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コミュニケーションロスとは?原因や防止法をわかりやすく解説

最終更新日:2026年1月20日)

「言ったつもり」「聞いたはずなのに」「そんな話は知らなかった」――ビジネスの現場で、こうしたすれ違いを経験したことはありませんか?それは、単なる勘違いではなく「コミュニケーションロス」が原因かもしれません。特にリモートワークやチャット文化が広がる今、テキストや非対面でのやりとりが中心となり、コミュニケーションロスはより深刻な課題になっています。

2024年にエン・ジャパン株式会社が行った調査によると、実際の現場では、上司・部下間のコミュニケーションに7割が「課題がある」と感じており、特に「精神的な距離感」「指示の分かりにくさ」が問題視されています。

(引用:1800人のビジネスパーソンに聞いた「上司・部下間のコミュニケーション」調査

本記事では、『部下のメールが読みづらい!と感じたときに読む本』の著者であり、法人向け研修「ビジネスメール・チャット添削研修」の講師を務める私が、コミュニケーションロスの定義から、起こる原因、実際の弊害、そして防止策までをわかりやすく解説します。

◉本記事の著者
伊藤謙三
1989年、神奈川県生まれ。青山学院大学経済学部経済学科卒業。 大学卒業後に株式会社YOSCAに入社し、編集者としてメディアの編集ディレクション・ライターの育成に携わる。現在は文章にまつわる講座や研修の開発を担当。2020年に「あなたのライターキャリア講座」、2024年に「ビジネスメール・チャット添削研修」を立ち上げる。著書に『部下のメール・チャットが読みづらい!と感じたときに読む本』がある。

コミュニケーションロスとは

コミュニケーションロスとは、「伝えた情報が相手に正しく届かず、誤解や行き違い、業務上のミスが発生する状態」を指します。単なる「情報の抜け漏れ」だけではなく、次のような状態も含まれます。

  • 伝えたつもりでも、相手には十分に伝わっていなかった
  • 相手が理解したつもりでも、内容の解釈にズレがあった
  • 情報は届いているが、受け手が重要性を認識していなかった

つまり、「情報が正しく伝わるかどうか」は、発信側だけでなく、受信側の理解や状況にも左右されるという点が重要です。

コミュニケーションは、単なる情報の送受信ではなく、「認識の一致」を目指すべきプロセスです。そのプロセスがうまく機能しないと、さまざまなトラブルを引き起こします。現代のビジネス環境、特にテレワークや非対面のやりとりが中心となる職場では、こうしたロスが顕在化しやすくなっています。

よくあるコミュニケーションロスの事例

指示が曖昧で想定とは異なる資料ができる

たとえば、上司が「資料を“いい感じ”にまとめておいて」といった曖昧な表現で依頼した場合、受け手の解釈によって大きなズレが生じることがあります。実際に、部下はビジュアル重視のスライド資料を作成したものの、上司は文章中心の読み物形式を期待していた、というケースも。お互いに「そういうつもりではなかった」となり、資料の作り直しが発生するなど、時間と労力の無駄につながります。

誰に伝えたのかが不明で対応漏れが生じる

チーム内で「この作業、誰かがやってくれるだろう」と全員が思い込んでいた結果、結局誰も手をつけずに納期直前で発覚する──こうしたトラブルもコミュニケーションロスの典型例です。特にチャットツールなどで「全体に向けて」情報共有しただけでは、責任の所在が曖昧になりやすく、対応漏れや二重対応が起こりがちです。

情報が共有されておらず顧客対応に食い違い

営業担当がクライアントから要望変更を受けたものの、その情報がチーム内で適切に共有されていなかったため、サポート担当が旧仕様で案内してしまう――このような事態も実際によくあります。その結果、クレームにつながったり、顧客からの信頼を損なってしまう可能性もあり、社内の連携ミスが外部トラブルに直結する典型的な事例と言えます。

コミュニケーションロスの主な原因

コミュニケーションロスは、情報の受け渡しがうまくいかなかった「結果」として表れますが、その背景にはさまざまな「原因」が潜んでいます。ここでは、特に多くの現場で見られる3つの原因について解説します。

認識のすり合わせ不足

認識のすり合わせ不足とは、「言葉そのものは通じていても、背景・目的・前提条件などの解釈がずれている状態」を指します。これは、コミュニケーションロスの中でも最も発生頻度が高く、かつ業務ミスややり直しの直接的な原因になりやすいものです。

たとえば、「この資料、A社向けに準備しておいて」と言われた場合について考えてみましょう。以下のような前提が共有されていなければ、受け手の判断に任せるしかなくなります。

  • プレゼン用なのか、内部確認用なのか
  • 詳細なデータを入れるのか、概要のみでいいのか
  • どのくらいのトーンで仕上げるのか など

といった前提を共有していなければ、受け手の判断に任せるしかなくなります。こうしたゴールや意図の共有不足が、結果として「思っていたのと違う」というすれ違いを生み出すのです。

コミュニケーションに対する理解不足

業務上のやりとりにおいて、「コミュニケーションは伝えるだけでなく、適切に手段を選ぶことが重要である」という意識が欠けていると、ロスが起きやすくなります。特に、現代の職場では同期コミュニケーションと非同期コミュニケーションの使い分けが求められます。

