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採用につなげる! 社員紹介・インタビュー記事の作り方

採用につなげる!社員紹介・インタビュー記事の作り方―企画・取材から書き方まで

近年、多くの企業が採用活動のために自社メディアや公式SNSを活用し、企業独自の情報発信を強めています。こうした採用活動はオウンドメディアリクルーティング(OMR)と呼ばれ、企業から直接メッセージを発して読者の共感を呼び、人材獲得につなげることを目指しています。

掲載する記事に登場する人物は必ずしも企業トップや広報担当者だけではなく、普段は表に立って発信をする機会を持たないごく一般の従業員の話を聞いて記事にする、いわゆる社員インタビュー記事の公開が行われています。

一般の従業員の話にそれほどニーズがあるのかと疑問に思う人もいるかもしれません。しかし、従業員は最前線に立って働く現場のプロ。自社の製品やサービスへの知識はもちろん、業界のトレンドにも敏感です。読者となるターゲットに近い「普通の」従業員が持つ知見や視点、姿そのものが、良質なコンテンツになりうるのです。

そうと分かればどんどん社員にインタビューして記事制作を進めたくなりますが、従業員同士の気軽な間柄に甘えて、準備もせずいきなり話を聞くのでは失敗してしまいます。従業員の知見を活かしながら読者の満足が得られる記事を作るには、制作する側の入念な準備が不可欠です

本記事では、社員紹介・社員インタビュー記事の発揮できる効果を理解し、従業員の魅力を最大限に引き出すインタビューの方法と記事作成のコツをまとめています。

  • 従業員のインタビューを通して何を伝えたいか、目的をはっきりさせることが第一歩
  • 企画ありきでインタビューする従業員を選ぶことで、読者視点の価値ある記事が作れる
  • 社員紹介ならではの表現や書き方のコツを押さえてからインタビューに臨む

採用ターゲットに会社の魅力を十分伝えられる社員紹介の記事を作りましょう。

社員紹介の作成・公開で期待できる5つの効果

まずは、社員紹介や社員インタビューの記事が採用活動においてどんな風に役立つのか、その効果を押さえましょう。

〈効果1〉企業メッセージを親しみやすく伝えられる

自社の社風や経理理念、企業姿勢などを伝える場合、トップをはじめとする上層部からのメッセージは力強さを感じさせる一方で、押し付けがましさが出てしまいがちです。

その点、社員の言葉ならば、就職希望者にとって「未来の自分の姿」としてイメージされ、より身近に感じられます。さらに、仕事の現場を感じられる具体的なエピソードを交えることで、自然に「自社らしさ」に触れてもらえます。

〈効果2〉採用のミスマッチを防ぐ

実在の従業員が、実体験に基づいて仕事の内容やその魅力、やりがい、苦労を話すと、それを読む就職希望者はリアリティを感じられます。入社後の仕事内容を具体的にイメージできるので、「実際に働き始めたらイメージと違った」といった採用ミスマッチを防ぐことにつながります。

〈効果3〉キャリアプランをイメージしてもらえる

社員がどのように経歴を重ねてきたのかを具体的に記事にすることで、読者は入社後のどの時期にどのような知識・技能を獲得し、どのようなレベルの仕事を担当していくのかをイメージできます。

企業としては、一度獲得した従業員には長く働いて欲しいもの。記事を通じてキャリアプランを例示し、採用活動の段階から長く働くイメージを具体的に持たせることで、長期に活躍してくれる人材獲得につながります。

〈効果4〉企業のイメージアップにつながる

読者にとって従業員の言葉や姿は、企業の方針や姿勢を体現したものと捉えられます。

例えばセキュリティ関連企業であれば、深い知見を持った従業員のインタビュー記事は企業そのものへの信頼感を高めることにつながります。またサービス業であれば、スタッフの朗らかな笑顔や仕事への姿勢を記事にすることで、読者は企業に安心感を抱くことでしょう。製造業であれば、開発担当者による商品化までのこだわりや苦労話を記事にすることで、CMなど消費者向けの情報では伝えきれない商品の深い魅力を知ることになります。

