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Webライターとは?(仕事内容・働き方・年収など 業界10年の専門家が解説)

Webライターとは?仕事内容・働き方・年収などを業界10年の専門家が解説

最終更新日:2024年1月18日)

Web上にアップする記事コンテンツを執筆する仕事、Webライター。

「誰でもなれる」と言う人も多いですが、実際のところ、そこまで軽い仕事ではありません。今や誰もが手に持つスマホの検索を支える、重要で意義深い仕事であると考えています。

この記事では、記事作成代行の専門企業として10年近くにわたりWebライティングを請け負ってきた、また2020年からはライター講座の運営も勤める株式会社YOSCAの阿部(@abemichihiro)が、「Webライターとは何か」について徹底的にまとめました。

  • Webライターの使命とは
  • Webライターの執筆”以外”の仕事とは
  • Webライターを続けられる人の特徴とは
  • Webライターの働き方と、どれくらい稼げるのか

といった情報を、全て本音で載せています。

Webライターの実態が気になる全ての方にとって納得できる内容になったと自負しています。どうぞご覧ください。

▼こちらは弊社の編集者・ライターの語る「フリーライターのよりどころラジオ(YouTube)」です。記事内でも関連動画を10個ほど紹介しました。長文を読むのがツライという方は、これらのラジオを聞くだけでも参考になると思います。

Webライターとは

文章を書いて生活をしている人をライターといいます。仕事を請け負って執筆する場合、依頼主の要望に基づき、情報を集めて文章にまとめています。

Webライターは、その中でも公開する記事が主にWeb(インターネット)であるライターのことを指します。仕事を獲得するのがWeb上であるとか、情報収集がWebからのみだということではありません。当然、人にインタビューしたり現地に赴いて取材したりということは頻繁に行いますし、我々YOSCAの受けている案件も今や大半が取材を伴います。

Webライターの使命〜Webの信頼性を上げる担い手〜

Webライターの使命、それはWebの信頼性を上げることだと考えています。Webに貢献し、Webで情報を探す全ての人の手助けをする仕事、それがWebライターです。

書いた記事をWeb上で見つけてもらうにはSEO(検索エンジン最適化)の知識が必要だ、だからSEOライティングを学んだ方が良い……などという説明をそこかしこで目にします。

しかし、検索エンジン最大手であるGoogleは、信頼できる情報をユーザーに提供することを一心に考えて日々アップデートを繰り返しています。(なおGoogleの考え方については、Google自身が公開しているGoogle検索の仕組みGoogleが掲げる10の事実などをご覧ください)

よりWebを使いやすく豊かにすること、信頼できる情報を分かりやすく整理して伝えること。それこそがWebライターの使命であり、ひいては世間一般で必要といわれるSEOにも通じるのです。

WELQ問題とその後

2016年に起こったWELQ問題を覚えている方も多いでしょう。ディー・エヌ・エーの運営する医療系キュレーションサイトが、医学的根拠のない記事を大量に掲載していました。実際、医師による監修などは行っておらず、サイトは閉鎖になりました。

この問題が起こった時、私は「Webライティングの仕事は減るかな」と身構えたものでした。Webへの信頼性が地に落ちた、少なくとも世間的にはそう見られていると思ったのです。ただ事態は逆で、仕事量は変わらなかったか、むしろ増えたように記憶しています。Webに対する信用はまだある。そして真摯に、実直に記事を作るWebライティング業への需要は高いと感じた一件でした。

