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読者の期待に応える!記事作成8つの手順

【記事作成のコツまとめ】読者の期待に応える!記事作成8つの手順とは

最終更新日:2024年6月13日)

▼YouTubeでも解説しました!

記事を作成するためには技術と時間が必要です。最後まで読んでもらえる、読者にシェアしてもらえるような記事を作ることは簡単ではありません。

ここでは、2012年の創業以来、10年以上にわたり記事作成を専門として担ってきた株式会社YOSCAの阿部が、記事作成で押さえておきたいコツについてまとめました。

◉本記事の著者
阿部道浩
株式会社YOSCA取締役。500名以上のライター志望者・企業のWeb担当者が受講している「あなたのライターキャリア講座」の開発・運営のほか、記事を作成・更新する全てのウェブ担当者・ライターに向けて「YOSCAブログ」での情報発信を行っている。 ▶Xはこちら

記事作成・編集を任された企業のマーケティング・PR担当者の方、ライターとして記事作成を担っている方のヒントになれば幸いです。

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はじめに〜読者の期待と記事の目的〜

読者の「知りたい」という期待を満たす

記事作成の際、まず考えるべきは読者の期待を満たすことです。

Webであれ書籍であれ、記事を探して読むという読者の背景には、「情報を知りたい」という目的とともに達成したい何かしらの期待が存在します。主な期待の例としては、自分の持つ疑問が解消され納得感を得る、知的欲求が満たされる、あるいは余暇の解消、つまり暇つぶしなどです。

読者は「情報を知りたい」と思っている。読者は、何かしらの願望とともに「情報を知りたい」と思いながら記事を読む。願望としては、疑問解消・課題解決・知識欲求・余暇の解消などが挙げられる。

期待の種類によって読者が記事を読む際の心持ちにも違いが生まれます。読者が情報を求める理由や状況に寄り添い、読者の期待を満たしつつ記事の目的を達成させることが良い記事の条件といえます。

たとえ記事作成の目的が自社サービスの売り込みであったとしても、まずは読者のためになる情報を提供し、信頼を得ることが優先です。記事作成は「Give, Give, Give!」の精神で取り組みましょう。

記事一つ一つに目的を定める

書き手側である発信者・メディア運営者にもまた、記事を通じて達成したい目的があります。それは、商品・サービスを読者に知ってもらいたい、興味関心を持ってもらいたい、購入してもらいたい、といったものです。

これらの目的は記事一つ一つごとに決める必要があります。目的の定め方は、記事のテーマと照らし合わせて、「認知」から「行動」までの幅の中で、どのように読者の考え方に変化をもたらしたいのかを考えて設定します。

例えば、

  • 「へ〜こんな商品があるんだ」
  • 「この商品、気になるから検索してみよう」
  • 「この商品使ってみたいからレビュー記事読んでみよう」
  • 「この商品を買いたい」

といったように、ただ知ってもらうことから、行動してもらうまでの間に段階があり、どういった読者の反応を得たいのか考えていきます。

記事制作の目的(記事の目的は認知から行動の間で幅がある)

記事の目的が定まらないことには、どのような書き方をする必要があるのか決めることができません。必ず執筆を始める前に定めておきましょう。

記事作成の8つの手順

それでは、記事作成の具体的な手順について見ていきましょう。以下、公開後のリライトを含め8つに分けて説明していきます。

  1. ターゲットを設定する
  2. ニーズを調べる
  3. 情報収集する
  4. 記事で伝えたい内容を決める
  5. 文章構成を作成する
  6. 執筆する
  7. 見直しと修正を行う
  8. リライトする

まず強調しておきたいのが、記事執筆において最も大事なのは書く前の準備です。準備に完成度の9割がかかっているといっても過言ではありません。上記を見ていただいても分かる通り、8つの手順のうち「6.執筆する」に至るまでに5つの準備工程を設定しています。

