【SNS集客】ターゲットが集まるX(Twitter)企業アカウント運用方法7ステップ
( 最終更新日:2025年1月12日)
今や、企業がSNSを使ってターゲット層にアプローチし、集客を行うのは当たり前の時代になりました。
ただ、「SNS運用しなきゃ!」となった時、担当者さんが陥りがちなことがあります。それは、「とりあえずSNSアカウントを作り、いいねをたくさんもらえそうな投稿をいきなり考え始める」ことです。
実はこの運用方法、NGなんです。SNS運用では、投稿作成前にやるべき準備がたくさんあります。この「準備」こそ、ターゲット層に効果的にアプローチするための要となる部分。準備なくして魅力的な発信は作れません。
かく言う私も、かつてはこの「準備」を軽視してしまっていました。当社・株式会社YOSCAのライティング講座「あなたのライターキャリア講座」のX(Twitter・以下略)アカウント運用担当者となったものの、運用初期は理想のターゲットを集められず、悶々とした日々を過ごしました。
▲当社アカウント(現在は運用休止中)
しかし、上記の「準備」を徹底した結果、日々いいね・リプライなど反応をくださる方々や新規フォロワーはほぼ見込み顧客層のみに絞れるようになりました。さらに、インプレッション数(投稿が見られた回数)も月25,000→月50,000以上に跳ね上がり、より多くの見込み顧客層に発信を届けられるようになりました。
▲インプレッション数の推移。運用スタートからしばらく迷走していましたが、2024年2月に仕切り直し、その成果が数字でも表れました。
そこで今回は、当社Xアカウント運用担当者を務めた私・五十嵐が、ターゲットが集まるアカウントを作った7つの方法を紹介。
本記事をお読みいただくと、SNSを通じてターゲット層に効果的にアプローチするコツがわかります。「何から始めたらいいかわからない!」という初心者の方にもわかりやすいように、運用の始め方やノウハウを柔らかくまとめています。SNSを企業活動に役立てたい方はぜひ参考にしてみてください!
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目次
まずは全体像を把握しよう
今回、紹介する方法は全部で7ステップ。長いので、本題に入る前にまずは全体像を把握しておきましょう。
この中で準備に当たる部分は①~④。⑤まで行って、ようやく「どんな投稿を作るか」「ユーザーとどうコミュニケーションを取っていくか」といった、具体的な運用方法の話に入っていきます。
①~④は⑤以降を円滑に進めるための大事な基礎部分。特に①②がものすごく重要です。段飛ばしせず順番にチェックしていきましょう。次の章から、各ステップについて順に解説していきます!
ステップ1:運用の目的を明確にする
まず大前提として、「何のためにSNSを運用するのか?」「SNS運用を通じて何を達成したいのか?」という目的を必ず設定します。
目的設定せずに運用するということは、タクシーに乗ったものの運転手に行き先を告げないようなもの。どこに向かえばいいのかわからないまま進んでいくことになるので、いつまで経っても目的地には辿り着きません。
また、何が正解なのか、間違っているのかもわからなくなるため、アカウントを分析・改善しようもありません。結果、アカウントは伸びず、集客もできないという未来が待っています。目的設定は必ず行いましょう!
目的設定は各社で様々です。当社の場合は講座の「認知拡大」「見込み顧客との関係づくり」を目的としていましたが、他にも「リピーター獲得」「お店への集客」「人材の採用」など、いろいろな目的があります。
ステップ2:アカウントのコンセプトを固める
発信の土台となる「コンセプト」を作る
次に、アカウントのコンセプトを作ります。コンセプトとは、
- 誰に
- どうなってもらうために
- どんな価値を届けるか
という発信の土台を作ることです。
「あれ?SNSの発信って、自社商品・サービスの宣伝をすればいいんじゃないの?」と思われる方もいるかも知れません。
確かに運用がうまくいけば宣伝的な投稿も受け入れてもらいやすくなっていきますが、そこまで行くにはターゲットの信頼を獲得し、ファンになってもらう必要があります。その流れは次の通り。
- ターゲットに有益な情報を提供する
- 信頼を獲得する
- フォロワーが集まる、ファンも増えやすくなる
- 自社の発信したいことが伝わる
つまり、理想のターゲットに「こんな情報、知りたかった!」と思ってもらえる情報を発信し、自社に関心を持ってもらえるくらい関係ができて初めて、自社の言いたいことが伝わるのです。
私の話で例を挙げましょう。私には「歯並びを改善したい」「もっと笑顔に自信を持ちたい」という悩みがあり、歯列矯正に興味はあるものの、不安も多くて行動できていません。そこにもし突然「当院の歯列矯正、こんなところが良いですよ!」と熱烈に営業されたとしても、「待って待って!ありがたいけど、不安もあって迷い中なので今はいいです……」と、せっかく求めているサービスでも引いてしまいます。
一方、いきなりセールスをかけるのでなく、歯列矯正の「費用」「リスク」「自分の年齢からできるのか」など、私の不安を解消する有益な情報をSNSで発信してくれていたら、結果は全く違うでしょう。「このクリニック、私の悩みをわかってくれている!好き!」と迷わずフォローしますし、「ここなら安心してお願いできそう」と、具体的な相談や依頼まで自分から行動してしまうと思います。
このように理想のターゲットが集まる「有益な情報」の中身を決めるために、
- 誰に
- どうなってもらうために
- どんな価値を届けるか
の3要素が必要になります。ちなみに、上に挙げた歯列矯正の例でコンセプトを作るとしたら、このようになります。こんなコンセプトのアカウントがあったら秒でフォローしちゃいます!