Webライターの仕事〜「執筆」と「執筆以外」〜

Webライターも、ライターといえど執筆だけを行っているわけではありません。ここからは、ライターの仕事を大きく分けて2つ、執筆と執筆以外に分けて見ていきましょう。

【1】執筆〜ひとり記事を書く業務〜

執筆の工程は以下のように分解できます。

  1. ユーザーの求めていること(ニーズ)を把握する
  2. ユーザーの課題を解決する情報を提供する
  3. 事実に基づいて正確に記述する

ご覧の通り、いかにユーザー(読者)に満足してもらえる情報を正確に提供できるかと四苦八苦しています。順番に見ていきましょう。

1)ユーザーの求めていること(ニーズ)を把握する

「このコンテンツは自分にとってためになるコンテンツだ」と思ってもらうためには、ユーザーが求めていることを把握すること、ニーズの深掘りが欠かせません。

ニーズを深堀りするというのは、表面的なニーズだけでなく、本当に解決したい課題は何かと考えることです。

例えばこの記事(Webライターについて紹介する記事)でいえば、表面的なニーズとしては「Webライターについて知りたい」といえます。ただそれだけに応えるのではなく、その奥にあるニーズ「Webライターとして仕事を得る方法を知りたい・生活する方法を知りたい・自分は向いているのか知りたい」といった点まで応える記事を目指す、ということです。

表層的な考えに留まらず、その裏にはどういった思い・考えがあるのだろう」「それにどう応えたら良いのだろうと考え尽くすことが求められます。後述する通り、Webライターは考え続けられる人がやっていける仕事だと思います。

2)ユーザーの課題を解決する情報を提供する

ニーズ・課題を把握したら、それに応える解決策を提供します。

例えば「パソコン 壊れた」というキーワードで検索すると、「パソコンがシャットダウンしたときの対処法」などといった記事が表示されます。何か困ったことに直面したユーザーに対して、問題解決の情報を提供することをWebライターは求められます。

ユーザーとしては、分からないことがあった時に情報を求める手段はWebだけに限りません。知り合いにLINEで聞く、本屋や図書館に行く、専門の機関に問い合わせる、といった方法も取れます。ただ、「パソコン 壊れた」のように緊急性が高かったり、「目玉焼きの作り方」のようにわざわざ書籍で調べるほどではないがちょっと知りたかったり、ということはよくあります。

この記事を読んでいる皆さんも、「Webライターについて知りたい」という方がほとんどだと思いますが、

  • 知り合いにWebライターがいないので聞くことも難しい
  • かといって書籍を参照するほどでもない
  • まずは検索してみよう

と思ったのではないでしょうか。そんな方に期待以上の情報を届け、ユーザーの問題を文章で解決することでWebの信頼性を高めることこそ、Webライターの仕事であるといえます。

1)と2)で述べたニーズ・課題の把握とそれに応える解決策の提供という観点は、クリステンセン教授の名著『ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム』からも大いに学びが得られます。こちらはイノベーションの創出をテーマとしていますが、記事作成にも応用できる考え方が満載です。

3)事実に基づいて正確に記述する

「Webの信頼性を高める」ためには、信頼できるソースからリサーチを行い、正しい情報で記事を書かなければいけません。1つの情報を鵜呑みにしたり、思い込みのまま書いてしまったりせずに、情報の正確性を検証するため入念にリサーチを行う必要があります。

限られた時間の中で、必ずしも自分の専門ではない分野において、先入観を排して事実をもとに記述することは容易ではありません。自分の興味のない分野であれば、なおのこと情報収集に抵抗を覚えることでしょう。しかし、これを逆手に取って「新しい知識をどんどん増やせる夢のような仕事!」と捉えられるなら、続けていけると思います。(詳しくは後述します。

なお余談ですが……ライティングをする上では、事実に対して謙虚になることが重要だとつくづく感じます。以下のような書籍を読めば、自分の考えがいかに思い込みに支配されているかを痛感するでしょう。


上記1)〜3)は執筆の手順の中でも特に重要と思われる部分を抜き出してご紹介しました。ライティングのより細かい手順については以下をご覧ください。

【2】執筆以外〜外部の人間とやり取りする〜

むしろ、「Webライターの仕事」として気になるのは執筆以外の面かもしれません。確かに文章を書いている時間が大半だと思いますが、一方で人と関わる仕事も行います。

1)営業活動

既に冒頭で「依頼主の要望に基づき、情報を集めて文章にまとめる仕事、それがライターです。」と述べました。特に請け負いのライターの場合、依頼主を見つけることが仕事獲得の条件となります。ここは詳しく述べたいのですが、ライターの営業活動・戦略についてはそれだけでも1本のブログや書籍が書けるほどのボリュームになるので、ここでは弊社が販売している教材のご紹介に留めます。