いきなり執筆を進めたい気持ちも分かります。しかし準備を行わずにいきなり執筆を始めてしまうと、途中で情報の過不足が出てきたり、書きたい内容と書いている内容がずれてきてしまったりして、修正に無駄な時間を費やすことにつながります。

1. 読者の表情が浮かぶくらい詳細にターゲットを設定する

まず、これから自分が書く記事で、

  1. どのような人に、
  2. どのような情報を届け、
  3. どうなってもらいたいのか

をイメージしましょう。記事を読み終えた読者がどのような表情を浮かべ、どのような言葉を発するのかまで具体的に想像します。この作業によって記事に載せるべき情報はどのようなものか、文体など表現は誠実な印象を与えるものにするのか、それともフランクで親しみやすい印象にするのかなど、内容や書き方が具体的になっていきます。

例えば、自社開発のTOEIC学習アプリを紹介する記事を書きたいとしましょう。このアプリは短時間で、効率よく学習を進められるよう設計されています。この場合、以下のようなターゲット設定が考えられます。

「どのような人」

社内の取得必須資格にTOEICが加わり受験しなくてはならないが、日々の業務に忙殺されてまとまった勉強の時間が取れないビジネスパーソン。

「どのような情報」

細切れの時間でも、効率的に学習するためのコツや手法。短時間学習に適した学習項目やタイムマネジメント事例。

「どうなってもらいたい」

どのように学習を進められればいいのかヒントを得て学習に前向きになり、具体的な学習ツールを探し始める。

→「この方法なら短時間でも学習を始められそうだ」(納得・自信が湧く)

このように読者の具体的な状況をイメージすると、記事で何を伝えれば良いのかが具体的になります。

誰かに依頼されて記事を書いている場合や、関係者が複数いる場合はこの時点でターゲット像を共有しておきましょう。後からターゲット像が変わると、この後の作業もやり直しになりかねません。

ターゲット設定と似た考え方に、ペルソナの設定があります。ペルソナとはターゲット像を性別、年齢、年収、家族構成などのライフスタイルまで具体的に落とし込み、その人の興味の先を推測するためのものです。

一つの記事ごとにペルソナを設定するのが確かに理想ではありますが、実務を考えるに難しいという場合もあるでしょう。メルマガなど、継続的に読んでもらいたい記事を作成する場合や、取り上げるテーマの幅がある程度広い場合は有効ですが、単発の記事であればペルソナまで用意しなくても良いでしょう。

2.顕在ニーズから潜在ニーズまで調べる

ターゲット設定ができたら、次はターゲットがどのようなニーズを持っているのかを調査します。公開先がネット上である場合はもちろん、書籍や雑誌などの場合でも、ネットや検索からニーズを調査することは可能です。一緒に検索されるワードや上位表示されているサイトから、ターゲットがどのようなことを知りたいか、また、潜在的にどのような悩みを持っているかを推測することができます。

ターゲットがどのような検索ワードを使って情報を探すのか、自分が書こうとしている記事にニーズがあるのかを考えましょう。考えられる検索ワードや、その検索ワードの裏にある検索の意図を推測し、実際にその言葉で検索をかけてみて、上位に表示される他サイトの情報を調査します。

先ほどのTOEIC学習アプリの記事を例にしてみましょう。Googleで「TOEIC」という単語を入力すると、よく一緒に検索されるワードがサジェストとして表示されます。

手元で実際に「TOEIC」と入力したところ、上から「申し込み」「点数」「日程」「満点」「参考書」「単語帳」というワードが出てきました。TOEICの受験者は、これらの検索ワードに関連する情報に関心が高いということが分かります。

例えば「単語帳」や「参考書」というキーワードは、ターゲットが学習のためのツールを探しているということが推測されますから、自分の記事では、おすすめの単語帳や学習方法を紹介するとともに、自社アプリの単語学習機能の利便性について説明すれば、ターゲットに興味を抱いてもらえる可能性があると考えられます。

