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ロングテールSEOとは?キーワードの選び方とCVR改善のポイント

ロングテールSEOとは?キーワードの選び方とCVR改善のポイント

最終更新日:2024年3月1日)

SEO戦略で長期的な成果を上げるには、キーワード選定にこだわる必要があります。しかし、その点については理解しているものの、「CVにつながるキーワードが分からない」「競合がいるから上位表示を狙えない」のように悩んでいる方は多いでしょう。

特にリソースが限られている場合は、ニッチな検索ニーズに応えるロングテールSEOが有効な戦略です。本記事ではキーワードの選び方を中心に、ロングテールSEOの具体的な戦略やテクニックを紹介します。

◉本記事の著者
片山雄平
1988年生まれのフリーライター兼編集者。2012年からフリーライターとして活動し、2015年には編集者として株式会社YOSCAに参画。金融やビジネス、資産運用系のジャンルを中心に、5,000本以上の執筆・編集経験を持つ。他にも中小企業への取材や他ライターのディレクション等、様々な形でコンテンツ制作に携わっている。
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目次

ロングテールSEOとは?

ロングテールSEOとは、長いキーワードフレーズをターゲットにしたSEO戦略です。基本的にはニッチな市場や特定の検索ニーズを狙うことが多く、この際に使われるキーワードは「ロングテールキーワード(ニッチキーワードやスモールキーワードと呼ばれることもある)」と呼ばれます。

ロングテールキーワードには、一般的なSEO対策で使われるトピックよりも詳細なワードが使われます。たとえば、特定の商品やサービス、テクニック、解決法、スポット(場所)まで言及することで、ユーザーの具体的な検索ニーズに応えやすくなります。

<ロングテールキーワードの例>
・旅行関連のコンテンツ
「家族連れ 北海道 冬 スポット」のように、家族構成や場所、季節などのニーズに応えるキーワードにする。

・健康食品関連のコンテンツ
「高血圧 自然由来 サプリメント」のように、具体的な症状や処置方法をキーワードに入れる。

・ガーデニング関連のコンテンツ
「初心者 簡単 室内用観葉植物」のように、ターゲットとなるユーザーの技量(知識・スキル)を限定する。

ロングテールSEOの主な目的は、競争を避けながら高いコンバージョン率(※)を目指すことです。ウェブ上で検索をするとき、一定のユーザーは購入などのアクションを起こす準備をしています。ロングテールキーワードを使ったコンテンツは、このようなユーザーの検索意図を満たしやすいため、ビジネスの成果に直結しやすい特徴があります。

(※)ウェブサイトに訪れたユーザーが、具体的なアクション(商品購入や申し込みなど)を起こす割合のこと。省略して「CVR」とも呼ばれる。

ロングテールキーワードの種類

ロングテールキーワードには、大きく分けて情報型・購入型・地域型の3種類があります。

情報型キーワードは、知識や情報を求める際に使われるフレーズです。SEO関連のコンテンツを例にすると、「SEO 効果 メリット」のようなフレーズが該当します。

2つ目の購入型キーワードは、商品・サービスの購入を検討しているユーザーに訴求するためのフレーズです。「SEO対策 ツール」「SEO コンサルタント」が一例となります。

地域型キーワードは、特定の場所や地域に関連するフレーズです。「東京 SEOコンサルタント」や「SEO会社 大阪」などをイメージすると分かりやすいでしょう。

これらのキーワードを適切に選択すると、ターゲットを絞ったユーザーにリーチしやすくなり、SEO戦略の効果が高まります。

目安となる月間検索ボリューム

ロングテールキーワードの月間検索ボリュームに、厳密な定義はありません。一般的には月間1,000回未満が目安とされますが、メインキーワードの検索ボリュームに応じて変わります。

一方で、検索ボリュームが非常に多いフレーズは「ビッグワード」などと呼ばれており、月間では数千から数百万回が目安とされます。また、「ミドルワード」はビッグワードとロングテールキーワードの中間に位置するフレーズであり、月間検索数は数百から数千回程度が目安です。

ビッグワードやミドルワードと比較した場合、ロングテールキーワードの検索頻度は高くありません。ただし、その分競争が少なく、特定のニーズに合わせたターゲットにリーチしやすい特徴があります。