弊社でライターとして活躍しており、1〜2ヶ月先まで仕事がいっぱい西東(さいとう)が、ライターの営業方法を動画教材にまとめたものです。

  • 営業の基本と仕事選びの考え方
  • 営業先の分類と2種類の営業活動
  • セルフブランディングの方法(プロフィール、ポートフォリオ作成)
  • 見積もりのテクニックと報酬アップのポイント
  • 仕事獲得、キャリアステップのケーススタディ

が学べる内容になっています。

初めての仕事獲得から単価アップ・リピートまで!仕事が舞い込むライターになるための営業マニュアル

» 高単価・リピートを実現!仕事が舞い込むライターの営業マニュアルを見てみる

関連するYouTubeもあったので紹介します。上記の教材を作成した西東が、営業活動の失敗談を語ってくれました。

こちらはライターの交流の深め方。我々のような企業もご紹介でお仕事をいただくことが多いですが、ライターもまた人とのつながりで仕事を獲得することが多いように思います。

2)依頼主とのやり取り・交渉

依頼時はもちろんのこと、執筆中であっても一緒に良いものを作っていくために積極的にコミュニケーションを取っていきます。最近はチャット(ChatWorkやSlackなど)やメールがほとんどではないかと思いますが、電話やミーティングを積極的に活用する依頼主の方もいるでしょう。

大前提として、依頼する側も決してプロだとは限らないということを肝に銘じましょう。「こんな感じで依頼してみたいのだけどどうだろう?」と自信なさげに依頼してくるというお客様は大勢いらっしゃいます。むしろそういった方こそ、プロであるライターの方から積極的に介入し、案件を整えてあげる姿勢が求められるでしょう。「このライターに相談したらスムーズに進行する」と分かれば信頼の獲得間違いなしです。

関連したことを以下のYouTubeでも語っていました。

また、依頼主は一緒に制作物を用意していくビジネスパートナーである一方、業務を通じた契約関係にある取引先です。難しい仕事に対しては代替案を提案するかお断りする、報酬や納期などの条件に難があるので折り合いがつくよう提案する、などという交渉も必要となります。

何でも唯々諾々としたがって仕事をするというのも(仕事獲得が容易になるので)戦略の一つだとは思いますが、信頼の置ける依頼主であるからこそ、また本気で仕事に取り組むからこそ、本音でのやり取りが必要になることもあるでしょう。「お金をもらっているから」と必要以上に卑屈にならず、誇りを持って交渉を行えば、依頼主の方もきっと本気で向き合ってくれるはずです。

3)取材(インタビュー・写真撮影)

先述した通り、我々のようなWeb系の記事作成会社であっても、もはや取材を含む案件の方が多いように思います。取材の案件は比較的首都圏に集中しますが、一方で全国各地の取材を行う案件も時折受けており、その際には「地方在住でかつ取材に対応できる」というライターの方は重宝します。

インタビュー取材についてはまた別の記事で詳しくまとめているので、細かい業務内容はそちらをご覧ください。

また、弊社ではVR(バーチャルリアリティ)を使って一人でインタビューを練習する教材も販売しています。「インタビューは場数が大事」といいますが、なかなか未経験者が練習する機会が持てないのがインタビューです。今すぐ必要ではないかもしれませんが、Webライターとして次のステップに進みたいという時に思い出していただきたいです。

YouTubeでもインタビューに関するトークがありました。失敗談を聞く機会もあまりないので参考になると思います。

4)企画・立案

ライターとして信頼を置かれるようになっていくと、仕事の幅も広がっていきます。例えば、

  • 最初は構成通りに執筆するよう求められる
  • 次に、テーマを与えられて構成づくりから任せられる
  • 次に、テーマの立案から任せられる

といったようにです。業務に応じて報酬が決まっているので、仕事が多くなればそれだけ得られる対価は多くなるのが普通です。

「企画を立てる」というと難しいもののように感じるかもしれません。ほとんどの場合、立てた企画が通らなければ(つまりボツになれば)その分の報酬は得られないでしょうから、かえって非効率的ということも考えられます。