「こんな有能な従業員がやりがいを持って働いているのだから、きっと素晴らしい会社なのだ」というように、従業員の生き生きとした姿がそのまま企業のイメージアップにつながり、読者の就職への思いを高めることになります。

〈効果5〉インタビューされた社員の満足度の向上につながる

記事を読んだ読者は、従業員の姿=企業の姿と受け止めると述べました。逆に言えば、インタビューの対象として取り上げられた従業員は、会社から自社を語ってもらうにふさわしい存在と認められたことになります。本人にとっては日々の仕事が認められたと感じるでしょう。

また、個人より業務にフォーカスした記事であれば、もっと広い範囲の従業員が、自分たちの仕事について会社がどのように見ているのかという認識を感じられます。これらは企業に対する従業員のエンゲージメント(思い入れ)を高め、従業員満足度(Employee Satisfaction, ES)の向上につながります。

またインタビューされた従業員だけでなく、記事を読む他の従業員にとっても、自社についての理解を深めてもらうきっかけになります。例えば、勤続年数の長いスタッフに社員インタビューを行い記事にすれば、新入社員をはじめ勤務歴の短いスタッフにとって会社の歴史や理念を身近に感じられるでしょう。他にも、普段は関わりの薄い他部署の業務内容を知ることができれば、社内のキャリアプランを考える際の参考になります。

このように社員紹介・社員へのインタビュー記事には、読者が登場人物(従業員)を身近に、リアルに感じられるという特徴と、それによって共感を高める効果があります。

社員紹介の記事を企画する5つの手順

〈手順1〉読者をイメージする

社員紹介の記事に限らず、記事作成のスタートは読者像の把握からです。採用活動のための記事であれば、読者とはつまり採用したいターゲットです。採用する側から考えると「来年度の新卒」など大枠で捉えがちですが、なるべく読者の具体的な姿をイメージすることが大切です。

例えば読者は正規社員として働くことを希望している人なのか、それとも非正規の働き方を希望している人なのかで書くべき内容は大きく変わります。同様に、新卒者か転職希望者か、未経験者採用かスペシャリスト採用か、他にも性別や居住地域など、できるだけ具体的に読者の姿を想定しておきます。

もし想定される読者の姿が複数あったとしても、それぞれの姿を掘り下げてイメージしておくことが重要です。なぜならターゲットが知りたい情報はそれぞれ異なり、想定した読者=採用ターゲットに深く刺さる効果的な記事を作るためには、読者の立場から知りたい情報を考えることが近道だからです。

〈手順2〉読者が知りたい情報を考える

ターゲットの姿が掴めたら、次は読者が従業員から聞きたい情報は何かを考えます。読者としては、自分にとって何かしらのメリットが感じられなければ途中で記事を読むのをやめてしまいます。読者に最後まで読み切ってもらい、企業のメッセージを十分感じてもらうために、まずは読者のニーズを掴み記事で伝えるべき情報が何かを見つけましょう。

まずは仕事内容。

  • 具体的に何を行う?
  • 1日の仕事の流れは?
  • 残業やワークライフバランスは?
  • 仕事での成功体験や失敗談は?
  • 知識や技術をどう獲得してきたのか?
  • 転勤や異動の有無や頻度は?
  • 会社の社内教育、マネジメントの考え方は?

また、社員へのインタビューでは情緒的な面にも関心が持たれます。

  • 職場の雰囲気や人間関係は?
  • 仕事のやりがいや楽しさはどこにある?
  • どんな苦労がある?
  • 苦労をどんなふうに乗り越えてきた?
  • 仕事のストレスの発散方法は?
  • 休みの日はどんなふうに過ごしているのか?
  • 仕事が私生活に役立つことはあるか?

これらに、ターゲット別に知りたい情報が加わります。例えば想定される読者が新卒者の場合、

  • 学生時代は何を専攻していたのか?
  • 学生時代にやっていて、仕事に活かせていることは何か?
  • 何がきっかけで志望したのか?どんな志望動機を持っていたのか?
  • 就職前後でのギャップはあったか?それはどんなところか?

