【文例付き】フリーランスWebライターの仕事の断り方
( 最終更新日:2023年5月12日)
依頼が増え始めたフリーランスWebライターの頭を悩ませるのが、仕事の断り方です。せっかく自分に仕事を頼んでくれたのに、辞退するのは気が引けると感じるかもしれません。クライアントとの関係が悪化したり、収入が減ったりするのが怖くて、なかなか仕事を断れないという方もいるでしょう。
しかし、Webライターとして長く活躍するためには、仕事を断ることも時には大切です。時間や体力には限りがあり、仕事の質を維持するためには案件量をコントロールしなければなりません。また、Webライターとしてのステップアップのために、条件の良くない仕事を断ってより好条件の仕事に挑戦することも必要です。
ただし、依頼を辞退するときには、相手に失礼のないように丁寧な姿勢で臨むことが大切です。そこで本記事では、フリーランスWebライターの仕事の断り方をそのまま使える文例付きで紹介します。事例別にポイントを解説していますので、仕事を上手に断る方法がわからず悩んでいる方は参考にしてください。
目次
仕事を選ぶ時の判断軸を持つ
仕事の断り方に悩む以前に、「この仕事を断っても本当にいいのだろうか?」と毎回考え込んでしまうという方はいませんか。また、いざ依頼を辞退するとなると、相手との関係性が悪化することや収入が減ることへの不安から行動に移せず悩むこともあります。
仕事選びの迷いを減らすためには、日頃から自分のライターとしてのキャリアを大局的に捉え、仕事を受ける際の判断軸を設定しておくことが大切です。なお、すべての案件が良心的なものであるとは限らないため、依頼された仕事はよく精査し冷静に判断を下しましょう。
ここでは、仕事を選ぶ際に自分なりの判断軸を持つ方法を解説します。
〈短期的な視点〉自分の身を守る
ライティング案件の中には、フリーランスWebライターを安く買い叩こうとする悪質なものも残念ながら存在します。また、たとえ悪質案件とはいえなくても、自分の価値観に照らして違和感を覚える仕事を無理に受ける必要はありません。
一度案件を引き受けた後に足元を見られ、どんどん要求内容が増えていくといったケースもあります。自分の身を守るためにも、一つひとつの案件をよく見極め、おかしいなと思ったらはっきりと断ることが大切です。
〈長期的な視点〉仕事から得たい目標を考える
自分がWebライターの仕事を通じて得たいものを考えてみましょう。報酬・スキル・実績・やりがい・知識など、仕事を受けることで手にしたいものの優先順位をつけると、目の前の依頼を受けるべきかどうかが決まってきます。
たとえ単価が高くても、将来につながるスキルがつかない仕事であれば断るという選択もあり得ます。逆に、単価が低めでも、知識をつけたい分野の仕事であれば今後のキャリアの広がりを考えて受けるという選択も可能です。引き受けるジャンルを絞ることで専門性が高まり好条件の仕事が来ることもありますし、多くのジャンルに対応できるライターを目指すことも一つの手です。
目先の収入も大切ですが、Webライターとして長く活躍するためには、戦略的に仕事を選ぶことも必要です。Webライターとしてのステージに応じて、仕事を受ける際の基準も変わってきます。自分のキャリアを長い目で見たときに今何をすべきかを常に意識しながら、一つひとつの依頼を受けるかどうかを決めると良いでしょう。
【誠実に、はっきりと】断り方のポイント
Webライターと依頼主とのやりとりは、メールやチャットなどを通じた顔の見えないものになりがちです。しかし、たとえ直接会ったことのない相手であっても、仕事を断るときには礼儀を忘れず丁寧に対応することが大切です。信頼できる誠実な人物だと感じられれば、同じ相手から再度依頼が来ることもあります。
ここでは、フリーランスWebライターが仕事を断る際のポイントを紹介します。
相談してくれたことへの感謝の気持ちを伝える
フリーランスWebライターにとって、自分を選んで仕事を依頼してもらえることは嬉しいことです。たとえ結果として受けられない仕事であっても、自分に興味を持ち声をかけてもらったことにはきちんと感謝の気持ちを伝えましょう。継続案件を断る場合も、これまで仕事を任されてきたことへのお礼や、案件を断ることへのお詫びを述べるようにします。
