ライターの記事が“AIっぽい”と感じたら。編集担当者のための指摘の仕方とAI時代の依頼術
( 最終更新日:2026年4月13日)
ライターから送られてきた記事を読んで、「なんかAIっぽい…」と感じたことはありますか?
最近、弊社の編集者からもそうした話題が増えてきています。
内容は間違っていない。構成も一応整っている。でも、どこか引っかかる。なんだかAIに生成させた文章をそのまま送ってきたような感じがする。読んだ後に何も残らない記事。そういう記事を前にして、「どのように指摘すればいいのか」「そもそもAIっぽいと指摘していいのか」と迷う編集担当者は少なくありません。
この記事では、その「AIっぽさ」の正体と、ライターへの適切な伝え方、そしてAI時代に合わせた依頼の変え方をお伝えします。
※この記事は、テキストコンテンツ作成代行サービスを提供する株式会社YOSCAが執筆・監修しています。コンテンツ制作の外注・品質管理についてのご相談は、お気軽にお問い合わせください。
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目次
「AIっぽい」と感じるのには、理由がある
「なんとなく違う」という感覚は、実は曖昧なものではありません。AIが生成した文章には、いくつかの共通したパターンがあります。それを知るだけで、「なんとなく」が「具体的に何が足りないか」に変わります。
接続詞と文末のくり返し
「また」「さらに」「なお」「これにより」「このように」。こうした接続詞が段落ごとに出てくる記事は、AIが生成した可能性があります。AIは確率的に「次に来やすい言葉」を選びます。この流れなら次はこの言葉が来る可能性が高いという統計的な判断で言葉をつなぐ、という感じです。「また」「さらに」は日本語の中でも汎用性が高く、どんな文脈にも使いやすいため、AIが繰り返し選択しやすい言葉なのでしょう。
文末も同様です。「〜です。〜ます。〜です。〜ます。」という単調なくり返しが続くと、読んでいてリズムが平坦になり、次第に飽きを感じさせます。人が書いた文章には、強調したい部分で短く言い切ったり、説明を続ける部分で少し長めに書いたりという緩急があります。AIの文章にはその変化がありません(もちろん人が書いた文章でも、そうした記事もあるのですが)。
具体性に欠ける表現
「多くの企業が課題を抱えています」「効果的な施策を実施することが重要です」。このような表現はニュアンスを伝えたり、印象操作したりする表現として便利ですが、具体性に欠ける表現で、プロのライターとしては使いたくないものです。
AIは大量のウェブ上のテキストを学習しています。「コンテンツマーケティングに関する記事を書いて」と指示されれば、ウェブ上に存在する同テーマの記事の平均値に近い文章を生成します。その平均値とは、誰も傷つけず、誰にでも当てはまる、無難な表現の集合です。
結果として生まれるのは、どんな読者が読んでも「なるほど」とは思うが「自分のために書いてあることだ」とは感じない記事です。数字がない。具体例がない。「あの時の自分の状況だ」と思わせる場面がない。そういう記事は、読み終えても何も残りません。
熱量がなく、抑揚がない
AIっぽい文章の特徴として見落とされがちなのが、どの情報も同じように扱われているという点です。重要な主張も補足情報も、同じ文量・同じ書き方で並んでいる。「ここが一番大事なんだ」という力点がどこにもない。個人的には、この要素がAIが生成した文章を読んでいて一番苦痛な点です。
人が書いた文章には、意識的かどうかにかかわらず、「これだけは伝えたい」という一文があります。その一文の前後では自然と筆が変わり、読者も「ここが核心なんだ」と感じられます。AIの文章にはその抑揚がなく、全体がフラットに流れていきます。文の長さも段落の長さも全体を通じて均一で、声に出して読んでみると特にそのリズムの単調さが際立ちます。
箇条書きが多い
情報を整理して見せることは大切です。しかしAIは、必要以上に情報を箇条書きに変換しようとします。「3つのポイント」「5つのチェック項目」のような構造は、一見わかりやすく見えますが、情報を提示するだけで伝えることをしていません。
箇条書きは、並列した複数の情報を見やすくするための形式です。しかし、読者を説得したい場面、共感させたい場面、考えさせたい場面では、文章形式の方がはるかに力を持ちます。何でも箇条書きにした記事は、整理はされているが、読んだ後に「で、結局何が言いたかったのか」が残りやすいです。
定型フレーズで始まり、定型フレーズで終わる
「この記事では〜について解説します」「ぜひ参考にしてみてください」「いかがでしたか」。これらはAI文章の典型的な入り口と出口です(こちらもAIに限らず、人も多く使用する紋切り型の表現ではありますが。だからAIも真似するのかもしれませんね)。
冒頭で「この記事では」と始まる文章は、読者の状況や感情にまったく触れないまま、自分が何を書くかの宣言から始めています。末尾に「ぜひ参考にしてみてください」がある記事は、読者に何かを手渡せたかどうかを問わず、形式的な挨拶で終えています。書くべき内容よりも書くための形式を先に持ってしまった結果、生まれやすいパターンです。
ここで一度、立ち止まって考えてほしいことがあります。
こうしたパターンは、AIツールが普及する以前にも存在していました。当時の編集者は同じ感覚を、「内容が薄い」「表現に個性がない」という言葉で言い表していました。AIが広く使われるようになったことで、こうした記事を受け取る機会は増えたかもしれません。しかし、根本的な問題は変わっていません。
問題の核心は、ライターが書き上げた記事を依頼主や読者の目線から客観的に評価できていないこと、そして依頼する側がどんな記事を求めているかを十分に伝えられていないことにあります。ライターが実際にAIを使っているかどうかより、この2点が解決されているかどうかの方が、記事の品質に直結します。
