
文章を書く全ての方へ!小学生の時に学んだ日本語の文法を総復習
( 最終更新日:2024年12月19日)
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私たちは物事を伝えようとするとき、多くの場合「ことば」を用います。それは文字だったり、音声だったりします。
その「ことば」の法則、それが「文法」です。この文法があることで、私たちは伝えたいことを正確に伝えることができます。逆に文法を間違えると、誤読や書き手の意図を読み手に正しく理解してもらえないことに繋がります。
ただ、日本語を母語とする多くの日本人にとって、日本語の文法を一から全て説明する必要はないでしょう。ここでは、記事作成を専門とする株式会社YOSCAが、「文章を書く上で意識しておきたい文法」という観点から説明していきます。何をどこまで復習する必要があるのか、どう学習していけば良いのかについてまとめました。

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目次
文法に精通する必要はない!違和感を持てればOK
母語の文法は、本人がことばを意識していない子どもの頃から、基本的な部分を身につけているものです。正しい日本語を身につけるために、文法に詳しくなろうと力を入れすぎる必要はありません。文章を読んだり人の話を聞いたりしたときに、その文法が正しいか間違っているかは、説明できなくとも区別はつくはずです。その程度で問題ありません。
例えば、以下のやりとりをご覧ください。
「この本はもう読みましたか。」
→「いいえ、まだ読みませんでした。」……(1)
→「いいえ、まだ読んでいません。」……(2)
(1)に違和感を覚える人は多いのではないでしょうか。しかし、なぜ間違いなのかを説明できる人は稀です。ただ、(1)が文法的になぜ誤りなのか(「まだ」という未完了の副詞に「でした」という過去形で終わることはない)という説明ができることは必ずしも目指す必要はない、ということです。
ちなみに、「脳はどうやって母語を獲得するのか?」という点については、酒井邦嘉著『言語の脳科学』が興味深い示唆を与えてくれます。
「文法的におかしい」って?〜誤った文法と表現は紙一重〜
文章を書いていると、
「文法的におかしい」
「文法として誤り」
という指摘を受けることがあります。
この場合の「文法的におかしい」とは文法と表現の二通りが考えられ、なおかつ後者の方が多いように思います。つまり、厳密には文法に誤りがあるわけではないのです。しかし文法と表現は紙一重なので、普段から違いを意識する人は少ないでしょう。ここでは「文法の誤り」と「表現の誤り(違和感の残る表現)」のそれぞれについて具体例とともに見ていきます。
文法の誤り
母語の文法を間違えるということは少ないものの、全くないというわけではありません。
例)
(誤)生まれ持ったものと変わらない見た目の歯を、患者様に取り戻させて差し上げたい。……(3)
(正)生まれ持ったものと変わらない見た目の歯を、患者様に取り戻して差し上げたい。……(4)
文章の主語は私(医師)なので、「取り戻させて」と受け身の言い方をするのは誤りだとわかります。
表現の誤り(違和感の残る表現)
相手に意味は通じるが違和感を与えるような表現は、その用法が誤っていたり典型的な用法から外れていたりすることがあります。以下の例を見てみましょう。
例1)
(誤)表現力、語彙力といった文章力を学べる。……(5)
(正) 表現力や語彙力が身につき、ライティングのスキルアップにつながる。……(6)
文章力は、伝えたい相手に伝えたいことを理解してもらえる文章を書く力のことです。表現力や語彙力は文章力そのものではなく、理解しやすい文章を書くための要素であり、「表現力、語彙力といった文章力」という表現には違和感を覚えます。(6)は他の言葉に言い換えることで違和感が解消されています。
例2)
(誤)何が正しいのか不安を抱える。……(7)
(正)何が正しいのかがわからず不安を抱える。……(8)
(7)では不安を抱えている要因がはっきりしません。「何が正しいのか」がわからないため、不安になっていることが伝わる(8)の方がわかりやすいですね。
(5)や(7)はご覧の通り、文法として誤っているわけではなく、なおかつ全く言いたいことが伝わらないわけでもありません。しかし読んでいる途中で「あれ?」と疑問を感じてしまうような表現ですし、直した方が良いことは皆さんも同意いただけるでしょう。
