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サジェスト汚染の仕組みとは?GoogleやYahoo!での対策方法

サジェスト汚染の仕組みとは?GoogleやYahoo!での対策方法

最終更新日:2024年6月11日)

ウェブマーケティングやサイト運営をする企業にとって、サジェスト汚染は深刻なリスクです。ネガティブな語句が予測検索に表示されるだけで、会社やブランドのイメージが大きく変わることもあります。

もしサジェスト汚染を見つけた場合は、どのような対処が正しいのでしょうか。本記事ではサジェスト汚染の仕組みや要因、見つけたときの対策を紹介します。

◉本記事の著者
片山雄平
1988年生まれのフリーライター兼編集者。2012年からフリーライターとして活動し、2015年には編集者として株式会社YOSCAに参画。金融やビジネス、資産運用系のジャンルを中心に、5,000本以上の執筆・編集経験を持つ。他にも中小企業への取材や他ライターのディレクション等、様々な形でコンテンツ制作に携わっている。

サジェスト汚染とは?

サジェスト汚染とは、検索キーワードの入力時に自動表示されるサジェスト(検索候補)が、ネガティブな印象を与えていることです。サジェストは検索エンジンの基本機能であり、たとえばGoogleに当社の社名を入力すると、「yosca ライター講座」や「YOSCA ライティング」などのサジェストが表示されます。

以下では、企業やブランドのイメージを損なうサジェスト汚染の例を紹介しましょう。

  • 製品やサービスのイメージを下げるもの
    ・(例)「○○ 使いにくい」「○○ 高すぎる」など
  • 求職者のイメージを下げるもの
    ・(例)「△△社 ブラック」「△△社 ハラスメント」など
  • 取引先に悪いイメージを与えるもの
    ・(例)「□□ 経営破綻」「□□ 破産」など

上記のようなサジェストを放置すると、顧客や取引先との関係が悪化したり、就職希望者が減ったりなどの弊害が生じます。評判が大きく下がった場合は、離職率まで低下するかもしれません。

ウェブサイトの評価にも関わるため、深刻なサジェスト汚染には早めの対応が必要です。

Googleサジェストの仕組み

Googleのサジェスト(現:オートコンプリート)は、一般的に検索されているキーワードや、過去の検索データから選ばれています。

<Googleサジェストの候補となるソース>
一般的に検索されているキーワード検索クエリの言語検索クエリが実行される場所検索クエリで注目を集めている関心事ユーザーの過去の検索
参考:Google検索 ヘルプ「Google のオートコンプリート候補の仕組み

上記の検索クエリとは、ユーザーが検索ボックスに入力する単語や語句のことです。たとえば、日本在住の方が「SEO」と入力した場合は、英語ではなく日本語のサジェスト(SEO対策、SEO基礎知識など)を提案される可能性が高くなります。

SEOにおいて、検索クエリはユーザーの意図を読み解く重要な情報です。ウェブサイトの方向性を決定づけるものになるため、下記の記事もあわせてチェックしてみてください。

参考記事

サジェスト汚染が起こる要因

サジェスト汚染が起こる要因は、大きく以下の4つに分けられます。

  • スパム行為
  • 類似するキーワードとの関連
  • 悪意があるユーザーの検索行為
  • 悪評や噂の広がり

それぞれがなぜサジェスト汚染につながるのか、以下で詳しく解説します。

スパム行為

検索結果を不正操作するスパム行為は、検索ユーザーの行動に影響をもたらします。

たとえば、有害なウェブサイトが検索上位を占めると、多くのユーザーがアクセスすることで「検索クエリで注目を集めている関心事」が変わります。結果として、検索エンジンが提案するサジェストも変わるため、ネガティブなワードが表示される場合もあるでしょう。

検索エンジンはスパム行為を取り締まっていますが、すべての不正操作を防ぐことはできません。そのため、ネガティブなサジェストを見つけた場合は、運営者側でも対処をする必要があります。

類似するキーワードとの関連

社名やブランド名などに類似キーワードがあると、そのキーワードに影響されてサジェスト汚染が生じることもあります。

たとえば、国内で人材派遣業を行っている企業が、「labor(労働)」という社名をつけたとします。この単語自体は問題ありませんが、仮に児童労働が問題視されると、世界中のユーザーが「child labor(児童労働)」を検索するでしょう。

このような流れで児童労働に関するページが検索上位を占めると、社名のイメージが損なわれるかもしれません。2つのキーワードに関連性がなくても、検索クエリ(文字列)が似ているだけでサジェスト汚染は起こり得ます。

悪意があるユーザーの検索行為

会社の評判を下げたい消費者など、悪意があるユーザーの検索行為もサジェスト汚染につながります。

多くのユーザーが特定のキーワードを検索すると、検索エンジンは「注目されたクエリ」と認識します。そのため、「○○社 ブラック」「△△ サービス悪い」などの検索回数が増えると、ほかのユーザーにもネガティブなサジェストが表示されます。

