

会話では短いラリーを重ねることが多いのと同じように、短文でポンポンとやり取りをするのがビジネスチャットツールの理想的な使い方です。
長くなりそうな内容の場合は、いくつかに分けて送りましょう。また、いっそビジネスチャットを使わず、オンライン会議や電話などで伝えるのも一手です。ビジネスチャット以外のものも含めて、臨機応変にツールを使い分けるのが、ビジネスチャットをうまく使うコツかもしれません。

【7】雑談は適度に

社内コミュニケーションに役立てることを目的のひとつとしてビジネスチャットツールを導入している企業のなかには、「グルメ」「ペット」「育児」などプライベートな話題をテーマとした雑談用のチャットルームを設けている企業もあります。

コミュニケーションの活性化のために作られているので、もちろんそれを積極的に使うのはいいことですが、使いすぎには注意が必要です。業務の間の息抜きに、くらいで使用するのがよいでしょう。オフィスに出勤している場合も、雑談をしすぎていてはいい顔をされないはず。ビジネスチャットでの雑談も同じように、節度を保って楽しむことが大切です。

【8】業務時間外の連絡は極力避ける

ビジネスチャットツールはスマートフォンでも使いやすく気軽に送れますが、いくら気軽といえどもいつでも送っていいわけではありません。緊急時以外は、業務時間外に連絡をするのは避けましょう。何らかの理由でその日のうちに送っておきたい場合は、予約送信などの機能を活用するのがおすすめです。

また、フレックスなどを採用している企業に対して予約送信をする際、標準的な勤務開始時間ではなく、相手の勤務開始時間に合わせて送るようにすると喜ばれるかもしれません。

ビジネスチャットの応用マナー2選

必須マナーを押さえたところで、ここからは応用マナーを2つ紹介します。これをマスターすることで、よりビジネスチャットでのコミュニケーションを円滑にできるはず。必須マナーを習得した人は、ぜひこちらも身に付けましょう。

【1】検索しやすい言葉を入れる

ビジネスチャットツールには検索機能があります。いくらスレッド機能があるとはいえどもチャットでのやり取りは埋もれてしまいがちなので、以前のやり取りを遡るために、検索機能を使う人も多いです。その際に見つけやすいように検索で使われやすい言葉を使いましょう。

たとえば、表記が複数考えられるもの(例:Slack/スラック)は社内で使われている表記にしたり、日付や固有名詞を用いてより特定しやすく書いたり…といった工夫が挙げられます。

<改善例>
  • 来週の会議の議題はこちらです。→5/19の新システム〇〇に関する会議の議題はこちらです。
  • 昨日の商談について共有します。→5/10に実施した〇〇社との商談について共有します。

自分が後で検索するとしたら、どんな言葉を使いそうかを考えながら文章を作ると、より検索に適した文章が出来上がるでしょう。

【2】重要な情報は最初に記載

ビジネスチャットツールの通知では、多くのツールと同じく、メッセージの冒頭の部分のみが表示されます。その内容だけでも何についてのメッセージか伝わるように、重要な情報は最初に書いておくと、読み手に親切です。

また、メンションは会話の冒頭につけてしまいがちですが、実は冒頭でなくても機能します。あえて文章の最初にはつけないのもテクニックのひとつです。休暇中の人にメッセージを送る場合は、メンションを文末につけ、冒頭に「確認は出勤時で大丈夫です」といった一言を入れておくとよいでしょう。配慮のできる人だとの評価にもつながるかもしれません。

まとめ

今回はビジネスチャットにおけるマナーを紹介しました。ビジネスチャットは、メールとは微妙に異なる点がいくつかあります。「メールと同じ」と考えるのではなく、まったく別のツールという認識のもとで、その環境に適したコミュニケーションをとることが重要です。
とはいえ、メールでもチャットでも、相手に配慮する気持ちが大切なのは一緒です。人と人とのコミュニケーションであるという前提を踏まえつつ、気配りの心を持ってビジネスチャットを使っていきましょう。

また、リモートワークを行いながら、チャットを利用して業務を円滑に進めていくためには、マナーを遵守すること以上にわかりやすい文章を書くスキルが求められます。YOSCAでは、ビジネスメール・チャットの書き方を体系的に学べる企業向け研修「ビジネスメール・チャット添削研修」を提供しています。部署内のテキストコミュニケーションや、リモートワーク下での意思疎通に課題を感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

執筆協力:えなりかんな

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伊藤謙三
1989年、神奈川県生まれ。青山学院大学経済学部経済学科卒業。 大学卒業後に株式会社YOSCAに入社し、編集者としてメディアの編集ディレクション・ライターの育成に携わる。これまでに500人以上の駆け出しライターに対して文章の添削指導をした実績を持つ。 現在は文章添削の専門家として、文章にまつわる講座や研修の開発に着手。2020年に「あなたのライターキャリア講座」、2024年に「ビジネスメール・チャット添削研修」を立ち上げる。 フリーライターの西東美智子氏と共に、ライター向けポッドキャスト「ライターのホンネ」を配信中。
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