- 誰に:歯並びを改善したい人に
- どうなってもらうために:笑顔に自信を持ってもらうために
- どんな価値を届けるか:歯列矯正の不安や疑問を解消する情報を届ける
そして、この3要素を決めるためには、
- 市場
- 競合
- 自社
の3つを分析して、勝ちポイント(下の図の赤丸の箇所)を探し、どのように他社と差別化するかを検討していきます。マーケティングの手法はいろいろありますが、ここでは私が実践してきた方法を紹介します。
【1】市場分析
自社が参入する市場の環境や、顧客のニーズを探っていきます。方法は主に2つ。
1.そもそも需要があるのかを確認
発信していきたい内容に近い商品・サービスを持っている他社で、伸びているアカウントがあるかを確認します。もし見つからなければ、市場がない可能性があるためです。
当社の場合は、
- ライティング講座の他社アカウントが多く参入し、発信も伸びている
- 見込み顧客層の利用者も多い、発信や交流も活発である
という理由でXでの発信を決めました。
2.顧客の悩みを調査
自社の商品・サービスの見込み顧客層が、どんな悩みを持ち、どのようなサポートを必要としているのか、リアルで深い悩みをリサーチします。
私のおすすめはYahoo!知恵袋。Yahoo!知恵袋は、返事が来るまでに少々時間がかかることもあるプラットフォームです。そのため、「自分で調べてみたけど良い回答が見つからない」「周りに相談できる人もいない」などと、深い悩みを持った人が思いを打ち明けている傾向にあり、潜在的なニーズを発掘しやすいです。
【2】競合分析
次に、参入するSNSの中で競合他社がどのように発信しているのかをリサーチします。私は次の2軸で調査しました。
1.ターゲット・ジャンル・業界が近い競合アカウント
業種や事業規模、商品の価格や売り方などが近いアカウントの、投稿内容や戦略をチェックしました。
2.ジャンル問わず、うまくいっているアカウント
同業アカウントばかり参考にしてしまうと差別化が難しくなるため、業界問わず、発信が軌道に乗っているアカウントも確認しました。
いずれも、
- どのくらい反応をもらえているのか?を数値で確認(定量調査)
- その理由や原因を考える(定性調査)
を組み合わせて分析していきました。
【3】自社分析
3つ目でようやく自社の分析を行い、自社がどんな強みを活かしていったら良いのかを考えます。具体的には、自社が提供できる情報や経験、優れているもの、強みになりうるものなど、発信に活かせるリソースを片っ端から洗い出していきます。
私の場合はまず、当社のHPや講座のLPを改めて隅々までチェック。その上で、当講座に対して過去に受講生からいただいた声もすべて振り返り、どんな点を評価していただいたのかをまとめました。すると、他社ではなく当社を選んでくださった理由がぐっと浮き彫りに。サービスの購入者さん・リピーターさんが既にいる場合は、ぜひ活用したい方法です。
また、サービスの開発者や営業担当者と、SNSなどの広報担当者が異なる場合は、よりお客様に近い人から現場のリアルな声を聞くと、かなり有効なヒントになると思います。
そうして洗い出した強みを、次の軸でまとめると自社の独自性がより可視化されるので、実践してみてくださいね。
- 業界の中で独特、特徴的な点
- お客様に選ばれる理由
- フォローするメリット
- 提供できる専門知識や情報
- 経験や実績(数字で表せると◎)
なお、いずれも「自社が打ち出したい強み」ではなく、「ターゲットが求めている強み」でまとめるのがポイントです!