ロングテールSEOに取り組むメリット

ドメインパワー(※)が低いウェブサイトにとって、ロングテールSEOは重要な戦略です。現時点でアクセス数が少ないウェブサイトや、開設して間もないコンテンツでは、ビッグワードを狙う前段階としてのロングテールSEOが欠かせません。

ここからは、ロングテールSEOに取り組む4つのメリットを紹介します。

(※)検索エンジンからの評価を数値化したもの。ドメインパワーが高いウェブサイトほど、検索エンジンから信頼されやすくなり、特定の検索ワードで上位表示されやすくなる。

ビッグワードよりも検索上位を狙いやすい

ロングテールSEOでは、特定のニーズに対応したキーワードを用いることで、検索エンジンの上位表示が目指しやすくなります。この戦略は、特にドメインパワーが低い新規や小規模のウェブサイトにとって、大きなチャンスを提供します。

たとえば、新しく開設した観光系のウェブサイトが、「家族連れ 京都 観光スポット」のロングテールキーワードを選んだとします。このケースでは、関西エリアの子どもがいる世帯や、京都旅行を考えているユーザーに直接的なアプローチができます。キーワードの選び方次第では、大手旅行サイトなどの競合を避けながら検索上位を目指せるでしょう。

一方で、ビッグワードやミドルワードを狙ったSEO対策では、コンテンツの量と質に加えてドメインパワーが必要になります。

明確な検索ニーズに訴求でき、CVにつながる

特定のニーズに対応したコンテンツを製作すると、CV数の向上が期待できます。具体例として、以下の3つの分野で考えてみましょう。

<ロングテールSEOがCVにつながる例>
・旅行関連のコンテンツ
「子連れ 静岡県 観光スポット」のキーワードで製作したコンテンツは、静岡県で家族旅行を計画しているユーザーに有益な情報を提供します。有益な情報とともに、コンテンツ内に申し込みフォームなどを設置すると、お問い合わせ数の増加が見込めます。

・健康食品関連のコンテンツ
キーワードを「低糖質 美味しい 健康食品」とした場合は、ダイエット中でも美味しい食事を探しているユーザーに訴求しやすくなります。解決策となる商品を取り扱っている場合は、コンテンツ内に商品ページを貼ることで売上アップを見込めます。

・ガーデニング関連のコンテンツ
「初心者 簡単 室内植物」をキーワードにしたコンテンツは、興味はあるものの「何から始めれば良いか分からない」というユーザーに訴求できます。具体的な育て方や選び方を紹介することで、ガーデニングへの関心を高められます。

このように特定の要求に応えると、ピンポイントの悩みを抱えるユーザーにアプローチしやすくなり、購入や申し込みなどのアクションにつなげられます。

競合との差別化がしやすい

ビックワードを軸にしたSEO戦略に比べると、ロングテールSEOはテーマを深堀りできるため、独自の価値を高めやすいメリットがあります。

たとえば、旅行関連のコンテンツで「家族連れ アフリカ 旅行」のキーワードを設定したとしましょう。一般的な旅行計画(国内旅行やヨーロッパ旅行など)に比べるとターゲットが限定される一方で、特定のユーザーには訴求しやすい情報となります。

また、アフリカの国名まで深堀りすると、競合サイトがカバーしている範囲から外れることで、上位表示される可能性が高まります。各地域の観光情報を詳しくまとめれば、競合と明確に差別化できるでしょう。

このように、ロングテールキーワードによってテーマを具体化すると、コンテンツに独自の価値を持たせやすくなります。

長期的なトラフィックの獲得

ロングテールSEOを取り入れたウェブサイトは、検索エンジンのアップデートによる影響を受けにくいとされています。

たとえば、ビッグワードを狙ったSEOコンテンツは、情報が古くなると短期間で検索順位が落ちる場合もあります。競合が多く存在するため、定期的にアップデートをしないと順位を保つことも困難でしょう。

一方で、ロングテールキーワードで上位表示を獲得すると、その成果は長期間にわたって維持される傾向があります。特定のユーザーにとっては価値が高いコンテンツとなり、時間が経っても一定の検索ボリュームを期待できるためです。