同期コミュニケーションとは、同じ時間に同じ場に(物理的またはオンラインで)参加し、リアルタイムでやり取りを行う形式のコミュニケーションです。代表的な例としては、会議や電話、オンラインミーティング、チャットでの即時返信などがあります。

これに対して非同期コミュニケーションは、発信と受信のタイミングが一致していなくても成立するやり取りを指します。メールやチャットでの後日返信、社内SNSへの投稿、共有ドキュメントへのコメントなどがこれにあたります。

同期コミュニケーションと非同期コミュニケーションを正しく使い分けられていないと、ロスが生じやすくなります。たとえば、「緊急の対応が必要な内容」をチャットで送っただけで安心してしまい、相手が気づかず対応が遅れる、というケースはよくあります。逆に、少し考えてから返信すべき内容を会議で即答させてしまうと、誤解や誤判断のリスクが高まります。

心理的距離や上下関係による遠慮

コミュニケーションロスの大きな要因のひとつに、心理的なハードルが挙げられます。相手との心理的距離が遠かったり、上下関係が強かったりすると、「確認しづらい」「聞き返しづらい」と感じ、必要なやりとりが行われなくなります。

例としては、次のような場面が考えられます。

  • 「こんな初歩的なことを聞いたら、評価が下がるかもしれない」と不安に感じ、確認せずに自己判断で作業を進めてしまう
  • 上司に対して「この指示は少し不明瞭だ」と思っても、指摘しにくく、そのまま解釈して進める
  • 年齢差や部門間の壁があり、「あの人とは話しづらい」という空気がなんとなく存在する など

このような遠慮や緊張感は、言語化されることなく組織に根付きやすく、結果として「言わない・聞かない・伝えない」文化を生み出します。

また、テレワークやフリーアドレス制などにより物理的な距離が増すと、心理的距離も比例して広がりやすくなります。対面であれば「ちょっといいですか?」と声をかけられる内容も、オンラインではわざわざミーティングを設定する必要があり、心理的ハードルが高まります。

コミュニケーションロスを防ぐ方法

コミュニケーションロスは、個人の努力だけでなく、組織としての仕組みや文化によっても防ぐことができます。ここでは、組織的に取り組むべき3つの具体的な対策をご紹介します。

情報共有ルールを整備する

日々の業務では、チャットやメールなどの非対面・非同期のやりとりが中心となる場面が増えています。このような環境では、「誰に、何を、どこまで伝えるべきか」といった情報共有のルールを明確にすることが重要です。

たとえば、以下のようなルールの設定が求められるでしょう。

  • メールは誰をCCに入れるか
  • チャットは案件ごとにスレッドを分けるか
  • 重要事項は議事録に残すか、口頭確認もするか など

このようにして「伝え方・残し方」のルールを社内で決めておくことで、伝達ミスや抜け漏れを減らすことができます。作成したルールはマニュアル化し、日常の業務で自然に活用できるよう、定期的な周知や見直しも欠かせません。

学習機会を設ける

コミュニケーションは「なんとなくできるもの」ではなく、明確なスキルとして学ぶべきものです。特に、現代の働き方では同期コミュニケーション(リアルタイム)と非同期コミュニケーション(時間差)の特性を理解し、状況に応じて使い分ける力が求められます。

こうした知識やスキルを身につけるには、以下のような学習機会を定期的に提供することが効果的です。

  • 社内勉強会の開催
  • 外部講師を招いたコミュニケーション研修
  • 添削型トレーニングによる実践的な指導 

個人の感覚や経験だけに頼るのではなく、全社的に「正しく伝える・受け取る」ための知識を標準化することが、ロスのない組織づくりにつながります。

意見交換の場を設ける

社内でコミュニケーションに対する共通認識を醸成するには、異なる立場・役職の人同士で意見を交わすことが有効です。部署が違えば情報の見え方も異なり、役職が違えば期待値や判断基準にもズレが生まれます。

定期的に以下のような場を設けるとよいでしょう。

  • 部門横断のワークショップや懇談会
  • 上下の立場を越えたグループディスカッション
  • 「伝わらなかった経験」を共有し合う場 など

これにより、お互いの考え方や捉え方を理解し合い、共通言語としてのコミュニケーション観が育っていきます。感覚のすり合わせは、マニュアルだけではできない、実践的な気づきを得る貴重な機会となります。

まとめ

コミュニケーションロスは、「些細なミス」の積み重ねから組織全体の信頼や効率にまで影響を与えうる、深刻な課題です。しかし、明確なルールづくりや認識合わせの文化があれば、多くのロスは未然に防ぐことができます。特にリモートワーク・チャット文化が浸透した今だからこそ、テキストによる伝え方・受け取り方の質を高めることが求められます。「言った」「聞いた」のすれ違いをなくし、伝わるコミュニケーションを組織全体で育てていきましょう。

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伊藤謙三
1989年、神奈川県生まれ。青山学院大学経済学部経済学科卒業。 大学卒業後に株式会社YOSCAに入社し、編集者としてメディアの編集ディレクション・ライターの育成に携わる。現在は文章にまつわる講座や研修の開発を担当。2020年に「あなたのライターキャリア講座」、2024年に「ビジネスメール・チャット添削研修」を立ち上げる。 著書に『部下のメール・チャットが読みづらい!と感じたときに読む本』がある。
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