【実例つき】未経験からライターになるには?プロから本音のアドバイスと7つのなり方
( 最終更新日:2024年12月19日)
こんにちは、阿部道浩(@abemichihiro)です。
「ライターになりたい」――その気持ち、少しは分かるつもりです。
私も大学生の頃はライターや出版といった「文章を扱う仕事」に漠然とした憧れを抱いていました。文学部の学生だったことも影響していると思います。知的で、格好良くって、充実している――そんな想いを持ちつつ、いつしか憧れのまま放置してネット系の仕事をしていました。
しかし、私が大学を卒業した2011年はちょうどスマホが徐々に普及してきた時代。ネット上でも文章を読む機会が増えてきた頃でもありました。縁あって2012年に記事制作の会社を立ち上げ、今はこうしてライターさんと一緒に記事を作る仕事をかれこれ12年以上続けています。人生って分からないものだな、と思います。
「ライターになりたい」――私がそんな想いを持っていた10年以上前と今とでは状況が大きく変わりました。今更言うのも恥ずかしいくらいですが、皆さんが手にしているスマホを使えば何でも情報が手に入ります。動画や音声メディアも隆盛を極めていますが、やはり情報収集は文字でしっかり読み込みたいという需要は今後も絶えないでしょう。
この記事は、ライティング業界に12年以上身を置き、ライティング講座も主宰してライター志望者と話をする機会の多い私が、何の遠慮もなくただ本音で、「ライターになりたい」という人に少しでも役に立ってほしいという思いで文章にしたものです。何も知らず「ライターって格好良いな」と思っていた大学生の自分に向けて書きました。どうぞ。
目次
そもそもライターってどういう仕事?【文章はあくまで手段】
「私は文章が好きだ!文章を仕事にできるなんて幸せだ!」――大学生の頃の私もそう思っていました。一方で、ライターで食っていくのは厳しいもの、そうそうなれないもの、というぼんやりとしたイメージもありました。
ライターとは、メディアから依頼をもらって記事を執筆する人。一言で言えばそうですし、もっと詳しく説明しているサイトはいくつもあるので、ここでは一般的な説明は割愛し、「ビジネスパーソンとしてのライター」という観点から説明します。
ライターとは文章を通して「問題解決」する人
ライターというとクリエイティブで格好いいというイメージを持つ人も多いでしょう。それも間違ってはいないのですが、クリエイティブである以前にあくまでいちビジネスパーソンである点をまずは強調したいです。
ビジネスパーソンであるというのは、文章を通してビジネスに貢献しているということ。ビジネスに貢献するとはつまり、顧客の課題解決を行うということです。顧客というのはライターに執筆を依頼するメディアや企業であっても、はたまた記事や書籍を買ってくれる個人であっても本質的には変わりません。
メディアや企業がどうしてライターに執筆を依頼するのか、なぜ記事が必要なのかといえば、記事を読んでもらうことでビジネスを展開したいからにほかなりません。「ビジネスを展開する」とはつまり、記事を読んでもらうことで
- サービスや商品を知ってほしい
- サービスや商品について深く理解してほしい、他のサービスや商品と比較検討する材料にしてほしい
- サービスや商品について問い合わせてほしい、申し込んでほしい、買ってほしい
- たくさんの人の目に触れて広告料を得たい
- お金を払ってもらって購読してほしい
が考えられるでしょう。いずれにせよ、メディアや企業側にはただ「読んでほしいな」といった漠然とした目的で記事を公開しているのではなく、その先にあるビジネス的な目的をもって公開しているというわけです。
一方、読者はメディアの「ビジネス的な目的」には興味はなく、あくまで自分の「知りたい!」という欲求を満たすために情報を探しています。
情報は無限大に存在するので、自分の欲求を満たしてくれない記事に付き合っている時間はありませんし、逆に役立つ記事は検索エンジンやSNSなどを通して広く読まれます。そのため、記事を書くライターとしては読者の「知りたい!」という欲求に応えつつ、メディア側(ライターにとっての直接的な顧客)の目的も達成する、という二重の観点が必要になるのです。企画を出したり文章を執筆したりというのはクリエイティブな側面も確かにあるものの、そのクリエイティブが読者やメディアの目的を達成することが大前提となります。