転職希望者の場合、

  • 中途入社者の経歴評価の仕組みは機能しているか?
  • 入社後の社内研修やサポートの体制はあるか?

女性の場合、

  • 結婚、出産などライフステージの変化にどう対応してきたか?
  • ダイバーシティの考えは根付いているか?
  • 女性ならではの視点が活かせる業務はあるか?

このように想定読者の立場から知りたい情報を列挙し、その中から情報を選んでインタビューのテーマとすることで読者の興味を掴みます。できればアンケートでターゲットや既に就職した人から直にニーズを聞き出したり、他社採用サイトなどの情報もリサーチしたりして、客観的な方法でもニーズを洗い出すと良いでしょう。

〈手順3〉効果的な形式を選択する

読者の姿と知りたいことがイメージできたら、次はそれを伝えるために効果的な方法を検討します。読者にはどんなシーンを示せばリアルに感じられるのか、どんな立場の従業員を登場させれば共感を呼びやすくなるのか考えます。

基本は、読者の知りたいことに経験談で答えられる、少し先輩に当たる立場の従業員が適しています。必要なのは従業員ならではの視点を活かしつつ、わかりやすく読みやすい平易な言葉と文章で伝えることです。

社員紹介のインタビュー記事では、いくつか代表的な形式があります。ここでは具体例とともに4つご紹介しましょう。

【形式1】筆者と従業員の対談形式

もっともシンプルなスタイルがQ&A形式です。端的な質問と回答の会話を中心に記事を構成することで、論点がわかりやすい記事を書くことができます。テンポよく文章が進むので読みやすいことが特長です。

質問と回答のやり取りだけでなく、相手の言葉への感想や意見を加えながらテーマを深めていくのが対談です。筆者も従業員である場合は、お互いの体験を元に多角的な考察を与えることができ、深い記事を作れます。ただし、お互いの発言の羅列になると読みにくい記事になるため、情報のまとめ方・文章表現の精査などの点で執筆の難易度は上がります。

以下の記事では、仕事の様子を追いながら従業員のコメントを挟み、そこに感想を交えることで、仕事の全体像をわかりやすく描いています。カジュアルな文体も相まって、ボリュームがあっても読みやすく書かれています。

密着!スタートアップで働く女子の「リアルお仕事ライフ」ってどんな感じ??―BASEの場合― | キャリアハック

以下の記事はQ&Aが基本です。どこにどんな内容が書かれているかが明確なので、読者が自分のペースで読み進められます。

丁寧な積み重ねで信頼関係を築く 2020年度年間MVPインタビュー 人を知る | 採用情報 | アイティメディア株式会社

【形式2】第三者目線でのドキュメンタリー風

従業員本人の言葉をそのまま伝えつつ、専門用語に解説を加えたり、端的な言葉の裏にある背景を客観的に説明できます。技術者やデザイナーなど、スペシャリストのインタビュー記事で用いると良いでしょう。読者の専門職への憧れを高めながら、その仕事がどんな風に、何を経て生み出されるのか、素人目にはわからないこだわりや凄みへの理解を得られます。

こちらの記事では、複雑で専門的な仕事内容は解説で説明し、そこに懸ける従業員の想いを従業員自身のコメントで伝えています。専門職としての矜持と企業の理念をマッチさせることで、強いメッセージ性が感じられます。

社員紹介 モーターサイクル 鋳造技術 – 仕事を知る | ヤマハ発動機 採用情報

こちらの記事では、インタビューのコメントでは特別なことを言っているわけでなく、むしろ少々言葉が足りない部分があります。しかし解説や背景を加えることで、素朴な魅力や親しみやすさが生まれており、個性を生かした記事になっています。

