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検索エンジンのすべてがわかる!Google以外の選択肢や生成AIの影響も徹底解説

Googleを使ってない私が検索エンジンを徹底解説―仕組み・他の選択肢・生成AIの影響は?

最終更新日:2024年3月1日)

検索エンジンとは、インターネット上の膨大な情報の中から、ユーザーのニーズに合致する情報を効率的に見つけ出すためのツールです。具体的には、ユーザーが入力したキーワードに基づいて、関連性の高いウェブサイトをランキング形式で表示します。Googleが代表的ですが、他にもさまざまな検索エンジンが存在します。

この記事では、検索エンジンの役割、進化、そして未来について深掘りします。検索エンジンがいかにして情報を整理し、私たちの生活を豊かにしているのか、また、Google一強の現状に対する懸念や、AIとの融合がもたらす現在進行中の未来など、検索エンジンに関するあらゆる側面を探ります。さらに、Google以外にも存在する検索エンジンの選択肢とその特徴、若者の検索行動の変化にも焦点を当て、検索エンジンと私たちの関係を再考します。

◉本記事の著者
阿部道浩
株式会社YOSCA取締役。多くのライター志望者・企業のWeb担当者から支持を集める「あなたのライターキャリア講座」の開発・運営のほか、記事を作成・更新する全てのウェブ担当者・ライターに向けて「YOSCAブログ」での情報発信を行っている。 ▶X(Twitter)

あえてGoogleに対する批判的な見解や、Google以外の選択肢も豊富に提示しました。のっけから意外に思われるかもしれませんが、実は私が普段使っている検索エンジンはGoogleではありません。では何を使っているかについては文中で言及しています。

「検索エンジンとはGoogleなり」という常識を打破し、より俯瞰的・包括的に検索エンジンに関する理解が得られるよう腐心しました。目次から興味のあるところだけでもご覧ください。

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検索エンジンとは?―世界中の情報を整理する「羅針盤」

検索エンジンの役割とは何か?

検索エンジンは、特定のキーワードやフレーズに基づいて、関連するウェブページやドキュメントを検索し、ユーザーに提示します。これにより、

  • 特定の商品の口コミや評判を調べる
  • 旅行先の情報収集
  • 課題解決のための情報収集

など、多様な情報収集が可能になります。私達にとってのメリットは計り知れません。時間と労力を節約し、多様な情報源から比較検討することができ、常に最新の情報にアクセスすることが可能です。

個人的な思い出になりますが、私の実家には小学館の『言泉』というやや大きめの国語辞典がありました。言葉だけでなく人名や地名などあらゆる項目の載っている小さな百科事典のようなもので、兄や私はことあるごとに引いていました。当時はインターネットがすぐにアクセスできるようなものではなく、わからないことがあれば百科事典や少し大きめの国語辞典を引くのが当たり前だったように思います。それが今では、こうして今皆さんがされているように、スマホやパソコンで一瞬かつ無料で検索することができるようになったわけです。

インターネットがあるだけでは埋もれてしまっていた情報を、必要に応じていつでも引き出せるよう準備してくれている――検索エンジンはそのような大変便利な存在だといえます。

検索できるのは当たり前ではない

多くの人が検索を当たり前の行為と捉えていますが、実は検索できる技術は当たり前ではありません。リモコンのボタンを押せば見れるテレビとは違い、適切なワード(「検索クエリ」ともいいます)を入力する必要があるため、検索技術へのアクセスや利用にはある程度のスキルが必要です。これが、特に高齢者やテクノロジーに不慣れな人々にとってハードルとなることがあります。時には、「どうやったら速く走れるの」のように、検索窓に質問の文章をそのまま入れたりすることもあります(自分もたまにあります(^_^;))。

一方、すぐに調べる習慣を持つ人は、信頼できる情報を手に入れ、問題を解決する力を身につけます。この差は時間が経つほど顕著になり、調べる習慣を持つ人はそれだけ情報豊かな未来を生きる力を持つことになるでしょう。明治大学教授の齋藤孝氏は次のように述べています。