そのため、AIっぽい文章が納品されたとして、「ここがAIっぽいから修正してほしい」という指摘をしたからといって記事が良くなるわけではないのです。
「AIっぽい箇所を直して」では、記事は良くならない
例えば接続詞の多用を指摘されたライターが、接続詞を減らして書き直したとします。接続詞は減るかもしれません。しかし、何を伝えたいかが定まっていないまま書いた記事は、今度は文章がぶつ切れになるだけで、やはり何も伝わらない。指摘した側は「また直ってない」と感じ、ライターは「また修正か」と疲弊する。その繰り返しになります。
箇条書きが多いという指摘も同じです。文章に書き直したとしても、もともと「何を言いたいか」が整理されていない内容を形式だけ変えても、論旨が追いにくい文章になるだけです。読みにくさの種類が変わっただけで、読んで何も残らないことに変わりはありません。何を伝えたいから箇条書きにするのか、はたまた文章形式で表現するのかを考えて記事を構築する必要があります。表層を直す指摘では、根本にある「伝えたいことが定まっていない」という問題には届かないのです。
編集者が「AIっぽい」と感じた瞬間、それは「この記事全体が、まだ納品レベルに達していない」ということを意味しています。接続詞が多いとか、文末が単調だとか、そういった表層は、より深い問題の表れに過ぎません。「何を伝えたいのか」が定まっていない記事が、結果としてAIっぽく見えているわけです。
「AIっぽい」の代わりに、何を指摘するか
指摘すべきは「AIっぽい箇所」ではなく、「この記事が何を伝えようとしているかが見えない」という事実です。
具体的には、次のような問いかけが有効です。
「この記事で、読者に一番持ち帰ってほしいことは何ですか?」
「この記事を読んだ人に、何を考えてほしいですか? 何を感じてほしいですか?」
「記事の中で、最も重要だと思っている一文はどこですか?」
こうした問いに答えられないまま書かれた記事は、必然的に薄くなります。ライターに問い直してもらうことで、記事の目的そのものを見直す機会が生まれます。
また、修正依頼と同時に「良かった点」を一つ添えることも大切です。「構成の流れはわかりやすかったです。ただ、読み終えた後に何か残るものが欲しい」などのように伝えると、改善の方向性が明確になりつつ、ライターとの関係も保てます。
なお、こうした問いかけはライターへのフィードバックとしてだけでなく、依頼前の確認としても使えます。「この記事で読者に一番伝えたいことは何か」を依頼書に書けるかどうか、まず自分自身に問いかけてみてください。答えがすぐに出なければ、それは依頼の内容がまだ固まっていないサインです。ライターに渡す前に、依頼する側が記事の核を言語化しておくことが、品質の出発点になります。
AI時代に、依頼する側が変えるべきこと
AIっぽい記事が送られてくる原因の多くは、実は依頼する側にあります。ライターにAIを使わせないようにすることよりも、「AIでは書けない記事になる指示」を渡すことの方が、はるかに重要です。
依頼書に「記事の主張」を書く
「〇〇について3,000字で書いてください」という依頼書では、ライターは情報を構造化することしかできません。その構造化を、ライターはAIで効率よく行います。結果として送られてくる記事がAIっぽいのは、ある意味で当然です。
依頼書に加えてほしいのは、記事の主張を一文で書くことです。「この記事を読んだ人に、△△という考え方に気づいてほしい」「読み終えたあと、□□を試してみようと思ってほしい」。この一文があるだけで、ライターは情報を選ぶ基準を持てます。何を強調し、何を省くかが決まる。その選択の積み重ねが、記事に方向性と熱量を生みます。
依頼する側が持っている情報を渡す
数字、事例、現場で実際に起きていること。こうした情報は、依頼する側にしか持てません。「最近こういうご相談が増えている」「お客様からよく聞く言葉がこれ」「社内でよく議論になるのがこの点」といった情報を依頼書に添えるだけで、記事の具体性は大きく変わります。
AIはどれだけ精巧であっても、あなたの会社の現場を知りません。ライターも同様です。依頼する側が情報を渡すことで初めて、その記事にしか書けない内容が生まれます。
AI使用のルールを明記する
「AI使用禁止」と書くより、「構成の検討にAIを使うのは構いませんが、本文は自分の言葉で書いてください」と範囲を指定する方が実態に合っています。
さらに効果的なのは、確認の基準を依頼書に書いておくことです。例えば、昨今ではAIっぽい文章に対して企業側が懸念を示すようになってきているので「接続詞の多用に気をつけてください」「記事の中で一番伝えたいことを、自分で言えるようにしてから書いてください」「納品前に声に出して読んで、自然なリズムになっているか確認してください」といったものです。こうした一文があるだけで、ライターが自分の原稿を客観的に見直すきっかけになります。依頼する側が基準を持ち、それを共有することが、品質管理の第一歩です。
まとめ
「AIっぽい」という感覚には、言語化できるパターンがあります。接続詞や文末のくり返し、具体性の欠如、抑揚のなさ、箇条書きの多用、定型フレーズ。これらを知っておくことで、「なんとなく違う」が「具体的に何が足りないか」に変わります。
しかし、それらのパターンを一つひとつ指摘することが解決策にはなりません。「AIっぽい」と感じた瞬間、それはライターが依頼主や読者の目線から自分の原稿を評価できていないサインであり、記事が納品レベルに達していないと感じている証左です。指摘すべきは箇所ではなく、「この記事で何を伝えたいのか」という問いそのものです。
そして忘れてはならないのは、こうした問題が起きる背景に、依頼する側の情報不足があることです。記事の主張を一文で伝える、現場の情報を渡す、自己確認の基準を共有する。AI時代に求められるのは、ライターへの制限ではなく、依頼の質を上げることです。
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