おもろくて、しんどい この醤油を伝えるためにいま、できること / 日本仕事百貨

【形式3】従業員による一人称形式

一人称スタイルでは、記事冒頭から最後まで、従業員が自ら語っているような表現方法です。従業員自身の言葉で終始書かれており、真面目さや親しみやすさ、価値観などを記事全体で表現できるため、従業員からのメッセージを力強く表現できます。ターゲットと合致すれば記事に深く没入させることができ、深い共感が得られます。

こちらの記事では冒頭にプロフィールを載せており、読者は経歴を知ってから記事本文に入るので従業員の成長やスキル獲得の過程が自分ごととして捉えやすくなります。

DSP株式会社|メンバー紹介|声でお客様を導くカスタマーチームの前向きガール

こちらは自身の業務と会社の全体の動き、社会の動きを関連づけたインタビューで、仕事に対する責任感が表れており、従業員のメッセージがよく伝わる記事です。

材料開発(無機) | ムラタの人と仕事 | 村田製作所

【形式4】グループインタビュー形式

一つの記事に、従業員が複数名登場する形式です。複数の意見を伝えることで説得力を高めることや、インタビュー中の姿や会話の流れから、職場の雰囲気や風通しの良さを印象付けられます。

登場する従業員はアルバイト同士や新卒入社の同期同士など似た立場、あるいは上司と部下、部署の異なるマネジャー同士、共にプロジェクトを動かすチームメンバーなど様々な組み合わせが考えられます。一つのテーマに登場人物が異なる視点から意見を述べ、読者がそこに企業の一貫した価値観を感じ取れれば、従業員の言葉のリアリティと企業への信頼感がぐっと高まります。

こちらの記事は若手従業員の質問にベテラン社員が答えていくスタイルで、所々に「今も昔も変わらない部分」を置くことで、企業の根幹を伝える記事になっています。

ベテラン×若手 対談 | シミックグループ | 採用サイト

他にも、記事を書くにあたっての表現のルールを定めたトーン&マナーや、どんな写真が必要になるかを予め考えておきましょう。トーン&マナーとは、例えば「です、ます調」か「だ、である調」か、口語表現を許容するかなどを定め、表現を通じて与えたい印象とその手法のルールをまとめたものです。記事で与えたい印象が分かれば、実際のインタビューを具体的なイメージを持ちながら進められるので、執筆もスムーズに進みます。

同様に、写真についても構図やカット数を考えておくことで、読者の視覚からも従業員の魅力を伝えられます。インタビューとはいえ、ただ話している写真だけでは、従業員の生き生きとした姿が伝わりません。自社の商品と共に写っている写真や、普段の仕事場の風景、通勤や休日など業務外の写真も使うことで、変化が生まれ読者が親しみを感じやすくなります。

避けて欲しいのは、一つの記事にたくさんの目的を持たせて、幅広い読者にアプローチしようとすることです。対象の読者を幅広く設け、伝えたい内容をたくさん詰め込んだとしても、一つの記事で及ぼせる影響は限定的です。

社員インタビューでは通常の記事より専門度の深い話や、従業員の体験・経験を伝え、読者の納得と共感を得るという狙いがあります。たくさんの情報を詰め込み、読者が共感を感じる部分が記事の一部だけになると飽きられてしまい、最後まで読まれずメッセージを伝えきれない恐れがあります。たくさんのターゲットに届けたいなら、目的別に複数の記事を作成するようにしましょう。

〈手順4〉インタビューする社員は企画が決まってから探す

インタビュー対象となる従業員の選定は、記事の想定読者・書くべきこと・伝え方が決まってから始めます。

企業側の「この人(従業員)は優秀だから、ぜひ記事に出したい」という思いが先に立つと、本来読者のためにある記事の提供価値と乖離が生じる恐れがあります。あくまで読者のニーズに忠実に、話を聞くべき従業員の候補を探すべきです。

また、企画を先に立てておかないとインタビューする従業員に「なぜ、あなたをインタビュー対象に選んだのか?」の明確な説明をすることができません。どんな話をして欲しいのかが従業員自身に十分伝わらないため、インタビュー時に価値ある情報を引き出すことができなくなってしまいます。

