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【X(Twitter)運用】企業SNSアカウントが伸びない・うまくいかない時に見落としがちなこと
( 最終更新日:2025年2月6日)
「運用はしてるけど、成果が出ていない」
「今のやり方で合っているのか不安」
「何が足りないのかわからない……」
企業のSNS担当者さんの中には、こんなお悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私もかつては、SNS運用の方向性が合っているのかわからず、迷っていた時期がありました。当社・株式会社YOSCAのライティング講座「あなたのライターキャリア講座」のX(Twitter・以下略)アカウント運用担当者となったものの、自身の運用方法に確信が持てませんでした。
そんな思いが反映されてしまったのか、アカウントは思うように伸びず、ターゲット外の人もたくさん集まってしまう状態に……。

▲当社アカウント(現在は運用休止中)
そんな時、私が取り入れたのが「競合アカウントのリサーチ」。「競合のリサーチが大事」だなんて、マーケティング担当者さんなら皆さんご存知かと思いますし、私ももちろん運用初期から取り組んでいましたが、私に足りなかったのは「“深い”リサーチ」でした。
このことに気づき、運用業務に導入したところ、新規フォロワーや、いいね・リプライなど反応をくださる方々を、ほぼ見込み顧客層のみに絞れるようになっていきました。
さらに、インプレッション数(投稿が見られた回数)も月25,000→月50,000以上に跳ね上がり、より多くの方々に発信を見ていただけるようにもなりました。

▲インプレッション数の推移。運用初期は迷走していましたが、2024年2月に仕切り直し、その成果が数値として表れました。
そこで今回は、当社Xアカウント運用担当者を務めた私・五十嵐が、企業SNS運用を行う際に極めて重要な「競合リサーチ」のポイントを紹介。私が実際に行なってきた方法をもとにお届けしていきます。

本記事をお読みいただくと、Xをはじめとする各種SNSで、「競合アカウントのどこを見て、どのように取り入れるべきなのか」がわかります。
「自分なりに試行錯誤しているけど、何が正解かわからない」「アカウントを伸ばすには、どうしたらいいのかとずっと悩んでいる」など、ひとり悶々としているSNS担当者さん、ぜひご一読いただければ幸いです!
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目次
SNS運用の答えはSNSの中にある
勝ちパターンを見つけに行く
SNS運用がうまくいかない時の要因。その一つには、競合アカウントの発信内容を調査する「競合リサーチ」をしていない、もしくは不足していることが考えられます。
これがなぜ重要なのかというと、既にうまくいっている他社の事例をチェックでき、アカウントの成功確率を上げられるためです。
そもそも、マーケティングの世界には正解がありません。なぜなら、市場も顧客のニーズも常に変化し続けていて、定まることがないからです。
その変化し続ける顧客のニーズを捉えるには、顧客の思いを予想するスキルが要りますが、自分の頭だけで考えるのは限界があります。そこで役立つのが、「今まさにうまくいっているアカウント」。
今まさに軌道に乗っているということは、現在の顧客のニーズをしっかり捉えられているということ。そのようなアカウントをじっくり眺めるだけで「どんな内容に需要があるか?」がよくわかります。さらに、複数の競合アカウントで共通項が見つかれば、それはその業界の現時点における「勝ちパターン」と考えられます。
このように、市場に既にある勝ちパターンを見つけて自社に応用し、勝率を上げられるのが競合リサーチの醍醐味。「運用結果は競合リサーチで決まる」と言っても過言ではないのです。
最新の勝ちパターンがわかると意思決定しやすい
なんとなく自分の感覚で運用してしまっている場合、このようなデメリットがあります。
市場の変化に対応できない
顧客のニーズの変化に気づけないまま運用を続けても、無意味な投稿にリソースを割いて結果も出ないという、残念な未来に繋がりかねません。
視野が狭くなる
人間一人の経験や思考には限界があります。自分の脳内だけで考えて運用してしまうと、偏った視点やアイデアしか生まれず、真に顧客目線での運用が難しくなってしまいます。
客観的に議論できない
発信内容を企画提案する時、「なんとなくこう思う」では客観性に欠けてしまい、上長やメンバーの賛同は得にくいでしょう。
逆に、競合の最新の発信内容をもとに、
「現在、複数の競合アカウントでこのような共通点が見られたため、来週はこの要素を取り入れていきたいと考えています」
と提案ができれば、いま最も勝率が高そうな方法を客観的に議論できるため、意思決定もしやすくなります。
なお、「ウチのアカウント、うまくいっていないから今すぐやらなきゃ!」と、すぐさま競合リサーチに取りかかろうとするのはちょっと危ないです。競合リサーチをするにはそもそも、「コンセプト設計」という事前準備を済ませている必要があります。これは、
- 誰に
- どうなってもらうために
- どんな価値を届けるか
を決めて、そのアカウントが「誰に、何を提供してくれる何者なのか」というコンセプトを定義付けすること。いわば、アカウント発信の土台を作ることです。
コンセプトをもとに、プロフィールや投稿内容など、発信のすべてが固まっていきます。

