保育園・幼稚園・こども園必見!保護者に選ばれる想いや方針の伝え方
( 最終更新日:2026年8月17日)
この記事の要点
Q. 保育所・幼稚園で今なぜ「選ばれる力」が必要なのですか?
A. 少子化と施設数の増加が同時進行しており、「良い保育」だけでは選ばれない時代です。保育所では供給過多が進み、幼稚園は預かり時間のハンデも抱えています。
Q. 保護者に園の想いが「伝わらない」のはなぜですか?
A. 「語れるのに書けない」という罠があるためです。話す力と書く力は別物で、熱い想いも文章化しなければ保護者には届きません。
Q. 想いを言葉にするにはどこから始めればいいですか?
A. 「なぜこの保育をしているのか」など4つのテーマで書き出すことから始まります。次に届ける場を選び、誰に向けて話すかを意識することで伝わる発信になります。
「空きがあれば入ってもらえる時代は終わった」——そう感じてはいませんか。
問い合わせが減った。
見学には来てくれるのに、申込みにつながらない。
説明会のあと、連絡が来なくなる。
この手応えのなさは、保育の質や教育方針が悪いから起きているのでも、少子化などといった”時代”のせいでもありません。多くの場合、それは「伝わっていない」ことに起因しています。
良い保育をしているのに、選ばれない。その理由を、一緒に整理していきましょう。
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目次
なぜ今、”選ばれる園になること”が必要になったのか

「子どもの数が減っている中、園の数はそう簡単には減らない」ため、需要と供給のバランスが、静かに崩れ始めているからです。保育所、幼稚園、認定こども園、それぞれの現場で、この変化はすでに表れています。
保育所:供給過多という現実
保育所を取り巻く状況は、すでに大きく変わってきており、定員充足率は令和6年時点で全国平均88.8%、都市部でも91.6%にとどまり、過疎地域では76.2%まで下がっています。
また、こども家庭庁の集計では、2025年から2029年の5年間で申込者数が約8.6万人減る見込みである一方、市区町村の整備計画上では利用定員数がむしろ約2.2万人分増える予定です。定員は増え、需要は減る。この状況が続けば、保育所同士の競合が激しくなるのは避けられません。
そこに追い打ちをかけるのが、2026年4月から全国展開が始まった「こども誰でも通園制度」(乳児等通園支援事業)です。0歳6か月から満3歳未満の子どもを、保護者の就労状況にかかわらず月最大10時間預けられる仕組みで、これまで保育所と縁のなかった家庭も、複数の施設を見学・比較するようになってきました。見比べる保護者が増えるほど、「どんな園か」を厳しく見極める目も増えていきます。
しかも現代では、その評価が個人の心の中だけにとどまらず、口コミサイトやSNSに書き込まれ、まだ見学すらしていない保護者の判断材料になっていくこともあります。「どんな園か」を正しく伝えられていない園ほど、こうした評価の連鎖に振り回されやすくなってしまうため、言葉で伝える力が重要となるのです。
幼稚園:預かり時間というハンデ
共働き世帯の増加に伴い、預かり時間の長い保育所や認定こども園を選ぶ家庭も増えてきました。物理的な預かり時間で敵わない部分があるのは事実です。しかし、どんなに幼稚園の教育プログラムや理念に魅力があっても、その中身が保護者に伝わっていなければ、「預かり時間」という分かりやすい基準だけで比較されてしまいます。
「時間では負けても、選ばれる理由は言葉で作れる」——そこが幼稚園にとっての勝負どころです。
認定こども園:追い風の中にある競合
認定こども園は、一見、追い風の中にいます。令和7年4月時点で全国11,212園となり、前年の令和6年から729園増加しました。この期間に新たに認定こども園となった740園のうち、新規開設はわずか25園で、残りは既存の幼稚園(223園)や保育所(438園)からの移行が大半を占めています。
しかし、園数の増加は「選ばれているから増えている」というより、制度上の受け皿としての側面が大きく、園数が増えるほど、こども園同士の競合も激しくなっているのが実情です。
しかも認定こども園は、制度上、就労家庭も専業家庭も同じ園に集まってくる仕組みとなっています。保育所や幼稚園以上に、保護者一人ひとりが園に求めているものにバラつきが出やすく、「保育の安心感」を求める方にも、「教育の中身」を求める方にも、同じ説明・言葉で納得してもらうのは簡単ではありません。多様な保護者像を汲み取った言葉で語れるかどうかが問われているのです。
保育所か、幼稚園か、こども園か——直面している課題は、それぞれ違います。それでも共通しているのは、「入園希望者が自然と集まる時代はもう終わっている」という点です。
だからこそ、これからは園の側から積極的に「選ばれる園」になっていく必要があります。そのために欠かせないのが、「正しく言葉で伝えること」なのです。