ですから、調べる手段や基本的なスキルは持っているのに、なぜか仕事や勉強のことになると、スマホを一度検索すればわかるようなことでも案外調べないのです。普通の生活をしている限り、調べる習慣を持たなくても支障がないように思えるかもしれません。しかし、すぐ調べる人は信頼できる情報を手に入れ、問題を解決する力が身に付きます。時間が経てば経つほど、「調べる人」と「調べない人」の間に決定的な差が付きます。今や調べる習慣を持つ人だけが生き残る時代ともいえます。まずは、それを肝に銘じておきましょう。

調べる習慣が「ある人」「ない人」につく決定的な差 「スマホで検索」すらしない人たちが増加中だ | 東洋経済オンライン ※強調は引用者

検索エンジンの利用は、ただの技術的行為ではなく、情報を得るための重要なスキルです。検索エンジンの理解と適切な利用は、ビジネスの成功、知識の深化、そして日常生活の質の向上に直結するといえるでしょう。

検索体験を向上させる5つの新技術

検索エンジンの進化は、技術の革新とともにユーザー体験を根本から変えてきました。キーワードで検索することが今もほとんどではありますが、画像や動画、ニュース検索など他の検索を日常的に行う人も多いことでしょう。

ここでは検索エンジンの新技術として、

  1. パーソナライズ
  2. 音声検索
  3. Googleレンズ
  4. 生成AIによる検索への回答
  5. かこって検索

の5つを取り上げます。

パーソナライズ

検索エンジンは、ユーザーの検索履歴や行動パターンを分析することで、個々のユーザーに最も関連性の高い検索結果を提供するようになりました。このパーソナライズ化は、情報の海からより有益な情報を引き出し、ユーザー体験を個人に合わせて最適化します。

パーソナライズ、つまりあなたに最適化された検索結果というのは、逆にいえばあなたがどのような人間であるかを検索エンジンが把握しているということに他なりません。これは便利と捉える人も、少し気味が悪いと捉える人もいることでしょう。例えばGoogleであれば、こちらのアクティビティ管理から設定を確認・変更できます。ちなみに、Googleからどのような人物と認識されているかについてはこちらのマイアドセンターから確認できます。

音声検索

音声認識技術の進化により、ユーザーは話し言葉で検索を行うことができるようになりました。これにより、特にモバイルデバイスでの利便性が高まっています。音声検索は、手が塞がっている時や画面を見ることができない状況でも情報を素早く取得できるため、生活の様々なシーンで活用されています。

私もよく音声検索を行います。精度は文句ないのですが、周りに人がいる時には使いにくいこと、たまに外すと格好悪いことなどから、案外利用シーンは限られますよね。それに、音声検索はGoogle HomeAlexaでの利用を特に想定されているように思います。私の家にも小さなGoogle Homeのデバイスがありますが、検索してみてもトンチンカンな回答しか返ってこないのでまず使いません。音声で検索してトンチンカンだとばつが悪いですよね(^_^;)

Google レンズ

Google レンズは、カメラや画像を通して世界を理解し、関連情報を提供する視覚ベースの検索ツールです。ユーザーは、植物や動物の種類を特定したり、商品やランドマークの情報を得たり、テキストをコピーして翻訳することが可能です。Google レンズは、画像に写っている被写体を他の画像と比較し、その類似性と関連性に基づいて比較対象の画像をランク付けし、最も関連性が高く有用な検索結果を返します。この技術は、視覚情報から直接検索を行う新たな方法を提供し、ユーザー体験を大幅に向上させています。

私はよく娘と公園に行った時に使っています。私は花や草、虫の名前はほとんど知らないのですが、そうした時にGoogleレンズをかざせばあら不思議、瞬時に種類を教えてくれます。

公園で携帯電話を草木や花にかざして調べている父と娘

まだ海外旅行で使ったことはないのですが、きっと便利なのでしょう。確かに、外国語(アルファベットですらない)だと打ち込んで検索するのすら困難ですよね。

生成AIによる検索への回答

2023年は、BingにおけるAIからの回答の導入、続いてGoogleによる生成AIを用いた回答(SGE)の試験開始と、検索体験が大きく変わった1年でした。こちらについては後ほど詳述します

