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Webライターは今こそ必要・AIとの競合から共創への道筋

Webライターは今こそ必要―AIとの競合から共創への道筋

最終更新日:2024年1月31日)

「AIでも文章が書ける時代に、ライターになる意味はありますか?」

ライター講座を運営している私が、このところよく受ける質問です。正直に言うなら、同じ疑問は記事作成専門企業として10年以上運営してきた私も感じていました。だからこそ、この疑問には一度、正面切って取り組んでみたいとかねがね考えていました。

◉本記事の著者
阿部 道浩
株式会社YOSCA取締役。多くのライター志望者・企業のWeb担当者から支持を集める「あなたのライターキャリア講座」の開発・運営のほか、記事を作成・更新する全てのウェブ担当者・ライターに向けて「YOSCAブログ」での情報発信を行っている。▶X

結果、タイトルにもある通り、「ライターは今こそ必要だ」「AIと競合するのではなく、むしろ共創する道が有力だ」という結論に至りました。この記事では、そんな私の考えを道程とともに述べたいと思います。

  1. AIはライターを駆逐するのか?
  2. これからも活躍できるライターの条件とは何か?
  3. ライターがAIを活用する方法はあるか?

このような点が気になっている方にはぜひ読んでいただきたいです。

「仕事を奪われるのか?」対立・競合の観点から

「AIに仕事を奪われるのか?」――この記事を読まれる方にとって最大の関心事はこちらでしょう。まずはこの問題について考えてみたいと思います。

AIのライティング能力―Web情報の再構築とその限界

まず、AIに可能なライティングについて考えてみます。

AIは人間と異なり、知りうる世界がデータ化されたものに限定されます。データ化されているとは、文字でも、画像でも、動画でも問いませんが、デジタル化されているもの、より限定してWeb上に広く公開されているデータにアクセスできます。逆に言えば、データ化されたものは人間が束になってもかなわないほどの情報を知ることができるといえるでしょう。

さて、この前提でAIに記事を書かせようとすると、必然的にWeb上にある情報の焼き増しということになります。もちろん、膨大な情報の中から最適となる答えを見つけるだけでなく、その答えの確からしさも評価しながら記事を生成してくれるでしょうから、今のWebの情報をもとにした最も正解といえる答えを導き出してくれるでしょう。ただ、AIはWebの情報以外を知りませんから、それを超えた答えを出すということはできません。例えば、「人類が5年以内に滅亡する可能性について述べよ」と問うてみても、それはAIが自分で考察した結果というわけではなく、Web上における「人類が滅亡する可能性」について言及したデータを再構築しているに過ぎないわけです。

人間の情報源―Webの外に広がる「リアルな世界」

一方で、人間はWebにある情報だけでなく、Web以外に広がる「リアルな世界」から無尽蔵の情報や知識を得ることができます。

現在だけ切り取っても、目の前にある世界、知り合いとの会話、外部には出せない情報といったものを知ることができます。加えて過去に目を向けると、これまで積み重ねてきた経験、目にしてきた風景やお世話になった人との思い出など、自分だけがアクセスできる情報というものも膨大にあります。また、これから何か表現しよう、書こうといった際に、新たにその情報について入手することもできます。それはWeb上にある情報ももちろんですが、知っている人に話を聞いたり、現場に赴いて体験したりということもできます。

このように、人間の方がアクセスできる情報源は幅広く、柔軟性があるといえます。

AIが変えるライティング―AIに仕事を追われるライターとは?

ここで「AIに仕事を奪われるのか?」という話に戻ると、AIと同じ土俵で戦おうというライターの未来は残念ながら暗いと言わざるを得ないでしょう。つまり、Web上でのみ情報を収集し、その情報を再構成して記事にするようなライティングは不要になると思われます。その点では、AIの情報処理能力に人間が勝てる見込みはないからです。

そもそも、「Web上でのみ情報を収集し、その情報を再構成して記事にするようなライティング」の仕事そのものが消滅に向かうのは目に見えています。それはユーザーの行動とSEOという2つの観点から導き出されます。