長期的なトラフィック(※)を獲得したウェブサイトは、ドメインパワーが高まることで、コンテンツ全体が評価されやすくなります。

(※)ユーザーが特定のウェブサイトにアクセスした数のこと。

ロングテールSEOに取り組むデメリット

ロングテールSEOの戦略を過度に重視すると、想定外の問題が生じることもあります。目的を達成するためには、慎重なキーワード選定と戦略的なコンテンツ計画が不可欠です。

ここからは、ロングテールSEOに取り組むデメリットを紹介します。

コンテンツ単位での大きな集客は難しい

ロングテールSEOは、コンテンツ単位での大規模な集客が難しい傾向にあります。ビッグワードに比べると検索ボリュームが限られるため、基本的にひとつのコンテンツで多くのCVを生み出すことはできません。

特にCVR(コンバージョンレート)が低い場合は、期待した成果を得られない可能性があります。仮にCVRを3.0%として、実際のCV数を計算してみます。

月間アクセス数CVR3.0%でのCV数
100回3件
300回9件
500回15件
700回21件
1,000回30件

お問い合わせからの成約率を10%とすると、月間1,000回のアクセス数でも成約数は3件です。このようなシミュレーションをした上で、コンテンツ製作のコストを回収できるかについて考えることが重要です。

なお、英国の調査会社である「Ruler Analytics社」のレポート(※)によると、CVRの平均値は業界全体で2.9%とされています(2023年のデータ)。

(※)参考:Ruler Analytics「Updated 2023: Average Conversion Rate by Industry and Marketing Source

ウェブサイトの管理に手間がかかる

ロングテールSEOでは、ウェブサイトの管理が複雑になる点にも注意が必要です。

細分化したキーワードやトピックに焦点を当てると、ウェブサイト内のコンテンツ数が増加します。その結果、タグの分類やコンテンツの更新、リライトの判断などが複雑になるため、ある程度の手間がかかることは覚悟しなければなりません。

また、似たようなトピックのコンテンツが増えると、ユーザーによる情報の区別が難しくなり、SEOパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、ウェブサイトの構造をしっかりと計画し、コンテンツの管理と更新に適切な仕組みを導入することが重要です。

テーマによっては多くの予算が必要になる

多くの予算がかかりやすい点も、ロングテールSEOのデメリットです。

限られた検索ボリュームを対象にすると、一つひとつのコンテンツから大規模なトラフィックは期待できません。ウェブサイト全体でCV数を増やすには、ニッチなトピックに対するコンテンツを量産し、かつ維持(リライトなど)をする必要があります。

つまり、ロングテールSEOでは時間とコストがかかりやすいため、効率的な戦略立案やリソース配分が重要です。特に予算やリソースが限られている場合は、中長期の運用計画を慎重に考えましょう。

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ロングテールキーワードの調べ方と選び方

ロングテールSEOは、検索ボリュームやユーザーの検索意図を踏まえて進める必要があります。ここからは5つのプロセスに分けて、ロングテールキーワードの調べ方と選び方について解説します。

手順1.軸となるビッグワードを決める

ロングテールSEOは、ビッグワードを決めることから始めます。旅行関連のウェブサイトでは「国内旅行」、健康食品関連のウェブサイトでは「ダイエット」などが例として挙げられます。

このビッグワードは、ウェブサイト全体の方向性を定める基盤です。そのため、どの市場やターゲットを狙うか、競合はどれくらい存在するか、どのようなCVを目指しているかなどを踏まえて、慎重にビッグワードを選びましょう。

手順2.SEOツールなどで候補ワードを選ぶ

ロングテールキーワードの選定では、専用のSEOツールが役立ちます。SEOツールで検索ボリュームや競合の状況を分析し、適切なキーワード戦略を立てる流れが一般的です。

実際にはどのようなツールが使われているのか、以下では2つの例を紹介します。

※各サービス概要は2024年2月時点での情報。

Googleキーワードプランナー

(引用:Google「キーワード プランナーで最適なキーワード選択 – Google 広告」)

Google社が提供する、キーワードの月間検索ボリュームや競合度などを調査できるツールです。あるキーワードを入力すると、ユーザーの動向から分析した他のキーワードを提案したり、予測クリック数を表示したりする機能も備わっています。