かこって検索

Googleは、「かこって検索」機能を通して、ユーザーがスマートフォンで見ている内容に基づいて即座に検索を行えるようにしました。動画や画像内の特定アイテムを丸で囲むだけで、そのアイテムに関する情報や同様の製品を検索できるようになり、ユーザーは別のアプリに切り替えることなく直接情報を取得できます。この機能は、ユーザーが興味を持ったアイテムをすぐに調べることができるため、検索体験をよりスムーズかつ効率的にします。記事を執筆している2024年2月時点ではまだ一部のハイエンドスマホでしか使えませんが、ゆくゆくはより広く使えるようになるのでしょう。


これらの新技術は、検索エンジンの使い方とユーザー体験を劇的に変えています。検索エンジンは単なる情報検索ツールから、ユーザーの日常生活に密接に結びついたパーソナルアシスタントへと進化を遂げています。これからも、AIや機械学習の進化によって、さらに多様で直感的な検索体験が提供されることでしょう。

一方で、検索できる情報が多くなるということは、それだけ検索エンジンを提供する会社が膨大な情報を一手に集めることにつながります。先述した通り、パーソナライズは便利な面もある一方、プライバシーの侵害と紙一重といえます。以下、特に圧倒的な存在感を誇るGoogleへの懸念を見てみましょう。

進化しすぎた?!Google一強に対する懸念と反発

インターネットの黎明期において、Googleは単なる検索エンジンから情報アクセスのシンボルへと変貌を遂げました。「ググる」といった俗語に象徴されるように、その圧倒的な存在感は多くの利用者にとって検索と同義語となり、その他の選択肢を探る余地をほとんど残しませんでした。

しかし、この一強状態は、技術的な進歩だけでなく、市場の健全性や個人のプライバシーに対する懸念をも引き起こしています。

Google検索の基本的な仕組み

Google検索の仕組みについては公式サイトでも説明されていますが、こちらでも簡単に説明しておきましょう。

ランキングアルゴリズム

Googleのランキングアルゴリズムは、ウェブページの重要度や信頼性を評価し、ユーザーが入力したキーワードに最も関連するページを順番に表示します。このアルゴリズムは、ページの内容、リンクの数と質、ユーザーの検索履歴や行動など、多くの要素を考慮しています。

特筆すべきは、ランキングアルゴリズムに「リンクの数と質」を導入した点です。それまでページの内容だけでランキングを決めようとしていた他の検索エンジンと異なり、Googleは「よりリンクされているということは、より重要と評価されている」という考えに基づきアルゴリズムを設計しました。最もリンクされているページが最も重要であるという考え方は、Googleの検索結果の精度を高める上で中心的な役割を果たしています。

クロール技術

Googleのクローラーは、ウェブの隅々まで情報を収集するために設計されています。これらのクローラーは、リンクをたどりながらページを巡回し、新しい情報をインデックスに追加します。この効率的なクローリングプロセスにより、Googleは他の検索エンジンよりも速く、より広範囲の情報を提供することができます。

インデックス技術

収集された情報は、Googleの巨大なインデックスデータベースに保存されます。ここでは、ウェブページの内容がキーワードやトピックに分割され、検索しやすいように整理されます。Googleのインデックスは、詳細で豊富な情報を保持しており、関連性の高い検索結果を提供します。

2010年以降のGoogleの進化

2010年代に入ると、検索エンジン市場は成熟期を迎え、Googleはその中心となりました。ウェブの情報量の増加やユーザーの多様化に対応するため、Googleは以下のような高度な技術を導入しました。

セマンティック検索

Googleは2013年に「ハミングバード」というアルゴリズムを導入し、キーワードの意味や文脈を理解することで、より関連性の高い検索結果を表示するようになりました。これにより、ユーザーの質問に対して、単語の組み合わせではなく、意図やニュアンスを分析して最適な回答を提供することが可能になりました。