それでは、どのようにして正しい文法や表現を身につければ良いのでしょうか。
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正しい文法・表現を身につける4つの方法
〈方法1〉「編集された文章」を読む・聞く
中学生向けの文法の問題集を一通り解くなど、文法の勉強をしたからといって正しい日本語が身につくとは限りません。それよりは、正しい日本語を大量に浴びる方が吸収できます。
つまりは、プロの手によって編集された文章に触れること。具体的には書籍、新聞、雑誌、大手メディアのウェブサイトなどが望ましいでしょう。ただ必ずしもお金がかかるわけではなく、例えば書籍や新聞、雑誌は公共図書館に行けば無料で読むことができます。しかも、触れるのは何も「文字」だけではありません。落語などの話芸に親しみ、目だけでなく耳でも正しい日本語を聞くことが有効です。
〈方法2〉知らない表現を見たらすぐに辞書を引く
手元に辞書を用意しておきたいですが、手元にない時はせめて検索する癖をつけておきましょう。表現・語彙を知っているだけでなく使えるように身につけるには不断の努力が不可欠です。
ちなみに、『明鏡国語辞典 第三版』は誤用情報も多く掲載されており、自分のことばの使い方があっているかを確かめることができます。弊社のスタッフもおすすめしていました。
〈方法3〉Xで関連アカウントをフォローする
XなどのSNSを通して、ことばに関する発信をしているアカウントがあります。日頃ちょっとした空き時間に何気なく眺めるSNSだからこそ、スキマ時間に知識を得るきっかけになります。
おすすめのアカウントは、毎日新聞 校閲センター (@mainichi_kotoba) です。
同じく毎日新聞が運営するWebページである毎日ことばplusにも、時事ニュースに関連したことばに関する記事が多数掲載されています。
〈方法4〉NHK高校講座で学ぶ(無料)
NHK高校講座の「ベーシック国語」 は、無料で動画や資料を見ることができ、気軽に学ぶきっかけを得ることができます。文法・表現に関する回もあるため、一度見てみてはいかがでしょうか。
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知らないと恥ずかしい……文法の基礎4つ
さて、ここからはいわゆる国文法、つまり日本語の文法についてご説明しましょう。文法について全て説明しているとキリがないので、「正しい日本語で文章を書きたい」という方に知っておいてほしい文法の基礎を4つに絞ってご紹介します。
〈文法の基礎1〉ことばの単位
ことばの単位を大きい順に並べると、以下のようになります。
- 文章:複数の文が集まっているもの
- 段落:文章をいくつかのまとまりに分けたもの
- 文:「。」から「。」まで
- 文節:意味を壊さずに文を区切ったもの
- 単語:ことばの最小単位
その中でも、日本語の文法を考える時には「文節」が重要です。「文節」とはことばの単位のひとつで、意味がわかる範囲の最も短い区切りのことを言います。小学校や中学校で、「『ネ』や『サ』を入れても不自然にならないところが文節の区切りである」と教わりましたね。
例えば、
「日本語の文法を考えるときには、『文節』が重要です。」
という文章であれば、「日本語のネ、文法をネ、考えるときにはネ、『文節』がネ、重要ですネ」と区切ることができ、5つの文節で文が構成されていることがわかります。
〈文法の基礎2〉文の組み立て
文は以下5つの要素から成り立っています。
- 主語:何が・誰がなどを表す
- 述語:文末にあり、主語を詳しく説明する
- 修飾語:他の文節を詳しく説明する
- 接続語:前後の文や文節を繋ぐ働きをする
- 独立語:他の文節とは直接関係がない文節のこと
これらの文の成分が一つの文節ではなく、複数の文節から構成されている場合は、主部や述部とも言います。
複雑な文になればなるほど、文の成分が増え文節も増えます。しかし言い換えると、どんなに複雑な文でもこの5つの成分しかないのです。
例)
- 今日は寒い。(「今日は」が主語、「寒い」が述語)
- ライターは記事を執筆する人だ。(「ライターは」が主語、「記事を執筆する人だ」が述部)
〈文法の基礎3〉単語の種類 ~品詞・自立語と付属語~
品詞
ことばの最小単位である「単語」にはいくつかの種類があります。まず、「自立語」か「付属語」に分類されます。そして、活用(単語の最後の部分が変化するか)があるかないかによってさらに細かく分けることができます。