勝ちポイントを探す
市場・競合・自社の分析ができたら、「市場に求められている」+「競合が手を出していない」+「自社の強みを活かせる」という勝ちポイント(図の赤丸の部分)を見出していきます。
ただ、この分析は運用しながら見直しを重ねていくものなので、最初から完璧を目指さなくても大丈夫です。私も何度か練り直して形にしていきました。迷いながらでも、まずは手を動かしていくことをおすすめします。
ターゲットの解像度を上げる
勝ちポイントを見つけられたら、「誰のどんな悩みを解決するか?」をより詳細に設定します。市場の中で狙っていく人をより細かく絞っていくイメージです。
私が実践していた絞り方の例はこちら。
- 属性…業界、職業、年収、年齢、性別、居住地、家族構成など
- 行動パターン…普段どんな1日を過ごしているか、どのようにサービスを購入するか
- 悩み…当事者レベルの深い悩みはどのようなものか
悩みについては市場分析でもリサーチしていますが、ここでさらに深堀りしてターゲットの解像度を上げていきます。先に紹介したYahoo!知恵袋のほか、ChatGPTなどの生成AI、ターゲットのSNS投稿なども参考になります。
投稿内容を決定
発信を届けたい人が「どんな悩みを持った、どのような人なのか」が明確になったら、「その悩みを自社のリソースで解決するにはどうしたら良いのか」を考えます。すると、悩みを抱えたターゲットが、理想の状態に向かえるようになる、ギャップを埋めるその情報こそが、投稿内容になるんです!
先に挙げた歯列矯正の例を使うと、橋の左岸には「歯並びに悩んでいるけど不安で行動できない私」がいます。そこに、「歯列矯正に関する不安を解消する情報」という価値提供の橋が渡されて、右岸の「笑顔に自信が持てる私」という理想の未来に辿り着けるのです。
ここまで考えると、
- 誰に
- どうなってもらうために
- どんな価値を届けるか
が見えてくるでしょう。
このように、コンセプトがしっかり固まって発信内容が明確になると、フォローされる確率も上がります。ターゲットが「これ、自分のための発信だ!」と、ハッとして立ち止まってくれるからです。ターゲット層のフォロワーを増やすというのは、小手先のテクニックではなく、コンセプトをじっくり練り込んだ上に実現できるものなんです。
ここまでが「コンセプト設計」といわれる、発信前の準備のメイン段階です。かなり長文になってしまいましたが、それはこの段階がSNS運用の要である証拠でもあります。取り組むことが盛りだくさんなので、通常は最低でも1ヵ月ほどかけて進めていきます。しっかりと時間を確保して、腰を据えて取り組まれると良いでしょう。
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ステップ3:アカウントを設計する
発信軸となるコンセプトが固まったら、プロフィールを作成していきます。
プロフィールはただ自社を紹介すれば良いのではなく、前章までで決めたコンセプトを体現する内容になっている必要があります。そのため、コンセプト設計を終えた後に作ると良いです。
その上で、わかりやすさや伝わりやすさを考慮して意識すべきポイントがあるので、当社アカウントを事例にしながら、それぞれ紹介していきます。
①アイコン画像
多くの人から見て、好印象を持たれるアイコンが良いでしょう。企業アカウントであれば、会社や商品・サービスのロゴを使用するパターンが多め。きれいで公式感のある、信頼を得られる画像を選びましょう。
②ヘッダー画像
ヘッダー画像はアイコンの次に印象に残るため、プロフィールの第二の顔ともいえる場所。「何を発信している、どんな会社なのか」が一瞬で伝わるようなデザインにすると良いでしょう。アイコンとかぶる部分や、デバイスによっては隠れてしまう箇所もあるため、大事な要素は中央に集めておくと見切れ防止になります。
また、イメージカラーを設定してアイコンと統一しておくと、アカウントの世界観を作るのに役立ちます。当社の場合は、リンク先に設定したLPと世界観を統一するため、ブルーとオレンジを選定しています。
③アカウント名・ID
アカウント名(日本語で表記される部分)は「読みやすい」「覚えてもらいやすい」「他社とかぶらない」を意識しましょう。ローマ字よりも日本語、漢字よりも平仮名かカタカナがおすすめ。名前の後ろに肩書きをつける場合は、「何を発信しているアカウントなのか」が伝わりやすいものを設定すると良いです。
当社も正式名称は「株式会社YOSCA」ですが、読み方に迷ったり、「YOSKA」と誤って表記したりする人がいるのでは……と想定して、カタカナで「ヨスカ」としました。