モバイル検索

スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスの普及に伴い、Googleはモバイル検索にも対応しました。2015年には「モバイルフレンドリー」という指標を導入し、ウェブページがモバイルデバイスに適したデザインや機能を持っているかどうかを判断し、検索結果のランキングに影響を与えるようになりました。これよりも前からスマホ用のサイトはありましたが、スマホサイトが急速に普及したのがこの時期だったように思います。

ローカル検索

Googleは2014年に「ピジョンアップデート」を実施し、ユーザーの位置情報や地域性を考慮したローカル検索に対応しました。これにより、ユーザーの近くにある店舗や施設、イベントやニュースなどの情報を優先的に表示するようになりました。

その他、検索アルゴリズムのコアアップデートについては以下の通りまとめてあります。

参考記事

情報集中・プライバシー侵害・劣化……Googleへの懸念と反発

Googleは、検索エンジンの分野で圧倒的なシェアを誇っています。その背景には、Googleが常に技術革新に取り組み、検索結果の精度を高め、ユーザーのニーズに応えてきたことがあります。音声検索、画像検索、動画検索、複合検索、パーソナライズなど、Googleは検索体験を向上させるために様々な機能を開発してきました。

しかし、Googleの一強状態には、多くの懸念や反発も生まれています。

情報が集中する懸念

Googleは、世界中のあらゆる情報を収集し、管理し、提供しています。しかし、その情報はGoogleの独自のアルゴリズムによって選別され、ランキングされています。そのため、Googleが提示する情報が、真実や公正さを反映しているとは限りません。Googleが情報の門番となり、ユーザーに影響を与えることができるのです。また、Googleが情報の独占者となることで、他の検索エンジンの参入や競争が阻害される可能性もあります。

ニューヨーク大学スターン経営大学院教授で連続起業家でもあるスコット・ギャロウェイは、その著書で次のように述べています。

人目につかないところで行われるという検索の性質を使って、グーグルは世界中のすべての情報をこっそり集めている。食い物にされる側は気づかないまま手遅れになってしまった。 その結果、グーグルによる知識の支配が完成し、他企業の参入はきわめて困難になった(マイクロソフトBingのシェアの低さを見よ)。そのため、この状況はこの先何年も続く可能性がある。

『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』スコット・ギャロウェイ・東洋経済新報社p.246 ※強調は引用者

プライバシー侵害への懸念

消費者はオーガニック検索を信頼しており、広告よりもオーガニック検索結果をクリックする傾向にあります。しかし、Googleが人々の望みや不安を盗み聞きして利益を得ている現実もあります。スコット・ギャロウェイの著書から別の箇所を引用しましょう。

消費者はオーガニック検索を信頼している。私たちはその公正さを好み、広告よりもオーガニック検索結果をクリックすることのほうが多い。神との違いは、グーグルが人々の望み、夢、不安を盗み聞きしてカネを稼ぐということだ。グーグルは、それらへの答えを提示したいという者すべて(商品を販売したい企業すべて)から、料金を取りたてている。

『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』スコット・ギャロウェイ・東洋経済新報社pp210-211

Googleは、ユーザーの検索履歴や行動データを収集し、それを広告主に提供しています。これにより、Googleは莫大な利益を得ていますが、ユーザーは自分の個人情報がどのように使われているかを把握できません。また、Googleが提供する検索結果は、ユーザーのデータに基づいてパーソナライズされています。これは、ユーザーにとって便利な面もありますが、同時に、ユーザーが見たいと思う情報だけを見せられることにもなります。これはフィルターバブルと呼ばれる現象で、ユーザーの視野や知識が狭められることにつながります。

検索結果への信頼低下

Googleの検索結果が過剰なSEOによって操作(汚染)されているという批判が増えています。一部のユーザーはGoogle検索の質が低下していると指摘しており、これはGoogleに対する信頼を損なう可能性があります。特に、SEOを最適化したレビューサイトやまとめサイトが検索結果の上位に表示されることが多く、本当に価値のある情報を見つけることが難しくなっていると感じる人もいます。

