もう迷わない!実践で使えるWebライティングのテンプレート
( 最終更新日:2023年4月5日)
- 記事作成にあまりにも時間がかかってしまう
- ボリュームのある記事を書くのは自信がない
- 執筆をもっと効率化したい
こうしたお悩みのある方への処方箋となる記事を用意しました。
本記事では、Webライティングをグッと効率化してくれるテンプレートを紹介します。テンプレートに沿って執筆すれば、数千〜1万字を超えるようなボリュームのある記事も臆することなく執筆できるようになります。
Webライティング初心者の方、ライティングに苦手意識のある人はぜひ参考にしてください。
目次
執筆前に確認したいWebライティングの鉄則
記事のテンプレートを紹介する前に、記事作成において欠かせない3つの基本要素を整理しておきましょう。
- 想定読者を設定する
- 記事の目的を設定する
- 対策キーワードを設定する
テンプレートを使って記事を作成しようにも、上記が抜けていては良い記事になりません。クライアントから渡された依頼概要に上記が抜けていた場合には確認が必要です。基本的なことなので、おさらい程度に解説いたします。
想定読者を設定する
記事は読者に読んでもらうことで初めて記事として成立します。そのため、ライターは常に読者の存在を意識しながら執筆しなければなりません。
読者像は
- 年代や性別などのプロフィール
- どんな悩み・疑問を持っているのか?
- 記事で伝えたい内容に対してどのくらい事前知識があるのか?
など、詳細に設定すればするほど、その読者にとって読み応えのある記事になります。
読者のことを全く考えずに執筆してしまうと、読者が抱える疑問に対して十分な回答ができなかったり、説明の仕方が難しすぎたりして、役に立たない記事になりかねません。
会話で情報を伝える際にも、相手によって説明の仕方や内容を変えることがあります。文章でも同様に、どんな相手に伝えるのか、その相手にはどうしたら伝わりやすくなるのかを考えて書くことが重要です。
記事の目的を設定する
メディア運営をしているクライアント・発信者側は、「自社サービスを多くの人に知ってほしい」「商品を購入してほしい」といった目的を持っています。
そのため、記事を通して「今まで知らなかったサービスを知った」「商品を購入したい!」など、読者にどのような変化を促したいのか、事前に設定しておく必要があります。
読者にとって有益な情報を発信できたとしても、メディアの目的を達成できなければ本末転倒です。
対策キーワードを設定する
検索からの流入を狙う記事を執筆する際は、記事の主題となるキーワードを設定する必要があります。まず、基本的なSEO対策として、タイトルや見出しにキーワードを入れる必要があります。そのほか、検索エンジンがキーワードに対して、どのような解釈をしているのか(どのようなWebページを表示することが適切だと判断しているのか)を調べることができ、検索エンジンフレンドリーな記事を用意することができます。
例)対策キーワード:「Webライティング 仕事」
■検索結果に表示されるWebページの情報タイプ
- Webライターの仕事内容はどのようなものかを知りたい方に向けた情報
- Webライティングの仕事が欲しい方に向けた情報
→検索エンジンは、「Webライティング 仕事」という検索キーワードに対して、2つの情報が検索ユーザーにとって適切だと判断していることが分かります。こうした、一つの対策キーワードに対して複数の検索意図が存在する場合は、どちらの切り口で記事を作成するのか、執筆前に決めておく必要があります。
覚えるのは一つだけ!Webライティングの基本テンプレート
Webライティングのテンプレート、つまり文章の型は、いくつか存在します。しかし、複数の型を知ってもなかなか使いこなすことは難しいです。そこで、Webライティングで使いやすい以下のテンプレートを一つだけ覚えて、まずは使いこなせるようになっていきましょう。
■Webライティングの基本テンプレート
- 記事を読みたくさせるリード文
- 読者の疑問に回答する
- 潜在ニーズを具体例で満たす
- 最後に読者を後押しする
①記事を読みたくさせるリード文
読者がWeb記事を読むのは、疑問を解消するためです。同時に、なるべく読む手間を省いて簡単に答えを知りたい!とも思っています。そのため、冒頭にあるリード文で「この記事は読む必要がない」「読みづらそう」と判断したら、読者はそれ以上記事を読むのをやめてしまいます。
それを避けるため、記事を読むと読者にどのような利益があるのかを、リード文で明確にわかりやすく示す必要があります。
リード文で読者に読みたい!と思ってもらえる工夫には、以下のようなものがあります。
- どうすれば悩み・疑問を解消できるのか提示する