ただ、企画を立てることは先述した

  1. ユーザーの求めていること(ニーズ)を把握している
  2. ユーザーの課題を解決する情報を提供する

の延長に過ぎません。結局のところ、問題は「そのメディアに訪れる人にどんなニーズがあるのか」「その課題を解決する情報をこちら側が提供できるのか(取材が必要なら、誰に取材すれば良いのか)」という点であり、それさえクリアできれば企画は十分通ります。

企画術については、テレ東ディレクター高橋弘樹氏の『1秒でつかむ 「見たことないおもしろさ」で最後まで飽きさせない32の技術』は面白かったです。

5)編集・ディレクション

Webライターとしての仕事の幅の広がりとしては、工程のより上流に関わる、つまりライターに依頼・指示する立場になるという方法もあります。

YOSCAで稼いでいるライターは軒並みこの編集・ディレクション業をライター業と併せて請け負っています。ライティングの場合、自分が書いている瞬間のみが稼げている時間となりますが、依頼する立場になれば、自分自身が動いていなくてもライターが書き進めることで自分の稼ぎに寄与します

これが向いているかどうかは人によって異なります。複数名のライターと同時並行でやり取りする必要があり、中には「納期通りに納品しない」「納品された原稿のクオリティが不十分」といったことも十分起こりえます。自分でない人を頼るからこそ、自分ではコントロールしようのないリスクも発生するのです。なおかつ、記事をまとめて納品する依頼主が存在し、その依頼主とのやり取りも発生します。いわば依頼主とライターとの間に挟まれる中間管理職という側面もあります。

外注するライターとの付き合い方については、これら2つの記事が参考になるでしょう。

Webライターを続けられる人・3つの条件とは

Webの信頼性を文章で担保するWebライターという仕事を続けていくために、必要な適性や考え方とは一体どのようなものなのでしょうか。

私は、「考え続けられる人」「学び続けられる人」「信頼を得られる人」であると考えます。

【1】考え続けられる人

読者が何を求めているのか、どんな問題を解決したいのかを考える。それを少しでも読者にとって読みやすい、分かりやすい形で情報を届けるにはどうしたら良いかを考える。クライアントが求めているもの、発信しようとしているものは何かを考える。クライアントのメディアを成長させるにはどうしたらいいかを考え、企画を考える。

このように、ライティングは考えることの連続です。しかも、一度出した答えが通用するとは限らず、一度考えてはまた再考する、スクラップアンドビルドを繰り返します。もちろん期限があるので永遠に考え続けられるわけではないですが、目一杯の時間を使って考え尽くすことが求められます。

反対に、すぐ答えに飛びつこうという人は続けるのが難しいでしょう。「パソコン一つでできる」とよく言われますが、パソコンはあくまで道具に過ぎず、あなたの頭をフル稼働させる仕事です。

【2】学び続けられる人

自分が既に知っている情報について書くよう依頼されることは稀で、新しい情報をどんどん仕入れる必要があります。

自分が全く未知のジャンルについて相談された時に、「自分は全く知らないから・興味ないから……」「自分は文系だから、理系のジャンルはちょっと……」と依頼を断るのはもったいないです。依頼をする側は、仮に今は未知でも勉強してもらえそうだと思って相談しているはずです。それに、(医師や弁護士並みの知識が必要など)本当に専門知識が必要なジャンルならそもそも相談しないでしょう。今は馴染みのない分野でも、まずは勉強してみようと思える。そうした知的好奇心がないと続けていくのは難しいと思います。

私の知り合いのライターは、「大人になってもお金をもらいながら全く未知の分野について勉強をさせてもらえる。こんなにありがたいことはない」と言っていました。学び続けられることを喜びと捉えられるような人なら、ライターとして続けていけるでしょう。

ちなみに、作家の佐藤優氏は月に300冊を読むと公言しています。ここまで読めるかは別にしても、普段からジャンルを問わず読書に親しみ、自分の世界・可能性を広げていきたいですね。本によって一冊の分量は全く異なるので冊数によって読書量を計るのもどうかと思いますが、私で言うと年間100〜120冊ほど読んでいると思います。

自分の知見を広く持つことの有用性については、ビル・ゲイツも絶賛しているという書籍『RANGE(レンジ)知識の「幅」が最強の武器になる』が参考になります。広く、浅く教養を広げるのは大きな意味があるのです。

