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【Webライターのポートフォリオ】クライアントの心をつかむ作り方

最終更新日:2023年4月20日)

Webライターにとって「ポートフォリオは必須」とよく耳にします。

しかし、駆け出しライターや独学でWebライターの活動をしている人の中には

  • そもそもポートフォリオって何?
  • 実績がないけど作れるの?
  • ポートフォリオの簡単な作り方を知りたい
  • 作ってみたけど案件獲得に繋がらない

といった疑問や悩みを持つ人も少なくないでしょう。

そこで本記事では、ポートフォリオの必要性と自分に合った作り方、作成時のコツや注意点も紹介します。せっかく作るなら、クライアントへ向けて自分を魅力的にアピールできるポートフォリオにして、営業ツールとして効果的に活用したいですよね。これから作る人も、既に作っている人も、作成や見直しの参考にして、案件獲得に繋がりましたら幸いです。

ポートフォリオとは

まず、ポートフォリオとは何なのかを知っておきましょう。ポートフォリオ(英:Portfolio)という言葉の語源は、イタリア語で「札入れ」、英語で「書類ケース」といった「まとめて入れるもの」の意が挙げられます。

現在、広義で使用されているポートフォリオとは「書類、作品をひとまとめにして持ち歩けるもの」という意味です。ポートフォリオは、金融・教育・アートなど様々な業界に存在するもので、業界によって意味が異なります。

ライター業界においてのポートフォリオとは、ライターの人物像や仕事に関する詳細、過去の実績を紹介するものです。内容はライターそれぞれの個性が反映されますが、おおよその必要な記載事項は共通しているので詳しい解説は後述します。

ポートフォリオの役割

記事を発注するクライアントは、ライティングの実力が確かで修正の必要がなく、かつコミュニケーションもスムーズで、必要な専門知識も備えたライターに依頼したいと考えます。

コミュニケーション能力については依頼前のやり取りや面談で把握できる一方、ライティングの実力を推し量るためにはこれまで書いた実績を見せてもらうのが一番。その役割を担う資料の一つがポートフォリオだと言えるでしょう。

ライティングに限らず、自分が何か外注したいときを想像してみてください。こちらのニーズに合う人を見つけられるか不安を感じるのではないでしょうか。かく言う筆者はハウスクリーニング業者を探した時、会社や作業員についてより詳しく説明されているところから選びました。こうした身近な例からも分かるように、クライアントは、少しでも不安を払拭できる情報が欲しいのです。

活躍しているベテランライターの中にはポートフォリオを持たない人もいるので、なければ活動できないというわけではありません。しかし、Webライターの場合はクライアントと顔を合わせる機会がほとんどなく、コミュニケーションの方法はオンライン上に限られることが多いでしょう。効率よくライターとしての実績を知ってもらうためには、やはりポートフォリオを作っておく方が便利です。

参考記事

ポートフォリオの利用シーン

Webメディアや企業への営業活動

企業のSNS、求人サイトでライターを直接募集している場合があり、応募する際にポートフォリオを提示できると人物像や意欲が伝わりやすくなります。また自分が興味を持っている企業に自ら売り込みたい場合も、営業資料として活用できるでしょう。

編集プロダクションやライティング事業を行う会社への応募

編集やライティングに関係する会社でライターの募集があれば、応募する際に使用できます。会社でニーズのあるライティング以外のスキル(企画、編集、マーケティングなど)がある人は、ポートフォリオを使って更にアピールしやすくなるでしょう。

クラウドソーシングへの登録・応募

ポートフォリオの記入フォームが用意されていますが、そのポートフォリオは実績内容を紹介するだけのページです。自身の情報はプロフィールに入力できます。自作のポートフォリオがあれば、プロフィールの自由記入欄に転用することもできるでしょう。仕事の応募時に先方からポートフォリオの提出を求められることも多いようです。


なお、ポートフォリオを活用できるのは初回の応募の時だけではありません。契約した後の打ち合わせの際に用いたり、継続的な付き合いのあるクライアントでも案件の分野が変わる際に改めて提示したりと、ポートフォリオの活用機会は続いていきます。