【従来のライティング案件の消滅1】ユーザー行動の変化

ユーザーの行動という点で言えば、検索行動自体が変わっていくと思われます。ちょっとした悩みなら検索して答えを探しに行くより、最適と思える結果をAIにまとめてもらう方が簡単だと気づくようになるのは時間の問題でしょう。どれくらいの深さと量で答えるべきかはAIが時を経て学んでいくのではないでしょうか。各ユーザーについて知り尽くしているGoogleなら容易いことでしょう。

【従来のライティング案件の消滅2】SEOの変化

加えてSEOという観点からも、上記の通り検索するユーザーが減少する可能性がありますし、また品質評価ガイドラインにおいてGoogleが経験(Experience)を重視すると表明している通り、Webの外にある情報を盛り込まない限りはそもそも評価されない、よって記事を作る意味がない――そのように考えられる時代がくるかもしれません。

「ポストAI時代」でも活躍できるライターの条件

それでは逆に、これからも必要とされるライターとはどのような存在でしょうか?

ここまでお読みになった読者の方なら容易に想像がつくと思います。すなわち、広範な情報にアクセスできて、それを自分で再構成できるライターでしょう。

これまで述べた通り、Webの外の情報にアクセスするというのは今のAIにはできません。もちろん、例えばインタビューした音源や、取材先で見知ったことなど、新たに情報を読み込ませることはできます。ただしそれでも、それを読み込ませるために情報を取りに行くことやデータ化することは今のところ人間がしなければなりません。

加えて、よしんば取材がAIにできたとしても、その情報をどう切り取るか、その情報からどのような考察を得るかは、書き手に委ねられるところが大きいです。現時点で人類が最も正解としうる視点から考察することはAIにもできますが、逆に言えばそれを超えた考察は難しいといえます。

なおここにおける考察は、専門的な知識を活用するばかりではありません。より根本的なものの見方、感じ方、考え方も含まれます。一面的な正解だけから見るのではなく多面的に見る、一見無関係に思えるものどうしをつなげることを提案する。そのためには、文学や哲学、数学や自然科学、美術といった教養も不可欠だと考えます。

「便利なパートナー」としてのAI―協業・活用とその不満

続いて、AIを活用した業務効率化について考えてみましょう。

AIに仕事を奪われるかと冷や冷やする人がいる一方で、そんなことは心配せず、むしろどのようにAIを使ってやろうかと試行錯誤する向きもあります。かくいう私も、記事作成だけでなく様々な業務でAIを活用しています。

創造より集約に長けた現時点のAI―私から見たGPT-4

AIと一言で言っても多種多様なツールがありますが、私が普段使っているのは皆さんもご存知のGPT-4です。調べ物によってはBingのAIGoogle Bardも使わないことはないですが、圧倒的にGPT-4を利用する機会が多いです。以下に活用手段を挙げてみましょう。

  1. 乱雑に書いたメモから内容を抽出
  2. 導入文作成のための文章要約
  3. 見出し・タイトル付け
  4. 校正・校閲

上記をみてわかるのは、10を1にする、つまりアイデアを集約するために使っているという点です。逆に0から1を生み出したり、1から10を作る、つまりアイデアを創出することにはあまり使っていません。これはあえて使っていないというより、これまで何度試しても結局は使えなかったという体験によるものです。もし使うとしても、まずは自分の頭で書くことをひねり出して、それからどうしても出てこない点を補強するために使うといったところでしょう。

使えなかったのは自分の活用方法が悪かったという面は否めないのですが、それにしても出てくるアイデアがさほど面白くない、言われていることが当たり前で自分の想像の域を出ない、そのように思えるのです。更に言えば、これまで述べてきた通り、アイデア出しから手伝ってもらってもそれはいわゆる「二番煎じ」に過ぎないので、あえて自分が書くべきことでもないと感じてしまいます。

これは人間の対話とは異なります。もちろん対話する相手の知識量や技量にもよりますが、新たな視座を提供してくれる、自分の気づかなかった矛盾や落とし穴を指摘してくれる、それでこそ話した甲斐があるというものです。その点では、今のAIは今一歩というのが私の印象です。

第一歩を後押し―メモから次第に記事の形へ

いきなりアシスタントとしてのAIを否定するような論調から入ってしまいましたが、とはいえ日々活用していることは先述した通りですし、間違いなく執筆業務が効率化したと断言できます。