先述の通り「記事や書籍そのものを購入してもらう」ということも考えられます。この場合は、何か課題を抱えている人が、「この文章を買うことが自分の課題解決に役立つだろう」と考えてお金を払うわけですね。「特定のスキルを得たい」といった実用的なものから「暇つぶしに読みたい」といった趣味のものまで程度はあるでしょうが、これも顧客の課題解決に貢献しているわけです。
「ライターもいちビジネスパーソンである」という前提は、実際にライティング業をやっていると否応なしに直面する現実です。しかし裏を返せば、「顧客の課題を解決するためにお金をもらって文章を書ける」というのは幸せなことだと思いますよ。
参考までに、弊社の編集者・ライターが同じようなテーマで話しているYouTubeがあったので貼り付けておきます。(あくまで「フリーライターって何をする仕事なの?」というテーマが近いだけで切り口は異なりますが。)
【本当にライターなのか?】「ライターになりたい」という動機を深堀りしてみよう
冒頭で説明した通り私はライティング講座の運営をしており、「ライターになりたい」という方とは接する機会が多いです。そこでここでは、ライター志望者の方からよくうかがう動機について一つずつ考察していきましょう。
書くことが好きだから
こうした動機でライターを目指すという方は非常に多いです。体感としては80%くらいの方がこのようにおっしゃいます。確かに、数ある仕事の中でライターを目指すというのだから好きだというのは当然ですよね。
もちろん、好きなことを仕事にできたらそれに勝る喜びはないでしょう。ただ、「書くことが好き」に対してはもっと踏み込んで自問自答をしてみて欲しいです。
「自分の好きなことを自由に書くのが好き」というだけではないか?
それはライターに限らず大抵の人が好きです。しかし先程説明した通り、仕事として受けるものは「自分の好きなことを自由に書く」というものではありません。「好きに書いてほしい」という依頼はほぼないですし、仮にそうした仕事があったとしても本当の意味で好きに書いていいわけではないでしょう。
記事が売り物になる以上、そこには目的がありますし、どこかのメディアに載る以上はそのメディアのルールがあります。ライターはそれら目的やルールに則って書くという大原則があります。
ただ好き勝手書くというのではなく、「書くことを通して課題解決を行うことが好きか?それを仕事にできるか?」という点は考えて欲しいところです。
文章を書くことの「何が」好きなのか?
実は書くことが好きというわけではなく、一人で黙々と作業するのが好き、調査するのが好き、表現するのが好き、話題にしてもらうのが好き、など色々と考えられます。「自分がどこに満足感を得られるのか?なぜ文章である必要があるのか?本当に文章を書くのが好きなのか?」を考えたいです。
自分の興味を突き詰めていけば、本当に向いているのはライターではなく、マーケター、リサーチャー、イラストレーター、漫画家、動画クリエイター、事務、経理といった他の職種ということも当然考えられます。また兼任することもできるでしょう。弊社がお付き合いしている編集者やライターの中にも、ライターをしながらイラストレーターや漫画家として仕事を得ているという方は珍しくありません。「イラストが描ける」「漫画が描ける」というのはライティングの仕事を受注するのにも役立つスキルです。本記事のイラストを描いてもらった小泉ちはるさんも弊社でライターとして大活躍してもらっている方の一人です。
もともと興味のない分野でも書き進められるか?
相談を受ける仕事が全て自分の興味の範疇とは限りません。ただ自分の興味に関係なく「書く」ということが好きでしょうがない、どうしても書きたくなるという人もいます。ライターになるということは、そうした「本当に好き」という人とも勝負することになります。
自分が興味を持てる範囲を決めて、その中でのみ仕事を受注するということももちろんできますが、仕事の範囲は限られます。「せっかく声がかかったからには調べ尽くして自分の可能性を広げよう」といった知的好奇心を持っている方がライターには向いているでしょう。
私が頼りにしているあるライターも、「ライターになったのに依頼を受ける範囲を限定するなんてもったいない!これだけ多種多様なジャンルについて勉強できる、いろいろな人の話を聞けるのはライターくらいだ」と言っていました。彼女はジャンルを限定せずに仕事を受け続け、その経験や知識をもとに更に次の仕事を受けるという好循環を生んでいました。
毎日(せめて平日は)書き続けられるか?既に書いているか?