業界によっては、同様の手口で競合から攻撃を仕掛けられる可能性も考えられます。

悪評や噂の広がり

現実世界での悪評や噂は、さまざまな経路でサジェスト汚染につながります。

たとえば、ある会社の悪評を耳にした人が、SNSで「○○社はサービスが悪いらしい」と発信したとしましょう。この発信が拡散されると、「○○社 対応が悪い」のように検索するユーザーが増えると考えられます。

悪評や噂の経路をすべて遮断しようとすると、膨大な労力や費用がかかります。サジェスト汚染対策は根本的な解決策にはなりませんが、コストとダメージを最小限に抑えたい場合の選択肢になるでしょう。

Googleサジェスト汚染の対策4つ

サジェスト汚染への対策は、大手検索エンジンのGoogleから取り組むことがポイントになります。総務省の調査によると、2022年時点では国内ユーザーの7割以上はGoogleの検索エンジンを利用しているためです。

参考:総務省「総務省|令和5年版 情報通信白書|検索サービス

具体的にどのような対策があるのか、以下で詳しく解説します。

1.削除申請を送る

専用のフォームからGoogleに削除申請をだすと、特定のサジェストを削除してもらえる可能性があります。確実に削除されるとは限りませんが、労力やコストを抑えやすい対策といえます。

サジェストの削除申請には、大きく分けて3つの方法があります。

不適切な検索候補の報告をする

ひとつ目は、Googleサジェストが表示される画面の右下から、不適切な検索候補の報告をする方法です。この部分を選択すると、特定のサジェストを指定してGoogleにフィードバックを送れます。

「何についてのフィードバックですか?」という画面が表示されたら、適切な項目を選択した上で詳細を入力しましょう。そのあとに右下の「送信」を選択すると、Googleへの報告は完了です。

法的削除に関連する問題を報告する

権利侵害などに関する「法的削除に関連する問題を報告する」のページでも、サジェスト汚染のキーワードを報告できます。報告する手順は以下の通りです。

<サジェスト汚染を報告する手順>
手順1:報告用のページにアクセスする
手順2:居住国などの必須項目を入力または選択する
手順3:使用したキーワードを入力する
手順4:不適切と思われる予測キーワードを入力する
手順5:その他の必須項目も入力して送信する

報告内容によっては、アルゴリズムが自動的に削除措置をとる可能性があります。ただし、すべてのリクエストが対処されるわけではないので、不正と判断できる理由を書くなど、できるだけ詳細な情報を入力しましょう。

Google上のコンテンツを報告する

法的に問題があるコンテンツは、「Google上のコンテンツを報告する」のページからも報告できます。本ページはGoogleからの質問に応える形式で、マルウェアやフィッシング詐欺、スパムなども報告できる仕組みになっています。

基本的には法律に則って対処される形になるため、法律違反となる明確な理由を考えておくことが重要です。法律との関連づけが難しい場合は、前述の「不適切な検索候補の報告をする」を利用してください。

2.発信元に削除依頼をだす

ネガティブな情報の発信元がわかっている場合は、削除依頼を直接だす方法もひとつの手です。どのような発信元があるのか、いくつか例を紹介しましょう。

  • 会社や製品を比較しているウェブサイト
  • 誰でも書きこめるウェブ掲示板
  • SNSのユーザー

仮にコンテンツや書きこみ自体が削除されると、サジェスト汚染の根本的な解決につながります。ただし、必ずしも削除依頼に応じてもらえるとは限りません。

また、ケースによっては細かいやり取りが必要になるため、コミュニケーションコストが問題になることもあります。

3.ブランディングやSEO対策に力を入れる

自社の評判やSEO評価を高める方法も、サジェスト汚染の対策になります。

たとえば、自社製品のブランディングに成功すると、多くのユーザーは「○○社 ブランド名」のように検索することが予想されます。その検索データが蓄積されると、次第にネガティブなキーワードが表示されなくなるかもしれません。

また、SEO対策によって自社コンテンツの評価が上がると、サジェストが変化することもあります。長期的にはCV(コンバージョン)にもつながるので、ブランディングやSEO対策には優先して取り組みましょう。

4.専門業者に相談する

サジェスト汚染がどうしても解決されない場合は、専門業者への相談を考えましょう。費用はかかりますが、特定のサジェストを的確に削除してもらえる可能性があります。

ただし、のちに新たなサジェスト汚染が発生する場合もあるため、一度の削除が根本的な解決になるとは限りません。サジェスト削除後のサポートも比較しながら、目的に合った専門業者を選んでください。

株式会社YOSCAへSEOコンテンツの制作についてお問い合わせ

Google以外でサジェストの削除申請をする方法

Googleでのサジェスト対策が完了したら、次は別の検索エンジンでも削除申請を行いましょう。前述の情報通信白書によると、約20%のモバイルユーザーはYahoo!で検索しており、パソコンユーザーの約15%はBing(Microsoft)で検索しています。