依頼主の気持ちを配慮しつつも、はっきりと断る
仕事を断られることは、依頼主にとっては決して望ましい状況ではありません。新しいライターを探す負担も増えてしまいます。仕事を断るときには相手の気持ちや立場を思いやり、失礼のないように心がけましょう。また、丁寧な対応はトラブル回避にもつながります。
ただし、表現に配慮しつつもはっきりと断ることはとても大切です。断りづらさのあまり「できるかもしれないが、難しいかもしれない」といった曖昧な言い方をしてしまうと、相手も今後の見通しが立てられず、結果的に迷惑をかけてしまいます。また、歯切れの悪い回答をすると本当は受けたいのかどうかが相手にとってもよくわからず、望まない仕事をだらだらと依頼され続けることになりかねません。
相手が納得する理由を用意する
仕事を断る理由は状況によってさまざまですが、依頼主の立場に立った上で納得してもらえるような伝え方をすることは重要です。
例えば、「嘘も方便」といって事実とは異なる体調不良や入院を持ち出そうとするのは、間違ってもやってはいけません。相手に「状況が落ち着けば再度仕事を受けてもらえるだろう」という期待を持たせて迷惑をかける恐れがあります。
また、クライアント同士がつながっている場合もあり、事実ではない理由で仕事を断ったことが他のクライアント経由で伝わると依頼主との信頼関係に影響しかねません。「一つの嘘が七つの嘘を生む」というのはマルティン・ルターの言葉ですが、嘘を隠し通すのはそこまで簡単ではありません。
ただし、依頼内容に興味が持てないといった理由で仕事を断りたい場合、そのまま依頼主に伝えると失礼にあたる可能性があります。角の立たない理由を伝える配慮も必要になるでしょう。
適切なタイミングを見計らう
仕事を断ると決めたら、できるだけ早く伝えることが大切です。断りにくいからとずるずると先延ばししてしまっては、相手の仕事に支障が出てしまいます。
また、継続中の案件については、できるだけ急に断らないようにしましょう。依頼主は、自分が次の依頼も受けてくれるという前提でスケジュールを組んでいます。相手が他のライターを探す時間を確保できるように、「今回の案件で最後にしたい」「来月までなら受けられる」などといった期限を設定する配慮も必要です。
次につながる対応をする
今後も仕事を依頼してほしい相手には、次に仕事を受けられる場合の条件を提示することで、再び依頼をもらえる可能性があります。「この期間であれば受けられる」「この単価であれば対応可能」「この分野は現在勉強中で、いつ以降ならできる」といった条件があれば、伝えておくことも有効です。
【事例別】スマートな仕事の断り方と文例
仕事を断るときには、相手の気持ちに配慮しつつ、自分の事情をはっきりと伝えることが大切です。とはいえ、実際にどのような文面で依頼を辞退してよいかわからず困っているという方もいるでしょう。また、依頼を受けられない理由や案件の種類によっても、断り方のポイントは変わってきます。
ここでは、相手との関係を保ちながら上手に依頼を断るための具体的な方法を事例別に紹介します。自分の状況に応じてアレンジしながら活用してください。
新規ライティング案件の断り方
新規の依頼が来るのは嬉しいことですが、引き受ける余裕がない場合や条件に合わない場合はきちんと断ることが大切です。
ただし、実際に仕事をしてみないと対応できる内容かどうかがわからない場合も存在します。長期の継続を前提とした仕事であっても、テストライティングから始まるケースも多々あります。新規案件を引き受けるか迷ったときは、まずはテストライティングを受けてから決めるという選択も可能です。
なお、SNS、ブログ、クラウドソーシングサイト上のプロフィールのページなどに仕事を引き受ける際の条件を事前に明示しておくと、全く条件に合わない新規依頼が来る回数を減らせます。既存の仕事で忙しい時期や新規案件に対応可能な時期を明示しておくことも、新規依頼数の調整に有効です。
ここからは、新規案件を断る際のポイントと実際に使える文例を事例別に紹介します。相手とのつながりを維持したい場合は、次回につながる対応を心がけましょう。
スケジュールが合わない場合