これも「本当に書くことが好きなのか?」という問いに近いですね。絵が好きな人は放っておいても絵を描くでしょう。しかし「書くことが好き」という人でも、書き続けるどころかまだ書いていないという人は多いです。
これについては著名なライターのヨッピーさんが面白いことを言っています。
僕、「ライターってどうやったらなれますか」って聞かれたら、「書いたものを見せてください」って言うんです。そうすると、高確率で「まだ何もやっていない」って返ってくるんです。プロ野球選手になりたいって言っている人が野球やったことなかったらおかしいのに。
ヨッピーさん、社領エミさん、近藤雄生さんが語る“ライターの生き残り術”――神戸 #ライター交流会vol.01
ブログでなくても、他人に見られない日記でも良いでしょう。ちなみに私は、長女が生まれてから3年ほど「娘への手紙」を月1〜2本くらい書いていました。
これらはほんの一例ですが、「書くことが好き」という思いを是非深堀りしてみてほしいです。もし「ピンとこないけど何となく好きだ」ということなら、まずは書いてみて自分がどこで心を動かされるのか考えてみると良いでしょう。ここの分析が甘いと、ライターになって好きなことを仕事にできているはずなのに、なぜか充実しないという元の木阿弥になりかねません。
こちらも弊社の編集者・ライターが「書くことって好き?」というテーマで話しているYouTubeがあったので貼り付けておきます。
場所を問わず働けるから
これもよく聞く動機です。そして、「ライターが場所を問わず働ける」は間違っていないです。
弊社の編集スタッフでも、北海道、福島、長野、愛知、福岡などと日本各地に点在して仕事を受けています。ライターの方というと更に様々で、海外在住の方も珍しくないです。我々が依頼する時に居住地を気にするのは取材がある時くらいで、場所によるハンデはほとんどないと考えてもらって良いでしょう。チャット上のやり取りで住むなら時差すらも関係ないですからね。
確かに、取材は首都圏に集中するというのはあります。地方でも取材案件は発生するので、その際には近くにお住まいの地方在住の方に取材をお願いしますが、相対的に見たら首都圏(特に東京)での取材がほとんどにはなります。ただTwitterを見ると地方にも取材をメインにしているライターの方はいるようですので、その地域で営業活動を行えば取材をメインにライター業を行うことは決して難しくないと思います。
新型コロナウイルス流行の影響でオンライン取材が増えたのは、地方のライターの方にも取材のチャンスが得られる流れとなりました。ただ、オンライン取材は写真撮影に支障が出ることもあり、流行の収束とともにまた対面取材に戻る可能性の方が大きいというのが私の見方です。
あと、資料の収集という点では都心と地方で差が出るポイントかもしれません。いくらAmazonがあるとはいえ、参考図書を全て購入するのはあまり現実的とはいえません。その点、国会図書館や都立中央図書館、大宅壮一文庫がある東京は恵まれています。一方で地方にも公立図書館はありますし、大学によっては大学図書館を一般向けに公開しているところもあります。
在宅で働けるから
特に子育て中の女性の方からうかがいます。こちらも「場所を問わず働ける」と同様、対面取材を伴わなければ問題なく在宅で働けます。
お客様とのやり取りは電話、メール、チャット、そしてビデオ通話で難なくできる時代です。更に新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、ビデオ通話への抵抗感が世代を問わずだいぶ和らいだというのもありがたい流れです。
かつてであれば「商談は対面で」「まずはオフィスまで来てください」と言われるのが当たり前でしたが、今ではそんなことも言われなくなりました。商談であればビデオ通話でも何ら支障がないという認識が広まりましたし、この動きは新型コロナが収束した後も続くのではないでしょうか。
実は弊社は創業以来9年以上オフィスそのものがありません。代表も私もスタッフも全員「完全に」在宅勤務です。ビデオ通話でのMTGは定期的に行っていますし、それで何ら問題なく回っています。
人と関わらずに働けるから
ライターというとずっとPCと向き合って仕事をしている、というイメージを持たれるのも無理はないでしょう。