ポートフォリオの作り方・3ステップ

ポートフォリオの目的は、ライター自身の情報をクライアントに過不足なく伝えることです。そのためには様々な角度から、より正確な情報をまとめる必要があります。スムーズに作成が進むように一通りの流れと内容を把握してから取り掛かりましょう。ちなみに、手直しや作り直しはいつでも可能なのであまり固く考えすぎなくても大丈夫です。

〈Step1〉作成ツールを決める

ポートフォリオはWebライターだけでなく、他分野のクリエイターも作成するものです。作成ツールにはそれぞれに特徴があるので、自分に合うものを探してください。

note(ノート)

無料で利用でき、初心者でも操作しやすいオリジナルコンテンツを発信できるプラットフォーム。「仕事依頼」というところにポートフォリオを追加することができ、記事と分けて閲覧できる機能があります。文章を書くことに向いているツールなのでライター向きでしょう。

edireco(エディレコ)

無料で利用できるライター専用ポートフォリオ作成サイト。テンプレートや機能をカスタマイズでき、ITの専門知識がない人でも使いやすくなっています。

Ameba Ownd(アメーバオウンド)

ホームページ作成ツールでブログとしても併用できます。無料と有料があり、無料プランはページ数と画像容量に制限があり広告が入りますが、ポートフォリオと記事を作る範囲なら問題なく使えそうです。豊富なデザインから選べるテンプレートを基に簡単な操作で作成できます。

Jimdo(ジンドゥー)

ホームページ作成ツールで無料を含む複数の料金プランがあります。Webライター個人のポートフォリオとして活用するには無料でも十分でしょう。「AIビルダー」が自動でデザインを作り出す機能が特徴です。

WordPress(ワードプレス)

ホームページを開設できるCMS(コンテンツ管理システム)で、無料と有料のサービスがあります。サイトを自分で一から作り上げるため自由度はかなり高く、オリジナリティを追求した自分の専用サイトを作成したい人におすすめです。しかし、ITの専門知識が必要となる場面が多くなるため、まず手軽にポートフォリオを作りたいと考えている人にはハードルが高いかもしれません。

上記以外にも多くのポートフォリオ作成ツールがあります。ブログサイトでのポートフォリオ作成も可能ですし、転職サイトやクラウドソーシングによるサービス提供もあります。また、SEO対策にどれくらい力を入れているサイトか、どのような業界の利用者が多いのかなどの特徴も様々です。

選ぶ際にハードルを上げすぎて「作るのが億劫」「作成の作業工程が大変でなかなか完成しない」となっては意味がありません。Webライターとしての自分のスタイル・仕事量・目的に合うツールを選び、まずは作成してみてください。後からのブラッシュアップは可能です。そのツールを利用している他のWebライターが公開しているポートフォリオを見てみるのも、完成図がイメージしやすくなるでしょう。(参考:ポートフォリオの例

〈Step2〉執筆実績を整理する

ポートフォリオで最も重要な情報は執筆実績です。これまでに執筆してきた記事のタイトルやURL、(もし分かれば)掲載後の成果などを洗い出し、クライアントに公開する情報をまとめます。以下のポイントを踏まえ、実績を整理してみてください。

クライアントに許可を取る

ポートフォリオに掲載したい実績に関しては必ずクライアント側に許可を取ってください。詳細を載せる許可が得られない場合は、「大手製薬会社様」や「個人学習塾様 ホームページ制作」のように、特定を避けつつ仕事内容がわかる表現で記載する方法もあります。どの方法なら掲載可能なのかをクライアントに確認しましょう。

ジャンル別に分類してストックしておく

洗い出した執筆実績はジャンル別に手元で分類しておくことが重要です。ポートフォリオには、公開できる情報しか載せられません。また、実績が多い方はすべての記事を掲載すると雑多な感じになってしまい、見づらいポートフォリオになってしまいます。

クライアントからすると、制作したいジャンルの実績が知りたいだけの場合もあるため、ポートフォリオを提示するだけでなく、クライアントが必要と感じる情報をすぐに取り出せるよう実績を分類・整理しておきましょう。

参考情報

まだ実績が乏しくても大丈夫!