「広告」と「SEO」の蔓延でGoogle検索の質が低下し、ユーザーの「Google離れ」が起きているというものです。ユーザーはどこに不満を抱いているのか。それは、なにかを調べたいと思ってGoogle検索をしても、上位には情報の薄い「まとめ記事」が出てくるばかりで、体験談やレビューといった「生情報」にたどり着けないという問題があるからです。

上位はスカスカな「まとめ記事」ばかり…そんなグーグル検索より便利な次世代サービスの共通点 ネット社会は「実名経済」から「偽名経済」に変化しつつある | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

検索結果の悪化については、Cookieなどの3rd Party Dataが使えなくなったことが背景にあると指摘する向きもあります。Googleは、Cookieを利用してユーザーのデータを収集し、検索結果や広告をパーソナライズしていました。しかし、近年、プライバシー保護の観点から、Cookieの使用が制限されるようになりました。そのため、Googleは、ユーザーのデータを十分に収集できなくなり、検索結果の精度や関連性が低下したと考えられます。

大手ブラウザが 3rd Party Cookie対応を廃止した結果、個人の行動履歴データが集まらなくなった。もちろん、Google独自の1st Pary Dataはあるのだが、3rd Party Cookie/3rd Party Data依存のビジネスモデルだった。だが、もうさすがに限界で、結果的に、悪化していることが隠せなくなった。

いまGoogleを使ってない人は、何を使っているのか?

以上のように、Googleの一強状態には、情報の集中、プライバシー侵害、検索結果の信頼低下といった懸念や反発があります。これらの問題は、Googleにとっても、ユーザーにとっても、社会にとっても、重大な課題です。Googleは、自らの責任と役割を認識し、検索エンジンの公正性や透明性を高める必要があります。ユーザーは、Googleに頼りすぎず、他の検索エンジンの選択肢を知る必要があります。社会は、検索エンジンの規制や監視を強化する必要があります。Googleは、検索エンジンの分野で優れた技術を持っていますが、それだけではなく、検索エンジンの倫理や社会的責任も重視することが求められています。

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Google以外にもある!検索エンジン・代わりとなる選択肢は

Googleが圧倒的なシェアを持つ中、他の検索エンジンも重要な役割を果たしています。ここでは

  • ネームバリューのある大手2つ
  • プライバシー保護を重視した2つ
  • 環境保護を重視した2つ

を紹介しましょう。実のところ検索エンジンは20以上もあるのですが、私が気になっているものに絞って取り上げています。

〈総括〉マイナーな検索エンジンも意外と使える!まずは使ってみて

強調しておきたいのは、マイナーな検索エンジンであっても検索結果には十分満足できるという点です。

Googleはその資金、人材、シェア、日々ユーザーから得られるデータなど、何をとっても他の検索エンジンを圧倒する力を持っています。その検索結果が最も信用できると考えるのは自然ですが、しかし他の検索エンジンが圧倒的に負けているかというとそうでもありません。使ってみるとわかりますが、十分使用に耐えますし、しっかりとこちらの期待に応えてくれます。まずは先入観を持たず使ってみてほしいです!

【まずはここから】ネームバリューのある大手2つ

Yahoo! JAPAN

Yahoo! JAPANは、日本国内で高いシェアを誇り、ポータルサイトとしての地位を確立しています。ディレクトリによる情報の整理と、多様なサービスの提供が特徴です。

ここにYahoo! JAPANを加えるかは迷いがありました。ご存知の通り、Yahoo! JAPANで動いているのは結局のところGoogleだからです。Yahoo! JAPANがGoogleを採用するという発表が出たのはちょうど私が大学最後の夏休みで一人旅をしていたのを思い出します。
その発表はネット業界に驚きをもって迎えられましたが、この状況に変化が見られるかもしれません。Yahoo! JAPANは、2025年3月の契約終了を前に、他社への切り替えを検討しているという報道があります。これまでGoogle一強だった日本の検索がどうなるのか気になるところです。

