【ライターに外注するために】優秀なライターに出会うための準備と方法、3つの見極めポイント
( 最終更新日:2024年12月17日)
「良いライターになかなか出会えない……。」これは企業の記事作成担当者や編集者にとって大きな悩みの種です。
ライター選びが上手くいかないと、赤入れや修正に手間取ってスケジュールが押してしまう、コストに見合った成果を得られないといったデメリットを抱えることになります。
今回はライターをどのように探せばいいのか、そして優秀なライターを選ぶにはどうしたらいいのか、ノウハウを凝縮してご紹介します。書いたのは、記事作成代行の会社を10年近く運営し、これまで数え切れないくらいのライターの方と接してきた阿部(@abemichihiro )です。
- 成否を決めるのはライターを探す前の「事前準備」
- かけられる時間や予算に応じてライターの探し方を吟味しよう
- 優秀なライターを見極める3つのポイントが「実績」「コミュニケーション」「テストライティング」
「ライターを探すのが初めてで不安だ」「これまで何となくの直感でライターを選んでしまい失敗している」という方は、本記事を参考にポイントを押さえたライター選びをしてみてください。
記事作成が難しいと
感じていませんか?
読者の関心を引きつけるには、専門知識と豊富な経験が求められます。
株式会社YOSCAでは、10年以上の実績をもとに、効果的な記事作成をサポートいたします。
▶ 記事作成を相談してみる
ライターを探す前に!やっておくべき3つのこと
- どんな案件に対して
- どんなライターを求めているのか
を自分の中で明確にしておくことが、優秀なライター探しの第一歩。ここでは、ライターを探す前の準備を3つに絞って説明していきます。
1.依頼内容を明確にしておく
「とにかくこの媒体に掲載するいい感じの記事を書いてほしい」といった大雑把な依頼は失敗の原因になります。企画やテーマはもちろん、どんな記事にしたいのかはライターに丸投げせず、しっかり仕様書を決めて依頼しましょう。(ちなみに仕様書についてはこちらの記事で詳しく説明しています。)
最低限ライターに伝えておきたい依頼内容は以下の通りです。
記事執筆に必要な前提知識や依頼のバックグラウンド
企画の概要はもちろん、掲載媒体や運営者、記事のコンセプト、ターゲットとなる読者といった、ライターが記事を執筆する際のヒントとなるような情報は余さず伝えるようにしましょう。
特に「なぜこの記事を作成するのか」という企画の背景・目的を伝えられると、ライター側もどんな記事を制作すべきかくみ取れるので、コミュニケーションがスムーズになります。
記事執筆に直接関係する内容
記事に入れたい要素や参考にしてほしい情報はどんなものか、ある程度は決めておくのがおすすめです。
SEO対策をするならキーワードを指定する必要がありますし、取材や画像選定、撮影の有無も明確にしておきましょう。
希望するスケジュール感や、どんなフローでライターとやり取りをするのか(構成案の作成→了承→原稿執筆→確認・編集→修正→アップ……)もできれば決めておきます。
記事のレギュレーション(要件)
どんな文体・体裁で記事を執筆してほしいのかを考えておきましょう。
記事のフォーマットに合わせて構成要素を以下のように指定することもあります。
- 「タイトル+リード文+大見出し+見出し+小見出し」で、見出しと小見出しを繰り返す記事
- 「タイトル+大見出し+質問内容+回答」で、質問内容と回答を繰り返す記事
文体や体裁に関してはすでに作成・公開済みの記事があれば共有することですぐにイメージが伝わりますし、新規で作成するメディアの場合は、参考としてイメージに近い他の媒体の記事を複数用意しておくとわかりやすくなります。
ちなみに、仕様書やレギュレーションは依頼前に作り込むのが理想ではあるものの、自分の依頼のどこに抜け漏れがあるかはなかなかわかりません。ライターに見せてから質問を受けた点、ライターから上がってきた原稿を見ながら想定と違った点をもとに加筆・修正していきます。何度もレギュレーションを送り直さなくても良いように、編集内容が自動で同期されるGoogleドキュメントで共有しておくと便利です。
2.求めるライター像を決める
依頼内容が決まったら、どんなライターなら求める記事を執筆してくれるのか、具体的なイメージを固めます。
どんな分野の知識を持ち、どんな文体が得意で、どの程度のスピードで記事を書けるのか。こういった内容を明確にしておくと、ライターの実績を見る際も照らし合わせて判断できます。