勉強についてもいくつかYouTubeがアップされていました。やはりライターと勉強は切っても切れない関係にあるのでしょう。

【3】信頼を得られる人

Webライターの仕事はWebの信頼性を担保する仕事だと述べました。それと同じくらいクライアントからの信頼を得ないとWebライターは続けられません。

実は、依頼主(編集者やメディア担当者)は常に良いライターを探し続けていますし、ライターが足りなくなったら知り合いの編集者に紹介してもらうこともあります。そうした時にあなたの名前を挙げてもらうためには、「信頼できる」「依頼しやすい」という点をクリアしておくことが不可欠なのです。

とはいえ、信頼を得ることには大したテクニックは必要ありません。「スムーズにコミュニケーションが取れる」、「約束を守る」、この2つで十分です。

〈信頼を得る方法1〉スムーズなコミュニケーション

高度なPCスキルが必要なわけではありませんが、ChatWorkやSlackといったよく使われるチャットツールには親しんでおきたいところ。通知が来たのを見逃して何日も放置していた、なんてことがあると、大きなチャンスを逃しかねません。依頼を相談するこちらとしては、チャットを送ったものの数日返信がないだけで「依頼は難しいな」と思ってしまいます。

また、あまりコミュニケーションの文面が硬いとやり取りしづらい印象を与えてしまいます。メールだけ、チャット上だけでやり取りするということも珍しくないでしょうから、文字のコミュニケーションの中でいかに接しやすい雰囲気を作り出すかがポイントです。自分から柔らかくしていくことは難しいかもしれませんが、依頼主の様子を見ながら

  • ビックリマーク(!)やクエスチョンマーク(?)を使う
  • 顔文字/絵文字を使う
  • 天気の話や身体を気遣う文面を入れるなど、仕事以外の話題を取り入れる

という形で距離を縮めるのも良いでしょう。

また怠りがちですが、チャットなどのサムネイル(画像)は必ず設定しましょう。顔が見えない相手とのビジネスに抵抗を覚える人もいるので、できれば自分自身の顔写真が良いでしょう。何も設定せずデフォルトのまま放置していると、それだけでだいぶ硬い(取っつきづらい)印象を与えてしまいます。

チャット術についてはこちらで語られています。

〈信頼を得る方法2〉約束を守る

代表的な約束は納期です。

基本的にクライアントはスムーズに仕事を回すことを考えています。納品が遅れると、クライアントからの信頼は得られません。納期厳守を前提とし、どうしても遅れそうな場合は前もってクライアントに相談しましょう。

また、案件ごとのレギュレーション(規則・要件)も大事な約束です。特に、一度受けた指摘は二度と繰り返さないように気をつけましょう。依頼主としては、個々のライターに指示をするというのは大きな労力を伴います。

納期遅れの原因、および納期に遅れそうな場合の対処法についてはこちらをご覧ください。


Webライターの仕事では、「SEOの知識」「Google上位表示の実績」「いかにPV数を伸ばせるか」といったようなスキルが脚光を浴びがちです。たしかにそういったスキルも大事ではありますが、「それができないとダメだ」と自信喪失する必要はありません。

これらの具体的なスキルは、「Webの信頼性を担保する」という基本理念を理解してから身につけていく実践的なものです。逆に言えば、その基本理念さえ理解しておけば、Webライターの仕事は怖くありません。

Webライターの働き方と年収

Webライターとしての働き方は大きく分けて2つ、企業に勤める方法とフリーランスとして働く方法が考えられます。

企業に勤める働き方と年収

私達はフリーランスのライターの方に依頼をする編集プロダクションのため、フリーランスの実情はある程度把握していますが、一方で企業に勤めるライターの状況は残念ながらあまり語れるものがありません。

就職情報については、他のサイトに頼ってしまって恐縮ですがindeed求人ボックスなどをご覧ください。これらの募集を見てみると、時給での募集もある一方で、年収300〜500万ほどの募集も見受けられますね。国税庁によれば、日本全体の平均年収が461万円であることを見ても、ごくごく平均かやや低め、というところでしょうか。