まずもって挙げたいのが、最初に挙げた「乱雑に書いたメモから内容を抽出」してもらうこと。これはライティングだけに限らないかもしれませんが、何もない状態からまず最初の一手を書き出すところが最も労力を使うところだと感じています。逆に言えば、最初の一手を踏み出しておぼろげながらも道筋が見えてくるだけで、執筆はするすると進んでいきます。

その点ではAIはいい仕事をしてくれます。例えば、私はこの原稿を書くにあたってこのような指示をGPT-4にしました。

「webライター AI」というテーマで原稿を書くよう依頼されている。思いついたことを以下に書く。
======
(私がEvernoteに書き溜めたメモ)
 ======

これを読んで君はどう思うか。 また、不足している視点、書き足りない箇所があれば指摘せよ。

更にこのような指示もしています。

以下はメモである。これをもとにまず文章構成を作成し、その後に記事を執筆せよ。
(私がEvernoteに書き溜めたメモ)

出てきた記事はろくな読み物ではなかったのですが、文章構成はトピックを抽出してくれていたので、次にこのような指示をしました。

(生成された文章構成=一連の見出し)
上記の見出しは、
 ・webライターとAIが対立・競争する観点 
・webライターとAIが協業・活用する観点 
の大きく分けて2つに分けられると思うがどうか。

このように、思いつきで乱雑に作ったメモを読み込ませ、何度か指示を与えていくだけで、「これらの話題はこのようにまとめられそうだ」「自分の伝えたい話題の方向性はこういうことか」ということに気付かされます。あとはそれにしたがって自分で構成し、それぞれの話題を更に膨らませていくことで、徐々に記事の輪郭がはっきりしてきます

ここで、たまたまアクセンチュアの公表したレポートにおいても同様の指摘がなされていたので引用しましょう。

クリエイティブの過程で最も難しいのは、 ゼロからイチに進むところです。すなわち、真っ白 なキャンバスに最初の点を描くことです。ニュー ラルネットワークは人々がクリエイティブ活動を はじめる最初の一歩を助け、さらにそれを磨き上 げ、完成度の高い成果物を生み出せるようにして くれるでしょう。

Accenture Life Trends 2023 p.54より

正確性では脱帽―微に入り細を穿つ校正を一瞬で行うAI

校正・校閲という点でも、人間を(少なくとも自分を)はるかに凌駕する成果を挙げてくれています。

以前、当ブログでライター向けの確定申告の記事をチェックしていた時のことです。

あえて強調しておきますが、上記の通りこの記事には税理士の方の監修を入れております。とはいえ全くノーチェックのままお忙しい専門家の方にお渡しするわけにもいかないので、一通りGPT-4を使って校正・校閲を行っていました。

その時、「専業ライターの場合は、1年間の所得が38万円を超えると確定申告が必要です。」の一文に対して、こんな指摘をしてきたのです。

「38万円→48万円」

これはどういうことかと調べた結果、以前は38万円だった基礎控除が、2020年1月に48万円に引き上げられたことがわかったのです。(参考:20万円以下も納税必須!WEBライターの確定申告と落とし穴(日本デザイン)など)

こうした細かい点、特にプロ以外が見てもなかなか気づきにくいミスに、AIはちゃんと反応することができます。しかも、数千文字の校正・校閲も数秒で行えます。AIのおかげでどれだけのミスが未然に防げているかと思うと頭が上がりません。

AIの拓く表現の道―「スキルさえあれば」の障壁が取り除かれる日

最後に、これは将来的な話かもしれませんが、私は文章化する・執筆するという作業に限っていえば、むしろAIの方に軍配が上がる可能性が大いにあると考えています。書くべきことがまとまった後に、それをどう表現するのが適切かについては、あらゆる文章を読みこなしてあらゆる表現を知っているAIの方がより優れた判断をするかもしれません。

もちろん、表現にもその人なりの個性、いわば味といったものがにじみ出るともいえるので、その限りではないかもしれません。それに現時点では、AIの出力する文章(日本語)にはやや不自然な点も残ります。ただ、ここでも正解、つまり最も読みやすい(ゆえに最もつまらないかもしれませんが)文章に仕立ててくれる点では、今ではないにしてもAIがこれから勝る可能性は大いにあるように思えるのです。※なお、話を複雑にしないため、本記事ではAIをチューニングする方法についてはあえて触れていません。