3.依頼内容に見合った予算を確保する
例えばしっかりとした調査や専門分野の知識が必要な記事であれば、報酬が高くなったり、資料の購入費が発生したりする可能性があります。
このとき内容に見合った予算を確保できず、報酬が低い、または資料購入費を出せないといったことになると、仮に優秀なライターを見つけても、残念ながら低予算なりの働きになりますし、継続した依頼を断られることもあります。
あるいは、「依頼を受けてくれるのは初心者やそこそこのライターだけ」ということになりかねません。結果として原稿のクオリティが低くなり修正が多くなってしまう、最悪のケースとしては盗作・コピペも考えられます。
もちろん中には安価で依頼を受けてくれる優秀なライターも存在しますが、それはやはり少数派。いわゆる「安かろう悪かろう」になるよりは先に最低限の予算を確保しておいた方が確実です。
ちなみに、記事作成の費用相場については以下の記事を参考にしてみてください。
記事作成が難しいと
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意外に多種多様?ライターの探し方
ライターの探し方の代表例をここでは6つ取り上げます。それぞれ適した条件や注意点があるので、併せて見ていきましょう。
制作会社 | クラウドソーシング | SNS・ブログ | 勉強会・イベント | 記名記事 | 自社サイト | |
---|---|---|---|---|---|---|
時間がかからない | ◎ | ○ | ○ | △ | △ | △ |
可能性が高い | ◎ | △ | ◎ | ○ | ◎ | ○ |
予算 | 高 | 低 | ライター次第 | ライター次第 | ライター次第 | 自社で設定可能 |
出版社や編集プロダクション、制作会社に依頼
手前味噌ではありますが、一番のおすすめはライティングを請け負っている企業に依頼してしまうこと。特に予算があり、なおかつ高品質な記事を求めているのなら、最も確実で早い方法と言えるでしょう。
何よりの強みは編集体制が整っている点、そして継続的に一定量の記事を発注できる点です。依頼内容に応じて制作会社がライターを割り当てたり自社の専門ライターを当てたりしてくれるので、そもそも自分たちでライターを探す手間がかかりません。
会社選びのポイントとなるのは、優秀なライターのネットワークがどれだけあるか。
美容や医療など執筆可能なジャンルを限定している企業もあるので、ネットワークの広さよりも、あくまで自分たちが求める記事を書けるライターがいるかどうかを見極めましょう。
ちなみに……我々YOSCAもライティングサービスを提供しており、一部上場企業から中小規模の企業、自治体や独立行政法人などさまざまな法人様からご依頼をいただいています。
クラウドソーシングで探す
極力予算を抑えたいという場合は、クラウドソーシングで探す方法もあります。
自社に編集部があり、ある程度自分たちで記事のクオリティコントロールをできるということであれば、安価で高品質な記事に仕上げることが可能です。
ただしクラウドソーシングの登録者はどうしても玉石混淆。事前のスクリーニングがされているわけではないので、自分でふるいにかけていく手間暇はかかります。
SNS・note・ブログで見つける
記事に一定の専門性があり、なおかつ発注本数が少ない場合であれば、ネット検索をして個人で活動しているライターを見つけ、直接依頼するのも一つの手です。
検索で見つかるのは主にSNSやnote、ブログで自ら情報発信をしているライターで、多くの場合は実績を公開しています。執筆記事を実際に確認すれば実力を見極めやすくなるでしょう。
勉強会や講座、イベントで出会う
ライターが参加しそうな勉強会やイベントに顔を出してみるのも良い方法です。
ただし、今すぐ書いてほしい記事に合ったライターをピンポイントで見つけるのは難しいので、ライターの人脈を広げるという意味合いが強くなります。
メリットは、直接会って話を聞いた上で依頼するかを判断できること。話してみた印象やコミュニケーションの取り方で自分との相性を見極めやすくなりますし、記事制作において気になるポイントがあればその場で聞けるのも利点です。
参加者以外に、ライター経験が豊富な主催者とも出会うチャンスがあります。著名ライターの場合は単価が高額な可能性がありますが、内容次第で十分依頼の対象となるでしょう。また主催者に知り合いのライターを紹介してもらえるチャンスもあります。
記名記事の情報をもとに連絡する
