BLOG

  1. 記事作成代行のYOSCA
  2. ブログ
  3. メール・チャット
  4. ビジネスコミュニケーションとは?目的・スキル・改善法までわかりやすく解説

ビジネスコミュニケーションとは?目的・スキル・改善法までわかりやすく解説

最終更新日:2025年8月14日)

職場でのやり取りが思ったようにスムーズに進まない――そんな経験はありませんか?会議での発言が意図通りに伝わらなかったり、メールやチャットの文章が冷たく受け取られてしまったりと、ちょっとした言葉の行き違いが業務効率や人間関係に影響を与えることは少なくありません。

2025年3月にリリースされたHR総研(ProFuture株式会社)の調査によると、大手企業の約8割が「社内コミュニケーションに課題がある」と回答していました。そして、社内コミュニケーションに関する課題の多くは「部門間」や「上司・部下」のやり取りで生じているようです。

(引用:アサヒビール(株)×HR総研:「社内コミュニケーションの課題と対策」に関するアンケート

ビジネスコミュニケーションは、単なる情報のやり取りではなく、相手の理解と納得を引き出すための重要なスキルです。本記事では、『部下のメールが読みづらい!と感じたときに読む本』の著者であり、法人向け研修「ビジネスメール・チャット添削研修」の講師を務める私が、ビジネスコミュニケーションについて解説します。

◉本記事の著者
伊藤謙三
1989年、神奈川県生まれ。青山学院大学経済学部経済学科卒業。 大学卒業後に株式会社YOSCAに入社し、編集者としてメディアの編集ディレクション・ライターの育成に携わる。現在は文章にまつわる講座や研修の開発を担当。2020年に「あなたのライターキャリア講座」、2024年に「ビジネスメール・チャット添削研修」を立ち上げる。著書に『部下のメール・チャットが読みづらい!と感じたときに読む本』がある。

ビジネスコミュニケーションとは

ビジネスコミュニケーションの定義

ビジネスコミュニケーションとは、職場における情報伝達や意思疎通を円滑に進めるためのやりとり全般を指します。単なる会話やメールのやり取りにとどまらず、報告書やプレゼン資料の作成、オンライン会議での発言など、あらゆる場面で必要とされる基礎的かつ重要なスキルです。

この力は、個人の働き方や成果の質を左右するだけでなく、組織全体の業務効率や成果にも直結します。社内においては、部下への指導や上司への報告、チーム間の調整といった日常的なやり取りがあり、社外では顧客や取引先との商談や折衝など、立場や状況に応じた柔軟な対応が求められます。

同期コミュニケーションと非同期コミュニケーション

ビジネスコミュニケーションは、同期コミュニケーションと非同期コミュニケーションの二種類に分類されます。

同期コミュニケーションとは、同じ時間に同じ場に(物理的またはオンラインで)参加し、リアルタイムでやり取りを行う形式のコミュニケーションです。代表的な例としては、会議や電話、オンラインミーティング、チャットでの即時返信などがあります。メリットは、その場で疑問点を解消できるスピード感と、相手の反応を見ながら会話を進められることです。一方で、参加者全員の時間を合わせる必要があり、スケジュール調整の手間や、集中できる時間が削られるというデメリットもあります。

これに対して非同期コミュニケーションは、発信と受信のタイミングが一致していなくても成立するやり取りを指します。メールやチャットでの後日返信、社内SNSへの投稿、共有ドキュメントへのコメントなどがこれにあたります。相手の都合に合わせて確認・返信できるため、時間の制約が少なく、集中作業を妨げにくいという利点があります。ただし、リアルタイム性がない分、意思決定や認識合わせが遅れるリスクがあり、内容が複雑な場合は誤解が生じやすい点に注意が必要です。

ビジネスの現場では、同期と非同期の特性を理解し、目的や状況に応じて使い分けることが重要です。緊急性が高い案件や感情のニュアンスを伝えたい場面では同期型を、情報共有や資料レビューなど時間をかけても良い業務では非同期型を選ぶことで、業務効率と円滑なコミュニケーションの両立が可能になります。

ビジネスコミュニケーションに必要なスキル

基本スキル:伝える力・聞く力・質問する力

ビジネスコミュニケーションの土台となるのが、「伝える力」「聞く力」「質問する力」です。

まず、伝える力とは、自分の意図や情報を相手に正確かつ簡潔に届ける能力を指します。たとえば、会議での発言やメール文面において、背景から細かく説明しすぎて結論がぼやける人は、伝える力を磨く必要があります。効果的な伝え方としては、最初に結論を述べ、その理由や具体例を補足するPREP法が挙げられます。

次に聞く力は、相手の話をただ黙って受け取るのではなく、相手の意図や背景を理解する姿勢を持って耳を傾けることです。たとえば、部下が「進捗は順調です」と言ったとき、その言葉の裏に潜む不安や課題を表情や声色から読み取れるかどうかが、聞く力の差になります。

そして質問する力は、相手の考えを引き出し、会話を深めるための重要なスキルです。「はい/いいえ」で答えられる質問ではなく、「どうしてそう考えたのか」や「具体的にはどのようなことか」といったオープンな質問を投げかけることで、相互理解が進み、認識のズレを防ぐことができます。

応用スキル:共感力・言語化力・想像力

基本スキルを土台に、さらに高度なやり取りを行うために必要なのが「共感力」「言語化力」「想像力」です。

共感力とは、相手の立場や感情を理解し、その気持ちに寄り添う姿勢を持つことです。たとえば、顧客からクレームを受けた際に、事実関係の説明だけでなく「ご不便をおかけして申し訳ありません」と相手の感情を汲み取る一言を添えることで、関係性の悪化を防げます。