駆け出しライターの場合、ポートフォリオに書ける実績を持っていない人もいるでしょう。それでは「十分な実績がないからポートフォリオは作れないか」というと、そんなことはありません。報酬が発生する仕事としての実績がなくても、記事を掲載する方法としてブログやサンプル記事を作っておくという手段があります。この場合のブログは、日記のように思いのまま書くものではなく「記事」の形で書いてください。できるだけ得意な分野でテーマを決めてきちんと調査し、構成を作って丁寧に記事を作成します。サンプル記事の場合はGoogleドキュメントやMicrosoft Wordに作成して保存しておけば、ポートフォリオへの掲載も簡単です。ブログ、サンプル記事どちらの場合も、パターンを変えて5記事程度あれば紹介しやすいでしょう。

参考記事

〈Step3〉プロフィール情報を補足する

ポートフォリオには、執筆実績以外にプロフィール情報も記載します。以下に、基本的な項目を挙げています。なお、プロフィールの詳しい作り方はこちらの参考記事で解説しているので、合わせてご参照ください。

参考記事

アイコン(顔写真)・名前(ペンネーム)

アイコンや顔写真に関してはポートフォリオを開いて初めに目につくものなので、ライターの人柄が感じ取りやすいものを設定したいです。写真はプロの写真家に撮ってもらう人もいますが、ある程度綺麗に撮れていれば問題なく使用できます。

アイコンでの顔出しに抵抗がある場合は似顔絵でも可能です。ただ、顔以外の写真・イラスト(例:ペット、食べ物)は人柄が直接つかみづらくなるので避けた方が良いでしょう。写真撮影やイラストデザインなども請け負うライターの場合は、そちらのスキルを見せるポイントとしても使えます。

経歴・プロフィール

ライターの経験や人柄を知ってもらい「安心・信頼して依頼できるな」と思ってもらうための項目です。卒業校から職歴までを記載しておくと経験が推測しやすくなり、依頼内容に合っているライターかどうかの大きな判断材料になります。

また、趣味やマイブーム、今後挑戦したいことなどのパーソナルな部分を記すことで人物像がより想像しやすくなるので、ぜひ「案件に直結しないだろう」と思うことでも記載してください。「私はこういう人間です」と知ってもらうことが大切です。

得意分野・専門分野

美容・投資・医療・音楽のように、自分が経験したり詳しかったりする分野を記します。これにはある程度の裏付けがないといけません。ただし、自分が得意だと思っているだけでは信憑性に欠けるので、裏付けされる経験や資格を併せて示すようにしましょう。

資格がなくても「映画が好きでかなりの本数を観ている」のように一般より知見が深いと思われるものは「月に〇本」と具体的に数字で示すことができれば裏付けとなります。また、興味があってこれからぜひ挑戦したいと思っている分野があるなら、その旨とこれからどのように取り組むつもりなのかを記せば、経験より熱意を重視される案件においては採用に繋がる可能性もあるでしょう。

参考単価

執筆に対する料金について単価を示すものです。例えば、文字単位(2円~/1文字)、記事単位(5000文字=10000円)、時間単位(1H=2000円)で金額を提示します。ここであまりにも断定的な書き方をしていると、相手に高いと感じられた場合すぐに候補から外される可能性があるので気を付けてください。

クライアント側からすると安く抑えたい、ライター側からすると高い報酬が欲しいわけなので、折衷案を相談できる余地を残した方が良いでしょう。実際、クライアントと仕事内容によって条件は異なり、その都度詳細は確認し合う必要があるので「お気軽にご相談ください」と一言添えておくとチャンスを逃すリスクが回避されます。

連絡先

クライアントがポートフォリオを読み仕事を依頼したいと思ったら、その流れのままライターとコンタクトが取れるように、必ず連絡先を記載しましょう。

ポートフォリオの作成ツールによっては連絡フォームがないものもあります。その場合は「ご連絡はこちらから」とメールアドレスやSNSのDMへ移行できる方法をわかりやすく説明しておきましょう。加えて、連絡が取りやすい時間帯がわかっているのなら追記しておくと行き違いも防ぐことができて親切です。