確かに文章を書いている間はそうですが、文章を世に届けるまでにはたくさんの人と関わる仕事です。自分に文章を発注する人もそうですし、発注する人の更に奥にはメディアの運営者がいます。様々な人の意向をうかがい、調整を行いながら原稿を用意したり修正したりするわけで、「人と関わるのが苦手だからライターをしよう」と安易に考えると難儀するでしょう。
例えば依頼を受ける形で文章を作るのではなく、ブログやウェブサイトのアフィリエイト収入で生計を立てるということであれば人との関わりは最小限になるかもしれませんね。
会社勤めを辞めたい、組織に依存しない収入を得たいから
「ライターになること」が目的というわけではなく、会社以外で収入を得るための手段としてライターを考えるという方もいらっしゃいます。将来への不安や危機感から、手に職をつけて副業や独立を目指そうという動きは以前にもまして活発です。国の働きかけもあり、副業・兼業を解禁する企業が増えていることも大きく影響しているでしょう。ちなみにこうした方が他に検討されている職種としては「動画クリエイター」や「ウェブデザイナー」がありました。
他の職種について私は詳しく話せることがないので控えますが、ライターを副業としたり、ライターで独立したりというのは選択肢としてはありだと思います。ただアドバイスするなら、いきなり独立するよりは副業として始めてみて、通用するかどうかを見極めた方が良いとは思います。「通用する」というのは実力もそうですが、「仕事として書き続けることができるか?」という適性の点でもチェックしたいところです。更にいえば、何もないところから書く仕事は生まれないので、営業活動、顧客とのやり取りなど全て含めて「やり続けられるか?」を問いたいところです。
また、「ライターは他と比べて専門的な技能や知識、設備が必要ないから」という若干消極的な理由でライターを目指すという方も中にはいます。本当に「専門的な技能や知識、設備が必要ない」かはここでは議論を控えますが、仮にそうだったとしてもそれだけ参入障壁が低いということ。ライバルが多い中でどう戦うのか、せめてライバルよりも書く!勉強する!アドバイスを受ける!ことが必要なのは論をまたないでしょう。
ちなみに、ライターとしてしっかり稼ぎを得たいなら「仕事を得るための常識」を知っておきたいところ。こちらの記事では「稼げないWebライターの特徴」を5つ挙げていますが、「確かに、こういうライターさんいるな……。」という印象です。筆者の方もライターさんへの発注経験があるとのことで、発注者の考えが知れるのは貴重だと思います。
【ライターになれた7つの方法】先輩はどうやってライターになったのか?
「本当にライターなのか?」を検討した上で「やはりライターになりたい!」と考える方に向けて、ライターになる方法をここでは7つご紹介しましょう。
弊社ではこれまで「プロライターにインタビュー」と題して20名ほどのプロライターの方にインタビューをしてきました。これらの実例を踏まえて、ライターになる方法を見てみたいと思います。
バイトでライティングの仕事を見つける
大学生の時にアルバイトで、不動産会社の社員さんを取材する仕事と、タブロイド紙の取材記事を書く仕事をしていました。
取材が強みのフリーライターになるために!上原瑠璃子さんから教わる取材スキルの高め方
バイトという形で様々な仕事を体験できるのは大学生の特権。かくいう私も大学生の頃にはお墓の営業(霊園にテントを張り、お墓を見たいという方に案内する仕事)という一風変わったバイトをしていました。
例えば、インターネットメディア事業を手掛ける株式会社キュービックはインターン採用に力を入れており、専用サイトまで持っています。先進的なコンテンツ制作の現場を体感できると思いますよ。私が大学生だったら是非仕事してみたいです。笑
新卒で就職する
学生時代から「面白いものを発信したい!」という思いを持っていて、大学を卒業してすぐに出版社に入社しました。そのまま3年ほど勤め、1年目は主に書店営業を、2年目からはビジネス書の編集と広報を担当していましたね。
難解な情報を文章と漫画で面白く!ライターと漫画家を兼業する小泉ちはるさんのキャリア
まずはライティング業務ができる会社に入りたいと考え、地域情報紙を発行する出版社に入りました。
校了はゴールではない!”原稿料+α”の仕事をする秘訣を佐藤翔一さんに聞いてきました
大学卒業後、文字に関わる仕事がしたいと思い、新聞社に入社しました。
取材は情報が要! 20年選手のベテランライター・稲垣有紀さんの取材を支える情報収集術とは