検索ワードで読者のニーズが分かり、自分が書く記事との繋がりが見えてきたら、次は実際にそのワードで検索をかけて上位表示される記事内容を読んでみましょう。自分の記事で触れる予定は無かったけれど、他の記事で触れている観点などを探し、情報を補完すべきポイントはないか、他の記事を参考にしてターゲットのニーズを更に探りましょう。

検索ワードの調査は、記事の伝えたいことと読者の知りたいことが繋げるきっかけを探ることです。読者の知りたいことにきちんと応えるからこそ、こちらの伝えたい情報も読んでもらえます。

3.多様な視点で情報収集する

ターゲット設定とニーズ調査を終えたら、次は記事に盛り込む情報を組み立てていく、設計の作業に移ります。記事で伝えるべき情報を集め、何を伝えるのかを定めていきます。

情報収集の進め方

情報を集める方法としては、

  1. Webで調べる
  2. 書籍や雑誌で調べる
  3. 人(有識者)から聞く
  4. 実際に体験してみる

などが挙げられます。

1や2は、Webや書籍など既に公開されている情報を収集、整理して一つの記事にする方法です。世に散らばる情報を集めて読者の期待を達成するよう組み立て直す、また筆者の見解や方向性を示すことで新たな価値を持つ記事となります。

一方、記事テーマによっては、すでに公開されている情報をもとにしただけでは記事化が難しいという場合もあるでしょう。その場合は3や4、つまり取材が有効です。例えばインタビューであれば、取材対象の人物を前面に出し、その人の専門性や経験談、失敗談など現実味のあるエピソードを交えることで、読者の興味・関心に具体的に応える記事を作ることができます。

インタビューについてはこちらの記事を参照してください。

参考記事

ちなみに、スマートフォンの音声入力を使って自分で自分に取材する、という方法もあります。まず、記事の構成を踏まえて伝えたい内容を思いつくまま好き勝手に喋る。その内容を音声入力でメモし、情報を引き出すというものです。音声入力の精度は完璧ではありませんが、自分で話した内容のメモとしては十分に使えます。書き出すより話す方がスムーズにできるという方は試してみると良いでしょう。

さて、情報収集においては関連の深い情報を調べ尽くすことが理想ですが、ただ闇雲に情報収集をしていては膨大な作業量になってしまいます。調べたけれど、記事には不要な情報だったという部分も大いにあります。

調べた上で記事にする情報はいわば海の上に浮かぶ氷山の一角に過ぎず、調べた上で記事にしない情報というのもたくさんある。

情報収集は時間と手間がかかる作業ですから、できるだけ精度を上げて、スムーズに進めたいところです。

情報収集の切り口を得るためのヒント「とは」「なぜ」「では」

情報収集をする際、どのような情報をどのような切り口で調べていけば良いか、そのヒントになるキーワードが「とは」「なぜ」「では」の3つです。読者の知りたがっている情報やテーマに対して、この3つのキーワードを使って問いかけていくと情報収集の糸口を見つけられます。

例えば先述の例で「TOEIC学習に役立つ単語帳が知りたい」という読者の期待があるならば、まず「TOEICとは?」「TOEIC学習に役立つとは?」「TOEIC学習に役立つ単語とは?」というように、その意味を突き詰めていきます。すると、「TOEICとは?」という問いに答えるための情報としてTOEICの歴史や社会での評価についての情報が必要になります。「TOEICに役立つ学習とは?」では出題傾向や試験形式について、「TOEIC学習に役立つ単語とは?」では必要単語数やジャンルについてなど、調べるべき情報を洗い出すことができます。

同様に理由を明確にする「なぜ」を用いて、「なぜ、TOEICなのだろう?」(英検やTOEFLとの比較)「なぜ単語帳なのだろう?」(単語学習に注力することによる効果、他項目の学習との違い)といった具合に情報を掘り下げます。