インタビュー成功の鍵は、対象がどれだけ自己開示してくれるかにかかっています。もちろん聞き手の情報を引き出す技術も重要ですが、従業員自身が「なぜ自分が選ばれたのか」という理由を感じないと、取材を受けることに「面倒」「押し付けられた」などネガティブな印象を抱き、モチベーションが上がらず積極的な自己開示をしてもらえません。

インタビューへの対応は従業員にとって通常業務ではありません。かといってインセンティブを設けることは稀でしょうから、記事制作者はインタビューを受ける従業員のモチベーションが上がるような対応を心がけ、前向きに受けてもらえる状況を整えましょう。インタビュー対象となる従業員の上長や周囲に対しても、記事制作者が丁寧に意義を説明し、理解を得ておくことが必要です。

〈手順5〉取材依頼書を作り、インタビュー前に共有しておく

実際にインタビューを実施する前に、事前に取材依頼書を作成して本人と共有しておきましょう。インタビューに慣れている従業員はそうそういません。いざ依頼を受けても「記事になるとはどんなものなのか」「どんな話をすればいいのか」と不安を感じる人もいるでしょう。取材依頼書を作って共有しておけば、記事の完成イメージを掴めるので不安を払拭できます。

取材依頼書に載せるべき項目には以下があります。まずは必須かつ詳しく書いておきたい項目3つをご紹介しましょう。

【必須の項目1】読者像と記事の目的

どんな人が記事を読むのか、何のために記事を作るのかがわかっていないと、話す内容や言葉選びについてイメージを膨らませることができません。あらかじめ伝えておけば、取材当日までに話す内容を頭の中でまとめておけます。

記事を読んだ読者に、どう思って、またはどんな行動を起こして欲しいのかといった点について共通の目標を持っておくことで、自然と取材での話にも熱が入ります。記事作成者にとっても取材で聞く質問の意図が理解されやすく、スムーズなインタビューにつながります。

【必須の項目2】撮影したい写真の内容

一般社員が取材を受けるときに抵抗を感じやすいのが写真撮影です。どんな構図で、何枚ほど必要なのか。どんな服装が適しているのかを伝えると安心してもらえます。仕事現場を撮影する場合は、上司や仕事仲間の了解も得ておく必要があります。また、例えば担当した商品、仕事で使う道具など用意が必要なものもあります。こうした情報もあらかじめ共有しておき、取材がスムーズに進むよう準備してもらいましょう。

【必須の項目3】質問項目や聞きたいエピソード

聞きたい内容を箇条書きで記載しておきます。答える側としては、インタビューの場ですぐに考えて答えるのは難しいですし、時間もかかってしまいます。何を聞かれるかわからなければ気構えてしまい、リラックスしてインタビューに答えてもらえません。インタビュー時の進行をイメージするためのものでもあるので、取材依頼書に記載する質問の数は多すぎず少なすぎず、4〜7個程度にしておくと良いでしょう。インタビュー構成の核となる質問項目を抜粋して記載しましょう。

他にも、以下はできるだけ載せておきましょう。

  1. 記事が掲載される媒体は何か
  2. いつ掲載開始されるのか
  3. 掲載期間はどれくらいなのか
  4. 見本になりそうな記事例

せっかくインタビューを受けるからには本人もどのような形で掲載されるのかは知っておきたいものです。掲載されるメディアの他の記事を読んでおくことで、インタビュー対応時の参考にもなります。

できれば、掲載後の削除や修正の方針、異動や退職があった場合の記事の扱いについて事前に決めて、伝えておくと良いでしょう。その場合、本人の希望があった場合は削除を含め、できる限り対応する姿勢を示しておくと安心してもらえます。

なお、取材依頼書に載せる内容は話して欲しいことばかりではありません。記事の目的に沿わない話題や掲載すべきでない内容など、制約やルールがある場合は、それについても記載しておきましょう。社員インタビューでは社内に深く関係する話題を取り扱いますが、社外秘情報や内輪すぎる話は記事にできません。