これは何も、文章化する・執筆するというライティングに限った話ではないでしょう。絵を描く、動画を作る、音楽を作詞・作曲する……こうした創造性の求められる分野において、元のアイデアさえあれば表現はAIがしてくれる、という時代を既に迎えつつあります。

こうした事態を知ったのは、Facebookでつながる写真家の方の投稿でした。今やAmazonで人気の写真集は大半がAIによって描かれた女性のアートだというのです。こうした絵画は、AIに指示を与え、描く行為は全てAIに任せていると考えられます。

現時点では著作権侵害の懸念が拭えませんが、今後はあらゆる場面でAIの創作した絵・動画・音楽に触れることになるでしょう。

私は絵心もなければ作曲などしたこともないですが、頭の中に「こんな世界を表現したい」といったものが思い浮かべば、その表現はAIがしてくれるかもしれない、私一人で映画さえ作れるかもしれない、という未来が考えられます。そうすると、表現するスキルがあるだけではもはや価値に乏しく、むしろ「何を」表現するのか、「なぜ」表現するのかを持っていることが重要であることにつながります。ただ「分かりやすい文章が書ける」などといった表現スキルは今ですら形骸化しつつありますが、それが更に加速するからこそ、その人だからこそ持ちうる知識や経験、それらを組み合わせた思考やその背景、一言で言うなら「人間的な厚み」といったものが問われるように思えるのです。

最後に、けんすうさんも同様の趣旨のことをツイートしていたので引用しましょう。


ライターとしての矜持―AIがまだ模倣できない思考力

ここまでをふまえ、執筆を大きく「入力」「考察」「出力」の三段階に分けて考えると、それぞれの人間とAIの優位性は、

  • 入力:人間の方が有利。AIにはアクセスしえない情報を扱えるため。ただし、アクセスした情報を処理することはAIの方が有利。
  • 考察:人間の方が有利。入力した情報と個人の思想を重ね合わせるため。
  • 出力:AIの方が有利か。一人の人間では把握できないような表現や語彙を扱えるため。

とまとめられます。

今後でいえば、入力はますますAIの力が伸びていくでしょう。災害現場にドローンを飛ばせば、現地の情報をインプットすることができます。アバターがインタビューすることも2〜3年以内には一般化するかもしれません。

一方で、考察にはもう少し、人間に一日の長が残るように思えます。ただデータを処理して組み合わせるだけでなく、それをもとに仮定する、推論する、否定する、想像するといった、人間なら当たり前にできる思考はまだAIには難しいのです。

以下の引用は、AIや統計学における因果推論の開発で著名なジューディア・パールによる著書の一部です。人間の知性について述べている箇所ですが、この引用の前後で、こうした思考がAIには難しいことにも言及しています。

私たち人間の知性は、もし世界が現実と違っていたらどうなるか、あるいはどうなっていたか、という問いについて、信頼性と再現性の高い判断ができる。たとえば、人間なら誰でも、もしニワトリが朝に鳴かなかったとしても、太陽はいつもと同じように昇っただろうとわかるはずである。このように皆の意見が一致するのは、反事実的推論が決して恣意的なものではなく、私たちの世界モデルの構造を反映したものであることを意味している。同じ構造の因果モデルを共有する人であれば、誰もが同じ反事実的判断をするはずだ。

ジューディア・パール 、ダナ・マッケンジー 著『因果推論の科学』文藝春秋 p.26より。太字は引用者

ここまで読まれた読者の中には、そうした人間独自の知性もすぐに模倣されてしまう、なぜならそうした(まさに今お読みになっているこの記事も含めて)「人間独自の知性」をもって書かれた文章をもとにAIが日夜学習しているのだから、と考える方もいるかもしれません。ただ、同書を読む限りそのような心配はなさそうです。ビッグデータを前にしても、それをいかに解釈するかはデータだけからは勝手に現れてはこないからです。

現代は、いわゆる「ビッグデータ」があれば、あらゆる問題の解決策が見つかるはず、と考える人が多くいる時代である。(中略)しかし、本書で私が読者に言いたいのは、「データは基本的には何も教えてくれない」ということである。