フリーランスの働き方と年収

フリーランスで働く場合は自力で依頼主(取引先)を見つけ、個別に契約していきます。クラウドソーシングを使うなり直接取引をするなり、仕事の見つけ方はいくつかありますが原則としては一緒です。

さて、彼らの収入ですが本当に千差万別です。そもそも、当社を含め複数の企業とお付き合いしているライターの方がほとんどなので、当社からお支払いする金額だけで収入を推し量るのも難しいのですが、それでも多い方だと年間で700〜800万円ほどお支払いしています。当社と長くお付き合いのあるライター秋カヲリ独立してから1年半で年収1,000万に到達したとのことですが、実際に我々がお支払いしている報酬額を鑑みても、年収1,000万は実現可能だと思います。

フリーランスでお仕事をされるライターが収入を上げるのであれば、

  1. 分野を問わず何でも受け続ける(依頼されやすい基礎を作る)
  2. 長文が書けるようになる(5,000文字や10,000文字といった長文でも崩れないような書き方を学ぶ)
  3. 執筆だけでなく編集/ディレクター業務も請け負う(業務の幅を広げる)

の3点が有効だと思います。「単価を上げるには専門性を持とう」ともよく言われるのですが、専門性の必要な案件は自ずと案件数も限られます。周りのライターを見ても、何でも分野問わず勉強しながら書く、そうして書ける分野を広げていく方が近道なように思います。

専門性についてはYouTubeでも語られていたので紹介しておきます。「ライターなら専門性を持っている」というイメージは広く浸透しているようですね。

ちなみに、お金になる分野というのも確かにあります。医療・美容・金融・法律・不動産など、元からお金が集まる、人の欲望(長く生きたいとか、お金を稼ぎたいとか、モテたいとか)が集まる分野です。幸い、これらについては本屋や図書館に行けば参考文献が山のように置かれているので独学しやすいです。難しそう……と敬遠せず、自分のためにもなると思って勉強してみると仕事の幅が広がり、単価も上げやすいでしょう。

自分の単価は自分で決める―未経験・初心者だからといって卑屈にならない!

ここまで読んで「自分はできなさそう」と思ったとしても、自信喪失する必要はありません。

未経験からいきなり高単価案件を取るのはたしかに容易ではありません。しかし伝えておきたいのが、「自分は初心者だから」と文字単価0.X円といった超低単価案件を受けてしまわないようにしていただきたい点です。超低単価案件を取り続けていると、それだけで消耗し、前述のような「自分で考え、工夫する」ということができなくなってしまいかねないからです。

初心者でも、文字単価1円以上(これでも高いかどうかという気もしますが……)の案件を受注することは充分に可能です。自分を過度に低く見積もらず、自信をもって案件を受注しましょう。

まとめ

Webライターについて今のところお伝えできる情報をできる限り盛り込みました。

もう一度伝えたいこと、これだけは強調したいことがあります。それは「WebライターはWebの信頼を守る番人」だということです。

Webで情報を得たい、知らなかったことを知りたいという全ての方を満足させるだけの文章を提供する。そういった使命がWebライターにはあります。「Webには情報が溢れている」と十年以上前から言われていますが、それでもまだコンテンツは生み出され続けています。これからもきっと、人間が進化し続ける限り、新しい情報が発信されていくでしょう。そうした文化の担い手、それがWebライターなのです。

Webをより充実させる、より信頼を寄せられるものにする――そのために共に尽力していきましょう。

なお、冒頭でも述べた通り当社ではライティング講座「あなたのライターキャリア講座」を運営しております。Webライターになるにあたって身に付けていただきたい「ライティングの思考法」をお伝えしています▼

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編集協力:田村 アキ

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阿部道浩
新潟県三条市出身。2011年に都内の私立大学を卒業後、在学中からインターンとして参画していたモバイルサイト運営会社に就職。Webコンテンツの制作・編集業務に携わった後、2012年に記事作成を専門とする株式会社YOSCAを代表の宮嵜と二人で立ち上げる。編集業務のほか、法人営業、マーケティング、編集およびライターのマネジメントを経て、現在は「あなたのライターキャリア講座」の開発・運営を主に行っている。趣味は読書で、世界の古典文学から経営書まで年間100冊前後読む。