言語化力は、漠然とした考えや感覚を、相手が理解できる形に整理して表現する力です。プロジェクトの方向性について「なんとなく違う」と感じたとき、その理由を「現状の提案だとターゲット層に響くポイントが弱い」と具体的に説明できれば、議論は一気に建設的になります。

最後に想像力は、相手の知識や状況、背景を踏まえて伝え方を工夫する力です。たとえば、同じ内容を説明する場合でも、新入社員には基礎から順を追って説明し、経験豊富なメンバーには結論と要点だけを提示する、といった使い分けがこれにあたります。この応用スキルを身につけることで、相手にとって理解しやすく、誤解の少ないコミュニケーションが可能になります。

ビジネスコミュニケーションのよくある課題

「伝えたつもり」が招く誤解

ビジネスの現場では、自分では「十分に説明した」と思っていても、相手には正しく伝わっていないケースが少なくありません。これは、説明の中で重要な前提や背景が省かれていたり、相手が理解したかどうかを確認せずに会話を終えてしまったりすることが原因です。

たとえば、上司が部下に「この資料を来週までに」とだけ伝えた場合、部下は「来週の月曜日まで」と解釈するかもしれませんし、上司は「来週の金曜日まで」と考えているかもしれません。このようなズレを防ぐには、話の最後に「つまり〇〇という認識で合っていますか?」と確認する習慣が効果的です。

テキストが冷たく感じられる

メールやチャットなど、文字だけでやり取りする場面では、感情やニュアンスが相手に伝わりにくく、冷たく感じられてしまうことがあります。特に、短く端的な文章は事務的で便利な一方、受け手によっては「そっけない」「怒っているのでは」と誤解されることもあります。

たとえば、部下にお礼のメッセージを送る場合、ただ「ありがとうございます」と伝えるだけでは、いまいち気持ちが伝わりません。ここに「とても助かりました」と一言添えるだけで、印象は大きく変わります。業務効率と人間関係のバランスを意識し、温度感のある表現を心がけることが大切です。

世代間ギャップによる齟齬

職場では、年齢や経験、価値観の異なる世代が一緒に働いています。そのため、使う言葉やコミュニケーションのスタイルに差があり、意図がうまく伝わらないことがあります。

例えば、ベテラン社員が長文メールを好む一方で、若手社員はチャットの短文連投に慣れていると、やり取りのテンポや情報量に違和感が生じます。このギャップを埋めるには、「どのツールや方法を使うか」「情報の詳細度はどれくらいにするか」といった共通ルールをチーム内で共有することが有効です。世代ごとの特性を理解し、お互いに歩み寄る姿勢が求められます。

ビジネスコミュニケーションの改善策

社内での指導

ビジネスコミュニケーションの改善には、日常業務の中で継続的にフィードバックを行う仕組みづくりが欠かせません。たとえば、会議後やメール送信後に「この説明は分かりやすかった」「ここはもう少し具体的に」といった短い指摘をその場で伝えることで、改善点を即時に理解できます。

また、1on1ミーティングや朝会の時間を活用して、報告や相談のやり方をロールプレイ形式で練習することも有効です。こうした指導は、単なる注意や指摘ではなく、良かった点も合わせて伝えることがポイントです。肯定的なフィードバックと具体的な改善案をセットにすることで、受け手は前向きにスキル向上に取り組めます。

社外研修の導入

より体系的かつ客観的にスキルを伸ばすためには、社外研修の活用も効果的です。特に、文章添削や会話シミュレーションなど、実践型のプログラムは現場での応用度が高く、短期間でも成果が見えやすい傾向があります。

社内の上下関係や既存の人間関係に縛られない環境で学べるため、受講者は安心して質問や意見交換ができ、自分の弱点にも向き合いやすくなります。さらに、研修で得た共通のフレームワークや言葉の使い方は、社内のコミュニケーションルールとして定着させやすく、組織全体の意思疎通レベルを底上げするきっかけとなります。

まとめ

ビジネスコミュニケーションは、あらゆる業務の土台となる力です。正確に伝える、きちんと聞く、状況に応じた質問をするという基本を押さえ、さらに相手の立場や感情に寄り添う応用スキルを磨くことで、誤解や行き違いは大幅に減らせます。社内外での信頼関係が深まり、業務効率やチームの生産性も向上するでしょう。

今回ご紹介した内容を参考に、自分やチームのコミュニケーションのあり方を見直し、より円滑で効果的な関係づくりに取り組んでみてください。

組織のメール・チャットスキルを高めたい方へ

メール・チャットに関するお役立ち資料「組織のコミュ力を高めるメール・チャット術15箇条(PDF)」を無料配布中です。より実践的なメール・チャットテクニックを知りたい方は以下をクリック!部下への指導や、ご自身のスキルアップのためにお役立てくださいませ。

The following two tabs change content below.
伊藤謙三
1989年、神奈川県生まれ。青山学院大学経済学部経済学科卒業。 大学卒業後に株式会社YOSCAに入社し、編集者としてメディアの編集ディレクション・ライターの育成に携わる。現在は文章にまつわる講座や研修の開発を担当。2020年に「あなたのライターキャリア講座」、2024年に「ビジネスメール・チャット添削研修」を立ち上げる。 著書に『部下のメール・チャットが読みづらい!と感じたときに読む本』がある。
文章のプロフェッショナルとして、読みやすさ・伝わりやすさにこだわったコンテンツをご用意します。
まずは相談する
文章のプロフェッショナルとして、質の高いコンテンツをご用意します。
まずは相談する