→「この記事では〇〇について詳しく解説します。」など
- その分野のプロや経験のある人物が筆者だと提示する
→「〇〇業界で20年以上仕事をしている筆者が●●の解決策を紹介します」など
- 読者が潜在的に求めているであろうことに触れる
→札幌の天気について調べている読者に「札幌の〇月頃の天気予測と、その頃に最適な服装や、おすすめスポットも紹介します」など
こうした読者がメリットを感じられる情報を冒頭で伝えれば、「本文も読んでみたい」「続きが気になる」といった興味を引き出せます。
②読者の疑問に回答する
次に、読者の頭に浮かんでいる(顕在化している)疑問に回答しましょう。
①のリード文でもお伝えしたように、読者は疑問をできる限り早く解消したいと思っています。そのため、読者にとって重要な情報・疑問を解消できる情報は記事の前半に配置しましょう。
情報を伝える順番は、読者のニーズが強いと考えられるものから順に伝えます。ただし、想定読者がその分野について初心者であるなど、疑問解消にあたって事前に伝えなければいけない前提知識がある場合は、それを最初に伝えましょう。想定読者がその分野について詳しく知っている場合は不要です。
例)
■想定読者:Webライティングが何かよく分かっていない未経験者
■対策キーワード:「Webライティング コツ」
■記事の目的:クライアントが運営しているサービスの認知
■見出し
- 見出し1:Webライティングの基礎知識
- 見出し2:Webライティングの7つのコツ
- 見出し3:Webライティングの注意点
→想定読者の知識に合わせて、最初にWebライティングの基礎知識という見出しを立て、Webライティングとは何か、どんな特徴があるのかなどを伝えています。その後、読者の最大の関心事である「Webライティングのコツ」を伝える流れになっています。
読者の疑問を抽出するには、対策キーワードの関連キーワード(Google検索結果の下部に表示される「関連する検索キーワード」)を調べたり、対策キーワードに対して5W1H(いつ/どこ/だれ/なに/なぜ/どのように)の切り口で問いかけることで着想が得られます。
例)対策キーワード:「Webライティング コツ」
- いつWebライティングのコツを覚えたらいいの?(When)
- どこでWebライティングは学べるの?(Where)
- だれがWebライティングをしているの?(Who)
- Webライティングって何?(What)
- Webライティングのコツって何?(What)
- Webライティングのメリット、デメリットって何?(What)
- なぜWebライティングをしたいの?(Why)
- なぜWebライティングのコツを知りたいの?(Why)
- Webライティングはどうしたらいい?(How)
- Webライティングのコツはどれくらいあるの?(How many)
- Webライティングを学ぶにはどれくらい費用がかかるの?(How much)
これらを全て記事に盛り込むわけではなく、想定読者のニーズが強そうなもの、想定読者に説明する必要がある情報、検索エンジンが検索ユーザーにとって必要と考えている情報を取捨選択し、順番に並べて記事にしていきます。
③潜在ニーズを具体例で満たす
次に、顕在化していた疑問を解消した読者に、潜在ニーズを満たす記事内容に沿った具体例、行動を提示します。②で疑問を解消した読者に、「ではどうすればいい?」「ではどれを選べばいい?」などといったさらに深いニーズに応えます。対策キーワードによっては潜在ニーズが設定できない場合もあるため、必ずしも具体例を提示する必要はありません。
具体例を伝える見出しには以下のようなものがあります。
- おすすめの〇〇
- 〇〇の活用法
- 〇〇のコツ
- 〇〇の使用例
例1)
■想定読者:Webライティングが何かよく分かっていない未経験者
■対策キーワード:「Webライティング コツ」
■記事の目的:クライアントが運営しているサービスの認知
■見出し
- 見出し1:Webライティングの基礎知識
- 見出し2:Webライティングの7つのコツ
- 見出し3:Webライティングの注意点
- 見出し4:おすすめのWebライティング学習法
→「Webライティング コツ」を知りたいと思っていた読者が抱えているであろう「どうやったらWebライティングがうまくなるのか」という潜在ニーズに対して、「おすすめのWebライティング学習法」という具体例を提示。
例2)
■想定読者:乾燥機付き洗濯機について詳しい機能や商品名、価格は知らず、とりあえず気になって調べ始めた方。
■対策キーワード「乾燥機付き洗濯機 おすすめ」
■記事の目的:乾燥機付き洗濯機の購入促進
■見出し
- 見出し:乾燥機付き洗濯機とは?