また、ウェブサイト上に出稿する場合は、特定のキーワードにおける広告パフォーマンスを予測する機能も役立ちます。ツールの使用は原則無料なので、製作コストを抑えたいシーンにも適しています。

Ahrefs

(引用:Ahrefs「SEOの被リンク分析・競合調査ツール | Ahrefs(エイチレフス)」)

シンガポールのAhrefs社が提供するAhrefsも、キーワードの月間検索ボリュームや競合度、予測クリック数などを調査できるツールです。ドメイン単位やURL単位での分析もできるため、ウェブサイト全体の方向性を計画する際にも役立ちます。

2024年2月現在では4つの料金プランが用意されており、グレードに応じて分析できるキーワード数やウェブサイト数が変わります。手軽に導入できるライトプラン(月12,500円~)では、毎月750キーワードまでの分析が可能です。

手順3.ユーザーの検索意図を分析する

次のプロセスでは、検索クエリ(※)の背後にある真のニーズを捉えて、ユーザーが何を求めているのかを見定めます。

(※)ユーザーが検索エンジンに入力する単語や文章のこと。

たとえば、ユーザーが「バリ島 静かなビーチ」と検索するケースを考えます。この場合、ユーザーは混雑を避けてリラックスできるバリ島のビーチを探しているため、以下のような情報を求めていると考えられます。

  • バリ島の隠れた美しいビーチの情報
  • ビーチへのアクセス情報
  • 周辺の宿泊施設や商業施設

上記のように検索意図を正確に把握すると、ターゲットが求める情報を提供しやすくなります。ユーザーが抱える疑問や悩みに着目しながら、真のニーズを徹底的に分析しましょう。

手順4.競合サイトのキーワード戦略を分析する

ロングテールSEOはすでに多くのウェブサイトが採用しているため、競合の分析も欠かせません。まずは、競合サイトがどのキーワードで成果を上げているかを調査し、さらにコンテンツの質や種類、バックリンク(※)の構造まで分析しましょう。

(※)ほかのウェブサイトに設置されたハイパーリンクのこと。

競合サイトの分析が終わったら、自身のコンテンツに適用できるキーワードやテーマを考えます。差別化を図ることにも重点を置いて、自身の強みを活かしたキーワード戦略を考えてみてください。

手順5.ロングテールキーワードを決める

分析した情報をもとに、対策すべきロングテールキーワードを決めます。以下では、キーワード選定で意識したいポイントを簡単にまとめました。

<ロングテールキーワード選定のポイント>

  • ウェブサイト全体の方向性からビッグワードを選ぶ
  • 競合が少ないフレーズを選ぶ
  • ユーザーの真のニーズを捉える
  • 強みを活かせるキーワードやテーマを選ぶ
  • CVRやアクセス数から、適した検索ボリュームを判断する

CVを意識したときに成果を期待できない場合は、手順1からやり直してみましょう。

ロングテールSEOを成功させる4つのポイント

ロングテールSEOを成功させるポイントは、以下の通りです。

<ロングテールSEOのポイント>

  • コンテンツ制作のゴールを決めておく
  • 関連性・専門性があるキーワードを選ぶ
  • 内部リンクでウェブサイトの滞在時間を伸ばす
  • 定期的なブラッシュアップを心がける

ここからは、ロングテールSEOを成功に導くテクニックや工夫を紹介します。

1.コンテンツ制作のゴールを決めておく

実際のコンテンツ制作では、ターゲットのニーズや目的に基づいて明確なゴールを設定することが重要です。ゴールに沿ってウェブサイト全体の計画を立てると、正しい方向性で施策を進めやすくなります。

コンテンツ製作の目的は「読者のニーズを満たすこと」と「CVにつなげること」ですが、このプロセスでは具体的なゴールを設定する必要があります。具体例として、旅行関連のコンテンツ製作を考えてみます。

旅行関連のコンテンツでは、読者が忘れられない旅行体験を提供することや、目的地でのアクティビティ(施設やアクセスを含む)選びをサポートすることがゴールと考えられます。このようなゴール設定をしておくと、ターゲットごとに提供すべき価値(情報)が分かりやすくなります。