更に現実化、具体化する問いとして「では」を用いて「では、どのような学習方法が適しているのだろう?」「では、どうしたら単語力を上げられるのだろう?」(単語学習の実践事例)のように、テーマに迫っていきます。

あくまで情報収集のための糸口ですから、すべてを調べる必要はありません。目的に合わせて調べるべき情報を取捨選択しましょう。情報を集める過程で、新たな糸口が見つかることもあります。そのような場合も「とは」「なぜ」「では」を使うことで、記事の趣旨と整合を保って、情報収集の範囲を広げていくことができます。

4.記事内で最も伝えたい主張とその根拠を定める

情報収集を終えたら、読者に最も伝えたい「主張」と、それを支える「根拠」を考えます。収集した情報量次第で、主張と根拠が複数出てくる場合もあります。

例えば、先述の事例では以下のような主張と根拠が考えられます。

  • 主張1–TOEIC学習には単語力の向上が効果的である。
  • 根拠1–出題形式の分析、学習の効果の表れ方
  • 主張2–TOEIC高得点に役立つ単語学習ツールはこの3つ
  • 根拠2–高得点者の単語学習事例の紹介(3パターン)

ターゲット設定、ニーズ調査、情報収集の結果を踏まえて、記事に最適な主張と根拠を以下の4つの観点から選んでいきましょう。

  1. 読者の期待を満たすかどうか
  2. 記事の目的の達成に近いかどうか
  3. 類似の記事があるかどうか
  4. あなたが伝えたい内容かどうか

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5.見出しだけでもストーリーが伝わるような文章構成を作成する

文章構成とは記事内容を章立てしたもので、いわば記事の骨組みです。人体の中心を成す骨の強さが健康に大きく影響するように、記事の構成の良し悪しによって記事の説得力や存在感、読みやすさが左右されます。

これまで重ねてお伝えしているように、いきなり記事本文を書き始めると必要な情報を書き忘れたり、または不要なこと、同じようなことを何度も書いたりと、執筆途中で悩んで時間がかかり、読みづらい文章になってしまいます。文章構成は執筆の際のマイルストーン(中間目標地点)ともなりますので、必ず事前に作成しましょう。

参考記事

仮タイトルを設定し、見出しの候補を選ぶ

まず、これまでの作業で決定した主張と根拠を踏まえて、記事に書かれている内容がすぐにイメージできるような仮タイトルをつけましょう。そして、仮タイトルを説明するのに必要な情報を、見出し候補として挙げていきます。それらを情報の階層が判別できるよう、インデントを用いる(文の開始位置をずらす)などして書いていきます。

(例)

  • TOEIC試験のための効果的な学習方法
    • 単語学習は得点を伸ばすのに効果的
      • リーディング、リスニングには単語力が必要
      • 高得点者も単語学習で点数が伸びた(事例)
    • 学習方法
      • 学習ツール(本・アプリなど)
      • 学習の進め方(場所、時間など)

目的に合わせて伝える順番を決める

見出しの候補がある程度出揃ったら、それらを並べ変え、目的に合わせて伝える順番を決めていきます。

この際、文章の型(テンプレート)に見出しを当てはめていくと、読みやすく伝わりやすい構成を作ることが容易です。よく知られた使いやすい文章の型として「逆三角形型」「PREP法」などがあります。

逆三角形型の構成
逆三角形型。結論・最も伝えたいこと→具体的な説明・解説→補足情報→(さらなる補足情報)の順。

最初に結論を示し、続いてそれについての解説を加えます。最後に結論や解説についての補足を加えます。

PREP法の構成
PREP法の図。最初にPoint(結論)を示します。続いてReason(理由)を述べ、Example(具体例)を提示します。最後に再びPoint(結論)を示して強調します。