「@~」で始まるアカウントIDは、アカウント名のローマ字読みで短めに設定するとわかりやすいです。
④プロフィール文
コンセプトが特に色濃く反映されるのがプロフィール文です。ユーザーはプロフィール文を読んで、「誰に何を発信しているのか」「このアカウントを見ると、自分にどんなメリットがあるのか」を瞬時にチェックし、フォローするか・しないかを判断します。
ターゲットに「あなたの求める情報を発信していますよ!」と伝わるよう、以下のような要素のいずれかを組み合わせて盛り込むと良いでしょう。
- どんなことをしている会社なのか
- どんな価値を与えられるサービスを展開しているのか
- 誰向けの発信なのか
- 何を発信しているのか
- どんな経歴や実績があるのか
- フォローするとどんなメリットがあるか
- どのような未来を目指しているのか
⑤位置情報欄
本来は会社の所在地などを入力する箇所ですが、リンクの真上に位置するため、リンクへの誘導文を挿入する箇所としてよく使われています。リンクを設定する場合は、リンク誘導文を入れておくのがおすすめです。
⑥リンク
SNSを通じて発信していきたい商品・サービスのリンクを貼るパターンが王道です。
- 会社のHP
- サービスのLP
- 公式LINE
- note
など、最も誘導したいページを設定すると良いでしょう。
⑦固定ポスト
固定ポストまでプロフィールの一部といえます。プロフィール文は文字数制限があり、書ききれない要素も多くなりがちなので、プロフィール文の補足として活用できます。
- 自社紹介の延長
- 今までで一番伸びた投稿
- プレゼントなどの企画投稿
などを設定すると良いでしょう。
ステップ4:現在のアルゴリズムを理解する
SNSには「誰にどんな投稿を優先的に表示するか」という投稿を選別する仕組みがあり、「アルゴリズム」と呼ばれています。アルゴリズムを把握しておくと、より多くのターゲットに発信が届きやすくなるため、SNS担当者は日々チェックが必要です。
「日々チェックが必要」なのは、アルゴリズムがどんどん変動していくためです。例えば今、Xでコミュニケーションを生む投稿が伸びる傾向にあったとして、「リプライを多くもらえそうな投稿を作ろう」という戦略を立てたとしても、数ヵ月後には意味を成さなくなる可能性があります。最新アルゴリズムの確認もSNS運用担当者のタスクの一つなのです。
私がXの最新アルゴリズムを確認していた方法はこちらです。
各媒体でリサーチする
法人・個人のX運用代行業者やWebマーケターなどが、XやYouTube、Webで発信している情報を調査する方法です。「X アルゴリズム 最新」などで検索していました。なお、私の体感だと、Xの投稿を探す方法が最も早く最新情報を取得できる印象でした。YouTubeやWeb記事よりも手軽に発信できる分、情報が特に速いのだと思います。
自分でアルゴリズムの変化に気づく
運用を日々続け、アナリティクスの数値を分析するなどして自ら変化に気づく、という方法もあります。運用担当者自身で変化に気づき、「これってアルゴリズムの変化なのかな?それとも別の要因?」という疑問を解消するためにXの中で検索する、という流れが一番スピーディーかと思います。
ただし、どれほどアルゴリズムが変わったとしても、「ターゲットに価値提供し、ターゲットを理想の未来へ連れていく」という発信の軸は変わりません。アルゴリズムを把握することは重要ですが、もしアルゴリズム迷子になりそうになったら、この基本に立ち返ってみてくださいね。
ステップ5:目的・コンセプトに沿って投稿する
お待たせいたしました!ここまで準備してようやく、投稿を作って発信するフェーズに入ります。私が実施してきた具体的な運用方法を紹介します。
毎日投稿
イチからアカウントを立ち上げて発信する場合、投稿数を貯めていかないとターゲットに出会いにくくなります。特にXはどんどん投稿が流れていってしまうため、ターゲットとの接点を増やすべく、投稿頻度は「毎日」にしました。
集客目的のX運用であれば、1日5投稿以上が理想的ですが、当社はリソースの関係で平日1日5投稿、土日祝1日2投稿を継続していきました。
ターゲットの悩みに訴求する投稿
投稿内容は上述したコンセプトに沿って、「ターゲットの悩みを解決し、理想の未来へ導く」情報を発信しました。
SNSは投稿内容によって面白いくらい反応に違いが出るため、投稿作成はネタ出しが要となります。ネタ出しについては別の記事に詳しくまとめたので、本記事と合わせてご覧ください。