同書 p.20より。太字は引用者

世界中の最強棋士に軒並み勝利したアルファ碁についても言及されています。確かに無敵の強さを誇ったアルファ碁ですが、ディープラーニングを用いてただひたすら囲碁に強くなったものの、なぜ強いのか、なぜその一手が必要なのか、アルファ碁には説明ができないと言います。確かにゲームには強くなったとしても、果たしてゲームを理解しているかというと疑問です。

ディープラーニングには透明性がまったくない。アルファ碁の開発者本人でさえ、アルファ碁がそれほど強いのかを説明することができない。

同書 p.652より。太字は引用者

一方で、我々人間はただ結果を知っているだけでなく、その背景にある原理をも把握することで初めて知っている、理解していると考えるのではないでしょうか。2+3=5という計算結果を考える時、意味も分からず「にたすさんはご」という音を覚えている幼児はその計算結果を知っているかもしれませんが、足し算を理解しているとはいえないでしょう。ソクラテスが、

事柄そのものも、そのとおりであるようにみえるね。なぜなら、説明規定と正しい考えを離れては、いかなるものも知識でありえないからだ。

プラトン 著『テアイテトス』光文社古典新訳文庫 202D(39節)より。太字は引用者

と述べているのも同義であるように思えます。

人間がライティングをすること、ライターの存在意義は、まさにここにあるといえます。単に情報を最適な形で並べるのではなく、書き手なりの説明規定(ロゴス、論理)に基づいた思考こそ、読みたいと思わせるものではないでしょうか。それが必ずしも正しくなくても、欠陥を含んでいても、いやむしろ欠陥を含んでいるからこそ次につながる足がかりになりうる、そう思えるのです。

最後に―考えることを放棄してはならない

以上、ライターとAIの関係について、対立と協業という2つの側面から考察してきました。

繰り返しになりますが、AIは今あるデータから正解を導き出しているに過ぎません。

ただ、現在一般的に正解と言われているものが今後も永続的に続く正解とは限りません。むしろ、今ある正解(テーゼ)に対抗する考え(アンチテーゼ)が生まれ、衝突しあいながら新たな正解(ジンテーゼ)が生まれるという弁証法のような運動が、今までの歴史の底流にあるのではないでしょうか。これまで常識と言われていたものに対して人々が異議を唱え、新たな時代が切り開かれてきたといえます。

AIは、今の常識・正解としての考えを把握するにはうってつけでしょう。現存する書物を全て読むことなど人間には不可能ですが、AIならものの数分でしょう。情報処理のスピードや精度で立ち向かおうとしても非力を痛感するだけです。

ただ、我々人間は眼前の世界と知識を組み合わせ、新たな結びつきが生まれ、自分なりの理解と思考をもとに意見を著すことができます。私自身、どうもAIの作った創作物は読む気がしません。仮に全く知らない人であったとしても、誰か人間が書いたものこそ読みたいと思わせる何かがあるのです。

だからこそ、新しい考えを思案し提案できるライターの存在はこれからも求められ続けるでしょう。逆にいえば、ライターは考えることを放棄してはならない。思考すること、そして新たな考えを試行すること、これを諦めてはならない。これこそがAIとライターを分かつ分水嶺だからです。

この文章が、AIの登場によって自信を失いかけている、ライターの将来性に疑問を感じている、そんな方を勇気づける一助になれば幸いです。

なお、冒頭でも述べた通り当社ではライティング講座「あなたのライターキャリア講座」を運営しております。Webライターになるにあたって身に付けていただきたい「ライティングの思考法」をお伝えしています▼

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阿部道浩
新潟県三条市出身。2011年に都内の私立大学を卒業後、在学中からインターンとして参画していたモバイルサイト運営会社に就職。Webコンテンツの制作・編集業務に携わった後、2012年に記事作成を専門とする株式会社YOSCAを代表の宮嵜と二人で立ち上げる。編集業務のほか、法人営業、マーケティング、編集およびライターのマネジメントを経て、現在は「あなたのライターキャリア講座」の開発・運営を主に行っている。趣味は読書で、世界の古典文学から経営書まで年間100冊前後読む。