運用中の競合リサーチの方向性もコンセプトに基づくため、コンセプト設計は他のタスクよりも先に、必ず済ませておく必要があります。
厳密には、コンセプト設計時にも競合リサーチを行います。
- コンセプト設計時の競合リサーチは、アカウントの方向性を決めるため
- 運用が始まってからの競合リサーチは、勝率を上げていくため
という細かな違いがあります。
いずれにせよ、コンセプト設計が未着手であれば、まずはコンセプト設計に着手。その上で、運用が始まったら定期的に競合リサーチに取り組んでいきましょう!
コンセプト設計の方法はこちらの記事で詳しく解説しています!
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競合アカウントの探し方
競合アカウントを見極めるポイント
「同業だから」「ビジネスのスタイルが似ているから」という理由だけで、どんなアカウントでも闇雲に競合として設定するのはNGです。
競合アカウント設定を間違えると集客が遠のいてしまうので、しっかりと今うまくいっているアカウントを見極めましょう。基準は次の通り。
- 現在、アカウントから集客できている
- 業界内・同業内と比べて、フォロワー数が多い
- 業界内・同業内と比べて、いいねなど反応が多い

なお、「実績」「権威性」「コスト」などの面で、自社とあまりにもかけ離れているアカウントの場合は、条件が違いすぎて参考にしづらいため、候補に挙げなくてOKです。
その上で、具体的にどのようなアカウントをチェックすべきなのか、2パターンを紹介します。
①同業アカウント
- 業種
- ターゲット
- 事業規模
- 商品の価格や売り方(集客導線)

これらが近くて、集客に成功しているアカウントをまず探していきましょう。「自社のアカウントを見る人にはどんな悩みがあるのか?」を考えながら探すと、より効果的な競合アカウントを見つけやすくなります。
業種やターゲットが近いアカウントでは、投稿の内容や戦略を重点的にチェックします。詳しいチェック項目は次章「競合リサーチのチェックポイント」をご覧ください。
なお、自社が運用を始めたばかりの場合、フォロワー1万人以上のいわゆる「万アカ」といわれる大規模アカウントの発信を参考にしても伸びにくいです。万アカには既に濃いファンがついており、そのアカウントらしい際立った個性があまりなくても伸びやすくなっていることも考えられるためです。運用初期には、「自社よりも少し先を行っていて、集客がうまくいっているアカウント」を見るのがおすすめです。
ちなみに、業種やターゲットが近いアカウントが見つからない場合は、残念ながら、そのSNSに市場がない可能性も考えられます。その際は「参入するSNSを考え直す」「そもそも集客施策としてSNSが最適なのかを見直す」といった動きも必要になってくるでしょう。
②ジャンル問わず、ターゲットが好むアカウント
①で紹介した「業種やターゲットが近いアカウント」はとても参考になりますが、丸パクリはNG。他社のアイデアを盗むことになってしまいますし、「競合の二番煎じ」のような既視感のある発信が出来あがってしまうことも。「参考にしつつ、競合とは差別化する」という調整が必要になります。
また、同業他社の発信を参考に運用してみても、「インプレッションが伸びない」「リプライが少ない」など、つまずきポイントは出てくるもの。その課題を解決するために、さらなるリサーチが必要になります。
そこで、次のようなアカウントも参考にすると良いでしょう。
- 自社のターゲットが好みそう
- 業界・業種を問わず、幅広いジャンル
- 集客など運用目的が達成されている