<例1:家族連れの旅行者の場合>

「家族全員で楽しめる旅行計画を立てたい」がユーザーの目標になるため、「子どもが楽しめるテーマパークガイド」や「家族向けの安全なビーチリゾート」などの情報が好まれます。

<例2:一人旅や冒険が好きな旅行者の場合>

「冒険心を満たせる体験がしたい」がユーザーの目標になるため、「未知の地を探検できるハイキングコース」や「エキサイティングな水上アクティビティ」などの情報が好まれます。

上記のように、具体的なゴールからユーザーの目標・目的を深堀りし、ウェブサイト全体の方向性を決めましょう。

2.関連性・専門性があるキーワードを選ぶ

関連性と専門性も、ロングテールキーワードの選定では重要なポイントです。

自身との関連性が薄いコンテンツは、商品やサービスなどのCVにはつながりません。また、コンテンツの専門性が下がると、ユーザーにとっての価値や独自性が損なわれるため、期待するトラフィックを生み出せなくなる可能性があります。

ロングテールSEOの目的は、特定のターゲット層への直接的なアプローチなので、広く浅くカバーするのではなく、関連性・専門性にこだわったコンテンツを目指しましょう。

3.内部リンクでウェブサイトの滞在時間を伸ばす

ロングテールSEOにおいて、一つひとつのコンテンツが生み出すトラフィックは限られます。多くのCVを獲得するには、ウェブサイト全体でトラフィックを増やす施策が必要です。

具体策としては、内部リンクを活用する方法が挙げられます。たとえば、各コンテンツに関連ページへのリンクを挿入し、読者が興味を持ちそうな内容を提案すると、ウェブサイト全体の滞在時間を延ばせるでしょう。

このように、ウェブサイト内のコンテンツをグループ分けして、内部リンクでつなぐ戦略は「トピッククラスター」と呼ばれています。

<トピッククラスターのコツ>

  • ユーザビリティ(利便性)を意識する
  • 自然なアンカーテキスト(リンクのテキスト文)を使う
  • 混乱を避けるため、過剰な内部リンクは避ける
  • 一貫性を保つために、ヘッダーやフッターも意識する

内部リンクはユーザーが活用するものなので、使いやすさや見やすさを重視することが大切です。

4.定期的なブラッシュアップを心がける

どのようなコンテンツも、時間が経過すると情報が古くなります。つまり、情報の価値は自然と下がっていくため、既存コンテンツは定期的にブラッシュアップをしましょう。

古くなっている情報を削除したり、新たな情報を追加したりする作業は「リライト」と呼ばれます。リライトは長期的なSEO戦略には欠かせないプロセスであり、最新のSEOトレンドに合わせて内容を調整すると、検索順位に良い影響をもたらします。

ウェブサイト全体の信頼性や権威性にも関わるため、特に情報が古くなった場合は早めのブラッシュアップを検討してください。

ロングテールSEOの注意点

ロングテールSEOは、どのようなマーケティングにも有効な方法ではありません。ニッチなキーワードに焦点を当てるため、ターゲットが絞られる点は十分に理解しておく必要があります。

CVにつなげるためにも、実際の施策では以下の注意点を意識しましょう。

内容の重複を避ける

ロングテールSEOは、コンテンツの内容が重複しやすい戦略です。特にひとつのビッグワードから展開する場合は、各コンテンツが独自の情報を提供できるように設計をしなければなりません。

同一ウェブサイト内での重複するコンテンツは、検索エンジンのペナルティ対象になる可能性があります。アップデートにより、膨大なコンテンツの検索順位が下がるリスクもあるので、内容の重複はできるだけ避けましょう。

内部リンクを適切に配置する意味合いでも、類似コンテンツは避けることが重要です。

ディレクトリ構造を意識する

ディレクトリ構造とは、各コンテンツのカテゴリやジャンルを階層別に表したものです。ロングテールSEOでは特に重要性が高く、ディレクトリ構造を意識するとナビゲーションが向上するため、ウェブサイト全体のユーザビリティ(使いやすさ、見やすさ)が向上します。

<ディレクトリ構造の例(※旅行コンテンツの場合)>

ロングテールSEOではキーワードを細分化するため、ディレクトリ構造が深くなることが予想されます。その影響でカテゴリやジャンルが膨大になると、ユーザーは必要なコンテンツをスムーズに探すことができません。