保有資格

経歴や得意分野の裏付けになるので、複数の資格を保有していたり、強調したいものがあったりすれば項目として設けて良いでしょう。

対応可能な業務

クライアントがWebライターに依頼を考える場合、他にも写真撮影や取材といった仕事も外注しようとしていることがあります。もしライターが他業務も受注しているのならまとめて頼みたいと考えているかもしれません。仕事として受けることができる業務があれば記載しておくと、受注率がアップするでしょう。

使用可能なツール・取り扱い機器

執筆・連絡手段で使っているアプリやツール、撮影機器や編集ツールなどを記載することで、クライアントが声をかけやすくなります。

SNSアカウント

頻繁に更新しているSNSアカウントがあれば、ライターの人柄や文章力を知る参考になりますので紹介しましょう。ただし不特定多数のクライアントに閲覧されても問題がないものかどうか、ネガティブな印象を与える投稿をしていないかを確認してください。

作成時に気を付けたいこと

「Webライターとして精一杯アピールするぞ!」とポートフォリオ作成に集中していると、危険を見逃したり独りよがりになったりしてしまいがちです。熱意を上手に伝えられるように注意するポイントを押さえておきましょう。

流れと分量を意識する

クライアントの目線に立ち、ライターのことを理解しやすく見やすい項目の流れで作成しましょう。また、作成ツールによって形式は様々ですが、項目ごとに分かりやすい見出しのデザインにすることで、全体の流れがわかりやすくなります。

記載する文章量は、伝えたいことが多すぎて一方的な長文ばかりにならないよう簡潔にまとめることが大切です。ポイントを絞る、箇条書きを取り入れるなどの工夫をしてクライアントが負担なく理解できる書き方を心掛けてください。

誤字脱字のチェックは念入りにする

Webライターとしての力量を示す要因の一つは、誤字脱字がないことです。ポートフォリオに誤字脱字や誤った言葉遣いがあると、マイナスプロモーションとなってしまいます。第一印象として「しっかり確認して丁寧な執筆をしてくれそうだな」と思われるためには、ポートフォリオの校正・校閲も怠らないようにしましょう。

定期的な更新・場面に合わせた差し替えをする

Webライターは経験を積むとともに、実績や専門分野が増えたり単価が上がったりと成長していきます。また世の中の情勢も刻々と変化し、ポートフォリオ内の情報が時勢に合わなくなるかもしれません。的確に現状を伝えられるよう、定期的な更新をしていく必要があります。更新頻度は多いに越したことはありませんが、見直しは3ヶ月おきくらい、更新は少なくとも年に2回くらいを目安にすると良いでしょう。しかしそこはライターによって受注量や生活が各々違うので、無理はしなくて良いと思います。

また、Webライターは仕事相手が固定されていません。継続的な契約を交わすこともありますが、基本的には新規の案件が多いでしょう。自分が獲得したい案件の種類やクライアントの要望によってポートフォリオの差し替えができると、内容を調整できてクライアントにマッチしやすくなるでしょう。

【まとめ】案件獲得に繋がるポートフォリオとは

ここまで「クライアントの目線」について何度も述べてきましたが、それがポートフォリオ作成において一番大切なポイントです。ポートフォリオは、Webライターにとって自分のスキルをアピールする場ですが、あくまでも「クライアントがライターのことを知りたいから作るもの」だということを意識してほしいと思います。

記事を執筆するときに読者を想定しているのと同じように、ポートフォリオを作るときには読者(クライアント)が何をどう知りたいのかを想像します。

  1. クライアントはライター探しで失敗したくない
  2. 不安を払拭する材料としてポートフォリオを見ている

この2点を意識したポートフォリオづくりを心がけましょう。

また、クライアントは執筆実績だけでライターを選ぶわけではありません。コミュニケーションがしっかり取れることや記事執筆に対する姿勢が丁寧・誠実であることを重視しています。そうした人柄や仕事に対する姿勢の部分も、ポートフォリオでしっかり伝えていきましょう。

そして、ポートフォリオを作り終えたとき「自分が発注者ならこのライターに魅力を感じるかな」という客観的な視点で見直してみてください。本記事が、クライアントに魅力を伝えられるポートフォリオ作成の参考になれば幸いです。

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YOSCAブログ編集部
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