All AboutやYahoo!ニュース個人をはじめ、Webメディアにはライターの記名記事が豊富に出揃っています。自分のイメージする記事と似たような記事を掲載しているメディアがあれば、そこで執筆しているライターの名前を検索して連絡先やSNSを探す方法もあります。SNSのプロフィール欄に「お仕事のご相談はこちら(メールアドレスやDMなど)」と書かれていたら連絡しやすいですよね。もちろん、書籍や雑誌の記名記事でも使える手段です。
ただし、競合他社の記事を執筆しているライターの場合は依頼してもNGが出る可能性があります。また、情報収集とコンタクトを取るまでに時間がかかってしまうのもネックです。
自社サイトで募集する
自分から能動的に探すのではなく、自社サイトでライター募集をかけて応募を待つ方法もあります。ライターとしてはクラウドソーシングを介して手数料を取られるよりも企業との直接取引を望むので、一定の需要は見込めます。
一番のメリットは、自社に興味のあるライターが自ら応募してくれること。「ライター募集」のページを設けてフッターからリンクを貼っておけば、普段から好んでメディアを見ているライターが応募してくれるかもしれません。
一方で「待ち」の姿勢になるため、ライターの質は自分たちで選べないのがデメリットです。
最後になりますが、優秀なライターに出会う確率は50人に一人とも100人に一人とも言われています。以下は『Web担当者Forum』のとある記事からの引用です。
社内の編集担当者がずっとコンテンツを書き続けるわけにはいかないため、良いライターを確保することは、オウンドメディア編集者にとって非常に重要だ。しかし、月岡氏によると、“良いライターに出会える確率”は60~80分の1しかないという。60人から80人のライターに会ったとしても、その中に自社サービスや業界などを知り尽くし、文章力もあるような良いライターは1人いたらよいほうだという。
年間7,000件の見込み顧客を生む、オウンドメディア「マーケティングリサーチキャンプ」の“運営術”とは?
ライターを探すこと、また必要なら育成してくことはそれなりに時間や手間がかかるものと認識しておきましょう。
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依頼前に確認!優秀なライターを見極めるポイント
これは!と思うライターを見つけたら、依頼する前にその人が優秀なライターどうかを判断しなければなりません。「実際に依頼してみたら仕事の進め方が合わなかった」「期待したほどの原稿が上がってこなかった」ということは決して珍しくありません。
判断するポイントは主に実績・コミュニケーション・テストライティングです。詳しく見ていきましょう。
1.ライターとしてどのような実績があるか
ライターを探していると、例えば書籍を出版している、有名メディアでの執筆経験があるといった「ちょっとスゴイ実績」に目が行きがちです。
しかし、経歴の表面的な部分だけを見ていると、以下のような失敗が起こり得ます。
- 記名記事を見てみたらよく書けていたが、編集者によって大幅に手直しされた記事だった。
- 専門分野の資格を持つライターだから依頼したけれど、実務経験がなく表面的な内容の記事になってしまった。
- 有名なメディアでインタビュー記事を執筆していたが、実際はその人が取材した記事ではなかった。
重要なのは実力や専門性、経歴が、依頼したい内容と本当にマッチしているかどうかです。準備段階で用意しておいた「求めるライター像」を忘れないようにしましょう。
特に取材記事の場合、「取材が上手くいかなかったからやり直し」というのは難しいです。豊富な取材経験は必須と考えた方が良いでしょう。
ちなみに少々余談ですが、取材記事の執筆経験が一定量あるライターの場合は、情報を集めて編集するようなSEO記事が未経験でも、問題なくこなせるケースが多いです。これは、取材で求める情報を相手から引き出し、なおかつ自分で調べた情報を加味して編集する能力が、そのまま記事の執筆に活かせるからかもしれません。
2.コミュニケーションがスムーズか
依頼の打診段階で見ておくべきなのが、コミュニケーションの取り方です。コンタクトを取った後の対応が迅速か、相手に配慮した反応しやすい発言をしてくれるかがポイントになります。メールでも電話でも、雰囲気や言葉遣い、仕事をどのように進めてくれるのかといった点を確認し、自分との相性を見極めましょう。