ウェブサイトの滞在時間やCVRにも影響するため、ディレクトリ構造はコンテンツの計画段階から意識しておきましょう。

自然なタイトルや見出し、本文を意識する

自然なタイトルや見出し、本文の作成は、ユーザーと検索エンジンの両方にとって重要です。特にロングテールキーワードを使う場合は、自然で読みやすいコンテンツを意識しましょう。

たとえば、旅行関連のコンテンツで「京都での静かな週末の過ごし方」をテーマにする場合は、「京都 週末 旅行」のキーワードを適度に取り入れつつ、ユーザーが求めている情報を充実させていきます。一方で、「京都旅行で週末にぴったりな京都旅行スポット」のようにキーワードを詰め込む施策は、読みにくさによってユーザビリティが下がるため、検索エンジンによる評価も低下してしまいます。

ロングテールキーワードを強引に含める必要はないため、あくまでユーザーファーストを意識して、自然に読めるコンテンツを目指しましょう。

ロングテールSEOの業界別事例

ロングテールSEOはさまざまな企業で活用されており、中には相性が良い業界も存在します。以下では3つの業界を例に挙げて、ロングテールSEOの活用事例を紹介します。

事例1.商品に関連するキーワードで比較コンテンツを製作/小売業界

小売業界では、商品関連のロングテールキーワードを活用する例が見られます。たとえば、製品情報を比較できるコンテンツを量産すると、消費者が感じている疑問や不安に対して、直接的なアプローチができるでしょう。

分かりやすい例としては、「最もコスパの良いスマートフォン(コスパ 良い スマートフォン)」や、「おすすめの子ども用自転車(おすすめ 子ども 自転車)」などが挙げられます。具体的な製品情報を求めるユーザーに対して、詳細な比較やレビューを提供することで、購買意欲を刺激できる可能性があります。

事例2.地域ごとの物件情報をコンテンツ化/不動産業界

不動産業界のロングテールSEOでは、地域別の物件情報をコンテンツにする施策が見られます。

東京都や大阪府のように特定の地域にフォーカスすると、そのエリアへの引越しを考えているユーザーに直接アプローチができます。そのほか、間取りや設備、周辺環境などの条件を細分化し、ロングテールキーワードにする方法も考えられるでしょう。

不動産業界では、性別や年齢、家族形態、希望している契約などのユーザー属性を細分化すると、ロングテールキーワードを決めやすくなります。

事例3.作品別コンテンツで流入を狙う/ウェブメディア業界

ウェブメディア業界では、作品別やジャンル別のコンテンツで流入を狙うケースが見られます。

たとえば、「日本 ホラー映画」「海外 アクション映画」などの切り口でコンテンツ製作をすると、特定のジャンルを好む層からのニーズに応えられます。コンテンツの内容としては、作品ごとの詳細なレビューや専門家による分析などが考えられるでしょう。

映画や書籍、音楽などの芸術系コンテンツには、ファンの集うコミュニティが存在することもあります。そういったコミュニティに対して訴求できるコンテンツを製作すれば、ウェブサイトの認知度が一気に広がるかもしれません。

ロングテールSEOでCV向上を目指そう

ロングテールSEOは、リソースが限られたウェブサイト運営で有効な戦略です。ニッチなキーワードを活用することで競合を減らし、ユーザーの検索意図に合わせたコンテンツ提供を可能にします。

正しい方向性で施策を進めれば、特定のニーズを持つユーザーに直接アプローチができ、高いコンバージョン率を目指すことができます。本記事の内容を参考にしながら、ウェブサイト全体のコンテンツ計画を考えてみてください。

本記事の内容が、貴社のビジネスにプラスとなりましたら幸いです。実際にロングテールSEOを進めるにあたって不安や懸念などがございましたら、お気軽にご相談くださいませ。

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片山 雄平
1988年生まれのフリーライター兼編集者。2012年からフリーライターとして活動し、2015年には編集者として株式会社YOSCAに参画。金融やビジネス、資産運用系のジャンルを中心に、5,000本以上の執筆・編集経験を持つ。他にも中小企業への取材や他ライターのディレクション等、様々な形でコンテンツ制作に携わっている。
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