Bing

Microsoftが提供するBingは、検索結果の精度とユーザー体験の向上に注力しています。Bingは、情報を行動に変えることを目指し、迅速かつ容易な検索体験を提供することを目標としています。

先述の通り、何より大きな特徴はChatGPTとの融合でしょう。個人的にはBingを使う機会はだいぶ増えている(厳密にはほぼゼロからスマホでたまに使うようになった)のですが、WSJが報じている通り、世間的にはそうでもないようです。

 Bingは生成AIを活用したチャット機能によって、クエリーに対してリンクを羅列する代わりに、対話形式で直接回答できるようになった。それでも検索エンジン利用者の習慣は根強く、グーグルを使う人が圧倒的に多い。

マイクロソフト、検索シェア拡大に苦戦 AIで先行も – WSJ

【私の情報を外に出さない】プライバシー保護を重視した2つ

DuckDuckGo

https://duckduckgo.com/

DuckDuckGoは、ユーザーのプライバシーを守るための機能をシンプルかつ効果的に提供しています。これには、ウェブおよびアプリのトラッキング防止、より安全な暗号化、プライベート検索、メール保護などが含まれます。

DuckDuckGoのアプローチは、ユーザーのデータを収益化することなく、プライベート検索広告を通じて収益を上げることが可能であることを示しています。これは、プライバシーを尊重しつつビジネスを行う新しいモデルを提案しています。

ちなみに、Googleの独占に辟易していた私が乗り換えたのがDuckDuckGoです。確か2023年の5月頃だったと記憶しています。それから毎日使っていますが、検索結果には満足しています。SEOの調査の関係でGoogleを使うこともありますが、検索の95%以上はDuckDuckGoです。

Brave Search

https://search.brave.com/

Brave Searchは、プライバシーを重視するユーザーにとっての新たな選択肢です。この検索エンジンは、ユーザーのクエリや検索履歴を追跡せず、個人データの収集や販売を行わないことを特徴としています。Brave Searchは、プライバシー、独立性、透明性の三本柱を掲げ、Googleの代替手段として位置づけられています。

普段、ブラウザでBraveを使っている自分としては、検索エンジンのBrave Searchも試してみました。しかし検索結果に到底満足できず、DuckDuckGoに乗り換えたという経緯があります。残念ながら日本語対応としてはまだまだという印象ですね。

【検索するだけで地球に優しく】環境保護を重視した2つ

Ecosia

https://www.ecosia.org/

Ecosiaは環境に優しい検索エンジンで、検索収益の一部を植樹に充てることで知られています。この取り組みにより、CO2削減や生物多様性の保護に貢献し、地域社会を支援しています。Ecosiaは透明性を重視し、収益の使い道を公開しており、35カ国以上で地域団体と連携して植樹プロジェクトを展開しています。ユーザーはEcosiaを使用することで、日常のインターネット検索を通じて地球環境に貢献できます。

OceanHero

https://oceanhero.today/search

OceanHeroは検索を利用して海洋プラスチック回収を支援する環境に優しい検索エンジンです。ユーザーが5回検索するごとに1本のプラスチックボトルが回収される仕組みを採用しています。この取り組みは、毎年海に流出する180億ポンドのプラスチックに対抗するために設計されており、検索エンジンの選択を通じて環境保護に貢献する方法を提供します。

生成AIと検索エンジン – AIと検索の融合

検索エンジンはAIとの融合によって、私たちの検索という習慣を根本から変える可能性を秘めています。生成AIの進化は、検索エンジンの機能を拡張し、ユーザー体験を大きく向上させることでしょう。

生成AIの影響―ガラリと変わった「検索」行為

生成AIは、大量のデータから学習し、人間が作成したような文章や画像、音声などを生成できるAIです。この技術は、ユーザーが求める情報をより正確かつ迅速に提供するために、検索エンジンに組み込まれ始めています。特に質問に対する詳細な回答の提供では、単なるキーワードマッチングを超えた、具体的な質問に対して詳細な回答を生成することが可能になります。

私自身、ここ1年で自分の検索行動が本当に変わったという実感があります。具体的には、プライベートで検索することが減り、AIに聞くことがほとんどになってきています。

2023年の後半だったと記憶していますが、次女の耳の後ろに出来物ができたことがありました。この時、自分として気になるのは

  • 病院に行くほどの異常なものか?
  • 受診するならどこに行けばよいか?何科か?