なお、投稿は数日分を事前に作成し、ストックしておくことを強くおすすめします。ストックがない状態での運用は、他の業務もある中で「今すぐ今日の分の投稿を作らなきゃ!」と追いつめられ、心身ともに非常に辛い状況に陥ってしまう場合もあります。
▲投稿はスプレッドシートで管理していました
ちなみに「ターゲットの悩みを解決する」というコンセプトにばっちりハマった投稿以外に、朝の挨拶や、自社と関連するトレンドに絡めた雑談なども発信。ターゲットの方からより気軽に絡んでいただくきっかけとなりました。
メインの投稿とは少々毛色が異なりますが、当社の場合は「見込み顧客との関係づくり」が目的の一つだったため、発信軸からは大きくズレていないと判断して取り入れていました。
ターゲットが見ている時間に投稿
投稿時間は、ターゲット層が特に多くXを利用している時間に設定。「Xユーザーが多い時間帯」のデータも調べて参考にしましたが、そうしたデータは年代・性別などで分けられて一般化されたものが大半。「当社ターゲットの場合はどうなのか?」を特定するために、自身で目視でも確認しました。ターゲットとのコミュニケーション(いいね、リプライなど)の際に、「何時にログインして投稿している人が多いのか」をチェックする方法が、地道ですが確実です。
時間を決定したら、同じ時間で発信を固定していきましょう。「あのアカウントが発信する時間だ」と覚えてもらいやすくなります。予約投稿も活用すれば、日中だけでなく、早朝や深夜、会社の休日にも安定して発信が可能です。
このように投稿を作って発信する際には、常に「発信の目的とコンセプト」がベースにあります。目の前の投稿作成をこなすのに一生懸命になってしまうと、目的とコンセプトはつい抜け落ちてしまいがち。投稿作成や発信をする際には、目につくところに必ず目的とコンセプトを掲示しておくことをおすすめします。
ステップ6:目的・コンセプトに沿ってコミュニケーションを取る
発信と同時に行っていくのがコミュニケーション。いいねやリプライ、時にはフォローなども通じて、ターゲットと交流をしていきます。
発信だけをしていくよりも、ユーザーとコミュニケーションを取る方が、ターゲットに自社の存在に気づいてもらいやすくなります。「これから認知を広げていく」というフェーズの場合は特に、発信だけでなくコミュニケーションも積極的に取っていきましょう。
いいね
私の場合は関連するハッシュタグなどで見込み顧客層を探し、いいねしていきました。また、いいねをくれた人にいいねを返す「いいね返し」をしたり、エゴサーチして自社商品・サービスをポジティブに取り上げてくださっている方にリアクションしたりする方法も。
いいね周りの注意点は、やりすぎないことです。短時間で過剰にいいねしすぎるとシャドウバンや、場合によっては凍結されてしまうことも。こうした事態を避けるため、私の場合は朝・昼・夕方など時間帯を分けて、カウンターを使って数えながらいいねしていました。
リプライ
いただいたリプライにお返事することはもちろん、ターゲットの投稿にリプライすることも効果的です。いいねよりもリプライの方が印象に残りやすく、認知されやすくなります。
ただし、定型文やコピペでのリプライはNG。定型文を送られても相手の心には響かず、むしろ「コピペで適当に返された」と思われて、イメージが悪くなる可能性も。カスタマーサポートのように、一人ひとり丁寧に対応していきましょう。
フォロー
ターゲットをフォローするのもコミュニケーションの一つ。フォロー数:フォロワー数の比率では、フォロワー数が多い方が見栄えが良いため、フォローしていく際はフォロー数が増えすぎないように留意しておきましょう。
また、フォローに関して特に注意が必要なのが「相互フォロー」。平たく言うと、「御社のアカウントをフォローしますので、うちのアカウントもフォローしてくださいね。一緒にフォロワー数を増やしていきましょう!」といった意図で、ターゲットではない他社アカウントとフォローし合うことです。
フォロワー数は確かに増えるので、パッと見は「運用がうまくいっている感」があります。しかし、ターゲットではないアカウントと繋がってコミュニケーションしたとしても、その交流は自社アカウントの目的やコンセプトに全く合致しないもの。その結果、「フォロワー数は1万人なのにいいね数は10、集客はできていない」といったような、機能しないアカウントが出来上がってしまいます。