それらの分類された単語の集まりを「品詞」と呼びます。品詞は全部で10種類です。
【自立語】
★活用がないもの
- 名詞:「家」「犬」「あなた」のように物事の名称を表す品詞。単独で主語になれる。
- 副詞:「すっかり」「ずっと」など、文中で他の言葉の意味を詳しく説明する品詞。修飾する対象は用言。
- 連体詞:体言(名詞)を修飾して、意味を詳しく説明する品詞。名詞を修飾し、活用がない。
- 接続詞:前後の語や文を繋ぐ品詞。単独で接続語になる。
- 感動詞:感動、呼びかけ、応答などを表す品詞。文頭にあることが多い。
★活用があるもの
- 動詞: 物事の動作や作用、存在などを表す品詞。述語のほか主語や修飾語、接続語にもなれる。
- 形容詞:物事の性質や状態を表し、終止形が「い」で終わる。
- 形容動詞:物事の性質や状態を表し、言い切りの形が「だ」で終わる。
【付属語】
★活用がないもの
- 助詞:言葉に意味を肉付けする語。「~を」や「~が」など、名詞に接続して言葉の意味を補足語や主語にできる。「~と」のように語と語を繋げる言葉も助詞の一つ。
★活用があるもの
- 助動詞 :用言や体言に付属して意味を添える働きがある。
上記の通り、品詞分類すると10種類です。しかし、「名詞」に含まれる「代名詞」を分けて、品詞を11種類とする場合もあります。また、名詞(および代名詞)を「体言」、動詞・形容詞形容動詞を併せて「用言」と呼ぶこともあります。
自立語と付属語
上記の通り、品詞分類の中でもまず「自立語」と「付属語」で分けることができます。
「自立語」は一つの単語で一つの文節をつくることができる単語、「付属語」は自立語と一緒でなければ一つの文節をつくることができない単語です。例えば「ペンは剣よりも強し」という文であれば、太字が「自立語」、細字が「付属語」です。
〈文法の基礎4〉文の種類~意味上の分類/構造上の分類~
文は意味による分類と、構造による分類ができます。
意味上の分類
- 平叙文
- 断定や推量などの意味を述べる文です。言い切りの文節が用言・助動詞の終止形になっているのが一般的です。読み手に理解を要求し、現実をありのままに述べるときに使用されます。
- 例) 私はYOSCAのライターだ。
- 疑問文
- 疑問や反語の意味を述べる文です。言い切りの文節は助詞の「か」で終わるの が一般的です。書き手が読み手に未知の部分の情報を求めたり、自分自身に問いかけるときに使用します。
- 例)今日は何曜日ですか。
- 感動文
- 文字通り感動の意味を述べる文です。感動詞を伴うことが多く、感動の意味をあらわす助詞を伴います。書き手の感情を直接表現し、読み手に注目してもらうことを期待するときに使用します。
- 例)ああ、今日はあついなあ。
- 命令文
- 命令・禁止・願望の意味を述べる文です。言い切りの文節が命令形で終わったり、禁止をあらわす助詞の「な」で終わったりします。
- 例)電気を消してください。廊下を走るな。
構造上の分類
- 単文
- 主・述の関係が1回だけで成り立っている文のことです。3つの分類の中で最もシンプル文の形です。
- 例) 私はYOSCAのライターだ。
- 複文
- 主・述の関係が複数回あり(一つの単文の中に単文が組み込まれており)、並立の関係にない文のことです。
- 例)私がYOSCAのライターになったのは、昨年末のことです。(「私がYOSCAのライターになったのは」までが主部、「昨年末のことです」が述部)
- 重文
- 重文は、主・述の関係が複数回あり、それが並立している文のことです。接続詞で結ばれていることが多いため、切り離せます。
- 例) 父は医者で、母は弁護士だ。
日本語を読む際に、文の構造を理解しようと注意することは少ないかもしれません。ただ、文章を読む際に違いを意識することで、構造を理解することができ、わかりやすい文章を書くスキル向上にも繋がります。
まとめ
文法を覚えたからといって上手な文章が書けるわけではありません。しかし、読み手の興味を最後まで惹きつけ、書き手が伝えたいことがきちんと読み手に伝わるためには、正しい日本語・文法を扱えることが重要です。日頃から正しい日本語に触れて知識を増やすことで、基本を理解して執筆に活かしていきましょう。
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編集協力:吉田美夢、阿部道浩


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