ということ。こういう判断をする時、最近は検索するのではなくBingのCopilotに聞いています。こういう時にAIはすごく便利で、一回聞けばおおよそ回答してくれます。検索していろんなページを巡り、自分の求める回答をページ内で探す必要がありません。結果的に小児科を受診したところ、リンパが腫れている、様子を見ようという診断だったのですが、ほとんどAIの判断と一緒でした。

これまで当たり前のように行ってきた検索という行為は、実は極めて不自然な行動であること、むしろ人に聞くように文章で質問することがどれだけ自然かということを実感しています。

SEOはなくならない―が、よりシビアな戦いになる

上記のように、検索エンジンはAI技術の活用によりさらに進化を遂げています。検索エンジンはただ情報を提供するだけでなく、ユーザーの質問に対する具体的な解答や解決策を提供する方向に進んでいます。これにより、ユーザーはより効率的かつ簡単に必要な情報を得られるようになり、検索体験が大きく改善されています。しかし、この進化には課題も伴います。生成AIの答えに頼りすぎることで、情報源の確認がおろそかになりがちであること、またAIが間違った情報を提供する可能性も否定できません。

さらに、検索エンジンが提供する情報の質に影響を与えるSEO対策の変化も予想されます。「メディア各社はグーグルが生むトラフィックの20%から40%を失う」というレポートもあります。

SEO自体はなくならないものの、よりシビアな競争が予想され、AIによる回答の信頼性や検索結果の精度が、今後の大きな課題となるでしょう。以下はサイバーエージェントでSEO研究を統括する木村氏の見解です。

木村氏は「検索とリストという組み合わせさえあれば、SEOはなくならない」と言い切り、「AIの回答だけでは満足せず、専門的なウェブサイトで情報を得たいという人は必ずいる」とも付け加える。(中略)
また木村氏は、ページ上部にAI回答が入ることで「オーガニックの枠が減り、減ったパイを奪い合うことになる」とも推測する。今後もSEOによる集客を継続するのであれば、より上位を狙わなければ1ページ目に表示されない可能性が高まる。SEOはなくならないが、競争は激化するとみられる 

生成AIの「SGE」登場後、SEOは不要になるのか? サイバーエージェント木村氏が語るE-E-A-Tの重要性 | 【レポート】Web担当者Forumミーティング 2023 春

Googleは超巨大企業ですが、我々のように記事を作ることはできません。メディア側はSEOというモチベーションがあるからこそコンテンツを送り、Googleは検索結果を良質なものに保つという相補的な関係がありました。しかし、Googleから突然はしごを外される可能性は大いにあるというわけです。

検索エンジンは、AIとの融合により、私たちの情報検索方法を劇的に変化させます。この変化は、ユーザーにとってはより便利で効率的な検索体験をもたらす一方で、情報の正確性や信頼性に新たな課題を生み出しています。

若者は検索エンジンを使わない?検索エンジンに世代間ギャップは存在するか

近年、特に10代から20代の若者たちの間で、従来の検索エンジン利用に関する振る舞いが変化しているという声が高まっています。本記事の最後となるこの章では、若者たちがデジタル情報をどのように消費し、どのようにインターネットをナビゲートしているかについて考察していきましょう。

インフルエンサーの影響力―検索の代わりにSNS

Instagramで110万人以上(2024年2月現在)のフォロワーを誇るGENKINGさんの言葉は、若者たちが情報を収集する際のリアルな傾向を浮き彫りにします。「僕の友だちは雑誌を買わなくなっている。雑誌は作られていてリアルじゃないんですよ」という彼のコメントは、若者たちが真実とみなす情報源に対する信頼の変化を示しています。雑誌や従来のメディアではなく、彼らはInstagramのようなプラットフォームで直接、好きな人物やインフルエンサーから情報を得ています。