後で編集を加えるにしても、NGとなる事柄を先に共有しておくことで、インタビューを受ける社員と記事制作者の互いの手間と時間の無駄を減らせます。

いよいよインタビュー本番!4段階の進め方

従業員の了解が得られたら、いよいよインタビューの実施に進みます。

〈事前準備〉時間と場所のセッティング

まず、インタビューはきちんと時間と場所をセッティングして行いましょう。

従業員同士だからといって、決してデスクサイドで椅子を持ち寄って話すようなことはしてはいけません。そもそも周囲がうるさくて録音が難しいというのもありますが、話す・聞く側双方が積極的にインタビューに取り組む姿勢がないと、話が盛り上がらず記事に活かせるような深いエピソードが出るに至りません。

特に話を聞く側が「あなたの話を聞きたい」という熱意を持っていること、それがインタビュー対象の従業員に伝わることが大切です。

〈始め方〉インタビュー相手への説明

まずは企画の趣旨と、この後のインタビューの進め方を説明します。インタビューする側とされる側、両者で改めて確認しておくことでスムーズな進行につながります。

〈進め方〉まずは依頼書の通りに

最初は「普段はどんな業務を担当しているのか」など基本情報を聞くことから始めましょう。簡単な会話から始めることで会話のペースを探り、話しやすい空気感を作ります。

それから取材依頼書で伝えてある質問やテーマに沿って、質問を進めていきましょう。いきなり想定外の質問を投げかけては、相手も慎重になってしまいます。まずはそれぞれが準備していた質問と回答を重ね、「インタビューにしっかり対応できている」という自信を持ってもらいます。

また、気持ちよくインタビューを受けてもらうためには、会話のテンポのよさが重要です。質問や、もらった回答への「なぜ」「どうして」「どんなふうに」や、「〇〇とは」「なぜ」「では」といった深掘りの質問をどんどん投げかけていきましょう。

〈終わらせ方〉最後まで気を抜かない

用意した質問をあらかた聞き終わったら、最終質問の前に「それでは最後の質問です」など、前置きをして終了間近であることを伝えましょう。すると、相手もこれまでの話で、伝え切れていないことを自主的に話してくれます。

また、インタビューを終了した後は安堵感や社員同士の気安さもあり、本音が出やすいタイミングです。終了後も話を聞く側は気を抜かず、最後まで聞き漏らさないよう意識しておきましょう。

インタビューの具体的な方法についてはこちらも参考にしてください。

もう一つ、従業員同士の近い関係だからできる、スムーズなインタビュー方法があります。インタビュー前に、リード文や全体の流れや説明に当たる部分など予め書ける部分を書いておき、インタビューで聞いた話で後から穴埋めして情報を継ぎ足していく方法です。社員紹介のリレー記事など掲載先となるメディアでトンマナや掲載形式が固まっている場合に有効で、執筆に創意工夫を凝らす必要性がないためインタビューから執筆までをスムーズに進められます。

またQ&A形式の記事では答える側が記事の完成形をイメージできるため、質問に答えやすくなります。場合によってはインタビューの場を設けることなく、相手へ記事と質問をメールで送り回答をもらうだけで済ませることができ、短期間で多くの記事を作れます。インタビューから掲載までに時間がない場合なども、事前に執筆を進めておくことで時間の短縮につながります。

インタビュー内容をぐっと引き立たせる書き方・4つのコツ

無事にインタビューを終えたら、それを文章化していきます。内容をただ表面的に伝えるだけでなく、熱量まで伝えられるような書き方のコツを4つご紹介しましょう。

〈コツ1〉経験談は結果だけでなくプロセスに焦点を当てる

例えば「仕事に行き詰まった時、どう対応したか?」という質問への答えが、「〇〇をした」だけでは単なる結果に過ぎません。しかし、その裏にある心情や思考のプロセスまで情報を掘り下げて拾うことで、従業員の人となりや専門的知見が活かされます。

  • どんな考えでそれに至ったのか?
  • どんな気持ちで取り組んだのか?
  • 進める上ではどんな苦労や面白さ、やりがいがあったのか?