保護者が園を選ぶ”本当の”基準
「保護者が園を選ぶ一番の決め手は立地・利便性だ」という話を耳にしたことはありませんか。
株式会社NEXER Groupと社会福祉法人晋栄福祉会が、2026年7月に保護者100名を対象に実施した「保育施設選びの基準と情報収集に関するアンケート」では、最も重視したポイントの第1位は「自宅からの距離」(63.0%)でした。こうしたデータから、立地の重要性は否定できませんが、これはあくまで候補を絞り込む段階の話で、本当の決め手はその先にあります。同調査では、実際に見学に行った62%の保護者に「特に確認したポイント」も質問しており、その結果、最も多かったのが「保育士の対応・雰囲気」(75.8%)でした。
この2つの数字を並べると、保護者は「まず立地で候補を絞り込み、実際には保育の中身で最終判断する」ということが見えてきます。同じエリアに複数の施設がある場合、最後の決め手になるのは「園の雰囲気や方針が伝わっているかどうか」といえるでしょう。立地条件が横並びになった段階で差がつくのは、いかに「選ぶ価値がある園だ」と感じさせる情報発信ができているか、にかかっているのです。
「伝わっているつもり」と「伝わっている」の間にあるギャップ
見学中の保護者を対象にした調査は多くありませんが、実際に通わせている保護者の声から見えてくるものがあります。すでに子どもを預けている保護者でさえ「伝わっている」と感じられていないなら、初めて見学に来た保護者にとっては、なおさら伝わりにくいはずです。
日本総合研究所が2022年3月に未就学児を持つ保護者3,000名を対象に実施した「保育の質に関するアンケート調査」では、保護者の93.6%が「子どもの個性や成長に関する情報を施設から知りたい」と回答している一方、「よく提供されている」と感じている保護者はわずか26.4%にとどまっています。知りたい保護者が9割を超える一方、実際に「情報が届いている」と感じている保護者は3割にも届いていません。
子どもの個性・成長情報への保護者ニーズと施設からの提供状況
▸ 子どもの個性に関する情報を「知りたい」と回答した保護者
▸ 子どもの個性情報が「よく提供されている」と感じている保護者
出典:日本総合研究所「保育の質に関するアンケート調査(保護者調査)」(2022年3月実施・未就学児を持つ保護者3,000名)
良い保育をしているのに選ばれない園の多くは、大切にしていることが保護者に届いていないと考えられます。その背景には、発信量や情報量の不足というより、伝わる言葉になっていないという理由がありそうです。
多くの園が陥っている「語れるのに、書けていない」罠
理事長・園長・主任の先生方とお話させていただくと、保育や教育に対する深い想いや信念が言葉になって出てきます。
「子どもの主体性を何より大切にしたい」
「縦割り保育で異年齢の関わりを育てたい」
「あそびの中にこそ学びがある」
その想いが、保育の専門家ではない保護者にも伝わる文章になっているかというと、そうはなっていないこともよく見受けられます。同じことは、現場の先生方の中にも起きています。日々の保育の中で積み重ねている想いや工夫が、言葉や文章として保護者に届く機会は意外とありません。届くとしたら、トラブル対応の中で出てきた言葉だったり、保護者会で思いのほか熱がこもって語ったときだったりします。
「トラブルが起こったときには、双方から丁寧に話を聞いている」
「日常の声かけの中でも、子どもの成長を考えて言葉を発している」
そうした想いや行動に、保護者が「こんなに子どものことを考えてくれていたのか」と気づく——そんな場面に、心当たりはないでしょうか。本来その想いは、入園を検討している段階から、ホームページやパンフレットを通して伝わっていてほしいものです。
「語れる」のに「書けない」のは、話す力と書く力が別物だから
同じ”言葉”を扱うものですが、話すことと書くことは、まったく別の技術です。想いを言葉にして語るのは、日々保護者や職員と接している理事長・園長・主任の先生方にとっては日常的に行っていることのため、得意な方も多いと思います。しかし、それを整った文章として書き起こし、しかも保育の専門家ではない保護者にも伝わるように”翻訳”するのは、話すこととは別の専門性が必要になります。「主体性」も「非認知能力」も、現場では当たり前に使う言葉ですが、そのままでは保護者には届きにくいからです。
別の問題もあります。そこに費やす時間を確保しにくいことです。日々の運営、職員のマネジメント、保護者対応に追われる中で、文章をじっくり練る時間を確保するのは簡単ではありませんよね。
想いはあっても、それを言葉にして磨き上げるところまで手が回らない——そんな状態が、多くの園で起きています。
また、「自分たちがやっていることを特別だとは思っていない」という感覚も、言語化を阻んでいる一因となっています。日常的な保育・教育の中に込められている想いや行動は、当たり前すぎて見過ごされがちですが、実は保護者にとって一番知りたい情報であることも多くあります。それを「当たり前のこと」と思っているうちは、言葉として残す発想自体が生まれません。