フォロワー数が少ないうちはつい「早くフォロワーを増やしたい!」と焦ってしまいがち。ですが、コミュニケーションにおいても、しっかりと「ターゲットの方を見る」ことを常に心がけていきましょう。
なお、いいね・リプライ・フォローなど交流方法を問わず、初めて交流する人のプロフィールや直近の投稿は確認しておくと良いでしょう。もし怪しそうな人であれば、ターゲット層であっても交流しないという選択ができます。
ステップ7:分析・改善する
投稿が溜まってきたら、Xアナリティクス(※)の数値を見て投稿の成果を分析し、改善していきます。数字を確認せずに「なんとなく伸びているかな?」といった感覚で運用してしまうと、成果に繋がらない行動に時間を費やすことになってしまいます。分析も必須のタスクです。
※Xアナリティクスとは、「どのくらい投稿が見られたか・反応を得られたか」など、投稿のデータを詳しく閲覧できるX公式ツールです。(2024年12月現在、XアナリティクスはXプレミアム加入者のみ利用可能です)
KGI・KPIを決める
SNS運用においても、KGI・KPIの2つの目標数値を設定します。
KGIは最終目標数値で、①で決めた目的達成状態を数字で表したものといえます。KPIは中間目標数値で、KGIに辿り着くまでの目印となる中継地点です。明確な数値で示しておくことで、達成状況を確認しやすくなります。月ごとなど、期間を決めて振り返っておきましょう。
KGI・KPIにどの指標を設定するかは、運用方針により様々です。例えば、見込み顧客の獲得を目的として、プロフィールに公式LINEのリンクを貼っている場合は、このような設定の仕方もできます。
- KGI:公式LINE 新規友だち月〇人
- KPI①:プロフィールアクセス数〇件
- KPI②:インプレッション数〇件
最終的に自社の目的に辿り着けるように設定すると良いでしょう。
KGI・KPIの数値は、初めはどのように設定したら良いかわからないことも多いと思います。その場合は、まずはわからないなりに設定して運用を続け、実際の数値を見て現実的な目標へと軌道修正していくと、目標を立てやすくなっていきます。
定量と定性で分析する
私が実践していた分析方法は、上でも既に紹介していますが、定量調査と定性調査の合わせ技です。
- どんな投稿が伸びたのか、逆に伸びなかったのかを数値で確認(定量調査)
- なぜその数値が表れたのか、その理由や原因を考える(定性調査)
定性調査も組み合わせるのは、「仮説は一つではないから」です。数字は動かぬ事実ですが、その裏にある人の行動や思考、状況などは複数考えられます。
- 「どのように感情が動いて、いいねしたのか?」
- 「このネタは訴求力が高いのか?」
- 「この曜日・時間帯だから見られたのか?」
などなど。
この定性調査を繰り返していくと、伸びやすい投稿の傾向が見えてきます。そして、ターゲットが求めているものや興味を持つものをより深く理解できるようになり、今後の投稿に活かしていけます。
もちろん、初めから「これが理由だ!」と特定することは難しいです。間違いながらでも、地道に仮説を立て、投稿を改善し、数字で結果を見て、また仮説を立てる…というPDCAサイクルをできるだけ早く回していくことが、自社の勝ちパターンを見つける近道です。
まとめ:準備・分析・改善が発信を支えている
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
SNSの世界はキラキラしていると思われがちなのですが、それは投稿など世の中に発信されるほんの一部だけ。舞台裏には様々な準備の積み重ねと、地道な分析・改善の繰り返しがあります。
それは、マーケティングには正解がないからです。トレンドや人の気持ちは常に移り変わっており、SNSの世界ではその傾向が特に顕著。「今、いかに勝率を上げていくか」を考えるために、常に仮説を立て、検証し、分析し続ける。それがSNS運用の実態です。
「間違ってたら直す!」「渾身の投稿だったけど全然伸びなかったな。じゃあ次どうする?」くらいのスタンスで大量行動した方が成功しやすいでしょう。
とはいえ、
- 「他の業務もあるのに、SNSにそんなに力を注げない」
- 「SNSが大事なのはわかるけど、正直めんどくさい」
- 「自己流のやり方じゃ不安」
- 「やってみたけど、うまくいかない。もう疲れた……」
という方もいらっしゃるでしょう。そんな時はぜひ、プロに伴走してもらうという選択肢も検討していただければ幸いです。
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