他の案件などで既に予定が埋まっており、新規案件を引き受ける時間がない場合は、スケジュールの都合で依頼を受けられないことを伝えます。状況が落ち着く時期がわかっているときは、伝えておくと再度依頼が来る可能性もあります。
仕事の内容自体には魅力を感じる場合、また機会があれば仕事をしたいことをアピールしたり、納期を延ばしてもらえないか交渉したりするのも良いでしょう。
【文例】スケジュールが合わない場合の新規案件の断り方
この度は〇〇のお仕事についてお問い合わせいただき、誠にありがとうございます。ご依頼いただいた内容を確認いたしました。
大変申し訳ございませんが、今回のお仕事は辞退させていただければと思います。魅力的なお仕事だと感じておりますが、現在業務が立て込んでおり、新規のご依頼をお受けするのが難しい状況です。
なお、△△の時期でしたら現在の業務が落ち着くため、お仕事をお受けできる可能性がございます。よろしければご検討いただけますと幸いです。
せっかくお声がけいただいたにもかかわらず、お役に立てず大変申し訳ございません。またの機会にご一緒させていただきたく存じます。何卒よろしくお願いいたします。
条件が合わない場合
提示された報酬などが自分の求めるものに見合わない場合は、条件が合わないことを伝えます。条件によっては引き受けられる内容の仕事であれば、単価アップの交渉をしてみることも有効です。
依頼主がフリーランスへの発注に慣れていない場合、具体的な作業工程や所要時間がイメージできず、割に合わない条件を提示している場合もあります。通常自分が同様の仕事を引き受ける際の単価を伝えることで、条件を再検討してもらえるかもしれません。
【文例】条件が合わない場合の新規案件の断り方
この度は〇〇のお仕事についてお問い合わせいただき、誠にありがとうございます。ご依頼いただいた内容を確認いたしました。
大変申し訳ございませんが、今回のお仕事は辞退させていただければと思います。ご提示いただいた単価ですと、お引き受けするのが難しいと判断いたしました。
なお、この内容のお仕事の場合、通常は単価△△円以上でお受けしております。よろしければご検討いただけますと幸いです。
せっかく興味深いご依頼をいただいたにもかかわらず、お役に立てず大変申し訳ございません。何卒よろしくお願いいたします。
仕事内容が合わない場合
専門外の内容や、自分のスキルでは対応できない内容を依頼された場合には、正直に伝えましょう。自分の手に余る内容の仕事を無理に引き受けてしまうと、かえって相手に迷惑がかかってしまいます。
なお、求められている仕事を得意とする知人を紹介したり、自分の得意分野を提示して違う仕事につなげたりすることで相手との関係を続けられる可能性もあります。フリーランス同士の人脈を大切にし、互いの受けられない仕事をカバーし合う関係性を築いておくことも有効です。
ただし、仕事の内容に興味が持てないといった理由で断りたいときは、そのまま伝えると相手に失礼になるため穏便な理由や表現で断る方が良いでしょう。
【文例】仕事内容が合わない場合の新規案件の断り方
この度は〇〇のお仕事についてお問い合わせいただき、誠にありがとうございます。ご依頼いただいた内容を確認いたしました。
大変申し訳ございませんが、今回のお仕事は辞退させていただければと思います。大変興味深いお仕事なのですが、私の現在のスキルではお役に立てず、かえってご迷惑をおかけしてしまうと思われます。
なお、△△の分野でしたら経験があるためお力になれるかと思います。よろしければご検討いただけますと幸いです。
せっかくお声がけいただいたにもかかわらず、ご要望に沿えず大変申し訳ございません。何卒よろしくお願いいたします。
継続ライティング案件の断り方
Webライターとしてしばらく活動していると、これまで続けてきた継続案件を断りたい場面も出てきます。経験を積んでスキルアップし、より高単価の仕事に挑戦したいという場合もあるでしょう。また、継続案件を一定期間続けてみたものの、単価のわりに大変な仕事であることに気づき辞退したいと考えることもあり得ます。