など、一つひとつのエピソードに深く入り込み、話を膨らませながら聞いていきましょう。

〈コツ2〉成功の裏にある本音や苦労話を書く

通常、社員インタビューで従業員が自ら話してくれる話題はポジティブなものが多く、「何かを成し得た」「成果を得られた」「こんな良いメリットがあった」という話が綴られます。しかしそれだけではなく、成功エピソードの裏にある本音や悩みを聞き出すことを狙いましょう。

登場する従業員が完全無欠のヒーローでは、読んでいる方も自慢のように感じてしまいます。読者と近い立場の人物に焦点を当てることで共感を誘うという、採用サイトにおける社員紹介の記事の目的ともずれてしまいます。模範となるような成功を得た人であったとしても、その成功を支えた努力や苦労、悩みにフォーカスすることで、読者に身近さ・親しみやすさを伝えられます。従業員の姿を記事の中で生き生きと描けるでしょう。

〈コツ3〉インタビュー中の言葉をそのまま使う

言葉遣いにはその人の個性が表れます。インタビュー中に社員が使った言葉や話す様子をメモしておきましょう。言葉遣いはもちろん、その言葉を発する際の間(ま)やありようを書くことで、その人の内面を表現できます。

例えば、「今まで仕事が辛いと思ったことはありますか?」という質問の後にすぐ「それはありません」と書けば、ハキハキとした受け答えから前向きな思考を持つ人物という印象があります。逆に「そうですね……」と考える様子を加えてから「それはありません」と書けば、過去を思い出し答えているようで、慎重な人物という印象を受けます。回答の中の意図を表す部分だけでなく、話しているありさまを表すことで人物に親しみを感じさせる効果があります。

話したことを読者が読みやすいように整理することは必須ですが、印象的な言葉、こだわりが表れている言葉を逃さず、記事に表現しましょう。そのためにもインタビュー内容は必ず録音しておきましょう。

〈コツ4〉社員の紹介はプロフィールにまとめる

従業員の自己紹介やキャリアは、記事本文中に文章や従業員の言葉として盛り込むより、プロフィールとしてまとめて載せた方が読みやすくなります。

記事のトーン&マナーを鑑み、真面目で誠実な印象の記事ならプロフィールも同様に真面目に、フランクな印象の記事ならばプロフィールも同様にフランクに書きます。仕事外の好きなことや、最近のお悩みなども載せると、親しみやすさや従業員のパーソナリティを感じられます。対談形式やドキュメンタリー風の書き方ならば記事の冒頭で、一人称スタイルの書き方ならば、記事冒頭で簡単な自己紹介を入れつつ、記事の最後にプロフィールで載せるのが適しています。

まとめ

社員紹介、および社員へのインタビュー記事では、特に知名度があるわけではないごく普通の従業員の話が中心です。準備や企画もなしでは、知らない人の内輪の話が書かれているだけの面白みのない記事が出来上がってしまい、それは企業・従業員・読者の誰にもメリットを生みません。

しかし、読者のニーズと共感にしっかり向き合い、企画してからインタビューと記事作成にあたれば、一気に読者の心を掴み、従業員満足度も上がる記事が作れます。読者が引き込まれて行動へと移してもらえるような、そして協力してくれた従業員にとっても「インタビューを受けてよかった」と思ってもらえるような記事作成のために、ぜひ本記事をお役立てください。

編集協力:佐藤千夏

★当社は社員紹介・社員インタビュー記事はもちろん、記事作成に関するあらゆるご要望にお応えしてまいります。

★当記事を書くにあたっては以下のサイトを参考にしました。ありがとうございました。

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阿部道浩

2011年に慶應義塾大学文学部を卒業後、大学時代からインターンとして参画していたモバイルサイト運営会社に就職。Webコンテンツの制作・編集業務に携わった後、2012年にWebコンテンツ作成を専門とする株式会社YOSCAを代表と二人で立ち上げる。編集業務のほか、営業、マーケティング、編集スタッフのマネジメントを経て、現在はライティング講座の開発・運営を主に行っている。

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