参考:総務省「総務省|令和5年版 情報通信白書|検索サービス

ここからはYahoo!とBingにわけて、削除申請をする方法について紹介します。

Yahoo!へのサジェスト削除申請

Yahoo!ではYahoo!IDでのログイン後、ヘルプセンターの問い合わせフォームから削除依頼をだせます。

<削除申請の流れ>
手順1:お問い合わせフォームにアクセスする
手順2:「お問い合わせ」を選択する
手順3:「関連検索ワードの情報削除」を選択する
手順4:必須項目を入力して送信する

Googleの場合と同じく、Yahoo!でも詳細な申請理由を入力することが重要です。サジェスト汚染によって生じる被害を整理した上で、一つひとつの項目を丁寧に入力しましょう。

Bingへのサジェスト削除申請

Bingでは、問題の報告ページからサジェストの削除依頼ができます。質問に対する回答方法がわからない場合は、以下を参考にしながら作業を進めてみてください。

<削除申請の流れ>
手順1:問題の報告ページにアクセスする
手順2:「Bing検索」を選択する
手順3:「その他」を選択する
手順4:「Bingが提供する関連検索または検索候補」を選択する
手順5:必須項目に入力して送信する

削除基準は公開されていませんが、「その他の情報を入力してください」の欄に詳細な情報を入力することで、対処される可能性が高まると考えられます。「なぜ削除する必要があるのか」がわかるように、状況を整理した上で入力しましょう。

サジェスト汚染を放置するリスク

サジェスト汚染の対策には手間がかかるため、「そのままでも問題ない」と判断する方もいるでしょう。しかし、内容によっては深刻な被害につながることがあります。

ここからは、サジェスト汚染を放置する3つのリスクを解説します。

社名やブランドのイメージが悪化する

サジェスト汚染は、現実世界で広まる悪評と同じような効果があります。

たとえば、サジェストに「A社 サービスが悪い」と表示されると、それを目にしたユーザーはA社に不信感を抱きます。そのまま検索をして実際に批評を見つけたら、SNSで拡散してしまうかもしれません。

ネガティビティ・バイアスという言葉があるように、心理学ではネガティブな情報ほど印象に残りやすいとされています。ユーザーによっては「対応が悪い」「不良品」などの文字を一度見ただけで、悪いイメージをもつこともあるでしょう。

つまり、サジェスト汚染は社名やブランドのイメージ悪化につながるため、内容によっては迅速な対処が必要です。

悪循環になるとサイト評価が下がる

サジェスト汚染の悪循環に陥ると、ウェブサイトの評価が下がることも考えられます。どのような流れでサイト評価が下がるのか、以下で一例を紹介しましょう。

  1. サジェスト汚染で悪評が広がる
  2. 一部のユーザーが自サイトへのアクセスを拒否する
  3. クリック率やページ回遊率が下がる
  4. 検索エンジンの評価が下がる

また、ユーザーが自サイトを悪質なページとして報告し、検索順位を下げられてしまうような可能性も考えられます。さまざまな悪循環が予想されるため、深刻なサジェスト汚染を放置することはおすすめできません。

放置するほど信頼回復にコストがかかる

会社やウェブサイトの信頼回復にコストがかかる点も、サジェスト汚染を放置するリスクです。放置期間が長いほど、悪評やイメージ低下の範囲は広がるため、より多くのコストが必要になるでしょう。

逆をいえば、サジェストが変わったタイミングですぐに対処をすれば、ダメージは最小限に抑えられます。日頃から自社やブランドの名称を検索ボックスに入力して、サジェスト汚染を確認する習慣をつけておきましょう。

日頃からサジェスト汚染を確認しよう

風評被害を受けやすい企業やブランドにとって、サジェスト汚染は深刻なリスクです。評判だけではなく、顧客や取引先との関係性まで変わってしまう可能性があるため、見つけたらすぐに対処する必要があるでしょう。

サジェスト汚染はいつ発生するのかわからないため、日頃からチェックする習慣をつけることも重要です。どうしても対処できない場合は、専門業者や弁護士などへの相談も検討してください。

本記事の内容が、貴社のビジネスにプラスとなりましたら幸いです。ブランディングやSEO面でのサジェスト汚染対策については、YOSCAでもお手伝いできる可能性がございます。

実際の施策で悩みなどがございましたら、お気軽に当社へご相談くださいませ。

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片山 雄平
1988年生まれのフリーライター兼編集者。2012年からフリーライターとして活動し、2015年には編集者として株式会社YOSCAに参画。金融やビジネス、資産運用系のジャンルを中心に、5,000本以上の執筆・編集経験を持つ。他にも中小企業への取材や他ライターのディレクション等、様々な形でコンテンツ制作に携わっている。