大学在学中から「ライターになりたい」という想いを持っているなら、新卒で企業に就職するというのが最もスムーズでしょう。
出版社や新聞社というと狭き門のように思えますし、そこまで大量に新卒を採用しているわけではないでしょう。しかし、一言で新聞社といっても全国紙から地方紙、専門紙まで含めれば多くの会社があります。出版社も多種多様な会社がありますし、更にはアイティメディア(東証一部)やイード(東証グロース)に代表されるようにネットメディアを数多く抱える企業も存在しますし、上場している会社もあります。会社説明会でフィーリングを確かめてみても良さそうですね。
就職先として編集プロダクションを検討しているという人もいるでしょう。編集プロダクションの就職事情などについてはこちらの記事にまとめました。
新卒でフリーライターとしてキャリアを開始する
大学卒業後、すぐにフリーライターになりました。
“好き”は最強の武器になる!美容ライター、高橋佳代子さんから学ぶ「0を1にする」大切さ
大学卒業後、企業に就職せずそのままフリーランスになるという方も中にはいます。ただ、周りの編集者やライターを見回しても稀なケース。上記の高橋さんも最初はバイトをしながらのスタートだったとのことで、なかなか勇気がいりますよね。
社内ライターとして記事を書き始める
営業として面接した後に社内で履歴書が回ったようで、会社側から「制作部を受けてみない?」と言われたんです。
“旅しながら働く”ライター松田然さんが教える自分らしい働き方に必要な3つの軸
長野の印刷会社に勤めていました。小さな会社だったので職種の概念がなく、企画からDTPデザイン、ライティング、写真撮影まで何でもやっていましたね。
ドキュメンタリーから落語まで!「人」にフォーカスし物語を描き出す、ライター櫻庭由紀子さんのドラマチックライティング
転職先の中でも、多くを学んだのは公益社団法人で機関紙を編集する仕事に携わったことです。元新聞記者だった編集長について取材に同行させてもらったり、原稿を見てもらう中で、取材の仕方や記事の書き方を学びました。
「会社勤めが合わないからライターになった」 橘夢人さんが語るフリーライターの利点と独立の仕方
案外多いのが、この「社内ライターがきっかけ」というもの。
コンテンツプランナーの小沢あやさんもnoteでこんなことを書いていたのを思い出します。
会社員だからこそできることがあります。それは「会社のコンテンツ制作にガンガン手を出す」こと。
「ライターになりたい」と会社を辞める前に。ノーリスクで履歴書に書けるスキルを身につける方法
小沢さんもおっしゃっていますが、社内には意外と「文章を書く仕事」ってあるんですよね。ライターを雇うほどじゃない、外注するほどの量はないし予算もとりにくい、だけど書かなきゃならない。会社からの指示ということで書き始めたら面白くなって、フリーランスのライターとして独立したという方が少なからずいるのは面白いです。
声をかけられないからといって仕事がないというわけではありません。むしろ自分から手を挙げる、書きたいとアピールする、何なら先に書いてしまう。それくらいの積極性があっても良いと思います。
未経験から中途で就職する
歯科医院の求人広告を担当するライターでした。ライティングは全くの未経験だったので、未経験でも採用してくれる会社を探しました。
実力派ライターも手こずる歯科分野を中心に活躍!中島香菜さんが語るフリーランス転向のきっかけ
転職することを決めました。その後、地元・福岡の会社でフリーペーパーの制作をすることになりました。
地方を渡り歩いたライター・大矢幸世さんから学ぶ“その場を楽しむ”インタビュー技術
未経験からでもライティングをさせてもらえる中途採用の求人はあります。新卒採用の時には希望のライターにはなれなかった、もしくは自分のように敬遠してしまったという方でも、中途採用で挽回するというのも十分ありですね。
ただ、未経験から中途採用を探すなら早いに越したことはないでしょう。上記の例ではおふたりとも大学を卒業してから3〜4年ほどと、いわゆる第二新卒の頃に転職されているようです。
副業・兼業でライティングを始める
塾講師をやりながら兼業でライター活動を始めました。
原稿料アップの秘訣は読者の共感!? 美容、恋愛、収納術…多ジャンルで活躍するライター小林ユリさんから学ぶ仕事のコツ
ライターとして本格的に活動を始めようと、会社と相談して雇用形態を変え、業務を徐々に減らしていきました。
未経験から医療系、そしてブックライターへ。小松田久美さんが実践した「自分の売り出し方」