最初にPoint(結論)を示します。続いてReason(理由)を述べ、Example(具体例)を提示します。最後に再びPoint(結論)を示して強調します。

他にも、情報列挙型、問題解決型、起承転結型など様々な文章の型が存在します。ここでは詳しく触れられませんが、気になる方は調べてみると良いでしょう。

(弊社が提供している「1秒1文字!悩まず書ける ノンストップライティング」でも詳しく解説しています)

情報を付け足す・削除するなどしてバランスを整える

実際に見出しを型に当てはめて並べてみると、情報が不足している箇所、他と比べスケールが小さい・大きい情報、別の見出しに含まれる情報、重複している情報などが明らかになってきます。

これらの箇所を修正し、新たな見出しをつけてまとめたり、情報を補足・削除したりすることで、全体の情報の流れをスムーズにしていきます。

文章構成として整える

最後に再び、情報の階層が分かるようインデントを用いて構成を整えます。その後タイトルや見出しの文言を、実際の記事で使う、読者にとって魅力的な文言に整えることで文章構成は完成します。

文章構成の段階で自分の伝えたいこと、読者のニーズが反映されていなければ、その後の執筆でいくら良い文章表現をしても、記事のクオリティを上げることはできません。また、見出しだけ読んでも記事内容がすんなり理解できない、記事を読むことで得られるメリットなど記事の魅力が伝わっていないように感じるならば、これまでの過程で何かしら問題があったことになります。再度ターゲット設定や読者ニーズ調査、情報収集を進め、構成を再検討しましょう。

6.読者の反応を思い浮かべながら一気に書き上げる

以上が執筆前の準備です!記事構成が出来上がったらやっと執筆に入ります。

ここまでの情報収集、文章構成が十分にできていれば、内容についてはそれほど悩むことはないはずです。ターゲット設定、記事を書く目的を改めて確認し、読者の反応を具体的に想像しながら、記事を書き進めていきましょう。

書き始めたら迷わず一気に書き進めよう

執筆段階に入ったらどんどん書き進めることが大切です。迷うところがあっても、後で見直すと割り切って、最後まで書き切りましょう。書き進めながら「ここはこういう書き方にした方がいいかな」と試行錯誤したり、「これで伝わるのだろうか」と迷って都度修正を加えたりしていると、無駄な時間がかかってしまいます。

記事を書くスピードを上げるためにまず知って欲しいのは、記事のクオリティは企画・準備の段階で決まっているということ。実際の執筆の段階であれやこれやと試行錯誤しても、完成した記事の出来は劇的に変わることはありません。

ならば、時間をかけるべきは記事の企画です。まずは先述の想定読者や目的設定をしっかりと考察し、記事に書くべき情報設計に注力しましょう。書き進めながら内容に悩んでしまうのは、企画がしっかりできていないからに他なりません。

「企画に時間をかけていたら、結局かかる時間は同じじゃないか」という声も聞こえてきそうですが、執筆を始めてから構成をいじるとなると、手を入れる箇所が全体に及び、修正にかける時間が膨れていきます。企画の段階で構成を詰めておくことで執筆と修正がスムーズに進めば、トータルでの作成時間は短縮できます。

7.読者の期待に応えられているかの視点で見直しと修正を行う

執筆を終えたら、最後は記事を自ら見直し、必要な箇所に修正を施していきます。以下の3つの観点から見直しと修正を行っていきましょう。

なお、見直しや修正は執筆後、少し時間を置いてから行うと良いでしょう。思い込みをなくして記事をチェックすることが重要です。また、原稿を声に出して読み、チェックするのも有効です。

読者の期待に応えられているか?をチェック

読者にとって知りたい情報を知りたい順番で届けられているか、途中で余計な話題を挟むなどして読者の関心を削いでいないか、最後まで興味をもって読み進められるような構成になっているか、といった点を確認します。

一方、読者の反感を買うなどして予期せぬ炎上を招くような表現がないかも確認しましょう。

読者の疑問を残していないか?をチェック

記事中の文章を「それは何?なぜ?どのように?」など疑問の姿勢で読み、それに対して答える情報が記事内にあるかどうかをチェックします。疑問を放置したままの箇所があれば加筆などして対応しましょう。