語れる想いを、保護者に伝わる文章にする——それは、簡単なようでいて、実は専門的な技術が必要な作業です。すべては、言語化・文章化して初めて、保護者に届く価値になっていきます。
想いを言葉にする、3つのステップ
想いを文章化するには、専門的な技術が必要と伝えてきましたが、その入り口は決して難しいものではありません。ここでは、3つのステップに分けて紹介します。
ステップ1:想いを4つのテーマに分けて書き出す
まずは、頭の中にある想いを文章として書き出してみることから、スタートしてみましょう。取り掛かりやすいように、大きく4つのテーマに分けてみます。
- 保育・教育理念(なぜその保育をするのか)
- 日常の保育の様子(どんな場面でどんな関わり方をしているか)
- 先生一人ひとりの想い(なぜ保育士・幼稚園教諭を選んだのか)
- 卒園後の子どもの姿(どんな力を身につけて小学校へ送り出したいか)
この4つを言葉にしておくことで、すべての広報活動の土台ができ、言葉を選ぶときにも判断しやすくなっていきます。
ステップ2:届ける場を選ぶ
言葉にした想いを届けられる場は、入園説明会の資料、未就園児向けの見学会や説明会で配布するリーフレット、公式ホームページ、SNS(Instagram・公式LINEなど)、園だよりなど、多岐にわたります。どの媒体であっても、日々の活動報告で終わらせず、「なぜその活動を大切にしているのか」という一言を添えるだけで、伝わる情報量は大きく変わります。説明会資料の冒頭に「なぜこの保育をしているのか」という一文が入るだけで、資料を持ち帰った保護者が家族と見返したときの印象も変わってきます。
また、想いを一冊にまとめた「コンセプトブック」という形式も、有効な手段のひとつです。「なぜこの園はこういう保育・教育をするのか」「卒園する頃にどんな子どもになっていてほしいか」を丁寧に伝えるもので、見学後も手元に残り、保護者の記憶に残りやすいという特徴があります。
ステップ3:誰に向けて話すかを意識する
共働き家庭には預かり時間や安全面の安心感を、そうでない家庭には保育の中身や教育のこだわりを——保護者が園に求めるものは一様ではありません。こども誰でも通園制度の開始によって、その傾向は保育所・幼稚園・こども園という施設形態の垣根を越えて広がっています。一つの言葉ですべての保護者に届けようとするのではなく、相手によって響くポイントを意識して届けることが、これからはどの園にも求められます。
ここまでは、入園を検討している保護者に向けた発信を中心に見てきましたが、言語化の力は、すでに通っている家庭とのコミュニケーションにも同じように生きてきます。日々の様子を具体的に伝える、記録やツールを活用する、園全体で情報を共有する——想いを言葉にする技術は、入園前から入園後まで、園と保護者の関係づくりそのものを支えます。
いずれの施設形態においても、一度資料をつくって終わりにしないことが大切です。保護者の反応や見学者数の変化を見ながら、言葉を磨き続けることが、長期的に選ばれる園づくりにつながります。

まとめ
今、保育・教育機関が直面している課題の本質は、「良い保育・教育をしているにもかかわらず、それが保護者に届いていない」という言語化と伝達の問題です。少子化と供給過多が同時に進行する中で、「黙っていても人が集まる時代」は終わりを迎えています。多くの園に足りないのは、日々の保育・教育に込められた想いを保護者が理解できる言葉として整え、届け続ける技術です。
はじめは、入園説明会の資料一枚に、園だよりの冒頭一段落に、SNSの投稿の一文に、「なぜこの保育・教育をしているのか」という想いを込めることから始めてみましょう。それを積み重ねることが、「選ばれる園」への一番の近道になります。一度整えた言語化の仕組みは、翌年の説明会にも、採用広報にも、SNSの発信にも流用できます。最初の一歩は大変に感じても、そこから先の広報活動は格段に楽になります。
なぜ多くの園がこれをうまくできないのか。理由は時間の不足だけではありません。「保育の専門家」と「言葉の専門家」はまったく異なるスキルだからです。子どもへの寄り添い方・保育技術・教育哲学を磨いてきた人が、同時にライター・編集者の役割を担うことには根本的な難しさがあります。文章の構成、読み手に響く言葉の選び方、論理の組み立て方、読んだ人が行動したくなる表現。こうした言語化の技術は、専門性を持った人間が担うべき領域です。
YOSCAは、保育・教育機関の想いを引き出し、言葉として形にする専門チームです。入園説明会資料・コンセプトブック・パンフレット・採用コンテンツを、施設ごとの状況や保護者層に合わせて制作するサポートが可能です。「伝えたいことはあるが、形にできていない」という段階から、ぜひご相談ください。
詳しくは、保育・教育機関向けサービスページをご覧ください。
よくある質問
まず何から手をつければいいですか?