編集の仕事をしていた友人から、利酒師なら書けるだろうと、運営するWebサイトへの日本酒の記事執筆の依頼を受け、その経験から書くことに興味が湧きました。
いちばん好きなことが仕事になる!ライター橋村望さんから学ぶ「なりたい自分を目指す方法」
まずは副業、兼業から始めようという方も多いですね。
弊社で開催しているライティング講座の受講生の方でも、本業のお仕事を頑張りつつ週1回の講座を受講し、更に受講した内容を身につける意味も込めて副業でライティングを始めてみる、という方は何人もいらっしゃいます。本業もありながらそれだけのパワー・時間をかけられるというのは本当にすごいと思いますが、「本気でライターになりたい!」と考えている方からしたら何ともないかもしれません。
副業ライターに関しては以下の記事も参考にしてみてください。
在宅でできる仕事の中からライティングを選ぶ
インターネットで料理関係のコラムニスト募集をたまたま見つけ、これなら小さな子供がいてもできるのではと興味を持ち、コラムの仕事を始めたんです。
薬機法から景品表示法まで!法律に強いセールスライター・山原佳代さんに伺う広告ライティングの専門性と責任感
先述した通り、ライティングは在宅でも取り組みやすい仕事です。特にお子さんがいる、ご主人の転勤の関係で会社を辞めなければならないといった方が在宅でできる仕事としてライティングに取り組まれるケースはよくうかがいます。
場所だけでなく時間も問わないので、子どもが寝静まってから落ち着いた環境で仕事ができるというのも嬉しいですよね。せめてビデオ通話での取材中や打ち合わせ中は静かにしてほしい……と思われるかもしれませんが、ビデオ通話で子どもが後ろで騒ぐくらいはほとんどの人が気にしませんよ。笑
このようにライターへの道は一様ではありません。言ってみれば「ライターと名乗ってしまえばその瞬間からライターになれる」とも言えます。
最初に述べた通りライターになるのは理想や幻想とは異なる面もあると思いますが、その上で「ライターになりたい」と考えるのであれば、年齢や境遇、未経験などを言い訳にせず努力してみる価値はあるでしょう。
ライターの前に広がるキャリアとは?
ここまで書いてきたことをまとめると、
- 「ただ書いていればお金がもらえる」というものではなく、「顧客の課題解決のために書く」というビジネスパーソンとしての視点が何より必要
- 「なぜあなたはライターになりたいのか?」「あなたにとってライターが本当にベストか?」という点は深く内省する必要がある
- やはりライターになりたいなら、ライターになる方法はいくつもあるのでチャレンジする価値はある
となります。あなたが望むのならライターになることは決して無理難題でもありません。ただ安易に考えるとイメージと現実とのギャップに苦しむことになります。可能であれば既にライターや編集者として活動している人に話を聞いてもらえると良いでしょう。
それと最後に付け加えておくと、ライターになったら最後、ライターでキャリアは終わるのかというとそういうわけではありません。ライターとしてキャリアを始めた後、編集者としてライターに依頼する立場になる人、文章を書くだけに留まらず企画やSEO、ブランディングの設計まで行う人など様々です。
医学部生時代からライターとして活動し、編プロのノオトを経て今は朝日新聞の記者として活躍されている朽木誠一郎さん、フリーランスのライターとして活動後にユーザベースに転職してNewsPicksの編集者をされている花岡郁さんをはじめ、ライターを経験された後に大企業に就職される方もいます。ライターとして名を挙げていくも良し、ライターから更にキャリアを広げていくも良しで、職種としても意外と魅力的な面があるんですよ。
以下の記事はWebライターに限定して書いていますが、近いことを言っています。「社会の景気にかかわらず、仕事ができる」はそうかな?という気もしますが(経験上、景気によって新規も継続も量が増減します)、「文章メディアは、一生なくならない」「Webライターのスキルは、他の仕事でも代用できる」なんかはそうだと思いますね。
ここまで読んでみて、「自分はライターに向いているだろうか」「もっとライターの実情を知りたい」という方は、LINEやメールでお問い合わせからご相談ください。
イラスト:田丸こーじ/小泉ちはる
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