「11個のチェックリスト」で文章表現をチェック

内容や文章には着目せず、文字や単語レベルで行う機械的なチェックも施す必要があります。

当社がライターの記事をチェックする中でよく指摘するポイントを11個の項目にまとめてみました。以下、一つずつご紹介していきましょう。

主語と述語は明確になっているか

私は佐藤さんが田中さんがライターとして活躍できた理由を分析した話についてインタビューした。」――このように主語と述語の間が離れすぎていたり、主語と述語の間に別の主語と述語が入ったりしてしまうと、意味を把握しにくい文章になってしまいます。「ライターとして田中さんが活躍できた理由を分析した話について、私は佐藤さんにインタビューした。」などと直せると良いでしょう。

修飾する言葉とされる言葉は近い位置にあるか

本気で彼はプロのライターになりたいと思っている。」――この場合、「本気で」と「思っている」が離れてしまっているために修飾関係が分かりづらくなってしまっています。「彼はプロのライターになりたいと本気で思っている。」のように少し単語の位置を見直すだけで読みやすくなります。

読点(、)は正しく使えているか

読点の使い方に正確な規定はありません。しかし、多すぎると意味が細切れになってしまい、少なすぎると語と語の関係が分かりづらくなります。読点を打つかどうか迷う場合は一度ゆっくりと音読し、間を設けた方が自然な箇所には読点を入れるようにすると良いでしょう。

トンマナを統一できているか

トンマナとはトーン&マナーの略で、企業などで文章作成やデザインなどを行う時のために、表現のルールを定めているものです。使う言葉や表現に統一性を持たせ、読み手がその企業に持つ印象が制作物によって変わらないようにする目的があります。記事作成では、文体は企業の持つ(狙う)雰囲気に合っているか、用語や表記の揺れが生じていないか、表現の硬さ・柔らかさなどがチェックポイントになります。

文章のリズムを整えられているか

「〜です。〜です。〜です。」など同一の文末表現が続いると、文章のリズムが単調になってしまいます。凝った技法は必要ありませんが、前後の表現と変化をつけるようにしましょう。また、一つの文に複数の情報が入り、長すぎるのも読みづらくなる原因です。40字〜70字程度に収まるように調整しましょう。

誤字脱字は含まれていないか

誤字脱字のチェック方法として、Microsoft  Wordなどのスペルチェック・校閲機能を使う方法、印刷してチェックする方法などがあります。

自力でチェックをする際は、文章を読み取ろうとするのではなく、文字・単語・固有名詞を一つずつ確認していくと良いでしょう。文章として読んでしまうと、内容を理解している筆者では脳が文章に補正をかけてしまい、誤りに気づきにくくなってしまいます。(ちなみに、誤字脱字の発見・修正をはじめとした文章校正については、こちらの記事に詳しくまとめられています。)

当ブログも、公開して数ヶ月経ってから「ここに誤字があります!」というご指摘を受けることがあります。全く他人事ではないです……。

改行を正しく使えているか

改行によって生まれる文章の一まとまりが段落です。一つの段落で一つの話題を扱うようにすることで、読みやすい記事になります。

最近はPCやタブレット、スマーフォンなど記事を閲覧するブラウザが多様化しており、改行を多用するとスマートフォンなど小さい画面で閲覧した際に読みにくくなります。適切な位置で改行を入れることと、段落にある程度のボリュームを持たせることを意識しましょう。

漢字と平仮名のバランスは適切か

「漢字3割、平仮名7割」をおおよその目安にしましょう。それよりも漢字の割合が多くなると読みにくくなったり、堅苦しい印象になったりします。例えば「有難い」を「ありがたい」、「失礼致します」を「失礼いたします」など、平仮名で書くことで読みやすくできますね。