「ターゲットが見ているアカウント」という軸はぶらさず、視野をより広げるイメージです。
例えば、当社はライター講座アカウントを運用していましたが、ライティングの他にWeb系のスキルアップや副業としてよく選ばれるデザイン、プログラミングなどのスクールアカウントも参考にさせていただきました。
このようなアカウントを参考にすることで、
- 発信内容を競合と差別化する
- つまずきポイントを解消する(※)
※自社の課題が「リプライが少ない」だった場合、リプライが多くついているアカウントを見るなど、目的別にうまくいっているアカウントを参考にします。
など、同業他社のリサーチで不足した部分を補っていきます。
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競合リサーチのチェックポイント
競合アカウントのリサーチは、「ただ投稿内容だけ見ればいい」わけではありません。アカウントの隅々までチェックし、文章や画像などで目に見える形になっていない部分は仮説を立てて、そのアカウントの成功要因を探りまくります。
以下は、私が当社Xアカウントを運用していた時、競合アカウントのリサーチで洗い出していた項目です。Xの情報をベースにしていますが、他のSNSにも応用できる内容だと思います。

■アカウント情報
- アカウント名(どのような表記・肩書きにしているか)
- フォロワー数
- フォロー数
- プロフィール文章(どんな情報が書かれているかを細かく要素分解)
- 固定ポストの内容
■ビジュアル情報
- アイコン画像
- ヘッダー画像
■アカウントの方向性
- コンセプト(プロフィール文などに書いていなければ仮説でOK)
- ターゲット設定(プロフィール文などに書いていなければ仮説でOK)
■投稿内容や戦略
- 投稿テーマ
- いいねやリプライが多い内容(そのアカウントの平均よりも多いもの)
- 文字数
- 文章の型
- 言葉選び(どんな言葉を使っているか?)
- 画像添付の有無
- 画像か?動画か?
- 画像のデザイン(イメージカラー・フォント・背景・装飾など)
- いいね・リポスト・リプライ・インプレッションの平均(直近3ヵ月以内)
- 投稿時間
- 投稿頻度
- 1日の平均投稿数
■集客状況
- Xからどんな導線で集客しているか
- マネタイズの手段は何か
■改善ポイント
- 不足点
- 改善できそうなポイント
このような内容を20~30アカウントくらい丹念に見ていくと、複数のアカウントで共通するポイントや傾向が出てきます。その部分が現時点での勝ちパターンと考えられます。
ただ、先述したように、その勝ちパターンと考えられる内容をそのまま使うと丸パクリになってしまうため、もう1段階、深い作業が必要です。その詳細は次章で説明します。
なお、競合リサーチした情報は、アカウントが増えるほど膨大なものになっていきます。GoogleスプレッドシートやNotionなど、大量の情報をまとめるのに適したツールを使って、一元管理できると便利です。
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他社の成功要因を言語化し、自社に取り入れる
他社アカウントの情報を大量に見るだけで、「これをマネしていけばいいんだな!」と、なんとなくうまくいくような気分になってきてしまうことがあります。(昔の私です笑)
しかし、深いリサーチのためには、もう1歩踏み込む必要があります。
伸びている理由・原因を深掘りする
上に挙げたチェックリストの要素を一つひとつ見て、「何がターゲットに響いたのか」を言葉にして書き出していきましょう。
特に投稿内容については、「なぜ伸びたのか」「どんな感情が動いて、いいね・リポスト・リプライなど、ユーザーの反応に繋がったのか」を考えることがとても重要です。
正解はもちろん、ターゲットの方ご自身に聞かないとわからないのが実情です。しかし、
- 「こういう感情かな?」と仮説を立てる
- 仮説を適用し、次の投稿に取り入れる
- 結果を分析する