- 見出し:乾燥機付き洗濯機の相場
- 見出し:おすすめの乾燥機付き洗濯機10選
- 見出し:失敗しない乾燥機付き洗濯機の選び方
→「おすすめの乾燥機付き洗濯機」を知りたいと思っていた読者が抱えているであろう「買い物に失敗したくない」という潜在ニーズに対して、「失敗しない乾燥機付き洗濯機の選び方」という具体例を提示。
④最後に読者を後押しする
最後に、Q&Aを用意して読者が抱く細かな疑問まで解消したり、記事の締めの段落(まとめ)で行動への後押しをする内容を記述したりします。
Q&Aでは、関連性やニーズのある疑問、関連記事へ誘導する疑問などを掲載しましょう。読者が次に読むべき記事を提示できれば、サイト内に長く滞在してくれる可能性も高まります。
締めの段落では、記事内容を総括するとともに、読者が次に取るべき具体的な行動を促します。読みやすさの観点から、まとめの見出しはなるべく簡潔に・短くまとめるのがおすすめです。
文章構成については以下の記事でも扱っています。今回紹介したWebライティングのテンプレートとともに参考にしてください。
具体例で解説!テンプレートを使った記事構成
YOSCAブログにおいてこれまで公開してきた記事を参考に、Webライティングのテンプレートが実際の記事でどのように活かされているのかお伝えします。
いずれも1万字前後とボリュームの大きな記事ですが、基本的な構成の作り方は共通です。ぜひWeb記事の構成作りの参考にしてください。
テンプレートを使用した構成例その1
記事:文章力の前に思考力!駆け出しライターに伝えたいライティング思考力「LOPREQ」
■想定読者:駆け出しのライターで、文章表現よりも記事の構成や論理展開に課題を抱えている。
■対策キーワード「ライター 思考力」
■記事の目的:LOPREQ(ロプレック)の認知拡大
■見出し
- 商業ライターに求められていること
- ライターにとって最も必要なスキルは「思考力」
- ライティング思考力「LOPREQ」を解説
- LOPREQの習得で見込める効果
- LOPREQの学び方
- 最後に〜学び、実践し、思考力を身に付けよう!〜
こちらは約8,000字の記事です。計6つの大見出しが使われ、構成例としてはシンプルで見やすいことを意識しています。
この記事を読む読者は「ライターに必要な思考力は何だろう」「思考力を鍛える必要はあるのか」「どうやって思考力を鍛えたらいいのだろう」といった疑問を持っています。この疑問を解消するために、ライターにとって最も必要なスキルは「思考力」という見出しが前半に来ています。最初の段落に来ていないのは、思考力が求められるライターとは「商業ライター」だという前提知識を説明するための見出しを加えているためです。その後、ライターに必要な基礎思考力である「LOPREQ」の概要と効果について解説し、最後に具体例としてそのLOPREQを具体的に学べる講座を紹介し、記事を総括しています。
読者の疑問を解消し、具体的な行動を促して、最後に読者の背中を押す。まさにテンプレートに沿った記事構成といえます。
テンプレートを使用した構成例その2
記事:ライターにブログって本当に必要?現役Webライターが教える正しいブログ活用術!
■想定読者:駆け出しのライターで、ブログを立ち上げるか迷っている。
■対策キーワード「ライター ブログ」
■記事の目的:運営している講座の認知拡大
■見出し
- そもそもWebライターとは?
- Webライター初心者がブログを始める4つの目的
- 実は危険?Webライター初心者が陥りがちなブログの罠
- 【結論】Webライターにとってブログは必須ではない
- 【失敗しない】Webライター初心者の正しいブログ活用術!