仕事の進め方を確認するちょっとしたテクニックとしては、見積もり依頼の際に期日を伝えておく方法があります。この時点で何の連絡もなく期日を過ぎるライターはコミュニケーションに難ありですし、記事の納期をきちんと守ってくれないかもしれません。
また、自分から必要な要件をしっかり質問・確認してくれるライターは優秀といえます。「質問がなかったら悪いライター」というわけではありませんが、不明点を自分で潰せるかどうかは重要なポイントです。
3.テストライティングをしっかりこなしてくれるか
実際にライティングスキルを判断するには、テストライティングが一番てっとり早い方法です。
なお、トライアルであったとしても「採用・不採用に関わらず報酬は発生すること」「採用された暁には掲載すること(掲載を前提としてテーマ選びをすること)」という前提でテストライティングを設計しましょう。自己紹介文や実績、メールのやり取りなどから人となりを把握したら、後は依頼できるか否かのリスクは運営側が背負うのが筋です。「テストだから」といって誰彼構わず依頼し、結局読まれているのかどうか分からず合否判定が下されるというのは不誠実でしょうし、みすみすメディアや会社のファンを失うことになります。
そして可能な限り、成否に関わらず書いてもらったライターには気づいた点をフィードバックしてあげてください。ライターは運営側が想像する以上に記事に魂を込めて書いていますし、何の反応もないというのはショックなものです。仮に依頼できる水準に達していなかったとしても、NGだった点を誠実に説明すれば悪い気分にはならないでしょう。
さて、テストライティングをする際のチェックポイントは以下の6点です。
文章力・国語力に問題はないか
てにをはや主述関係をしっかり理解して執筆しているかといった基本事項のほか、誤字脱字がないか、さらに欲を言えば表記の統一はできているかといった点を確認しましょう。
課題の趣旨に沿った執筆をしているか
SEO記事ならSEOを意識したライティングができているかどうか、取材記事の想定なら課題内容から要点となるポイントを抽出できているかどうかを確認します。
レギュレーション通りの記事になっているか
自分たちが提示したレギュレーション通りに執筆してくれているかどうかもチェックします。レギュレーションはどうしても細かい内容になりがちですが、そこを隅々まで確認して守ってくれるライターからは真摯な姿勢が垣間見えます。
コピペや盗作を行っていないか
一見すると品質の良い記事に見えても、コピペや盗作の可能性はゼロではありません。ちなみに弊社ではコピペリンを長らく使っています。
自分でしっかりリサーチをしてくれるか
記事の執筆を依頼する際は、ある程度どんな情報を記事にするのか、編集側から提示が必要です。
その情報を活かしつつ、自分でもきちんと情報を調べ、執筆内容の根拠として提示してくれるライターは優秀であると言えます。
納期を守ってくれるか
記事の品質に問題が無かったとしても、事前連絡なく納期が遅れる場合は大きなマイナスポイントです。何か事情があって遅れることはあるでしょうが、その場合でも事前に連絡はほしいですよね。
ただ、納期に合わせることばかり重視して適当な仕事で納品されても修正コストがかかります。また、執筆スキルは申し分なかったり、専門性の観点からどうしてもそのライターに依頼を継続しなければならなかったりということもあるでしょう。
最も手っ取り早いのは必要な日時よりもっと早めに納期を設定してしまうこと。遅れることを前提に納期を設定すれば余計なストレスを抱えなくて済みます。ただ納期通りに納品されるに越したことはないので、当たり前にはせず毎回注意はしておきましょう。
まとめ
ライターを名乗ることは簡単ですが、一定の水準を満たすライターはまだまだ少ないです。近年は在宅ワークが増えたことで「手軽に始められそうな副業ライターに挑戦してみよう」という方も多いでしょう。
その中から自分たちの思った通りの記事を執筆してくれるライターと出会うのは、運任せではなかなか難しいもの。本記事でご紹介した内容を実践して、ぜひ優秀なライターとタッグを組んで記事制作ができる可能性を高めてみてください。
ちなみに、
- 外注するライターとどのように付き合っていけば良いのか?
- 記事を外注する際は、企業と個人どちらに依頼するのがいいのか?
という点も悩みどころかと思います。我々の考えを以下の記事にまとめました。
記事作成が難しいと
感じていませんか?
読者の関心を引きつけるには、専門知識と豊富な経験が求められます。
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