漠然とした表現を多用していないか

情報を提供する記事である以上、曖昧な表現は避けるべきでしょう。例えば「30代女性のほとんどが買っている」という文では、「ほとんど」の表すボリューム感が人によって異なるため、記事の信頼性に疑問を持たれかねません。このような場合は「およそ○割」など、具体的な表現に変えていく必要があります。

魅力的なタイトルになっているか

タイトルは読者が最初に読む文言です。読者はタイトルを読み、その記事を読むかどうかを判断します。タイトル作りでは以下の3点を押さえましょう。

  1. 読者に読むメリットをアピールできるタイトルにする
  2. タイトルと記事内容を一致させる
  3. 具体的かつ簡潔なタイトルにする
魅力的なリード文(導入文)になっているか

タイトルを見て記事に興味を持った読者は、リード文を読み進めながら、改めて「記事を読むかどうか」を判断しています。リード文では記事の方向性を明らかにしつつ、興味を誘って本文へとうまくつないでいきましょう。あくまで導入なので、あまり長くなりすぎないよう注意します。

タイトルを見て記事に興味を持った読者は、リード文を読み進めながら、改めて「記事を読むかどうか」を判断しています。リード文では記事の方向性を明らかにしつつ、興味を誘って本文へとうまくつないでいきましょう。あくまで導入なので、あまり長くなりすぎないよう注意します。

なお、記事のチェックポイントについてはこちらの記事にまとめました。豊富な例文とともに紹介しています。

参考記事

★11個のチェックリストをPDFにしました!登録など不要でダウンロード可能です。執筆の際、手元において参照してください。

文章表現の11個のチェックリスト

文章表現の11個のチェックリスト.pdf

必要に応じてツールも使いましょう。校正ツールについては以下で紹介しています。

参考記事

8.定期的にリライトして記事の鮮度を維持する

記事を完成させてオンラインで公開したとしても、それで終わりにしてしまっては、せっかくの作成した記事もいずれ読まれなくなってしまいます。適時リライトを施し情報をアップデートしていくことで、一つの記事で長く情報発信を続けていけるでしょう。

例えば、新たな経験や失敗についての知見を入れたり、情報が更新された場合は書き直したりといったことを行います。また、読者に期待に応えられていなかった箇所を加筆したり、分かりにくい構成になっていたものを見直したりして読みやすくすることで、最後まで読んでもらいやすい記事にすることが可能です。リライトも新規の記事作成と同様に手間がかかる作業ですが、情報を深めることでコンテンツが良質なものになっていきます。

参考記事

以上が記事作成の具体的な手順です。一言で「記事を書く」と言っても、書く前の準備から実際の構成・執筆作業、チェック・修正まで、多数の工程と精緻な作業が必要になります。

さいごに〜読者ファースト〜

本文内で繰り返し伝えた通り、読者に満足してもらえる記事を生み出すためには徹底した読者目線が必要です。

自分たちが伝えたいことではなく、課題に対して困っている、解決策を探している読者に寄り添い、導いてあげられるような記事です。そのためには、書き手中心の思考を取り除き、読者の姿を想定することが大切だということを改めて述べておきます。

ご紹介した「記事作成のコツ」が情報発信に取り組む皆様の役に立ち、読者に良い情報をお届けする助けになれば幸いです。

編集協力:佐藤千夏

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阿部道浩
慶應義塾大学文学部卒業。大学在学中に社員2名のスタートアップにインターンとして参画、SEO・Webコンテンツ制作・ECサイト運営などを任される。そのまま新卒として入社するも、1年半後に当社を代表の宮嵜と創業。法人営業に加え、ライター・編集スタッフの採用・マネジメントを行い、大手広告代理店をはじめとする上場企業から行政まで数多くの記事制作を引き受ける。ライター志望者・Web担当者向けの講座「あなたのライターキャリア講座」立ち上げにはプロジェクトマネージャーおよび講師として携わり、2020年の開講から3年あまりで500名以上の受講生を獲得している。
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