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ChatGPTの嘘を見抜く!プロ編集者が教えるAI記事のファクトチェック3つの手順

最終更新日:2026年3月3日)

ChatGPTをはじめとする生成AIの進化により、オウンドメディアやブログの記事制作スピードは飛躍的に向上しました。しかし、現場でAIを活用する多くのWeb担当者を悩ませているのが「AIがもっともらしい嘘をつく(ハルシネーション)」という問題です。

「この統計データは本当に最新のものか?」「存在しない法律や制度をでっちあげていないか?」と不安になり、結局自分で一から調べ直して膨大な時間がかかってしまう……。そんな経験はありませんか?AIを活用した記事制作において、最も重要かつリスクが高いのが「ファクトチェック(裏取り)」の工程です。

本記事では、株式会社YOSCAの編集者として数多くの記事を校閲し、品質を担保してきた視点から、効率的かつ確実にAIの嘘を見抜くための「ファクトチェック手順書」を公開します。

◉本記事の著者
伊藤謙三

1989年、神奈川県生まれ。青山学院大学経済学部経済学科卒業。 大学卒業後に株式会社YOSCAに入社し、編集者としてメディアの編集ディレクション・ライターの育成に携わる。現在は文章にまつわる講座や研修の開発を担当。2020年に「あなたのライターキャリア講座」、2024年に「ビジネスメール・チャット添削研修」を立ち上げる。著書に『部下のメール・チャットが読みづらい!と感じたときに読む本』がある。

なぜ生成AIは「もっともらしい嘘(ハルシネーション)」をつくのか?

ファクトチェックの手法を知る前に、まずは敵(?)の性質を知っておきましょう。なぜAIは自信満々に嘘をつくのでしょうか。

ChatGPTなどの大規模言語モデル(LLM)は、インターネット上の膨大なテキストデータを学習し、「この単語の次には、この単語が来る確率が高い」という予測に基づいて文章を生成しています。つまり、AIは「事実を理解して話している」わけではなく、「文章として自然な繋がりを確率的に構築している」だけなのです。

そのため、学習データに存在しないニッチな情報や、最新の法改正、複雑な文脈を伴う事実について問われると、関連性の高い単語をつなぎ合わせて「いかにも本当らしい、存在しない事実(ハルシネーション)」を作り出してしまいます。これをそのままメディアに掲載してしまうと、企業の信頼問題やコンプライアンス違反に直結するため、人間の目による厳格なファクトチェックが不可欠です。

編集者が実践!AI記事のファクトチェック3つの手順

ここからは、プロの編集者が現場で行っているファクトチェックの効率的な手順を解説します。AIが生成したテキストを漫然と読むのではなく、以下のステップで「疑うべきポイント」を絞り込むのがコツです。

手順1:ファクトチェックが必要な「事実情報」を洗い出す

文章の中にある「事実(検証可能なもの)」と「意見・推測」を切り分けます。AIの文章から、以下の要素をピックアップしてマーカーを引きましょう。

  • 固有名詞:企業名、サービス名、人名、法律名、制度名など
  • 数値・データ:パーセンテージ、金額、日付、年号、市場規模など
  • 歴史的背景や因果関係:「〇〇年に〇〇法が施行されたため〜」といった記述

これらが一つでも間違っていると、記事全体の信憑性が損なわれます。

手順2:信頼できる「一次情報」に当たる

洗い出した事実情報が正しいかどうかを、必ず「一次情報(大元の情報源)」で確認します。誰かがまとめた個人のブログや、出処不明のまとめサイトを根拠にしてはいけません。「公的機関」「企業公式」「学術論文」の3つを基本の拠り所とします。

  • 法律・制度・統計:省庁の公式サイト、e-Gov法令検索、政府統計ポータルサイト(e-Stat)など
  • 企業情報・サービス概要:その企業の公式サイト、公式のプレスリリース、有価証券報告書など
  • 学術的な事実・効果:大学や研究機関の発表、査読付きの論文(Google Scholarなどで検索)など

検索時に「キーワード site:go.jp」や「キーワード site:ac.jp」のようにドメインを指定して検索すると、公的機関や大学の一次情報に素早くアクセスできるため、作業効率が格段に上がります。

手順3:最新情報かどうかの確認と「クロスチェック」

一次情報を見つけたとしても、それが「過去の情報」であるケースも少なくありません。「記事公開時点での最新情報か?」を必ず確認してください。

また、一つのソースだけを鵜呑みにせず、複数の信頼できるソースで情報が一致するかを確かめる「クロスチェック」を行うことで、より強固なファクトチェックが可能になります。

【事例】実際の誤情報をどう検証するか(フローチャート解説)

では、具体的にどのようにファクトチェックを進めるのか、よくあるAIの誤情報パターンを例にフローチャート形式で解説します。

【AIが生成したテキストの例】

「2024年4月に施行された『新・テレワーク推進法』により、従業員数50名以上の企業は、週に2日以上のテレワークを導入することが義務化されました。これに違反した場合、最大で50万円の罰金が科せられます。」

一見すると非常にそれらしい文章ですが、編集者の目線でこれを検証してみましょう。

  • 【ステップ1:疑うべき箇所の抽出】
    「2024年4月」「新・テレワーク推進法」「従業員数50名以上」「週に2日以上の義務化」「最大50万円の罰金」を検証対象としてピックアップします。
  • 【ステップ2:法律名の裏取り】
    e-Gov法令検索や厚生労働省のサイトで「新・テレワーク推進法」を検索します。
    結果:そのような名称の法律は存在しないことが発覚。(※厚生労働省の「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」などの情報は存在するが、法律による「義務化」や「罰則」はない)
  • 【ステップ3:数値と罰則の裏取り】
    「従業員数50名以上」「50万円の罰金」という数値も、労働安全衛生法(ストレスチェック義務化など)の別の法律の要件とAIが混同して出力した可能性が高いと推測します。
  • 【ステップ4:修正と正しい情報の記載】
    AIの記述を削除し、「厚生労働省のガイドラインに基づき、企業にはテレワークの適切な導入が推奨されていますが、現時点で法的な義務化や罰則は設けられていません」といった、正しい事実に即した内容に書き換えます。

このように、AIの出力は「複数の事実をパッチワークのように繋ぎ合わせて新しい嘘を作る」傾向があるため、名詞・数値・条件のそれぞれを細かく分解して検証することが極めて重要です。

まとめ:AI時代こそ「人間の目」が不可欠

AIの登場で記事制作のハードルは下がりましたが、誤った情報による信頼低下や法的トラブルのリスクはむしろ高まっています。効率化のためにAIを導入しても、最終的なファクトチェックの精度は、私たち人間の「疑う力」と「リサーチ力」に依存しているのが実情です。

「社内だけでは情報の正確性に不安がある」「裏取り作業に疲弊している」とお悩みのWeb担当者様は、ぜひ一度YOSCAにご相談ください。プロの編集者視点で厳格なチェックを行い、貴社の安心・安全なメディア運営をサポートいたします。

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伊藤謙三
1989年、神奈川県生まれ。青山学院大学経済学部経済学科卒業。 大学卒業後に株式会社YOSCAに入社し、編集者としてメディアの編集ディレクション・ライターの育成に携わる。現在は文章にまつわる講座や研修の開発を担当。2020年に「あなたのライターキャリア講座」、2024年に「ビジネスメール・チャット添削研修」を立ち上げる。 著書に『部下のメール・チャットが読みづらい!と感じたときに読む本』がある。
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