最初に依頼を引き受けたときから自分の状況が変わることはあるため、継続案件であっても決して断れないというわけではありません。ただし、相手は自分が仕事を受けてくれる前提で先々の計画を立てています。急な事態により相手に迷惑をかけないための配慮は必要です。
ここでは、継続ライティング案件を断る方法を事例別に文例付きで紹介します。なお、仕事の内容には問題がなく条件さえ合えば続けたい場合は、納期や単価の交渉も検討してみましょう。
スケジュールが合わない場合
以前より仕事が増えたりプライベートの事情が変わったりして、今まで受けていた仕事ができなくなったときは、スケジュールの都合で継続案件を辞退したいことを伝えましょう。よほど突発的な事情でない限り、なるべく早めに伝えることが大切です。
納期の延長や、週(月)あたりの納品数の調整によって仕事を続けられるのであれば、交渉してみることも可能です。忙しさが一時的なものであれば、再開可能な時期を伝えることで一定期間発注を休止してもらえることもあります。
【文例】スケジュールが合わない場合の継続案件の断り方
大変お世話になっております。いつも〇〇のお仕事をご依頼いただきまして誠にありがとうございます。
突然のお話で大変恐縮ですが、家庭の事情により、これまで通りのスケジュールでお仕事を進めることが難しい状況になりました。つきましては、今いただいているお仕事が完了次第、継続のご依頼をいったん終了とさせていただきたく存じます。
なお、記事の納品ペースを現在の月2本から月1本に変更していただけましたら、今後もご対応が可能です。よろしければご検討いただけますと幸いです。
△△様からいただくお仕事はいつも興味深く、これまでご依頼をいただいたことに感謝しております。勝手なお願いで大変申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
条件が合わない場合
スキルアップにより求める単価が上がった場合や、実際に作業をする中で現在の条件では仕事を続けられないと感じた場合には、条件面で折り合いがつかなくなったことを伝えましょう。
今後も条件次第では仕事を続けたい場合、実績をもとに単価交渉に応じてもらえる可能性もあります。ただし、普段から誤字脱字やレギュレーション違反などを減らす努力をし、頼まれた仕事をきちんと仕上げて信頼を得ていることは大切です。
【文例】条件が合わない場合の継続案件の断り方
大変お世話になっております。いつも〇〇のお仕事をご依頼いただきまして誠にありがとうございます。
突然のお話で大変恐縮ですが、他の業務との兼ね合いもあり、現在の単価でお仕事を続けることが難しい状況になりました。つきましては、今いただいているお仕事が完了次第、継続のご依頼をいったん終了とさせていただきたく存じます。
なお、僭越ながら報酬を✕✕円以上に変更していただけましたら、引き続きお仕事をお受けすることが可能です。よろしければご検討いただけますと幸いです。
△△様にいただくご依頼は学びが多く、これまで楽しくお仕事をさせていただいたことに感謝しております。勝手なお願いで大変申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
【まとめ】仕事を断るときは相手への誠意を大切に
仕事を断ることは決して気持ちの良い行動ではないため、苦手意識を持っている方も多いでしょう。収入が減ったり、依頼主との関係が悪くなったりすることを恐れてなかなか依頼を断れないというケースも少なくありません。
しかし、フリーランスWebライターとして質の高い仕事を長く続けていくためには、依頼を断ることも時には必要です。相手の気持ちや立場を尊重しつつ、誠実な姿勢ではっきりとお断りしましょう。相手との関係を壊さないように丁寧に断ることで、また声をかけてもらえる可能性があります。
仕事選びの迷いを減らすには、普段から自分のライターとしてのキャリアを長期的な視点で捉え、仕事を引き受ける基準を明確にしておくことが大切です。仕事を断ることは、新しい仕事を受けるチャンスを増やすことでもあります。自分の望むような仕事を受けられるように、常にスキルアップを目指し、戦略的かつ主体的なキャリア設計を行いましょう。
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