最初に取り組むべきは「園として大切にしていることの言語化」です。難しく考える必要はありません。「なぜこの保育をしているのか」「どんな子どもに育ってほしいのか」という問いに対して、園長や主任が話した言葉をそのまま書き留めるところから始められます。その言葉をベースに、入園説明会の資料やホームページの文章を整えていくと、自然とブレのないコミュニケーションができるようになります。どこから手をつければいいか分からない場合は、ヒアリングを通じて一緒に整理する方法もあります。「文章を打つ時間もない」そんなときにもヒアリングを有効にご活用ください。
SNSでの発信は必須ですか?
必須ではありませんが、日常の保育の様子をリアルに伝えられるという点でSNSは有効なツールです。文字だけの資料では伝えにくい「雰囲気」を、写真と短い文章で表現できます。ただし、更新が続かなかったり、投稿内容が保育の記録にとどまって「なぜそれをするか」という理念が伝わらなかったりすると、効果は限られてしまいます。続けられる運用体制と、伝えたいことが明確になったうえでの発信が大切です。まずは週1〜2回の更新から始めて、保護者の反応を見ながら改善していく方法が現実的です。
入園説明会で保護者の反応が薄いのですが、改善できますか?
反応が薄い原因の多くは「情報は伝えられているが、想いが伝わっていない」という状態にあります。保育の方針や年間行事の説明は多くの園が行いますが、「なぜその保育をするのか」「その保育を受けた子どもはどう育つのか」という文脈が不足しているケースがよく見られます。冒頭に「この園が大切にしていること」を伝える時間を設けるだけでも、説明会全体の雰囲気は変わります。説明会の構成と資料を「情報提供の場」から「園の想いを伝える場」として整え直すのも効果的です。
外部に依頼するとどこまで対応してもらえますか?
YOSCAでは、ヒアリングから制作・納品まで一気通貫で対応しています。「まず話すだけ」でも構いません。園長・主任へのインタビューを通じて素材を引き出し、入園説明会スライド・配布資料・コンセプトブック・SNS投稿文など必要な形に仕上げます。すでにある資料のブラッシュアップも承っており、保育所・幼稚園・認定こども園いずれの施設形態にも対応しています。初回のご相談・お見積もりは無料です。「どのサービスを、どこまで利用したらよいかわからない」「依頼の仕方がわからない」という場合も、丁寧にヒアリングし園ごとのプランを作成してご提案します。
詳しくは保育・教育機関向けサービスページをご確認ください。
幼稚園向けと保育所向けで、広報のアプローチは違いますか?
地域性や園の特色によって違いがそこまで大きくないケースもありますが、一般的に違いはあります。幼稚園は「教育の質・カリキュラムの魅力・入学後の育ちへの影響」を伝えることが中心になりやすく、資料の文章量も多め、コンセプトブックのような読み物形式が有効です。一方、保育所は「安心して預けられるか・先生は信頼できるか」という安心感の訴求に加え、SNSや園だよりを通じた日常的な情報発信が重要です。認定こども園はその両方の要素を組み合わせる必要があります。どの施設形態でも「伝えたい想いの言語化」という本質は共通ですが、何をどの媒体で伝えるかは、保護者が持つ期待値に合わせて設計することが大切です。
- 保育園・幼稚園・こども園必見!保護者に選ばれる想いや方針の伝え方 - 2026年8月13日