という流れを何度も繰り返すと、仮説の精度も向上。すると、他社の投稿を丸パクリせずに、その成果を再現できる可能性もだんだんと高まっていきます。
「自分はどう感じたか?」も大事にする
ターゲット目線で「なぜこの投稿に反応したのか」と考えることは当然重要ですが、「自分はどう思ったか」もヒントになります。
なぜなら、自分もターゲットも同じ人間。自分の「もっと見たい!知りたい!」「リプライしたくなった!」といった感情の動きは、ターゲットも含めた他の人にも表れうるからです。
- どこに惹かれたのか
- なぜそれを見てしまったのか
- どんなイメージを持ったのか
- なぜリプライしたくなったのか
など、自分の感情が動いた部分を言語化しておくと、ターゲットの感情を動かしたい時にとても参考になります。
競合の成功要因×自社の強みを掛け合わせる
ここまで言語化してきた競合アカウントの伸びているポイントは、次のように自社に取り入れていきます。
- 伸びているポイントを洗い出す
- 7~8割は参考にする
- 2~3割は自社の個性を出す

例えば当社アカウントの場合、競合の伸びている投稿から、
- ターゲットの方々の心理
- 読まれやすい投稿スタイル
などについて仮説を立て、当社独自の経験をプラスして次の投稿をしました。すると、通常よりも多くの反応と新規フォロワーを一挙に獲得することができました。
競合よりもワンランク上の投稿を作る方法
集客目的のSNS運用では、「ターゲットの悩みを解決する投稿」をするのが基本です。
恐らく、あなたが競合として設定したアカウントの担当者もそれを理解していて、その市場での「悩みを解決する投稿」は飽和状態かも知れません。競合リサーチすればするほど、「ここに自社の個性を足したとしても、うまくいくかな……」と悩む場面も出てくるでしょう。
そんな時に意識したいのが、「その飽和した情報を見て、ターゲットは今どんな状態になっているか」です。
例えば初心者ライターさんがターゲットだった場合、「ライターとして活躍し、稼ぐための情報」をライティング業界の各社が発信しています。その情報を見た上で、
- 「ターゲットが今、何をどこまで知っている状態か」を把握
- 「ターゲットが次にぶつかる壁、いま困っていることは何か」を予測
- その困りごとを解決する投稿を作る

飽和した情報をこのように活用できれば、他社が手を出していない、ワンランク上の領域に足を踏み入れることができます。
他社の投稿が凄すぎて圧倒された時こそ、そこにチャンスがあるかも知れません!
【X(Twitter)運用】企業SNSは何を投稿すればいいの?投稿内容を考える時に絶対押さえたいポイントと注意点
競合リサーチをする時は脱線に気を付ける
競合リサーチは、目的や問題意識、内容などをはっきりさせてから行いましょう。
SNSはものすごい量の情報が常時、ビュンビュン飛び交っている場所です。ちょっとでも他の情報に気を取られてしまうと、別の業務で必要だった情報のリサーチを始めてしまったり、自分の趣味の情報を無意識に追いかけてしまっていたりと、目的に沿わない行動をして時間をムダにしてしまいがちです。(恥ずかしながら私も過去に経験ありです…笑)
次の項目を決めて、集中して取り組むのがベターです!
- 目的と問題意識:何を解決するために、何を知りたいリサーチなのか?
- 内容:具体的に何をリサーチするのか?
- 制限時間:何時までに終わらせるのか?
まとめ:競合リサーチを継続して、変化する市場に対応しよう
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
今回紹介した競合リサーチは、アカウント運用初期だけでなく、運用中はずっと継続していくものです。冒頭でもお伝えしたように、市場や顧客のニーズは常に動いていて、正解とされるものも日々、移り変わっていくためです。
一度のリサーチで完璧を求めようとせず、定期的に競合アカウントの状況をウォッチして、仮説と検証を繰り返していきましょう。
とはいえ、
- 「競合リサーチが大事なのはわかったけど、これを常に続けていくのはキツい」
- 「競合アカウントを探すところから心折れそう」
- 「丸パクリにならないように差別化するって難しすぎる」
という方もいらっしゃるでしょう。そんな時はぜひ、プロに伴走してもらうという選択肢も検討していただければ幸いです。
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