- まとめ
こちらも約9700字とボリュームのある記事ですが、テンプレートに沿った流れになっています。
この記事を読む読者は、ブログを始めるか迷っている人、これからWebライターになりたい人です。そのため前提知識として、Webライターという職種について解説し、記事の中盤では「ブログは何のために使うのか?」「ブログをやる必要はあるのか?」といった読者の疑問や悩みに対して回答。後半で、「ブログを始めて失敗したくない」という潜在ニーズを満たすための「【失敗しない】Webライター初心者の正しいブログ活用術!」でブログの具体的な活用方法を示し、最後に情報を総括するといった構成になっています。
テンプレートの効果を最大限に発揮する本文の書き方
ここまで、テンプレートを使用した記事構成の例を紹介しました。ご覧いただいたように、記事構成の大まかな流れはWebライティングのテンプレートを使えば大きく失敗することはありません。
しかし、テンプレートを活かしてわかりやすい記事を仕上げるには、記事本文のクオリティも重要です。最後に、本文をより伝わりやすい文章にするためのコツを紹介します。
①結論を先に書く
結論を先に提示するのは、記事全体の構成でも段落ごとの構成でも同じです。読者は疑問に対する答えをできる限り早く、簡単に知りたいと感じています。そのため、読者が気になるトピックを見つけた際に答えが真っ先に書かれていれば、読者の満足度も向上します。
具体的には、
- 結論
- 根拠
- 具体例
の順に伝えるのがシンプルでわかりやすい構成です。
②1文を簡潔に書く
1つの文は40〜70字を目安に、できるだけ簡潔にしましょう。長すぎる文は理解しにくく要点を掴みにくいため、読者は読む気をなくしてしまいます。反対に、短すぎる文ばかりになってもリズム感が悪くなります。
NG例)
WebライティングとはWeb上に掲載する文章を作成することで、記事の目的や想定読者のことを考慮したうえでSEO対策もしながら執筆する必要がありますが、実はある程度テンプレートが存在していて、これを使えば初心者の方でもわかりやすく読みやすい記事を作ることができます。
→126文字とかなり長く、文章の要点が読み取りづらい。
OK例)
WebライティングとはWeb上に掲載する文章を作成することです。記事の目的、想定読者、SEO対策を考慮して執筆する必要があります。Webライティングにはテンプレートがあり、型に沿って執筆すれば初心者の方でも読みやすい記事を作成できます。
→3文に分割。1文あたりの情報が少なくなり、要点を掴みやすくなる。
Web記事はスマホで読まれることも多いため、長い文章を読むのは読者にとってストレスがかかります。1文で伝える情報を絞り、読みやすい文章を心がけましょう。
③正確性・具体性のある情報を伝える
記事では、正確かつ具体的に情報を伝えましょう。
記事内で扱われている情報の根拠が薄かったり、単に筆者の感想に留まっていたりすると、読者は納得感を得られません。
NG例)
当社の昨年の売り上げはかなり多く、イベントも大盛況でした。
→売り上げ・大盛況とはどのくらいの規模なのかが曖昧。
OK例)
当社の昨年の売り上げは例年の2倍で、イベントものべ1万人が来場するなど大盛況でした。
→明確に数値のデータを示して、正確性・具体性を出している。
読者が納得できる根拠、客観的事実に基づいた情報を提示し、信頼性の高い記事を執筆しましょう。
テンプレートの活用にこだわりすぎないように
今回紹介したWebライティングのテンプレートは、記事のジャンルにかかわらず使用できるものです。
ただし、テンプレートの活用にこだわりすぎないようにしましょう。「この記事はテンプレートが使いにくいな」と感じたら、自分なりに読者が読みやすいと思う構成で問題ありません。
また、テンプレートをうまく扱えるようになってくると、読者に必要な情報の勘所が磨かれていきます。そうなったら、次は自分なりの記事の型を模索してみることも良いでしょう。制作の幅が広がることで、多様な形式の記事作成にも対応しやすくなっていくはずです。本記事が皆さんのライターキャリアのターニングポイントの一つとなりましたら幸いです。
最後に、当ブログを運営しているYOSCAでは、プロの編集者からの添削を受けられる「あなたのライターキャリア講座」を運営しています。Webライティングの幅を広げたい、文章力をアップさせたいと感じている方は、LINE・Twitter・メールからぜひお気軽にご相談ください!
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