さらに、GENKINGさんはGoogleでの検索よりもInstagramでのハッシュタグ検索を好む傾向に言及しています。これは、若者たちがブラウザ検索よりもSNS内で情報を得ることを好むという一般的な見解を反映しています。

「Googleで検索すると文字が出てくるし、(検索結果は)SEO対策されている。あとはスポンサー(広告)とかが上がってきて…ネットってリアルじゃない。Instagramは検索することで言葉より画像が表示される」。

Googleは使わない、SEO対策しているから—-Instagram有名人のGENKINGが語った10代の「リアル」

情報探索の多様性

しかし、博報堂生活総合研究所の研究によれば、この見解は完全には正確ではないようです。20代のブラウザ検索回数は増加しており、彼らはブラウザ検索とSNSの使用を巧みに組み合わせています。

この研究は、若者たちが一つの情報源に依存するのではなく、さまざまなデジタルツールを活用して情報を探索していることを示しています。例えば、ある瞬間にはInstagramで最新のファッショントレンドをチェックし、次の瞬間にはGoogleで詳細な情報を検索するといった具合です。これは、彼らが情報を消費する際に多様性と柔軟性を持っていることを示しています。

生活者の中でも若い人たちは、Twitter、Instgram、LINE、Youtubeといった便利なアプリを自在に使いこなす一方で、他にも無数のアプリをホッピングし、ブラウザ検索と行き来を繰り返すことで、思いがけない興味関心の対象と出会っている。そのような姿が浮かび上がってくるわけです。

「検索離れ」は本当? データから浮かび上がる若者の意外な検索行動 | デジノグラフィ | 生活総研 | Diginography

このように、若者たちが従来の検索エンジンを使用しないという見解は、必ずしも正確ではないようです。彼らはブラウザ検索とSNSの使用を巧みに組み合わせ、情報収集のために複数のデジタルツールを活用していることがうかがえます。

終わりに

ここまで、検索エンジンに関するリサーチと考察をご覧いただきました。

かく言う私も、1年ほど前まではGoogleを熱心に信奉していました。世界中のあらゆる情報をインデックスし、アクセスできるようにするというGoogleの使命に共鳴していました。

Google の使命は、世界の情報を整理して誰もが便利に利用できるようにすることにあります。始まりは Google 検索から

しかし2023年4月、何の前触れもなく急に自身の運営していたウェブサイトの順位が急落したことから、「なぜGoogleという一企業の意向に振り回されなきゃならないのだ?」という素朴な疑問を持つようになりました。単なる逆恨みと捉えられるかもしれませんが、そこからGoogleという一企業に自分の全てのデータを委ねることに対する疑問も生まれ、検索エンジンやブラウザを乗り換えたという経緯があります。

無論、Google批判だけでも不公平ですし、Googleの果たしてきた役割も無視できないので、記事内ではGoogleによる功績や新たな取り組みもできるだけ取り上げたつもりです。しかし、検索エンジンについて考える際、あくまで一企業に過ぎないはずのGoogleに過剰に依拠する今の常識に一石を投じることができればと考え、このように記事にまとめました。

冒頭でも述べた通り、検索エンジンに関する俯瞰的・包括的な理解の一助となれば幸いです。

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阿部道浩
新潟県三条市出身。2011年に都内の私立大学を卒業後、在学中からインターンとして参画していたモバイルサイト運営会社に就職。Webコンテンツの制作・編集業務に携わった後、2012年に記事作成を専門とする株式会社YOSCAを代表の宮嵜と二人で立ち上げる。編集業務のほか、法人営業、マーケティング、編集およびライターのマネジメントを経て、現在は「あなたのライターキャリア講座」の開発・運営を主に行っている。趣味は読書で、世界の古典文学から経営書まで年間100冊前後読む。